昨日ふらっと本屋へ立ち寄り、バイク雑誌のコーナーを眺めていると、見慣れた背表紙が目に留まった。
「Clubman」
ん?クラブマン?
またずいぶん古い雑誌が、、、と思ってスルーしようとして、そこではたと気がついた。
ちょっと待て。ここブックオフだっけ?
いや、違う。普通の書店だ。
なんでクラブマンが、、、と思わず手に取ると、表紙を見て驚いた。
「 Clubman 1 」
「1」? いちって何!?
慌てて表紙をめくる。昔懐かしい誌面だが、最新のバイクが載っている。
だが何処にも仰々しい口上は載っていない。
実にさらっと、あっさりと、まるで先月も普通に発売されていたかのように、ページが並んでいる。
だけどそのページはいずれもかっこよく、決して普通ではないのであった。
目次を見ると、池田 伸さん、後藤 武さん、小林ゆきさん、磯部孝夫さん、そしてBowさん。そうそうたる名前が並んでいる。
発売元こそ違うようだが、これは紛れもなくクラブマン誌だ。
「復刊したんだぁ!」
直ぐそのままレジへ直行した。
雑誌「Clubman」は僕がバイクに乗り始めた年、1986年に創刊された。
世に”エンスージアスト”という言葉を広めた(少なくともモーターサイクルの世界では )小野勝司さんが初代編集長を務め、世のレーサーレプリカブームを横目に、主に単気筒や二気筒といったトラディショナルで味のあるバイクを取り上げる事が多かった。
Bowさんのイラストや磯部さんの写真がページを飾り、眺めているだけでも美しく楽しい雑誌だった。
けれど、小野さんが退いた後、バイクブームの終焉もあって、いろいろな方向性を模索しつつも、2009年、創刊22年目にして休刊となった。
僕自身、大好きな雑誌で、24日にクラブマン、1日にバイカーズステーションを買うのが毎月の楽しみだった。考えてみるとBROSを買ったのも、XJR1200を買ったのも、Bandit1200を買ったのも、すべてクラブマンの記事がきっかけだった。
復刊第1号を読むと、こまごました記事はなく、どのページも時間をかけて作られている感じがする。磯部さんの写真は相変わらず美しく、どの記事も”書きたかった事”を書いている、という感じが伝わってくる。
休刊となった号をあらためて読み返してみて気が付いたのだけれど、この復刊1号の目次に描かれたBowさんのイラストは、創刊第1号の表紙のイラストだ。あらたな1号に対する思いを感じずにはいられない。
今後のクラブマンがどうなるのか、どの程度のペースで刊行されるのかはわからない(次号は2018年1月らしい)が、季刊でもいいので、どうかじっくりと作ってほしい。そして長く続いてほしいなあ、と心から思う。