いつも目にはいるボルトに錆が・・・
我が愛車(KTM 890DUKE)のハンドルクランプ(ハンドルポスト)のボルトが錆びてきました。
こんな感じ。

パッと見、アルミのように見えるボルトですが、鉄なんですね。
いつも目に入るところですし、さすがにちょっとみすぼらしい。
外してサビ取り剤でサビ落とししようかとも思ったのですが、そもそもちょっと安っぽい感じが否めないボルトなので、思い切って別のボルトに換えてみようと思います。
ボルトの交換はわりとポピュラーなカスタムですが、僕はむやみにボルトを換えるのはあまり好きではありません。バイクに使われているネジやボルトは、理由があってそのボルトが選ばれていると思うからです。(もちろん”コスト”という理由もありますが。)
それにネジやボルトの世界って、ものすごく奥が深く、僕のような素人が適切なボルトを選ぶのは簡単ではありません。
単にサイズが同じで、純正より硬くて強いボルトに換えればいい、というものじゃないからです。
(少なくともバイクの構造体の部分には、純正のボルトを使うべきだと思います。)
サビないチタンボルトに
今回はサビ対策と見た目アップのためボルトを交換します。
サビないボルトといえば、ステンレスかチタン。ただ、個人的にはバイクのパーツにステンレスボルトはあまり使いたくありません。(特に純正が鉄ボルトを使っているような部分には使いたくない。)
そこで、今回はチタン(チタン合金)ボルトを使います。軽く、錆びず、強度が高いボルトです。(値段も高いですが)。
見た目もキレイなチタンボルト。ただ、ここもあそこもチタンに換える、というのはあまり好きじゃありません。やっぱりボルトも適材適所がいちばんだと思います。
まずは純正のボルトを計測
まずは純正のボルトを外し、サイズなどを測ります。
ボルトを測るには、ピッチゲージが必要です。簡単なものでもいいので、1つは持っておきたいところ。(ぼくは今回あわてて買いました。w)

ハンドルクランプの純正ボルト。トルクス T-40のフランジボルトです。

ボルトのサイズ(呼び径)はM8。

ネジ部の長さは25mmの全ネジです。(全部に溝が切られていないネジは ”半ネジ” といいます。)

ネジのピッチは P=1.25 です。

二面幅は10mm

フランジ部分の直径は13mmでした。

上半分のハンドルクランプネにはネジ溝が切られていません。なので全ネジでなくてもよさそうです。

ハンドルクランプのネジ穴部分の厚みはおよそ10mm。25mm-10mm=15mmなので、15mm以上はネジ部の長さがないとネジの役割を果たせません。

ボルトの頭が収まる部分はクランプが削られています。あまり隙間は大きくないので、六角ソケットレンチで回すのは難しいと思います。なのでヘックスネジ(もしくはトルクスねじ)じゃないとダメです。

フランジの周りの隙間はあまり大きくありません。純正ボルトのフランジ部分が13mmなので、14mmのフランジだとギリギリかもかも。
計測の結果、必要なボルトサイズは、
M8×25mmのキャップボルト(ヘックスorトルクスねじ)、もしくは
フランジの径が13mm以下(14mmはギリギリ?)のヘックス(もしくはトルクス)のフランジボルト。
ネジ部分のピッチはP=1.25で、首下25mmのうちネジ部の長さは15mm以上必要
・・となります。
チタンボルトを探す
今は便利な時代なので、ネットで探せばいくらでもボルトは見つかります。
ただ、今回使用する箇所はそれほど強度や精度がシビアな部分じゃないとは思いますが、それでも出所のわからないボルトはやっぱりちょっと不安です。実際、チタン(もちろん64チタン)なのにすごく安いボルトも売ってたりします。
それと、案外寸法の情報が書かれていないものが多いんですよね。半ネジのネジ部の長さとか、フランジボルトのフランジの径とか。(基本的にボルトは規格品だからだと思いますが。)
最初、純正同様のフランジボルトを探していたのですが、フランジ部分の径が14mmというのが多いです。たぶん14mmでもいけるとは思うのですが、ひょっとするとクランプ本体に干渉するかもしれません。
それと、単純な六角ボルトが多く、ヘックスやトルクスになっているものは結構高価です。(加工が大変でしょうしね。)
なので、今回はキャップボルトにしました。フランジボルトに比べると総じて安いです。
選んだのはモトロックマンのボルト
最終的に選んだのはこの2本(2社)
まずは、バイク用品店でもよく見かけるジーターレーシング。
もうひとつはネットで見つけたモトロックマンのボルトです。
このモトロックマンというメーカー。愛知県の会社らしいのですが、ホームページを見ても詳しい住所は載っていません。
ただ、ホームページやブログを見てみると、ボルトに対する造詣が半端ないことがわかります。(このブログ、めちゃくちゃ面白いです。)
そこで、今回はこのモトロックマンのボルトを購入してみることにしました。
チタンボルトが届きました
さっそく注文したボルトが届きました。見た目だけでボルトの良し悪しはわかりませんが、いかにも精度が高そうなキレイなボルトです。

届いたキャップボルト。表面処理の無い「無地」のボルトです。

純正のボルトと並べてみると、質感の違いは明らか。

ヘッドは6mmのヘックス(六角)です。(純正はT40のトルクス)

ヘッドのサイズは13mm。純正ボルトのフランジ径と同じです。

クランプホルダーに収めてみるとこの通り。ピッタリです。
どうやら今回用意したサイズで正解だったようです。
さっそく取り付けてみます
ノーマルボルトを外します。その前にクランプを観察。
ハンドルクランプの取り付けには、クランプの車体前方のボルトを先ず締め付け、その後、後ろ側のボルトを締め付ける(この場合、クランプの後ろ側には隙間ができる)場合と、前後のクラインプの隙間を均等にして締め付けるタイプとがあります。

左側のクランプは前後を均等に締め付けるタイプ。右側は前後でクランプの厚みが違っていて、まず前側のボルトを締めてから、後ろ側のボルトを締めるタイプです。

890DUKEのハンドルクランプは、前後同じ厚みなので、前後を均等に締めるタイプだと思われます。

ただ、クランプの手前側にはこのように前後を示すポンチマークが付いています。ポンチマークがある場合はそちらを先に締め付けます。

実際クランプを見ると、後ろ側が密着する形で取り付けられていました。ただ普通片側を密着させる場合は前側を密着させるのがセオリーだとおもうんだけれど。うーん。

ちなみにKTMの取扱説明書には「均等にしっかりと締めます」と書かれています。この均等にが前後のことを言っているのかどうかわかりませんが。

カジリ防止のため、ネジ部にスプレーグリス(二硫化モリブデン)を塗布しました。※チタンは齧りやすい材質ですが、転造でつくられたチタンボルトは、実際にはほとんどカジる心配はないそうです。

チタンボルトをセットし、まずは手でねじ込んだ後、6mmのヘックスで締めこんでいきます。
本来はトルクレンチを使ってボルトの締め付けトルクを管理した方がいいのですが、チタンボルト(しかもグリスで潤滑している)の締め付けトルクをどのくらいにすればよいのかわかりません。なのでひとまずは ”手ルクスレンチ” でボルトを締めてみました。
(ちなみにサービスマニュアルによると、ここのボルトの締め付けトルクは20Nmです。)
万が一緩むと怖いので、ボルトにマーキングしました。いつも目に入る場所ですし、もし緩んでもすぐ気づけるようにしておくためです。

というわけで、まずは無事ボルト交換が終わりました。
ちょっと浮いている?・・かも
チタンボルトに交換したハンドルポストはこんな感じです。

う~ん。とってもきれいですが、ボルトだけちょっと浮いているかのような感じもします。周りが全て真っ黒なので、ボルトだけがやたらと目立ちます。
うーん。やっぱり無地じゃなく、黒染めのボルトを使った方がよかったかな・・・・。
しかし、交換後にしばらく走っていると、だんだんと慣れてきたのか、違和感は感じなくなってきました。これで良しとしましょう。
補足:チタンボルトの締め付けトルクについて
その後、いろいろ調べてみると、チタンボルトの締め付けトルクは、車両の指定トルクで良い、という意見が多いようです。先述のモトロックマンさんのブログを見ると、
・鋼材とチタンの締め付けトルクはあまり大きな差はない。
・ただし、座面の大きさが違う場合はその分加減が必要。
とのこと。今回はボルトの形状は違いますが、座面はほぼ同じなので、どうやらKTMの指定値でよいようです。
注:ただし、車両メーカーの指定値は基本的に無潤滑の場合ですから、今回のようにボルトにグリスを塗った場合は値が変わってきます。指定値で締めると締めすぎになります。
後日、トルクレンチで締め直してみようと思います。




