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ヒントその25.チェーンのメンテを考察する

EK(イーケー) 強化ノンシールチェーン 428SR スチール 132L 【クリップジョイント】

チェーンのメンテナンスほど、様々なやり方、流儀(?)が分かれるメンテナンスもないのではないでしょうか。

プロの間でも微妙に意見が分かれていて、それぞれの主張の違いに耳を傾けると、それはそれで面白いものです。

1)チェーン清掃のやり方

チェーンオイルを塗布する前にチェーンを清掃するのですが、
既にここからいろんな流派(?)に分かれます。

a.チェーンクリーナーをチェーンに吹き付け、ブラシでこする。

スプレー式のチェーンクリーナーを汚れたチェーンに吹きかけ、チェーンにこびりついた汚れや古いチェーンルブをブラシで清掃する方法。チェーンメーカーもこの方法を推奨しているケースが多いようです。
注意点としてはシールチェーンに用いるチェーンクリーナーは「シールチェーン用」を選ばないと、チェーンのOリングを痛める、という事。
# もっとも、今時シールチェーンに対応していないチェーンクリーナーなんて、
僕は見たことがないですが・・・。

この方法でクリーニングすると、チェーンが本当にピカピカになります
ただ、あっという間にチェーンクリーナーがなくなります。

b.チェーンクリーナーをウエスに染み込ませ、そのウエスでチェーンを拭く。

シールチェーンはチェーンのローラーとブッシュの間にグリス等を封入し、それが漏れ出ないようにOリングで密封したものですが、「Oリングで密封しているとはいえ、浸透性の高いクリーナーを用いると、中のグリスが流れ出てしまう。」という意見や、「ブラシでごしごしこすると、Oリングを痛めたり、逆に汚れを押し込んでしまう事もある」という人もいます。

そこで直接チェーンにクリーナーを吹き付けず、ウエスに吹き付けてそのウエスでチェーンをしごくようにしてきれいにする、という方法です。

c.溶剤系のクリーナーは使わず、中性洗剤、または水だけでチェーンを洗う。

よりシールチェーンを痛めないために、中性洗剤を使ったり、水だけでチェーンの汚れを洗い流す、という方法。洗剤のチェーンクリーナーというのも市販されています。
泥や砂などを洗い流すだけなら、これで十分、という考え方です。

d.そもそもチェーンを洗わない。

わざわざついている油分を洗い流す事はない、という事で、チェーンクリーニングはしない。もしくは布で拭くだけ、というやり方です。
確かに油汚れは油(チェーンオイル)で溶けますから、チェーンオイル塗布後に布できれいに拭けば、それでOKなのかもしれません。

2)チェーンオイルの種類

チェーンオイル(チェーンルブ)に何を選ぶのか。
それこそ山のような種類のチェーンオイルが販売されていますが、
大きく分けるとオイルベースグリースベースに分けられます。

※グリースもオイルがベースなので、厳密に分けられるわけではありませんが・・・

A.オイルベースのチェーンオイル

オイルをベースとした比較的さらっとしたチェーンルブです。
塗りやすく、塗りすぎた余分なオイルをふき取るのも簡単。
また色が付かないのでゴールドチェーンなどに塗っても白くなったりせず、きれいなメッキを楽しめます。
ただし、比較的飛び散りやすく、グリスほど長持ちしません。

B.グリスベースのチェーンオイル

粘度の高いグリスに、フッ素やモリブデンなどの添加物を混ぜているものが多い。
比較的飛び散りにくく、雨に強く、効果が長持ちします。
ただし、硬いので余分についた分をふき取るのが結構大変
また、汚れの付着によりやがて真っ黒になり、チェーンの美観を損ねます。

C.それ以外の製品

こちらもオイルベースの製品化と思われますが、スプレー式ではなく、必要最小限の量を適所にスポイトや注射器で塗布するという製品です。
円陣屋至高の「C.P.O」とか、RISEの「SLFC」など。

D.エンジンオイルを使用

専用のチェーンオイルではなく、エンジンオイルをチェーンに塗る派もいます。
粘度がないので、どうしても飛散しやすく、長持ちはしないと思いますが、
「金属同士の摩擦低減という意味ではエンジンオイルこそ優れている」
「浸透性が高く、またホコリなどを呼びにくい」
「長持ちしないなら頻繁に塗布すればよい。柔らかいので塗布もふき取りも簡単。」
といった意見があります。
コスト的にも安いといえます。

3)チェーンオイルの塗布の仕方

  • とにかくいっぱい塗って、余分なのは後でふき取る。
  • いやいや、必要最小限の塗布。ピンとブッシュの間のOリングを狙う・・・など。
  • 遠心力が働くので、チェーンの内側から塗布する。
  • いやいや、ちゃんと染み込むから外側からチェーンオイルを刺す。
  • 必要なポイントに塗布するためにこんな道具も使う。

ワコーズ CHL チェーンルブ 浸透性チェーン用防錆潤滑剤 A310 180ml A310

・・・などなど。

塗る個所については

Oリングを狙うように(プレートとピンの接合部)、、、」という意見が多いですが、

「スプロケットと接触する場所がもっとも摩擦が起きるのだから、ローラー部へ
という意見も見たことがあります。

もっとも、「とにかくたっぷり塗って、余分はふき取る」派には関係ない話(?)ですが。

4)その他

*チェーンオイルがよく浸透するよう、走行直後のチェーンが熱いときに行う。
*チェーングリスが浸透し、粘度を持つまで時間がかかるので、
チェーンルブを吹き付けたら一晩は放置する。
いかがでしょうか、実に様々な意見がありますよね。
それぞれに説得力がある気もしますし、どれだけマメにメンテナンスできるか、雨でも乗るのか、などの条件によって最適な方法も違ってくる気もします。

さあ、あなたはどうやってこの難問を乗り越えますか?(笑)

注!
どんな流派であれ、チェーンメンテナンス中にエンジンをかける事だけは厳禁です。
僕は実際に指を飛ばした人に会ったことがあります。

# で、結局、お前はどうやってるんだよっ!・・・て?
# 残念ながらハーレーはチェーンじゃなくてベルトドライブなのです。(笑)

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