寒さを避けて房総ツーリング
いつも一緒にツーリングに行っている仕事仲間の一人が地方へ転勤する事になり、お別れツーリングを計画。この時期でも比較的暖かいところ、という事で行先は房総半島に決定。
僕としては好物の勝浦坦々麺を食べたいなあ、と思っていたのですが、他のメンバー二人は辛いものが苦手。で、その線は諦めていたのですが、「今回は寒いので温まりそうな勝浦坦々麺で。」とうれしい申し出が。で、連休中日に勝浦へ行ってきました。
寒さを忘れさせるご当地名物「勝浦坦々麺」
「勝浦坦々麺」とは千葉県勝浦市のご当地ラーメンなのですが、普通の坦々麺と違ってゴマは入らず、しょうゆベースのスープにラー油で味付けされた、相当に辛いラーメンです。昔は海女さんが体を温める為に食したというのも納得の辛さです。
過去何件かの勝浦坦々麺を食べましたが、僕的にもっとも美味しいと思ったのは「はらだ(原田商店)」の勝浦坦々麺。辛いけれど甘く炒められた玉ねぎが大量に入っていて旨い坦々麺です。
けれどこの「はらだ」。人気店だけにいつも行列が絶えず、かなり待たないといけないのは必至。それに辛い勝浦坦々麺のなかでもかなり辛い部類に入るので、辛いものが苦手な今回の同行者にはちょっと厳しいかもしれません。
そこで他に良さげな店はないか?とインターネットで調べてみた結果、「江ざわ」という店の評判が高いようです。
しかもこの「江ざわ」。勝浦坦々麺を始めた元祖の店だとか。
辛さも「はらだ」よりは若干マイルドなようです。
ここも相当な人気店なので行列は必至ですが、それでも一度食べてみたい!という事で今回はこの「江ざわ」を目指します。
なんと路面凍結!路肩には雪!?
東京湾アクアラインの海ほたるで集合。木更津東で高速を降り、410号線を南下して勝浦を目指します。ところが、途中山中に入っていくにつれ、路面がなにやら光っています。
「まさか千葉で路面凍結なんて・・・無いよね?」と思いつつ進んでいくと、路肩に雪が見え始め、養老渓谷の近くまで来ると、日陰の部分は四輪車の通ったタイヤの跡を除いて、完全に凍結しているところが何か所もありました。
「ひええーーーー!!!」とヘルメットの中で叫びながら、慎重に慎重に少しずつ走行。
なんとか無事通過しました。
時刻は11時ごろでしたが、あと2、3時間早ければ完全に凍結路だったでしょう。房総半島といえど、山の中はこういう事もあるんだと身を以て知りました。
11時半ごろに「江ざわ」到着。まだ開店前だったにもかかわらず、すでに駐車場は満車。大勢の人が順番を待っていました。
順番待ちの名前を書くと、まだ開店前にもかかわらず、我々の順番は73番。みなグループですから、少なくとも百数十人は待っている様子。
店を変える事も考えましたが、他も混んでいる可能性もあるし、せっかくなので「元祖」を食べてみたい、という事で待つことにしました。
幸い午後からは気温も上がり、仲間二人とだべっていれば退屈もしないので、待つのはさほど苦痛ではありませんでしたが、それにしてもなかなか順番が進みません。なにしろ普通のラーメンと違って相当辛いと思われるので、さっさとすすって食べ終わる、というわけにもいかないのでしょう。
ようやく順番が来て席に座ったのは午後2時。なんと2時間半(!)も待ちました。
中に入るとテーブルが3卓に小上がりの座敷机がおなじく3卓。あとは5人掛けのカウンターというこじんまりとしたお店でした。われわれは小上がりの卓に案内されましたが、当然ながら他のグループと相席。
メニューを見ると、辛さは選べる様子。ただし、どの程度の辛さかは食べてみないとわからないので、ここは素直に普通の辛さをオーダー。(店の壁に貼られた『五箇条』にも『身の程をわきまえた辛さを選ぶべし』とありますし。笑 )
ここはちょっと奮発して、チャーシュー坦々麺を選びました。
注文すると、さほど待たされることもなく勝浦坦々麺が登場。
底から良く混ぜて、いただきます。
・・・辛い。けど美味い!
確かに辛いのですが、実にコクがあり、出汁が効いていていい味が出ています。麺は細めの縮れ麺。スープが良く絡みます。チャーシューも厚く、枚数も多く、実にボリュームがある逸品です。
辛いとは思いますが、前述の「はらだ」ほどではなく、辛いのがよほど苦手な人でなければ、十分楽しめると思います。実際、ぼくの同行者の二人は、最初「無理。絶対完食なんて出来ない。」と言っていたのもかかわらず、結局は二人とも完食!していました。
さすがは「元祖」。単に辛いだけでない、勝浦坦々麺の魅力を存分に味あわせてくれる逸品でした。
好みはどっち?
で、結論としてお前は「はらだ」と「江ざわ」、どっちが好きなの?といいうと、
う~ん、甲乙つけがたし。
一般的には「江ざわ」の方が受けが良く、美味しいと言われるような気がしますが、「はらだ」の勝浦坦々麺はまさに唯一無二。
とんでもなく辛いラー油味の汁を、あまく炒めた大量の玉ねぎが程よく中和し、辛い辛い!と大汗をかきながらも結局は平らげてしまう。そんな「はらだ」の勝浦坦々麺も、機会があればぜひ食べていただきたい、と思います。