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ヒントその47.失敗しないカスタムペイントオーダー7つのコツ

個性を追求するならカスタムペイント!

前回の記事で「雑誌を飾るド派手なカスタムバイクのペイント・・・はちょっと敷居が高いですが」と書きました。僕自身、過去3台の愛車を(ショップで)フルペイントしましたが、大成功!だったこともあればその逆だったこともあり、正直なところ手放しでお勧めできるか、と言われると難しいところです。

ですが、それでも僕は敢えて「是非カスタムペイントにトライしてみて欲しい!」と言いたい。なぜなら、カスタムに個性を求めるのならば、これほど確実で効果的なカスタムは無いと思うからです。

市販のパーツてんこ盛りでカスタムしても、どこかしら他と似たようなカスタムになってしまいます。とはいえワンオフパーツで独自のスタイルを追求すれば、お金がいくらあっても足りません。

個人的な意見ですが、自分の愛車に適合するカスタムパーツは、片っ端から全部つけてみました・・・みたいなバイクはどうも好きになれません。全体に統一感がなくなり、「これならノーマルの方がカッコイイんじゃ・・・」なんて事になっているケースが多い気がします。

それに比べ、ペイントは基本的にそのバイクだけの「ワンオフ」です。まず同じようなバイクに出合う事はありませんし、上手くデザインや色を選べば、そのバイクのイメージをガラッと変える事も出来ます。しかも機能パーツをカスタムするのと違って、ノーマルより性能的に落ちた、なんていう事になる心配もありません。

カスタムペイントのデメリット

ただしデメリット・・・というか、危惧もあります。それは

  1. 塗膜がノーマルより(やや)弱い。
  2. リセールバリューが落ちる。(上がるケースもある)
  3. 出来上がってみたらイメージと違っていた。・・・なんて事も

といったことです。

1.「塗装がノーマルより弱い」

これは使用する塗料やペイントの行程、塗装設備などによりますが、やはりメーカーが工場で仕上げる塗装に比べると、塗膜の強さという点ではやや弱い、という事になると思います。ただし、最近は塗料の性能も上がってきているので、カスタムペイントだからと言って、特に扱いに気を付ける必要はないと思います。

もし新車で最初からペイントを考えているのなら、ホワイトかシルバーの単色のバイクを選び、純正塗装の上から塗ってもらう、という手もあります。丈夫な純正塗装を剥がさないので、通常のペイントより強い塗装になります。僕は以前のバイクではそうやって塗ってもらいました。(ただし、お店によっては、あるいはバイクの種類や上に塗るデザインによっては受け付けてもらえない場合もあるとおもいます。)

2.「リセールバリューが落ちる」

要するに下取りに出すとき査定に影響する可能性がある、という事。ペイントしたバイクのデザインが気に入ってもらえれば下取り価格UP!という可能性もありますが、一般的にはノーマルペイントのままの方が下取り評価は高いと思います。

3.「出来上がってきたらイメージと違っていた」

いちばんの問題は3.の「出来上がってきたらイメージと違っていた」という可能性が無きにしもあらずだという事。カスタムペイントするときは、色やデザインを考えに考え、最終的にはペインターさんと何度も相談して決めると思いますが、実際に出来上がってきてみると、思った色と微妙に違う、とか、こんな感じになるとは思わなかった、といった不満が出てくる場合もあります。

特に平面のデザインが立体になったとき、紙の上でのデザインとなんかずいぶんイメージが違う・・・という事はよくある事だと思います。僕自身も前述のとおり過去3台をペイントしてもらいましたが、完成車を見て「やった大成功!」という時もあれば、「あ~。。これからどうしよう・・・」と途方に暮れた時もありました。(笑)

では、カスタムペイントで失敗しないの為にはどうすればいいのでしょうか?

失敗しない!カスタムペイント7つのコツ

①多くのペイントショップに足を運び、いろんなペインターさんと会話する。

バイク雑誌を眺めていると、実にたくさんののカスタムバイクが載っていて、ペイントしたショップもよく紹介されています。あるいはWebで検索してみれば、多くのペイントショップのホームページが見つかると思います。いざカスタムペイントをやって貰おうと思ったなら、出来るだけ多くのペイントショップに行ってみて、出来るだけたくさんのペインターさんと話をしてみましょう。ペイント方法やデザインの話はもちろん、料金についても具体的に聞いてみていいと思います。

昔、国産のノンカウルバイクをイエローの単色でペイントしたいと思い、ペイントショップを片っ端から訪ね歩いたことがあります。その時に聞いたペイント代は、下は8万円から、上は15万円まで。実に2倍近い価格差がありました。(かなり前の話なので、今はもう少し高いかもしれません。)

もちろん、同じイエローの単色とはいえ、仕上がりが同じになるとは限りません。使う塗料や塗り方、塗装設備、手間の掛け方などで仕上がりが全く異なってくることもあります。そこは実際に塗ってもらうしか確かめようがないのですが、ペインターさんの話を聞いたり、店で実際に塗った作品を見せてもらうなどすれば、素人といえどもなんとなく良し悪しを判断できると思います。

②作品を見て、自分の好みに合うペインターを探す。

ペイントやデザインの良し悪しは、やはりペインターさんのセンスや腕によるところが大きいと思います。自分がカッコいいと思うバイクを塗ったペインターさんにペイントしてもらうのが、やはりカッコイイバイクへの一番の近道です。

ショップに行けば実際に塗った作品を直接見せてもらう事も出来ますし、過去に塗ったバイクの写真なども見せてもらえると思います。もちろん、ペインターは依頼者のリクエストで塗るわけですから、かならずしもペインターの思い通りに塗った結果とは限らないのですが、それでもやはり全ての作品はそのペインターさんのセンスを映したものになっているハズです。

③自分の好みをとことんペインターに伝える。

ペインターさんとの打ち合わせでは、出来るだけ詳しく具体的に自分の好みや要望を伝えましょう。「ディープブルーが好き」とか「フレイムグラフィックを入れてほしい」とか、「タンクにはメーカー名をフリーハンドレタリングで入れてほしい」とか。あるいは、そこまで具体的でなくても、「アメリカンな感じ」とか「ミリタリー風」とか、あるいは「シックでシンプルなカラーで」だとか、イメージを大まかに伝えるだけでもいいと思います。

ただし、色については出来るだけ具体的に伝えるべきでしょう。同じ赤、青といえども、人それぞれは違うイメージでとらえている場合も多々あると思います。レモンイエローとダークイエローでは、まったく印象が異なりますよね。出来れば何かしら好きな色のサンプルを持って相談に行けばベストです。

僕は昔、自分のバイクをキャンディーブルーに塗ってもらいたくて、ショップにバイクを持ち込みました。雑誌で見たカスタムバイクをイメージし「光の加減で紫っぽくも見えるような青で」というリクエストをしたところ、出来上がってきたバイクは「紫っぽく見える青」というよりは、どうみても紫そのもの。めまいがするほど派手な色で、仕上がりを見て卒倒しそうになりました。(ToT)

④自分の好きなカスタムペイントバイクの写真を集める。

雑誌やWeb等で自分好みのカスタムバイクの写真を集め、ペインターさんに見てもらいましょう。具体的にデザインを詰めていくときの参考になりますし、一見バラバラなデザインでも、そこには何かしら共通する点があり、ペインターさんはそれを見つけてくれるに違いありません。自分の好みを自分自身明確にするうえでも有効です。

⑤紙の上だけで考えず、実際のバイクを見て色とデザインを選ぶ。

バイクペイントのデザインを考える時、紙にカラーペンでバイクを描いてみて考える、あるいはパソコン上のペイントソフトでバイクの色をシミュレーションしてみる方もいるでしょう。とてもいい方法ですが、紙に書いた(画面に書いた)平面のバイクと実際の立体物であるバイクとでは、色を塗ったときの印象が全然違ってきます。膨張色である白や黄色のペイントは塗ったパーツを大きく見せますし、逆に暗い色、濃い色はパーツを小さく見せます。

以前XJR1200をイエローに塗ってもらった時、ただでさえ大きなXJRのタンクが、膨張色で更に巨大に見えるようになり、全体としてのバランスが少し崩れてしまったように思いました。

もちろん、色の検討をするのに、実際に塗って試してみるわけにはいきませんから、たとえば街中でなどでいろんな色のバイクを見て、自分のバイクが塗装でどんな感じになるかを頭の中でシミュレーションしてみるのもいいと思います。そしてもちろん、こういう事こそペインターさんのアドバイスが重要になってきます。

⑥色は控えめ、デザインはシンプルなパターンで塗るのがお勧め

少々消極的な考えではありますが・・・。

色やデザインはやや地味目にするのがいいと思います。

これはあるペインターさんに言われたことですが・・・

「雑誌に載っているカスタムペイントは、あくまでショーで展示したり、ショップの看板として目立つ事を意識してデザインされている。それを普通に街中で乗ったら、当然派手過ぎるし、いずれ飽きてしまう。デザイン画の段階では”ちょっと地味かな?”と思うくらいでちょうどいい。」

確かにその通りかな、と思います。

また塗り分け(グラフィック)は、立体的なバイクの形状を意識して考えるべきものなので、紙の上でデザインすると、実際は思った通りの感じにならない場合があります。

そこでお勧めなのは、純正のパターンはそのままに、色だけ塗り変える、という方法です。

デザインのプロが実際の車体形状に合うように考え抜いたパターンですから、その車体にマッチしていることは間違いありません。パターンはノーマルと同じでも、配色やエンブレム、ロゴ等ののアレンジ次第で、十分個性をアピール出来るとおもいます。

⑦思い切ってペインターにお任せしてみる。

いろいろ作品を見て、そのセンスに惚れたペインターさんなら、思いきってデザインも全面的にお任せしてみる、と言うのも手だと思います。というか、これこそ王道じゃないでしょうか。ペインターさんとしてもそこは腕の見せどころ。きっといい仕事をしてくれると思います。

僕も一度、自分の考えて持っていったプランとは全く異なるデザインを提案された事があります。ラフスケッチを見た段階では正直どうなんだろうかと悩みましたが、思いきってお任せしたところ、結果、素晴らしいバイクに仕上げてもらい感動しました。

その為にはやっぱり一番重要なのは、信頼して任せられるペイントショップを見つけることだと思います。センスの合うペイントショップが見つかれば、もう半分は成功したようなものでしょう。

自分のバイクが変身する感動を!

カスタムペイントはかなり思い切りが必要なカスタムです。凝ったデザインにすれば結構な費用もかかります。ですがそれによって得られる個性、満足度は他のカスタムでは得難いものです。

あなたも自分のバイクが全く別物に変身した時の感動を、ぜひ味わってみてください!

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