面倒なので避けていたプライマリーオイル交換
愛車ハーレースポーツスター(XL1200CX ロードスター)のエンジンオイル交換はこれまで二度ほどやってみましたが、もう一つのオイルであるプライマリーオイルは自分で交換したことがありません。
交換手順を調べてみたところ、なんとなく面倒な気がしたからです。
けれど、バイク屋さんへ行って
「プライマリーオイルだけ交換して」
って言うのもなんだかなぁ。
というわけで、こっちも自分で交換してみることにしました。
スポーツスターのオイルは2種類
ご存じの方も多いと思いますが、ハーレーのエンジンオイルは、使用する部分ごとに3種類あります。
①エンジンオイル
いわゆるエンジンオイル。シリンダーヘッドやカム周り、クランクなど、エンジンの主要部分を保護するためのオイルです。
②プライマリーオイル
クランクで発生した回転力は、その後クラッチへつながります。国産車をはじめ、殆どのバイクではクランクとクラッチの間はギアでつながっていますが、ハーレーの場合、チェーン(プライマリーチェーン)でつながっています。
このプライマリーチェーンとクラッチを潤滑するオイルが「プライマリーオイル」です。
③ギアオイル(トランスミッションオイル)
クラッチから繋がった回転力は、次にミッションに繋がります。
このミッション(変速機)を保護するオイルが「ギアオイル」あるいは「トランスミッションオイル」と呼ばれるオイルです。
ハーレー用のエンジンオイルはこの3種類のオイルがあるのですが、ハーレーの中でもスポーツスターリーズだけは②と③が一体になっています。
このオイルは「プライマリー・ギアオイル」と呼ばれたり、スポーツスター用と分かりやすく表現するため「XLトランスオイル」と呼ばれたりしています。
つまり、スポーツスターシリーズのエンジンには
・『エンジンオイル』
・『プライマリー・ギアオイル(XLトランスオイル)』
の2種類のエンジンオイルが必要、ということです。
「XLトランスオイル」のオススメは?
ハーレー用のエンジンオイルは純正以外にも様々なメーカーから販売されていて、皆さんこだわりの“一押しオイル“があったりします。
ちなみに僕のお気に入りオイルはワコーズの「Tagh Touring(20w-40)」です。
ところがエンジンオイルと違い、「プライマリーオイル」や「XLトランスオイル」についてはネットで調べてみても、あまり ”これがオススメ” といった情報を見かけません。
僕の場合、エンジンオイルにワコーズを入れているので、プライマリーオイルもワコーズを入れようかと思ったのですが、スポーツスターのプライマリーオイルに適したオイルがどれなのか、よくわかりませんでした。
そこで今回は、近くのナップスへ行って探してみることにしました。
ナップスに並んでいたオイルの中で、スポーツスターのプライマリーオイルに使えそうなオイルは・・・
まずは純正オイル。↓↓↓
同じく純正ですが、100%化学合成のこのSYN3オイルはエンジンオイルにもギアオイルにも、プライマリーオイルにも使えます。↓↓↓
コスパの良さが評判のレブテックのトランスオイル↓↓↓
純正同様レブテックも100%化学合成のこのオイルはプライマリーオイルとしても使用可能です。↓↓↓
そして、こちらも“Made in USA” 。ツインパワーのトランスオイルです。↓↓↓
このあたりがスポーツスター用のプライマリーオイルとして売られていました。
どれにしようか。いろいろ悩みましたが、今回はツインパワーを選んでみました。
正直、深い理由はありません。
純正はむやみに高いので、それ以外ならどれでもよかったのですが、わざわざラベルに「Sportster」と書いてあるくらいだから、やっぱりいいのかなあ~と。
まあその程度の理由です。
それにしても、「XLトランスオイル」ってどんなオイルなんでしょうね?
クラッチも潤滑するので、クラッチを滑らす添加剤が入ったオイルはダメなんでしょうが、それだけなら普通のバイク用オイルで問題ないような気がします。(普通のバイク用エンジンオイルはクラッチも潤滑しますから。)
今回選んだツインパワーの粘度は「80W-90」ですから相当固いオイルです。チェーンを潤滑するオイルですから、チェーンオイルなんかをイメージすれば、まあ固いのも分かる気がします。
ただ、プライマリーオイルにも使える純正のSYN3なんかは、100%化学合成ではあるものの、粘度は普通(20W-50)ですから、固くないとダメというものでもないようです。
まあ、よくわからないなら無難に専用品を使っておこう、と思ったのでございます。
実践!プライマリーオイル交換
では交換作業を行います。
・・・その前に、エンジンオイルを温める必要があります。
で、その辺をひとっ走り。
ついでにスターバックスでコーヒーを飲んだりして、、、
帰宅したときには既に日が傾いていました。(笑)
急いで交換します。
プライマリーオイルを交換するためには、プライマリーカバー ダービーカバー(クラッチインスペクションカバー)を外す必要があるのですが、我が愛車のロードスターはプライマリーカバーの位置にステップ(ミッドコントロールといいます)があるので、そのままではカバーを外すことが出来ません。
※2020/11/15追記:「プライマリーカバー」というのはプライマリーチェーンの部分全体を覆うカバーの事で、今回外すクラッチ部分を覆う円形のカバーは(一般的には「ダービーカバー)」と言いますよね。)はサービスマニュアルによると「クラッチインスペクションカバー」というらしいです。
そこでまずはステップをホルダーごと外してやる必要があります。

ダービーカバー(僕のはアレンネス製に交換してありますが)を止めているボルトのところにちょうどステップの付け根の部分が被っていて、そのままではカバーを外すことが出来ません。

そこでステップをホルダーごと外します。ステップホルダーはこのボルトでフレームに取り付けられています。(この写真はジャッキアップしたところですが、ジャッキアップした状態で力を掛けてボルトを緩めるのは危険です。)

かなりガッチリ締められている箇所なので、念のためあらかじめCRC-556をボルトに浸透させてから外しました。

使ったのは5/16″のヘックスソケット。これにエクステンションバーとブレイカーバーを組み合わせて緩めました。

無事外れました。しかし、それにしても重くてごついステップホルダーですねえ。

ステップホルダーを止めていたボルトがこちら。溝付きのタッピングネジです。なぜこんなネジが使われているんでしょう?察するにネジロック材がねじ溝に残っていてもきれいにさらえるからではないか、と思うのですがどうなんでしょう。(ただし、サービスマニュアルを見る限り、ネジロック材塗布は指示されていません。)この手のネジは無理やりねじ込んだりするとネジ穴を削ってしまいダメになる可能性があり注意が必要です。

ドレンボルトを外してオイルを抜きます。使うのは5/8”のメガネレンチです。(写真はコンビネーションレンチですが)

ドレンボルトを緩めます。

丸印がドレンボルト。ある程度緩めたら最後は手で回します。

オイルが熱いので注意しましょう。おもわずドレンボルトをオイルの中に落としてしまいました。(笑)

抜いたプライマリーオイル。写真では真っ黒に見えますが、実際は薄墨のような色になっていました。

ドレンボルト。先端が磁石になっていて、オイル内の鉄粉を吸いつけるようになっているのですが、付いていた鉄粉の量はまあそれなり。初めて見るので多いのか少ないのかよくわかりません。

パーツクリーナーできれいに洗い、Oリングも外します。

Oリングはケチらず交換します。パーツNo.は11105。¥221。高いといえば高いです。

外したドレンボルトにはシールテープを巻くんだそうです。国産バイクじゃあそんな聞いたことがありません。いかにもアメリカっぽいというかなんというか。

ホームセンターで一番短い5mのシールテープを買いました。値段は100円もしなかったとおもいます。5mもあれば、いったいオイル交換が何回できることやら。(笑)

巻きました。けどちょっと上まで巻きすぎ?確かにオイル漏れ防止には効果的なのかもしれませんが、万が一このシールテープがちぎれてエンジンのオイルライン内を流れると考えると、そっちの方が怖い気もします。
<2021年8月11日 追記>
このシールテープを巻く、という作業。ネットを見る限り賛否両論あります。総じてみていると巻く派はプロに、巻かない派はアマチュアに多いような気が・・・年式にもよるのかもしれません。
じゃあサービスマニュアルはどうなってるんだろう?と思い見てみると、(スポーツスターの2017年式用)
「ロックタイト565スレッドシーラントを塗布する。トルク値 19-40.7N-mで締め付け直す」とあります。
![]() |
価格:1,474円 |
今度交換するときは、これ買ってみようかな~。
<追記ここまで>

こちらが、プライマリーギアオイル。ナップスで1100円でした。

プライマリーオイルは車体を垂直にした状態で測るので、ジャッキで車体を支えます。(垂直にするだけで持ち上げません。)因みにエンジンオイルはサイドスタンドで測ります。この時点ですでに日没。真っ暗です。

次にダービーカバーを外します。 僕のバイクは社外品のカバーに換えてあるので3/16″のヘックスを使いますが、ノーマルのダービーカバーはT27のトルクスレンチを使うらしいです。「舐めやすいので慎重に!」と、どのサイトにも書いてあります。

これがダービーカバーを外したところ。下の切り欠けたところからオイルを入れます。

エンジンオイル交換で使った100均のじょうごを使おうと思ったのですが、切り欠きの穴に入りません。専用品もありますが・・・

そこで牛乳パックを使って即席のじょうごを作りました。先を三角形に切ってプライマリーカバーの穴に突っ込みます。イイ感じですが、片手では支えておけないのでオイルを注げません。急遽息子を電話で呼び出し手伝わせました。(笑)
プライマリーオイルの量ですが、車体を垂直に立てた状態で、カバーの中に見えるダイヤフラムスプリングの端にオイルの上面がギリギリ掛かる位が適量です。
ちなみに、ダイヤフラムスプリングというのはこんなパーツです。↓↓↓

この写真でワイヤーの奥に紫っぽく見えている金属の円盤がダイヤフラムスプリング。赤く見えるのがプライマリーオイルです。暗くて肉眼ではよく見えませんでしたが、こうして写真で見る限りちょうどいい感じに見えます。このツインパワーのXLトランスオイル、真っ赤でちょっと派手な色をしているのですが、色付きなので適量はいっているかどうか、見やすいですね。
オイルを入れたものの、すっかり日は暮れて辺りは真っ暗。
いくらスマホで光を当てても、オイルがどこまで入っているのかさえ分かりません。
とはいえこのまま放置はできないし。
まあ、規定量入ったからヨシとしましょう。
ダービーーカバーのOリング(クワッドリング)も用意してあったのですが、見た感じあまり劣化してなさそうです。むしろこの暗闇のなかで取り付けをミスる方が怖いので、そのまま交換せずにカバーを閉めることにしました。

カバーを閉めようとすると、この真ん中にあるスプリングのついたナットがポロポロと落ちて、なかなか閉められません。なんなんだろうこのパーツ。単にはまっているだけで、スプリングで押さえつけているだけのようです。

ダービーカバー用のシール。純正パーツのNo.は25463-94A

ダービーカバーのボルトはこんな風に対角線上に交互に少しずつ締めて行くのがお約束。カバーを歪ませない為でしょうね。

ようやく終了….しないんだなあ、これが。(笑)
ジャッキを下ろしてようやく終了。
もうすっかり真っ暗。暗がりでバイクをいじってるとそばを通る近所の人が怪しんだ目でこちらを見ていきます。(息子も帰っちゃったしなあ。)
さっさと後片付けしたいのですが、一応エンジンをかけて見ましょう。
この暗さじゃたとえオイルが漏れてても気付けないでしょうけれど・・・。
やっぱりやらかすのです、私。(涙)
さあ、エンジンかけるべ。
と思ってクラッチを握ると、
スカッ!
と音がしそうなくらい手応えがありません。
な、なんだ!?
どうやらクラッチレバーの遊びがとんでもなく大きくなっているようです。
エンジンをかけてシフトを一速に入れてみると、クラッチレバーを目一杯握っているにもかかわらず、前へ進もうとします。
そのうえ、駆動力が掛かっているので、ギアをかき上げてもニュートラルにもなりません。
ブレーキを掛けたままでもエンストはしないので、まったくクラッチが切れていないわけではないようなのですが、、、、
なんだよぉ~。プライマリーオイル交換したらクラッチのあそびが変わるなんて、どこにもそんな情報書いてなかったゾーー!
は~あ。やっぱりすんなりとは終わらないのね。
(ブログネタとしては面白いかもしれませんけど。)
というわけで、この話、続きます。