偶然見つけたご飯屋さんで・・・
日曜日。鎌倉~葉山方面へツーリングに行きました。
昼飯は海岸沿いにある海鮮食堂へ行ったのですが、なんと40~50分待ち。時間がかかるのはまだしも、席は順番ではなく自分で確保しなければならず、ひとり客はどうやって席を押さえればいいのやら・・・。なんか面倒になって、諦めてしまいました。
さて、どうしようか。
あてもなくバイクを走らせていると、一軒の食事処がありました。
古民家を改装した風のちょっとしゃれた店構え。小汚いオヤジがひとりで入るのはどうなんだろう?と一瞬躊躇しましたが、見ると店の横の駐車場には真っ黒なCB1100が一台。
あー、ライダーも来る店なんだな、と安心し、入ってみることにしました。
バイクを停められるスペースは1台分しかなかったので、店の前の歩道に、邪魔にならないようにバイクを停めました。
入ってみると小さな店はほぼ満席。ただ運よくカウンターが一席空いていて、そこへ通されました。
カウンターの中では、夫婦かなと思われる男女が二人で手際よく料理を作っています。
メニューはから揚げや生姜焼き、煮魚などの定食が中心。
お客さんは地元の方々とおぼしき老若男女。食べ終わって帰る時の店主への挨拶を聞いていると、ほとんどが常連のお客さんのようです。地域の人々に愛されているお店なんでしょう。
定食はほとんどが和食ですが、「土日限定 キーマカレー」というのがあったので、僕はそれを頼みました。
料理が作られる様子を見ながら、自分の分が出来上がるのをのんびり待っていました。
我がバイク襲撃の危機!
その時、店に一人の女性が入ってきました。
「あの~、表にバイクを停めていらっしゃる方は・・・」
あ、オレだ。まずい。なんか邪魔なところに停めちゃったのかな?
「あ、すいません。僕のです。邪魔になってます?」
と立ち上がると、その女性が思いがけない一言を。
「カラスがカバンの中を突っついてますヨ。」
・・・は?
慌てて店の外に出ると、一羽のカラスが僕のバイクのリアシートバッグに乗り、バッグの中へ頭を突っ込んで何やら漁っています。
どうやら器用にバッグのファスナーをクチバシで開けたようです。
コラー!
駆け寄るとカラスは何かをくわえたまま、屋根の上まで飛んで行きました。
何やらビニールの袋のようなものを咥えています。
何だ?何を盗られたんだ?
あ・・・・・車検証!!・・のコピー。
そう、カラスはシートバッグの中に入れておいた車検証のコピーが入ったビニール袋を盗んで飛び去って行ったのでした。
バイクの車検証 コピーを携帯は可?それとも不可?
昔、免許を取りたての頃に読んだバイクの入門書には「バイクの車検証は本物ではなく、コピーをとって車体に積んでおこう」と書かれていました。
盗難の多いバイクは、車体に車検証の現物を積んでおくと、盗まれたときに簡単に転売される可能性があるから・・・です。
なるほど。でも車検証ってコピーでいいの?
これは明確にNG!です。(・・・としか書けない。)
道路運送車両法の第六十六条では、車検証の携帯について以下のように定められています。
これに違反すると、50万円以下の罰金刑を科せられる可能性があります。
ちなみにこれは道路運送車両法の規定であって、道路交通法ではないので、違反点数はつきません。
コピーを携帯してるとどうなるか
実際、どんな時に車検証の提示を求められるんでしょうか。そして、もしコピーだとどうなるんでしょうか。
僕の云十年のバイク歴のなかで、車検証の提示を求められたことは3回あります。(車検時を除く。)
一回目はネズミ捕りに捕まった時。たしか四国の山奥をツーリングしていた時です。周りに何もない山道でスピード違反で捕まりました。30km/hの道を40km/hで走って捕まりました。(なんと10km/h オーバー!!)
免許書の提示を求められ、見せると、今度は車検証を出せという。
過去何度か違反で捕まりましたが(自慢できないですよね。)、車検証を見せろと言われたのは後にも先にもこの時だけです。
四国一周ツーリング中だったので、リアシートに満載の荷物をすべて下ろし、シートを外してようやく車検証を取り出して提示しました。
この時は現物の車検証を持っていました。たぶんあれがコピーだったら、ひと悶着あっただろうなあ、と思います。
(今思えば嫌がらせのような取り締まりでした。人もクルマもほとんど通らないような山奥の一本道でネズミ捕り。捕まえてみてわずか10km/hオーバーだと判ると今度は車検証を出せといい、最後には「ここはしょっちゅう取り締まりやってるのに、知らなかったのか?」と半笑いで言われました。知るか!そんなの。かなり昔の話ですけどね。)
二回目と三回目は事故を起こしてしまった時。どちらも左折車に巻き込まれました。事故処理の為に警察を呼んだのですが、事故証明を発行するために車検証の提示を求められました。
この時は二度とも車検証はコピーを携帯していました。
「コピーですけど」といって車検証を出すと、「ああ、いいですよ」と言われ、無事事故処理が終わりました。
***
だからコピーでいい、ということではありません。法律違反ですから。もちろんコピーの携帯をオススメしているわけでもありません。
こういうことを体験しました、というだけです。
(カラスの盗難には有効でしたけどね。笑)
車検証を入れるスペースの無いバイクにはこれがオススメ↓↓↓
バイクを停め直していると・・・・
カラスを追い払ったものの、同じところに停めるとまた狙われるかもしれません。
どうしようか、と思っていると、店の中から一人の男性が。
手にはヘルメットを持っています。
「どうしたんですか?」
「いや、カラスにカバンの中身を盗られまして・・・」
「へえー。」
「まあ、大したものは盗られなかったんですけど。でも、またここに停めとくと襲われそうだなあ~。」
「あ、僕はもう出ますから、どうぞここへ停めてください」
その男性はそう言ってくれました。
背の高い、なかなかシブいというか、ダンディーな男性でした。
まるでキアヌ・リーヴスのような・・・
「あ、ありがとうございます。」
「いえいえ。じゃあ」
と言って、ヘルメットを被ると、その男性はCBに跨り、去っていきました。
なんかみたことある人だなあ。
・・・あ!!●●さんだ!
その人は、だれもが知っている超有名俳優でした。
(すいません。自主規制でお名前は書きませんけどね。)
うわー。話しちゃったよ。なんという偶然。
カラス、ありがとう。心の中で、ちょっとカラスに感謝しました。(笑)
・・・そういえば、キアヌ・リーヴスとも共演されてたなあ。