1000km走り 初回点検を受けました
我が愛車 KTM 890 DUKE が納車されて約1ヶ月半経ちました。
ある日走っていると、いきなり液晶メーターにスパナのマークが。
しかもこんなにデカデカと。
「1000kmになると、メーターにスパナのマークが出ます」と聞いてはいましたが、まさかこんなに大きいとは思いもしませんでした。
え!?なになに? 何か壊れたの???
一瞬パニックです。(笑)
速度こそ表示されますが、それ以外は一切表示されず。
なにもそこまで主張しなくても・・・。
セットボタンを押すと消えるのですが、キーをONにしてエンジンを掛けるとふたたびこの状態になります。
「わかったよー。わかりましたよ。行きますよ。行けばいいんでしょ!初回点検。」
意味もなく我が愛車に毒づくのでした。(笑)
というわけで、ようやく1000km乗ったので、ファーストインプレッションを書いてみたいと思います。
最初はなかなか仲良くなれず・・・(?)
乗り始めたころは、このKTMがどうのこうのというよりも、まずハーレー(スポーツスター XL1200CX)との違いに大いに戸惑いがありました。
890 DUKEは意外とハンドルが近く、一般的なハーレーに比べればもちろん前傾姿勢ですが、僕の乗っていたロードスター(XL1200CX)に比べれば、むしろこっちのほうがハンドル近いんじゃない?と思う程、楽な姿勢です。
それでもシートは高くて固く、座面も前傾していているので、常に後ろから何かに押されているような感覚がありました。
ハンドルグリップも細くて固いので、長く乗ると手のひらが痛くなってきます。試乗の時は(ハーレーに比べると)無茶苦茶軽く感じたクラッチレバーも、慣れると思ったほど軽くはないなと思いました。
サスペンションは決して固くはないのですが、なにしろ車体が軽いので、路面の凸凹がそのまま体に伝わってくる感じがしました。
エンジンはさすがに1200ccのハーレーほどは低速トルクがないので、必然的に発進時はアクセルを大きめに開けることになるのですが、エンジン音が勇ましいので、長く乗っているとちょっと疲れます。
というわけで、はじめのうちはこの新しい相棒にどうにも馴染めず、100kmも走るとへとへとになっていました。
慣らしが進むとだんだんと楽しく!
そんな 890DUKEにも、200km、300kmと距離が伸びるうちに少しづつ慣れてきました。
特に大きくその印象が変わったのは、革パンツを履いて乗るようになってからです。
僕はHYODの「スマートレザーパンツ」を愛用しているのですが、長年の使用でポケットが破れていたので、夏ごろに修理に出していました。
価格:58,850円 |
ちょうど先日、修理が終わって返ってきたので、これを履いてDUKEに乗ったところ、かなり印象が変わりました。革自体厚みがあってクッション性があるのと、滑りにくいので体を支えやすく、シートの前傾が気にならなくなりました。手に荷重がかかりづらくなったので、細いグリップでも手が痛くなりません。
重く感じたクラッチも、レバーの距離や角度を調整したところ、ぐっと楽に感じるようになりました。
500kmを超えるころからは乗るのが楽しくて仕方なくなり、そこから1000kmまではあっという間でした。
前の愛車のスポーツスターで「これいいなあ」と思えるようになったのは、3000kmほど走ってからでしたが、それに比べれ DUKE890は、距離を縮めるのにそう時間はかからなかったです。
バイクの慣らしというより、乗る人間側の慣らし(リハビリ?)が必要だったということですかね。
あらためてファーストインプレッション
ではあらためて890DUKEのファーストインプレッションを書いてみたいと思います。
ライディングポジション
まず最初にお断りしておきますが、僕の「890 DUKE」は純正のローダウンキットを使って、シート高が25mm、ノーマルより低くなっています。(820mm→795mm)
軽い前傾姿勢でネイキッドバイクとしては一般的。ハンドルがタンクに近い感じがするので、むしろ前傾は緩い方かもしれません。
ちなみに、ハンドルポストの取り付けボルトの穴が前後に2つ開いており、位置を変更(15mm)できるようになっています。
足着き性はノーマルだと身長165cmで短足(だいたい160cmの女性と同等。涙)の僕で両足の爪先がギリギリ着く程度。ロワリングキットを装着(約25mmダウン)すると、親指の腹が着く感じです。でもこのぐらい足が着けば、車重が超軽量級なので支えるのは楽勝です。
ステップ位置はネイキッドバイクとしてはやや後ろ気味かな、という感じ。ツーリングでも辛いほどではなく、足の曲がりもあまり大きくないので楽です。(足の長い人だとちょっと窮屈かもしれません。)
個人的にちょっと辛いのはリアブレーキのペダルが遠いこと。ハーレーに比べればずっとまし(踵をステップに乗せてブレーキングしていた)なのですが、足の小さな(25cm)僕だとステップに土踏まずを乗せると爪先がギリギリペダルに届くぐらいの感じになります。もう2-3cm近くに欲しい感じです。
ステップは可倒式&ラバー付きで、ツーリングライダーとしては特に問題ありません。
シートは結構硬いです。スーパースポーツほどではない(たぶん。乗ったことがないのでわかりませんが)と思いますが。スポンジが薄いというより、表皮が厚く、中のスポンジの腰が強い感じです。
どっかりシートに座るバイクじゃないので、それほど苦にはなりませんが、長距離を走るには厳しそうです。いずれはオプションのERGOシートに交換したいなあ。
エンジン
このバイクの最大の魅力はエンジンじゃないかな、と思います。しかもサーキットやスポーツ走行でかっ飛ばすときのことだけではなく(それもきっと素晴らしいんでしょうけど)、普通に街乗りやツーリング用のバイクとして見ても非常に魅力的なエンジンです。
普通はそれぞれのエンジンごとに、得意な回転域と苦手な回転域があります。「気持ちいいところとそうでないところ」と言い換えてもいいと思いますが。
例えば4気筒エンジンは総じて高回転型です。ある程度回っていないと面白くありません。特に小排気量エンジンだと「まわしてなんぼ」みたいなところがあります。
なので、低速で走っているとどうしてもストレスが溜まります。トロトロとのんびり走っているクルマの後ろをついていくのは苦痛ですよね。
その点、ハーレーは比較的低速でも味があり、制限速度以下でクルマについて走る時でも楽しめるバイクでした。
ただ、そんなハーレーでも(僕の乗っていたXL1200CXの場合は、ですが)極低速では面白いとは言えず、やっぱり2500回転位は回っていないと、エンジンがガサガサと回る感じで、正直楽しいとは言えませんでした。
ところがこの KTM 890DUKEのエンジンは、何速で走っていても、何km/hで走っていても不快な感じがありません。
下の回転域からトルクがあり、アイドリングで走ってもギクシャクしません。
そこからアクセルを開けると、角の取れた「ドリュー---ン」というフィーリングでスムーズにエンジンが回ります。がさついた感じが一切なく、スムーズで、それでいて心地よいパルス感があります。
しかも、そのフィーリングがアイドリング付近から6000回転までほとんど変わりません。そして、どの回転数からでもアクセルを開ければスムーズに加速していきます。なので逆に何速で走ればいいのか分からなくなる感じです。
クランクシャフト前とシリンダーヘッドに設けられたバランサーの効果なのか、790 DUKE より20%重くなったクランクマスのおかげなのか、それとも電子制御のなせる業か。
そして6000回転を超えると怒涛の加速!・・・なのですが、ここから先は慣らし中だったのでほとんどまだ体験できていません。そこは今後のお楽しみ、ということで。
それより驚いたのが高速道路。6速 2500回転で80~90km/hぐらいなのですが、これがすごく平和で心地イイ。静かでスムーズに走るのですが、味のようなものもあり、飽きません。なんだかいつまででも走っていられる感じがします。
まさか「REDY TO RACE」を謳うバイクでこんな楽しみ方が出来るとは思ってもいませんでした。
でも考えてみればこのエンジン、ベースは同じKTMの 「890 ADVENTURE」のエンジンでもあるわけで、ツーリング向きなのも当然なのかもしれませんね。
ちなみにここまでの感想はライドモードを「ストリート」で走った時の感想です。
慣らし中だったのと、冬真っただ中ということもあり、まだ山へ行ったりはしていません。なので今まではほぼ「ストリートモード」だけで走っていました。
ただ一度だけ、ちょっとしたワインディングでほんの数キロ「スポーツモード」を試してみました。その時の感想は
「これは楽しい・・・。」
でした。
春になって本格的に走るのが今から楽しみです。(ご安全にね。)
ハンドリング
上に書いた通り、ほどんど市街地しか走っていないので、ハンドリング云々はまだ語れる状況ではありません。でも圧倒的に軽量な車体もあり、非常に乗りやすいのは間違いありません。
ただし、試乗で乗った「890DUKE R」に比べると、若干 安定志向というか、意図して倒し、アクセルを開けていかないと曲がらないような印象を受けました。
これはおそらく車高の違いによるものではないかと思われます。
ノーマルの「890 DUKE R」はシート高 834mm。対して「890 DUKE(無印)」は820mm。さらに僕のDUKEはロワリングキット装着で795mmと、「890DUKE R」に比べると39mmもシート高が低くなっています。これだけシート高が違うとハンドリングへの影響はかなりあると思います。
(むかしサスペンションのプロの方に聞いた話ですが「重心位置の数mmの違いはすごく影響する」のだそうです。)
乗り心地もシートは固いものの、サスペンションもなじみ始めたのか、スムーズで悪くないです。
ただ、なにしろ車重が軽いので、路面の凹凸は比較的ダイレクトにライダーに伝わります。乗り心地が悪いというレベルではありませんが、高級感はないかな、という感じです。(もちろん、ノーマルのスポーツスターに比べれば天国です。w)
ブレーキは「890 DUKE R」のように高価なブレンボではなく、KTMオリジナルのブレーキですが、公道では必要にして十分と思える効きを発揮します。
ただ、結構鳴きます。リアブレーキが「キーーー、キーーー」と鳴くのは国産車でも珍しくありませんが、このバイクはフロントブレーキもよく鳴きます。(まあ、ぼくはあまり気にしないほうですが。)
ヘッドライト
特徴的なKTMのヘッドライト。「ビースト」を表す、個性的なフロントマスクですが、実用性の点で見ても案外(?)優れたヘッドライトです。
まだ夜間走行は殆どしていませんが、トンネルを走った感じだと、照射範囲が非常に広く、6つのもあるLEDが強力でとっても明るいです。
一つ不満を上げるとすると「1290 SUPER DUKE」に比べ、両サイドの「LEDヘッドライトスリップ」の部分があまり目立たないことです。昼間見るとほとんど点灯していることがわからないレベル。せっかくの特徴的な部分なんだから、もっと目立ってほしいなあ、と思います。
TFTフルカラーディスプレイ
積載性
ツーリングで重要なのが荷物の積載性です。これについて890DUKEはあまり優秀とは言えません。
シートは前のシートと後ろのシートが独立していて、リアシートはあまり大きくはないものの、特に荷物が載せにくいということはないと思います。グラブバーもあるので、うまく使えば大き目のバッグも安定して乗せられそうです。
問題はロープを掛けるフックがどこにもないという事。仕方がないので僕の場合はタンデムステップのステーやリアフェンダーなどにループを通してバッグをひっかけたりしています。
ただ、一週間以上のロングツーリングなど、より大きなバッグを積み込もうとすると、右側のアップタイプのマフラーが問題になると思われます。位置が高く、リアシートに近いので、バッグを熱で溶かしてしまう可能性があるからです。
じゃあ890 DUKEでロングツーリングは難しいかというとそんなことはありません。これら弱点をカバーする様々なパーツやグッズが世界中から販売されているからです。
たとえばこれ。↓↓↓ 「ヘプコ&ベッカー タンデムシート置換型リアラック」
リアシートと取り換えるだけでフラットになり、側面には荷物を引っ掛けるスリットも設けられています。
さらにこれ。
先ほどのリアラックに乗せるだけで、さらに大きなドラム型のバッグを安定しておくことが出来ます。
もちろんリアキャリアなんかも純正、サードパーティーを含め、各国、各社から販売されています。
こういうパーツを使えば、キャンプツーリングでも問題ないぐらいの積載が可能です。
乗るのが楽しい!
僕のKTMライフはようやく1000kmを超えたばかり。街乗りが中心で、ロングツーリングもワインディングも未体験です。まだまだDUKE890の魅力を知り尽くした、とは言えません。
それでも毎週、DUKEに乗るのが楽しいです。
以前の愛車、ハーレーダビッドソン スポーツスター XL1200CXは、道さえ空いていれば低速で走っても楽しく、空いた道を飛ばすとさらに楽しい、そんなバイクでした。
ところが、このKTM 890DUKEは、その気持ちいい範囲が上にも下にも広がったようなバイクです。普通にただ街中を流しているだけで楽しい。
クルマの後ろで並ぶのもそれほど苦にならない。高速道路を淡々と流していても心地よい。それでいて飛ばすと快感が・・・。
個性的なマスクと『READY TO RACE』のイメージが強いKTMですが、すくなくともこの「890 DUKE」に関しては、ツーリング用としても非常に楽しめるバイクだと思います。
(逆に、高速道路一気乗りだと風圧が気になるかもしれませんが。)
まあ、磨いて眺めるのが楽しいバイクじゃないです。走らせてなんぼ、ですね。
これからもどんどん走って、その魅力をお伝えできればなと思います。
コメント
いいなー
冬でも乗れる人は
ガレージに籠ってDT125Rと格闘してます
いいなあ。ガレージのある人は。(笑)
いいじゃないですか。春になれば北の大地を走り放題なんだし。