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DUCATI 大試乗会(?)

ドゥカティ3車種を試乗させてもらいました

ドゥカティもいいかな?ぐらいの気持ちでふらっと訪れたドゥカティディーラーさんで、気になっているモンスターの試乗をお願いしたところ、思いがけず「スクランブラー」「SS950S」も試乗させていただけることになりました。

わくわく半分、ドキドキ半分で迎えた試乗の日。

試乗申込書(誓約書?)を記入し、簡単な説明を受けるのですが、「転倒などで破損させた場合は修理費を実費負担」という一文を見て、一気に緊張モードに。

なにしろいずれも僕にとっては高額なバイク。たとえ立ちごけでも修理代は相当な額になりそうです。

***

「先ずはどれに乗ります?」

バイクに乗るのは事故以来です。さらにハーレー以外のバイクとなると6年ぶり。まずは出来るだけ乗りやすそうなバイクを選びたいところ。

「じゃあスクランブラーで。」

3車のなかではもっとも控えめなパワーで、乗りやすそうなアップハンドルのスクランブラーを選びました。

スクランブラー アイコン インプレッション

目の前に運ばれてきたのは、スクランブラーのなかでも最もベーシックな「スクランブラー アイコン」です。

803ccの空冷2バルブLツインエンジン「デスモデュエ」を搭載する、スクランブラーの中核モデルです。

ドゥカティ スクランブラー アイコ

簡単に操作の説明を受けてから跨ります。

ディーラーの試乗は店員さんが先導してくれる場合もありますが、今回は自由に走ってきていいとのこと。とはえ、2時間ほどで3台の試乗をしないといけないので、1台当たりは30分ほどの試乗となります。

先導はありませんが、比較的土地勘のある場所での試乗でしたので、そこは気楽でした。

今回乗ったドゥカティ全てがそうですが、車体が軽い上にサイドスタンドの傾きが小さいので、なんとなく起こす時に向こう側に倒しそうな気がして怖いです。まあ今まで乗っていたハーレーが重く傾きすぎている、とも言えるのですが。

さらに、跨った状態でサイドスタンドを払おうとすると、スタンド自体が短いのでは払いにくい。まあこれも長いハーレーのサイドスタンドに慣れてしまったせいでしょう。

跨ると足つき性は良好。ダート走行をイメージさせる”スクランブラー”という名前から、なんとなく足つきは悪そうに思っていたのですが、ドゥカティLツインエンジンは幅が狭いこともあって足を真下に下ろしやすく、シート高の数値(798mm)の割に実際の足つきは良いです。身長165cmで 短足(だいたい160cmの女性と同じくらい。涙)の僕でも両足のかかとがわずかに浮く程度。

シートは厚みがあってフカフカ。

ハンドルはかなりのアップハンドルで幅が広く、グリップは手前。したがってポジションは上体がほぼ直立した格好になります。

ドゥカティのスクランブラーにはドラッグバー(ほぼ横一直線)やセパハンのモデルもありますが、この「ICON」はまさにダートも走れる(というイメージの)スクランブラーらしいポジションといえます。

ハンドルクランプより前方という珍しい位置にあるイグニッションキーをオンにし、セルを回します。このセルスイッチがまたドゥカティは独特で、スライド式のスイッチを手前にスライドするとセルが回ります。

乗り始めこそ緊張しましたが、ほんの数十m走っただけで、「ああ、これは乗りやすい」と実感。リラックス出来ました。

186kgという数字以上に軽く感じ、大きなアップハンドルと相まって僕でも振り回せそうな(錯覚かもしれませんが)感じがします。

803ccとドゥカティとしては控えめな排気量ですが、下のトルクにも不足はなく、発進に気を使うようなことはありません。

吹け上がりは実にマイルド。ドゥカティという名前からイメージされるような荒々しい感じはなく、トゥルトゥルトゥルトゥルと角の取れたような回り方で車速を上げていきます。

シングルディスクのフロントブレーキですが効きは鋭くはないものの、車重とパワーに応じた必要十分な効力です。

足回りは柔らかいセッティングで、沈み込みが大きく、交差点を曲がる時も前後のピッチングを使って曲がっていく感じです。

液晶メーターは丸型で、スピードと回転数以外にも、ギアポジション、燃料系に時計と多機能。ただ、モノクロの液晶はあまり視認性がよいとは言えず、特に半円状に伸びるタコメーターは見ずらく、あまり実用的ではないと思いました。

そして個人的にはハンドルの中央ではなく、右側にオフセットして取り付けられているのがどうにも好きになれません。

同じように感じる方も多いようで、メーターの移設キットがあります。

メーターがオフセットされているのが嫌なのは僕だけではないようで、メータを真ん中に移設するキットがあります。https://www.peitzmeier.jp/rizoma_custom/parts/AZ203B_Scrambler.jpg

クラッチはケーブルでしたが、意外に重く感じました。まあスポーツスターに比べればはるかに軽いんですけれど。試乗車のクラッチレバーは取り付け角度がかなり下向きで、指をかなり伸ばさないとクラッチに届かず。力が入れづらかったからかもしれません。

クラッチ以外は特に問題もなく、エンジンはパワーを感じないものの、軽く心地よく回ります。もちろん803ccもあるバイクなので、回せば十分速いです。

逆に言えば問題の無いのが問題(?)で、とにかく扱いやすいものの、これといってバイクからの明確な主張を感じられません。

長距離を下道で走るようなツーリングでも疲れが少ないと思いますが、あまり刺激的な感じはしません。これが楽しいのか?と言われると・・・。

バイクそのものの乗り味というよりは、旅したり、美味しいものを食べに行ったり、釣りやキャンプに行ってみたり・・・つまりこのバイクのある生活を楽しむ。そんなバイクという気がします。

ドゥカティ モンスターS インプレッション

続いて乗ったのが大本命(?)、「モンスターS」です。

ドゥカティ伝統のトラス状のパイプフレーム(トラリスフレーム)をあえてやめ、徹底的にスリム、軽量、コンパクトにこだわって作られた新しいモンスターです。

実車を目の前にすると、より一層そのコンパクトさに驚きます。

400cc、いや、ヘタをすれば最近の立派な車格を持った250ccのバイクに見えなくもありません。

ギュッと凝縮されたようなそのスタイルはさすがにカッコよく、イタリアンレッドとそれ以外のブラックの部分とのツートンカラーが実に美しく、かつシックでおしゃれです。

早速跨ります。

足つきはスクランブラーと同じレベル。分厚いシートを持ったスクランブラーよりシート高は低く、まっすぐ下に足を降ろせば、チビ&短足の僕でもかかとまで地面に着きます。ただ、足を伸ばすとシートの角が内ももに当たってちょっと痛いです。

900ccオーバーのイタリアンバイクが、僕にでも足が届くコンパクトさで出てくるとは。ちょっとびっくり。そして感動です。(ありがとうドゥカティ!笑)

この日本仕様のドゥカティモンスターSは、オプションのローシートと、車高ダウンキットが標準で組み込まれています。僕のようなチビ&短足オヤジには大歓迎ですが、なぜドゥカティはここまで車高を下げることに拘ったのかは謎です。女性や初心者に間口を広げたかったのかもしれませんが、果たして吉と出るか凶と出るか。

エンジン掛けます。ユーロ5規制に適合したノーマルバイクにもかかわらず、けっこう勇ましい音がします。

ライディングモードは「スポーツ」、「ツーリング」、「アーバン」の3つから選べますが、まずはツーリングでスタートしました。

発進すると、スクランブラーより明らかに下からトルクがあって力強い加速をします。とはいえ、扱いにくい感じではなく、思いのほかマイルドな感じです。

以前のモンスターは下の回転域ではギクシャクしがちと聞いていたのですが、この新しいモンスターは3000回転以下でも何の問題もありません。下の回転域でもスムーズに走ります。

しばらくはツーリングモードで走っていましたが、途中からスポーツに切り替えたところ、エンジンがより滑らか、素早くに回る感じになりました。明らかにこっちが本来の姿でしょう。

ハンドルはスクランブラーよりは遠いものの、かなり近く広く、グリップを握ると自然と軽い前傾になる感じ。ステップも特に後ろ過ぎることはなく、窮屈さもありません。(まああくまで僕の場合です。背が高い人はシートが低い分足の曲がりがきつい、という意見もあるようです。)

このモンスターにはクイックシフターが標準装備されています。生まれて初めてクイックシフターの付いているバイクに乗りましたが、これはなかなか優秀。最初はついクセでスロットルを戻してしまいましたが、スロットル一定のままシフトペダルをアップすると、ごく自然にシフトアップが完了します。

一方でシフトダウンはある程度回転数が上がっていないと(3000回転ぐらい)シフトチェンジの際にショックが出ますが、ある程度回している時はスムーズにシフトダウンできます。

ただ、シフトチェンジの時にアクセルワークで回転数をあわせてからシフト、という一連の動作もバイクの楽しみの一つ。クラッチを握らなくてもいいだけ楽といえば楽ですが、発進時以外はそんなにクラッチが苦になることもないので、クイックシフターってホントに必要なの?というのが偽らざる気持ちです。

メーターは液晶モニター。イグニッションオンでのオープニングはピカピカと派手ですが、走行中はシンプルな画面で見やすくなります。液晶画面は昼間は白バック、夜は黒バックになるようですが、黒バックの方が引き締まった感じの画面になります。僕的にはずっと黒バックでもいいかなあ、と思います。

途中渋滞でファンが回わりましたが、そんな時も水温は100℃を超えないのはさすが水冷です。右側の足元はリアシリンダーヘッドが近いのでかなり熱いですが、スポーツスターに比べればはるかにマシです。

ハンドリングは変な癖もなく、軽く倒しこむだけでスムーズに曲がります。ただ思ったほどヒラヒラした軽い感じではありません。

車重の数字(乾燥重量166kg!ロードスターに比べるとたぶん80kgぐらい軽いです。)の割には安定感のあるハンドリングに感じられました。

ただ、とにかくクラッチが重い。むしろスポーツスターより重いかもしれません。レバーの角度が悪いせいもあるけれど、これで渋滞はかなりしんどい。これさえなければなあ。

(違う機会に別のモンスターのクラッチを握らせてもらった時は、それほど重さは感じませんでした。個体差なのか、ちょっとした取り付け位置や角度の違いなのか。)

スーパースポーツ950S インプレッション

最後は「スーパースポーツ950S」です。

まずはなによりカッコイイです!

深紅のイタリアンレッド。

カウルの隙間からチラリと覗くトラリスフレーム。

片持ちスイングアームにY字が3本とミニマムなスポークを持つリアホイール。

柔らかみのある盛り上がったガスタンク。きゅっとくびれたシート。

前後のサスペンションはオーリンズ。ブレーキはブレンボ。

短く、細く、二連式ショットガンのようなサイレンサー。

フロントマスクはパニガーレ由来というけれど、僕にはむしろこっちの方がカッコよく見えます。

あと、ホワイトもいいんだよなあ。フレームだけが赤っていうのもしびれます。

いや、ホントにカッコいいバイクです。これ見ながら白ご飯3杯食えるかも。(笑)

一通り眺めたあと、恐る恐る跨ります。

足つきはモンスターよりは悪いですが、両足の親指の腹は着く感じ。車重が軽いこともあって片足なら十分支えられそうです。

ハンドルはセパハンで、当然バーハンドルよりは低いのですが、トップブリッジより上でフロントフォークにクランプされていて、セパハンの割には前傾がきつくありません。バーハンばかり乗っている僕にもなんとか許容範囲だと思います。ただし長距離を走ると首が疲れるだろうなあ。

シートは固いですが、乗ると前傾姿勢なのであまりお尻に荷重がかからず、よほどの長距離でなければさほど気にならないと思われます。(短い試乗時間では判りませんでしたが。)

ハンドリングも素直でクセが無い感じ。重心が高すぎるような感じもなく、パタッと倒れ込むような不安感がありません。

基本モンスターと同じエンジンですが、モンスターよりは下のトルクが薄い気がして、発進にはやや気を使います。

最初はツーリングモードで走り、途中からスポーツモードにしましたが、街乗りでも特に扱いにくいということはありません。

ただ、渋滞にはまったので、試しに「アーバンモード」にしてみたところ、ゴーアンドストップがすごく楽に行えるようになりました。まるでハーレーに乗っているかのようなフィーリング、というと言いすぎですが、下でトルクがあって発進しやすく、エンジンに急かされるような感じがありません。アーバンモードなんて使うのは雨の時ぐらいかな、と思っていましたが、下道でツーリングするならこのモードはいいなあと思いました。

モンスターでも試せばよかった。

クラッチはモンスターと同じでやっぱり重いですが、手首の角度の関係か(セパハンなのでより上から握る感じになる)、モンスターよりは軽く感じました。

こちらもモンスター同様、エンジンの熱は熱いですが、フルカウルなのでモンスターほどは足に熱が伝わって来ません。

前傾姿勢と足つきの問題がなければ、このSS950Sというバイクはかなり魅力的だなあと思います。

ただ、実際にはやはり足つきの悪さと前傾姿勢は緊張を伴います。

「コカさないうちに早く返そう」

そうと思いながら走っていました。(笑)

試乗を終えて、商談・・・・?

無事3台のドゥカティを試乗し終え、ディーラーさんへ戻ってきました。

「どうでした?」と笑顔で出迎えてくれた店員さんとしばし談笑。

「よかったでしょう?どれが気に入りました?見積もり作りましょうか!!」

・・・そんな会話になるもんだと思っていたのですが、店員さんは

「じゃあ、ありがとうございました。」

といって終わろうとします。

え!終わり? なんだか拍子抜けです。

「あのー。見積とか・・・」

「ああ。見積ですね。モンスターですか?」

「ええ、モンスターで。あと、コレが気になるんですけど。」

僕が指さしたのは、たまたま店頭に「納車待ち」と貼られていたこのバイクこれです↓↓↓

「 スクランブラー ナイトシフト」です。

今日乗った「アイコン」と同じスクランブラーではありますが、この「ナイトシフト」は特別な仕様の一台。

車体やエンジンは基本的に同じですが、横一文字の低いバーハンドルにバーエンドミラー。シートは厚みが抑えられ、その下にはゼッケンプレート風のサイドカウルが奢られます。ウインカーは超小型のLED。サイレンサーは細身の二本出しです。

うーん。これ、カッコいいじゃん!!

ハンドルが低くスポーティーでありながら、軽くスリムな車体は街乗りも楽しめそうです。

このバイクのシートの後ろにシートバッグを括り付けて旅に出れば、かっこいいだろうなあ、と妄想が広がります。

正直なところ、今日試乗した「アイコン」は、乗りやすくはあるけれど、あまり面白味を感じないバイクでした。(気に入っているオーナーの皆さん。あくまで僕の主観&偏見です。どうかお許しください。)

けど、これだけ乗車姿勢やホイール、マフラーがが違えば、きっと乗り味も違ってくるはず。

走りも面白いんじゃないかと思います。

***

「すいません。モンスターと、コレも見積もりもらえますか?」

けれど店員さんはいまひとつ浮かない顔です。

「ナイトシフトですよね。これすごく人気があるんですけれど、なかなか入ってこないんですよね~。」

「予約とかできないんですか?」

「いや、出来ますよ。出来ないことはないんですけど・・・」

どうやら納期がなかなか見えない様子。

「モンスターはどのくらいで入ってくるんですか?」

聞いた納期は数ヶ月以上先。ナイトシフトは更に数か月先らしい。

「これ、予約してて、もしずっと入ってこなかったらキャンセルとかできるんですか?」

「入荷前なら(キャンセルを)お受けします。」とのこと。

どうしよう。

「ちょっと考えます。」

是非お待ちしています! という一言もなく、「わかりました」の一言。実にあっさりしたものです。(決して接客態度が悪いとか、そういうことじゃないですヨ。逆に親切でした。)

何はともあれ、いろんなディーラーを訪問し、始めて具体的な納期が見えるバイクに出会いました。ようやくスタートラインに立てた気分です。

じっくり考えてみようと思います。

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コメント

  1. 深澤健 より:

    どこでやるんですか?