最強の夏用ライディングパンツなのですが・・・
以前も書きましたが、僕の愛用している夏用ラインディングパンツは、クシタニの「エクスプローラーメッシュジーンズ」です。
デニム風ですが、「エグザリートレザー」という撥水性に優れたウォッシャブルレザーを採用したレザーパンツです。
革なので引き裂き強度が強く、万一の転倒の時にも安心。
革なのでエンジンからの熱を遮り、
革だけどパンチング穴が開いているので蒸れず
革なのに水に強く雨をはじき、
革なのに汚れたら家庭で洗濯が出来る
見た目はジーンズなので比較的誰にでも似合い、
スタイルはジーンズなので、歩いたり座ったりするのも楽。
・・・等々
少なくとも夏用のツーリングパンツとしては最強だと思います。
そんな「クシタニ エクスプローラー メッシュジーンズ」を愛用するようになって、いったい何年たつんだろう?と思うのですが、もはやいつ買ったか思い出せず。少なくとも10年以上経っているのは間違いありません。
(昔の写真で調べてみたところ、2008年のツーリングでは履いてるから、15年以上!)
そんな愛用のクシタニですが、さすがに最近色落ちが激しく、くたびれてきました。
まあ、まだまだ履けますし、再染色してもらうという手もあると思うのですが、そろそろ新しいのが欲しいなあ、と思い始めました。
ところが、調べてみるとこのエクスプローラージーンズ。僕が買った時は5万円弱だったと思うのですが、今はなんと¥72,600(28~36インチ)~¥83,600(37~38インチ)(税込み)もします。
これはなかなか手が出ません。先日マフラーも買ったばかりだし。(ヤフオクですけどね。)
10年以上履けますから、コスパは間違いなくいいんですけどね。
他に何かいいものはないでしょうか。
夏用ライディングパンツに求める条件とは?
丈夫さや動きやすさ、プロテクターの装備など、ライディングパンツとして求められる条件はいろいろありますが、こと「夏用」ということだと、やはり「暑さ対策」というのが求められます。
ただ、この「暑さ対策」。どの「暑さ(熱さ)」に対応するかによって、パンツに求められるものが違ってきます。
夏のライディングにおける「暑さ(熱さ)」には、大きく分けて次の3つがあると思います。
ふつう、夏の暑さというと①を指しますよね。気温が上がることによる暑さ。バイクだけじゃなく、自転車でも徒歩でも感じる暑さです。
ところがバイクの場合、エンジンという巨大な熱源を抱えていますから、自転車には無い②や③の熱さがあります。(自転車は自分が発熱しますけどね。)
同じ暑さ対策といっても、この①②③のどれを中心に対策するかによって、選ぶライディングパンツもちがってきます。
「アツさ」別のオススメラインディングパンツ
ではそれぞれの場合、どんなライディングパンツが良いのでしょうか。
① 気温の「暑さ」対策
まず①の暑さ。つまり夏の気温の高さに対応するには、風通しが良く、蒸れないパンツが良いということになります。たとえばナイロンのメッシュパンツなんかが最適でしょう。走ればエアが抜け涼しく感じる、まさに空冷パンツです。
革製のパンツの場合はパンチングホールの開いたタイプがこれに近いと思います。
②エンジンからの熱風対策
メッシュ素材のライディングパンツは風通しがよいので、夏の暑さ対策には有効です。ところが、この風通しの良さが②の熱さに対しては逆効果になります。エンジンやラジエーターによって熱せられた空気が、メッシュパンツだと足を直撃するからです。
空冷エンジンのバイクや水冷でも大型エンジンのバイクは発熱量が多く、ラジエーターを通って出てくる空気は、夏の外気温どころの話ではありません。おそらく50℃を超えるであろう熱風がライダーの足を襲ってきます。
直に熱風を浴びつづけると、低温火傷などの可能性もあります。むしろ風を通さない素材の方が、熱を遮ってくれるので熱さが和らぎます。
この場合最強なのはやはり革製のライディングパンツでしょう。革は防風効果、断熱効果が高く、多少は透湿性もあります。
布製の場合は、熱対策用の裏地などがしっかりしている厚手の物が良いと思います。
③エンジンからやフレームなどを伝わって体に伝わる熱への対策
エンジンやラジエーターからの熱風による熱さ以外にも、エンジンから直接発せられる熱(輻射熱)やフレームから伝わる熱が厳しいバイクもあります。
ライダーの股の間にリアシリンダーのヘッドが来るV型エンジンや、コンパクトな車体に隙間なくエンジンが収められているスーパースポーツモデルなどは、エンジンの熱がフレームに伝わりやすく、ニーグリップが出来ないほど熱くなる車種もあります。
ハーレー(スポーツスター)に乗っていたときは、このエンジンからの熱に悩まされました。エンジンだけでなく、マフラーも足の近くを通っているので、熱さが半端ない感じでした。
この場合も、素材としては革一択という感じでしょう。遮熱性という意味では革に勝るものはないと思います。
ただ、この場合はパンチングレザーを選ぶという手もあります。パンチングレザーは空気を通しますが、輻射熱はパンチング穴が開いていてもあまり関係なく防いでくれます。
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まとめると、
・・・という感じになります。
今回 KTM 890 Duke用には何を選ぶ?
今回買うライディングパンツは、我が愛車、「KTM 890Duke」用のラインディングパンツということになります。
ハーレーの時は、とにかくエンジンとマフラーからの熱がすごかったので、真夏でも革製のラインディングパンツを履いていました。(真夏はパンチングレザー。)
一方、890Dukeは並列二気筒の水冷エンジン。大型のエンジン(899cc)とはいえ、エンジンから発する熱はハーレーほどではありません。また、前後にシリンダーヘッドがあるV型やL型エンジンにくらべれば、並列二気筒はフレームや足に熱が伝わりにくいエンジンレイアウトだと言えます。
つまり、先ほどの熱対策の①~③で言えば、①の暑さ対策を中心にラインディングパンツを選べばいいと思われます。
「じゃあ、ナイロンメッシュのラインディングパンツで決まり」・・・かと言えばさにあらず。ぼくはどうもナイロンメッシュ地のラインディングパンツを買う気にはなれません。
その理由は何か?
ナイロンメッシュを選ばない理由その1:滑りやすい
ナイロン生地のパンツの場合、革などの素材のライディングパンツに比べて、ニーグリップやシートに荷重した際に滑りやすくなります。膝の部分は別の素材を使うなど、いろいろ工夫したライディングパンツもあるので、一概にナイロン生地のパンツは滑る、とは言い切れませんが、傾向としては滑りやすいと言えます。
ナイロンメッシュを選ばない理由その2:裾上げが出来ない
布製や革製のパンツの場合、比較的簡単に裾上げをしてもらうことが出来ます。しかしナイロン製のパンツの場合、簡単に切って縫うことは出来ません。製品によって、お店によってはやってくれるものもあるかもしれませんが、対応できないケースが多いと思います。自他ともに認める短足(涙)にとって裾上げは必須です。
ナイロンメッシュを選ばない理由その2:革ブーツに似合わない
まあこれは個人的な好みの問題なのかもしれませんが、ナイロン生地のラインディングパンツは、合わせるブーツを選ぶ気がします。
ロードブーツやオフロードブーツのようなカラフルなブーツには合うと思いますが、僕が愛用しているようなエンジニアブーツなんかは絶対に合わないと思います。
(まあブーツも合わせて買えばいいんでしょうけれど・・・)
僕が候補に挙げたラインディングパンツ2選
僕が今回、新しい夏用ライディングパンツの候補として選んだのは次の2つです。
1)デグナー 「牛革ヒートガード付デニムパンツ」
まずは、バイク用革製品で有名なデグナーの「牛革ヒートガード付きデニムパンツ」です。
これは非常に人気のある定番商品で、いろいろなメディアでたびたび紹介されています。
全体としては一般的なデニムジーンズですが、太ももの内側やヒザ下の部分など、要所に牛革を配置し、エンジンの熱から足を守ってくれます。
さらに腰部分やヒザにプロテクターを装着出来るようになっていて、安全性も考えられています。また、腰やひざ上にシャーリングがあり、ライディング時の動き安さを追求しています。
メッシュジャケットほどのエアの抜けは期待できませんが、デニム生地なので、レザーパンツに比べれば夏でもそこそこ快適なんじゃないかなと思います。
2)マックスフリッツ 「ヒートガードカーゴパンツ」
同じくバイク用ウエア専門店として有名な、マックスフリッツ製のラインディングパンツ「CRヒートガードカーゴパンツ 」です。
こちらも熱対策、およびニーグリップのすべり止めとして内もも部分に牛革が貼り付けられています。
これもデニム生地なので、メッシュ生地ほどの通気性は期待できませんんが、夏用ライディングパンツとしてある程度の快適性は期待できるんじゃないかと思います。
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これら候補に挙げたライディングパンツは、いずれもデニムパンツでありながら、要所に牛革が貼り付けられています。これはエンジンからの熱を防ぐのが目的なのですが、同時にニーグリップにおけるすべり止めの効果もあります。
スポーツスターの時は、ほとんどニーグリップを気にしないで(というかニーグリップするところがない)乗っていましたが、KTM 890Duke はスーパースポーツほどではないものの、シートが広くフラットでしかも固いので、しっかりとお尻やヒザで体を支えないと加速時や減速時に体が動いてしまいます。
こういうバイクの場合、デニムで乗るのとレザーパンツで乗るのとでは、ツーリングでの疲労度が全く違ってきます。たまにデニムで乗ると、知らない間に力が入ってしまいものすごく疲れます。
今回選んだデグナーとマックスフリッツのラインディングパンツはいずれもデニム生地ですが、内ももに牛革が貼られていることで、滑り止め効果が期待できるんじゃないかと思います。(少なくともナイロンメッシュのパンツよりはずっと良いはず。)
今回選んだのは・・・
さて、ではこのデグナーとマックスフリッツ、どちらを選ぼうか・・・
モチロン両方見て比べるのが一番なのですが、僕は店員さんの居る店で洋服を選ぶのがものすごく苦手で、店であれこれ試着して、結局は買わずに帰る、ということが出来ないのです。
見に行くときは「買う」と決めて行かないと、試着することが出来ません。
なので、おそらくデグナーやマックスフリッツなんて、店に行ったら、きっとすぐ買っちゃうんだろうなあ、と思います。(デグナーの商品は量販店にもありますが・・・)
なのであらかじめ、どちらかに決めておきたい。
というわけで、今回はマックスフリッツを選んでみることにしました。
理由は・・・
①マックスフリッツの方が、デザインに違和感が少ない。
デグナーのライディングパンツもジーンズスタイルではありますが、シャーリングが入っているなど、普通に街中で着ていると多少違和感を感じるスタイルなんじゃないかなと思います。
②マックスフリッツの牛革はウォッシャブルレザーを使用している
どちらも牛革を使っていますが、マックスフリッツの方はウォッシャブルレザーを使っているので、洗濯時により手軽に洗えます。
③マックスフリッツの方が安い。
マックスフリッツ=高価 というイメージがありましたが、調べてみると案外リーズナブルで驚きました。デグナーもコスパが高いですが、マックスフリッツよりちょっとお高いです。
マックスフリッツ 品川店へ
マックスフリッツについて調べてみると、やはり非常に人気があるらしく、人気商品はシーズンになるとすぐに売り切れてしまうようです。
善は急げ、ということで、早速マックスフリッツの店舗を調べ、家からは一番近い「マックスフリッツ 品川店」へ伺うことにしました。
店も商品も期待通りだったのですが、マックスフリッツの夏用ライディングパンツは上記の「CRヒートガードカーゴパンツ 」以外にもいろいろ種類があって、どれをえらんだらいいか悩むことになりました。
最終的に僕が購入したのは・・・
というわけで、この話、次回へ続きます。