どうも苦手な在宅勤務
このご時世御多分に漏れず、僕も在宅勤務をしている。
出勤しないと出来ない仕事もあるので、職場のメンバー交代で在宅しているのだが、僕はどうもこの在宅勤務が苦手だ。
パソコンと携帯、それにインターネットのおかげで、会社にいるのと変らない環境で仕事ができるのだけれど、とはいえ、ちょっと話すにも電話しないといけなかったり、通信回線が遅かったり、コピー機やプリンターがなかったりなど、やっぱり全く同じとはいかず、結構ストレスが溜まる。
通勤が無い分、朝ゆっくり眠れるハズなのだが、結局いつもと同じ時間に目が覚めてしまい、仕事が始まるまでの間けっこう時間を持て余してしまう。
まあ、いいところといったら、いつでも好きなタイミングで美味しいコーヒーが飲める、ということくらいだろうか。
ひとりで仕事をしているので、なんとなく終わるきっかけを失ってしまい、結局だらだらと仕事してしまう、というのも嫌なところ。
(このへんは在宅の問題じゃなく、性格の問題かもしれませんが。)
そして一番違和感を感じるのは『家と職場の間に距離が無い』ということ。
” さあ仕事が終わった~!”
と振り返ると、すぐそこが家、というのはなんとなく気持ちの切り替えがうまくいかず、すぐにはリラックスできないのだ。
仕事中は自分でも気づかぬうちに気が張っているものらしく、普段は帰り道に音楽を聴いたり、電車で本を読んだりするうちに徐々に気持ちがオフになっていく。
それがもう数十年の間にすっかり身に沁みついたひとつのリズムになっているのだが、その時間がいきなりなくなると、どうもよろしくない。
で、風呂に入ったり、ビールを飲んだりするうちに、ようやくいつもの家の気分になる。
まあそんな大げさな問題じゃないんだけれど、これが僕が在宅勤務が好きになれない大きな理由なのだ。
もっとも同じ職場には ”在宅最高!!!”と言って、もう何か月も会社に出てこない(大丈夫なのか?笑) 人もいる。
まあ、人それぞれなんだろうなあ。
あなたは在宅勤務、好きですか?
仕事終わりにバイクを引っ張り出す。
今日も在宅勤務を終え、” さあ、シャワー浴びてビールでも飲もうかな~ ” なんて思っていたのだけれど、ふと窓の外を眺めると、まだ日が高い。
そう言えば、しばらくバイクに乗ってないなあ~
先日の四連休は梅雨の長雨で、とうとう一日もバイクに乗れなかった。
しかもこの週末もまだ梅雨はあけないらしい。
” そうだ。夕食までは未だちょっと時間があるし、バイク乗れないかな?”
と思い立った。
さっそくスマホで『雨雲レーダー』をチェック。それによると、少なくともあと2時間は雨の心配はなさそうだ。
よし!とジーンズに履き替え(在宅中は短パン&Tシャツという寝間着のまま。笑)、ブルーライトカットの眼鏡をバイク用に掛け替えると、ヘルメットとグローブとマスクを持って家を出た。
マンションの駐輪場に行き、二重に被せたバイクカバーをはぎ取ると、小さなコガネムシと青いトカゲが慌てて逃げて行った。
前後についているロックを外す。
真夏の昼間だと、もうこのあたりで汗だくになるのだが、今年は梅雨が長引いているぶん、まだ気温は低い。春夏用のジャケットを着ていても快適だ。
イグニッションにキーを差し込み、キルスイッチをONにすると、
” キュウィイイイイイイイイン ”
老犬が苦し気にのどを鳴らすような燃料ポンプの音が響く。
ギアをニュートラルにし、クラッチを握ってセルボタンを押すと、
” カシャン、か、シャン、ボ、ボ、ババババババババババ ”
少し長めのクランキングの後、無事エンジンに火が入った。
今年換えたばかりのバッテリーは、さすがに二週間足らずでは上がらなかったようだ。
ホッとしつつ、急いでヘルメットを被り、暖気もそこそこに走り始めた。
裏道をトコトコツーリング
平日の夕方。あまり車は多くない。
曇り空で夕焼けは望めないが、まだ空は十分明るい。
二週間ぶりのバイク。飛ばさなくても、エンジンの鼓動を聞きながら走っているだけで楽しい。
先日交換したSUNDANCE製レバーの効果は上々だ。ハーレーらしい武骨さはやや薄らいだが、クラッチは非常に軽く、信号でのゴー&ストップがちっとも苦にならない。
近場だけれど、今まで走ったことのない道を求めて、主要幹線道路を外れ、細い道、細い道を選んで入っていく。
高速道路のジャンクションが幾重にも重なるこの地でも、ちょと脇に逸れると案外自然が多く、田畑の風景が広がる。
濃い緑の田んぼを抜けてくる風が心地いい。
緩やかに曲がりくねる細い道を、バンクしながら左へ右へ。
いやあ~、やっぱりいいなあ。楽しいなあ。バイク。
へえー、ここを抜けるとこの道にでるんだあ~、なんて発見をしながら、小一時間走り続けた。
高速~パーキングエリア~スターバックス
喜々と走っているうちに、ちょっと喉が渇いてきた。
どこかコンビニでも立ち寄ろうか、とも思ったけれど、ちょっとエンジンも回しておきたいし、と思い直し、高速道路のICを目指す。
ルーレット族? いえいえ、いい年してあんな馬鹿なことはいたしません。かっ飛ばすようなバイクじゃないし。
パーキングエリアで缶コーヒーでも飲めば、密も防げるだろう。
都筑ICから第三京浜に乗って、わずか5分でパーキングエリアに到着。
バイク置き場にバイクを停めると。目の前にスターバックス。
店内に客の姿はない。ここならいいか。
店に入ってアイスコーヒーのショートを注文。受け取ったカップとストロー、ガムシロップを持って店の外へ。表のテラス席で飲むことに。
マスクもせずいちゃつく若いカップルと距離をとり、席についた。
ガムシロップを1/3だけ入れ、ストローを指す。
ストローは紙製だった。
そうかー。そうだよね。
口にくわえてコーヒーをすする。唇の水分が紙のストローに吸い取られる。正直、美味しく感じない。
いえいえ、もちろん文句なんてありません。
鼻の穴にストローが突き刺さったウミガメの写真を見たことがある。あんなの見せられるくらいなら、紙のストローでコーヒーを飲む方が100万倍いいから。
一息ついて、スマホをチェック。まだ雨雲は近づいてきていないようだ。
ふと気づいて、スターバックスのフリーWi-Fiにつなげる。
自粛で暇しているウチのガキどもがスマホでYouTubeを見まくったせいで、昨日から我が家の携帯は速度制限の憂き目を見ている。
今月はまだあと3日もあるというのに。
1000円出して1ギガ分パケットを買おうかとも思ったのだが、それをまたガキどもに先に使い果たされることを想像すると、余計に腹が立つので我慢している。
Wi-Fiにつなげるとサクサクつながって快適だ。人間、いったん不自由を味わった方が幸せも感じやすいらしい。
さて、じゃあYouTubeでも見ようか。(笑)
お気に入りのユーチューバー
自粛期間中、それまでほとんど見なかったYouTubeを僕も自ら見に行くようになった。
とはいえ、毎回楽しみに見聞きできる、クオリティーの高いYouTubeチャンネルはそう沢山はない。
バイクの動画、特にハーレーの動画も探すのだが、面白いものはほとんどない。
なかでも特につまらないのは、ライダーが走りながらインカムでよしなしごとをしゃべる、というやつ。
そもそも、一人で面白おかしくしゃべるというのは、かなり難度の高い技術だと思う。
素人が台本もなく、バイクで走りながら適当につなぐ話で人を楽しませる、なんて、そんな簡単にできることじゃない。
実際2分も聞いていると、だんだん苦痛になってくる。
特に嫌なのが、話しながら自分の話に自分で笑うやつ。
” 何とかが、なんとかなんですよね~。ゲラゲラゲラ。”
”こうでこうで、ははは。こんなことがあったんですよ。ぷぷっぷ。”
内輪受けで笑っている高校生グループと同じノリだ。
” どうです?おもしろいでしょ!? w” といわんばかり。
・・・いや、ちっとも面白くないから。
いっそ音声をオフにしようかと思うが、そうするとバイクの排気音も消えてしまうので、それはそれでつまらない。
頼むから、黙ってバイクを走らせてくれ。つまらない話なんか要らないから、そのバイクの音を聞かせてくれ! と思う。
(例えばこんな動画のように・・・)
そんななか、ようやく最近見つけたお気に入りのYouTubeサイトがこちら。
個人の動画サイトじゃなく、アウトドア用品の販売サイトみたいですけどね。
酒でも呑みながら見れば、家に居ながらキャンプとツーリングの気分が味わえる。
僕のおススメサイトだ。
免許取りたての頃のように・・・
スタバのアイスコーヒーを飲みながら、旅の動画を見ていたら、また走りたくなってきた。
それに早めに帰らないと、雨が落ちてくるかもしれない。
バイクに戻り、ヘルメットを被る。
高速を降り、一般道へ。
このころにはようやく日も落ち、空は群青色。いわゆるマジックアワーというやつだ。
車の流れに乗り、車の流れを縫う。
赤信号でシフトダウン。青になったら半クラッチで発進。シフトアップ、シフトアップ。
クラッチが軽いだけでバイクはこんなにも印象が変わるのか。
いやあ、楽しい。たのしい~!
ただ街を転がすだけで楽しいなんて。まるで免許取りたての高校生に戻ったようだ。
(僕が免許をとったのは大学生の時だけど。まあ、気分の問題・・・ということで。)
セルフのガソリンスタンドに立ち寄り給油。ここでも人と接触は避ける。
夜のオープンエアー。密室も密着もない。
在宅っていいかも!?
走り回ったといってもほんの1時間余り。距離にしたら20~30kmほど。
でも気分すっきり!軽い疲れが気持ちいい。
いやあ、これいいなあ。在宅勤務後のツーリングってアリかも。
ちょっと癖になるかもしれない・・・そんな予感がした一日の終わりだった。