車載工具に挟みものが欲しい
先日組み上げた僕の愛車(ハーレー スポーツスター)用車載工具。
小さなロールバッグに少々詰め込みすぎた感はありますが、一通りの工具は収めることが出来ました。
ただ、握りもの(挟みもの?)が無い、というのが少々心もとない感じがします。
出先のトラブルで、切った貼ったしてなんとか帰ってくるに握りものは欠かせません。
家には握りものとしてコンビネーションプライヤーやウォーターポンププライヤーなどがありますが、いずれも車載するにはちょっと大きく重すぎる感じがします。
そこで、あらたに車載用の工具として、”ロッキングプライヤー” を購入することとしました。
いろんな用途に使えるロッキングプライヤー(” バイスグリップ ” とも言いますが、”バイスグリップ” は商品名らしいです。)。
いろいろ使えるので、”バイクの車載工具としてぜひ積んでおけ”、という話をよく聞きますが、実はこれまで買ったことも使ったこともありませんでした。
物は試し。一本買ってみようと思ったのですが、いざ選ぶとなると、これもいろんなメーカーから販売されていて、それぞれ微妙な違いがあるようです。
いろんなロッキングプライヤー
実にいろんなロッキングプライヤーがあります。
↑↑↑これは一番オーソドックスなタイプ。
↑↑↑先の尖ったタイプ。狭いところでボルトなどを挟むのに向いています。
↑↑↑C型クランプと言われるタイプ。板状のものを挟んだりするみたいです。
↑↑↑こちらも板状のものを挟む用。こういうタイプはプライヤーというよりバイス(万力)なんでしょうね。
↑↑↑丸いものに巻き付けて回すんでしょうね。車やバイクだとオイルフィルターレンチに似たタイプのものがあります。
↑↑↑ブレーキキャリパーのピストン回しにロック機能が付いたもの。バイクだとかえって使いにくい気もしますが、大きな車用のキャリパーピストンなんかだと便利なのかな~
↑↑↑このあたりになると、どう使うのか想像できません。(パイプをつかむらしいです。)
↑↑↑これって便利なのかな~。たしかにモンキーレンチって回すときに外れやですけど。
”挟みもの” ですから、挟むモノに合わせて無限にバリエーションがつくれる、ということなんでしょうね。
”アゴ” の形状による違い
今回はバイク用なので、もちろんオーソドックスなタイプを選びます。
ただ、オーソドックスなタイプの中でも、あご(=”ジョー”というそうです。)の形状が微妙に違うようです。
まず、あごの歯が直線のものと曲線のもの。
板状のものや四角いものをつかむなら直線が、丸いものをつかむなら曲線が向きます。ボルトやナットを回すなら曲線ですね。
更に、あごの溝が縦溝のものと横溝のものがあります。
横溝は一般的ですが、縦溝は頭の低いネジなどをつかむのに適していますが、ワイヤーなんかを引っ張るには向いてないかもしれません。
画像:株式会社エンジニアさんのHPより引用
画像:スリーピークス技研さんのHPより引用
その他、ロック機能の解除方法やロックネジの工夫(ヘックスレンチで回せる)など、各社それぞれ工夫されたものがあります。
バイスグリップの元祖『IRWIN』
とまあ、各社いろいろあるロッキングプライヤーですが、なにしろ初めての一本。
まずは使ってみないとその良し悪しもわかりません。
そこで今回はもっともオーソドックスなものを選ぼうと思います。
安心のKTCあたりを買おうかと思ったのですが、そういえば
「ロッキングプライヤーを初めて作ったメーカーのものが、”元祖” にして最良」
という記事を昔、ロードライダー誌かなんかで読んだなあ~と思い出し、調べてみました。
どのサイトを見ても、ロッキングプライヤーの元祖として紹介されていたのが、『IRWIN(アーウィン)』というメーカーです。
あれ?そんな名前だったっけ?
記憶が定かではありませんが、なんか違うメーカーだったような気が・・・
さらに調べてみると『ピーターセン』なる名前が。
そうそう。たしかそんな名前だった。
1924年に元祖ロッキングプライヤー(商標登録名:バイスグリップ)を発明したのが、鍛冶屋のWilliam Petersen(ウィリアム・ピーターセン)。その後ピーターセンはIRWIN TOOLS(アーウィン)社に買収され、現在に至るのだそう。なるほど。
”既に特許期限が終わったロッキングプライヤーやいろんなメーカーが販売しているが、やはり元祖バイスグリップが一番!”と書かれたサイト記事も多く、いまでも支持されているようです。
ということで、今回は ”元祖” を買ってみることにしました。
IRWIN 4WRワイヤカッター付ロッキングプライヤー
今回買ったのがこちら。IRWINのバイスグリップ 。
いくつかサイズがあったのですが、車載工具だしコンパクトな方がいいだろうと思い、最も小さな4WRにしました。
小さいのにしたのはいいのですが、ちょっと小さすぎたかなあ。
よく書かれている、”折れたクラッチレバーを咥えてレバー代わりにする”にしても、ちょっと短すぎるような気もします。
でも本当にそんな使い方ができるんでしょうか?(代用するとしてもクラッチレバーかな。ブレーキレバーは怖いかも。)
実際にロッキングプライヤーをレバー代わりに使う方法を紹介しているサイトを見つけました。万一の緩み、脱落を避けるため、レバーをタイラップで巻いて固定するのがポイントのようです。
いずれ僕も体験することがあったら紹介記事にしたいと思います。(・・・いや、出来れば体験したくないなあ。)
バイスプライヤーの使い方
使い方・・・というほどのものでもありませんが、動画を撮ったので載せておきます。
必ずレバーを開いた状態でエンドのローレットネジを回すと、アゴ(ジョー)が開いたり閉じたりします。
ローレットネジのお尻には六角穴が開いているので、ヘキサゴンレンチを差し込んで回すことも出来ます。(このサイズの場合、使うヘックスは4mm。やや心もとない太さです。)
挟む対象物の大きさに合わせてアゴの開き具合を調整し、レバーをグッと握ると、カチッと音がしてロックされます。(うまくロックされない場合はアゴの開き具合が対象物に合っていないということ。)
ロックを解除するときはレバーの内側にある解除レバーを握ります。
アゴの開き具合で対象物を挟む強さを調整するのですが、意外とシビアというかちょうどいい具合にするのは難しいです。
KTCのホームページにそのやり方のコツが書かれていたのでご紹介します。
(引用:KTCホームページより https://ktc.jp/facebook/486)
【1】解除レバーを開き方向に動かし、グリップを開く。
【2】スクリューを緩め方向に2~3回転まわす。
【3】グリップを握る。
【4】グリップを握った状態でスクリューをまわして対象物より口の開きを大きくする。
(スクリューを締めると口が閉じ、緩めると口が開きます)
【5】開いた口を対象物にあてがい、スクリューを締めて口を閉じていく。
【6】対象物をくわえるまでスクリューを締め込んだら解除レバーを開き方向に動かし、グリップを開く。
【7】スクリューを1/2回転程度締め込む。(このときの締め込み量でロック強さの微調整をします)
【8】グリップを軽く握り、対象物をくわえた状態からさらに強く握ると、パチンという音とともに対象物がロックされます。
マイオリジナル車載工具Ver.1.1
というわけで、僕の工具袋に無理やり詰め込みました。
さて、活躍の機会はいつ来るんでしょうか。(来てほしいような来てほしくないような)