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最初で最後?の北海道ツーリング(その1)

10年に一度の長期休暇なのですが・・・

うちの会社には、10年に一度、2週間の長期休暇をもらえる制度があります。

これがあるからこの会社を選んだ、と言っても過言ではないのですが、有意義に使えているかというと、そうでもありません。

ちょうど十年前は東日本大震災が起き、休みを取るどころではなくなりました。

で、今回はコロナ禍。どうにもツイてません。

僕が北海道ツーリングを避けてきた理由

これまで、九州や四国は何度もツーリングしてきたのですが、ライダーの聖地、ツーリングのメッカである北海道は(ツーリングでは)行ったことがありませんでした。

・・・というか、意図的に避けてきました。

実につまらない理由なんですけどね。

昔、職場の上司である課長が、僕や周りのバイクに乗る職場の仲間に感化され、突然バイクを買いました。いわゆるリターンライダーというやつです。

この上司。北海道が大好きな人で、毎年一度は車で北海道へ行くような人でした。当然、バイクを買ってからは毎年バイクで北海道へ行くようになりました。

で、事あるごとに僕に言うわけです。

「え!?お前、北海道へツーリングに行ったことないの? なんでだよー。ライダーなら北海道だろう。なんで行かないの?せっかく大型バイクに乗ってるくせに、意味ないじゃん。」

まるで北海道へツーリングで行かないライダーはライダーじゃない、と言わんばかりです。

” ちぇ、なんだよ、北海道 北海道って。しかもなんで上から目線なんだ?つい最近バイクにリターンしたばかりじゃないか。しかも大型大型って、自分は昔の免許だから大型ついてきただけだろ!”

と、内心毒づいてました。

誤解の無いように一応書いておきますが、決して嫌いな上司だったわけではありません。面倒見のいい上司でしたし、いっしょにツーリング行ったりもしてました。

ただやたら、”北海道” ”北海道”ってうるさいのです。

・・・で、” こうなったら俺は絶対に北海道へ行かないぞ!” と、変な意地を張ることになったのでありました。

実につまらない理由なんですけどね。

思い続けた ”今しかない!” タイミングに決断。

やがて、そんな上司とも別れ(いまでも付き合いはありますが)、意地を張る必要もなくなったのですが、いざ北海道へツーリングに行くとなると、なかなか重い腰が上がりません。

それなりに費用もかかるし、行くならある程度まとまった日数を走りたい。

やっぱり行くなら10年に一度のこの休暇のタイミングしかありません。

先のタイミングを天災で逃してからというもの、

”次の10年目の休暇は絶対北海道へ行くぞ!”

という思いが年々強くなりました。

で、いよいよ今年。その年がやってきました。

仕事の都合で、まとまった休みを取れるのは夏前のこのタイミングしかありません。

けれど世の中の状況はこんな状況です。予定通り休みは取ったものの、果たして行っていいものか・・・。すごく悩みました。

けど、自分が現役の間に行くならば、やっぱりこのタイミングしかありません。

幸いかの地の状況はやや落ち着きを取り戻しているようです。

いつかバイクに乗れなくなる日が来ても、後悔しないように・・・なんとなくそんな考えが頭によぎりました。

というわけで、6月。北海道の緊急事態宣言が解除されるのを待って、いよいよ念願の北海道ツーリングに行くことにしました。

北海道へのルートを比較する

関東からバイクで北海道へ行くにはいくつかの方法があります。

もっともポピュラーなのはフェリーを利用する方法でしょう。

飛行機で、という方法もありますが、かなり費用がかかります。

陸路を自走も楽しそうですが、そこまで体力が(特に僕の場合腰が、、、)もつかどうか自信がありません。

それに途中のガソリン代や高速代、宿泊費用などを考えると、フェリーよりかえって費用がかかりそうです。

フェリーを利用する場合、関東から向かうのに主なルートは3つ。

① 茨城県の大洗から苫小牧へ向かう 商船三井フェリー。                          https://www.sunflower.co.jp/index.html

②仙台から苫小牧へ向かう 太平洋フェリー。

③新潟から小樽へ向かう  新日本海フェリー

① が一番自走距離が短く楽そうですが、その分フェリー代は最も高額です。

②は仙台までそこそこの距離を走る必要があります。ただ、フェリーの出発時刻は19:40。昼間関東から走っていって乗り込むにはちょうどいい時間です。そして一晩寝れば、翌日11:00に苫小牧着。その日もまだたっぷり走れます。

③も新潟までは結構距離があります。しかも出発は12:00。万が一にも遅れないためには、まだ夜が明ける前に家を出る必要があります。まあ寒い季節でなければ、道も空いているだろうし、さほど苦ではないかもしれませんが、雨でも降るとちょっとつらいですね。

さらに、この路線は小樽着がなんと翌朝04:00。まだ薄暗いうちにフェリーを降ろされてしまいます。まあその日たっぷり走れるのは魅力とも言えますが、雨でも降ると店も開いてないので雨宿りするにも苦労しそうです。

後に書きますが、小樽周辺にはいくつかの市場があって、一番早い市場 鱗友朝市は朝4:00から開いています。フェリー乗り場からも近いので、フェリーで小樽に付いたらまずここでお土産を買ってしまう、というのもオススメです。

ただ、この新日本海フェリー。太平洋を渡る他の路線に比べると料金が安いのが魅力。同じ料金を支払えば、ワンランク上の部屋に泊まれます。

今回の旅は感染対策の意味からも、フェリーは個室に泊まりたいところ。出来ればトイレ・シャワー付きなら万全です。もしフェリー乗り場までの道のりが雨でも、シャワー付きの部屋なら快適さが全然ちがうだろうと思います。

というわけで、今回は料金の安さで③のコースを選ぶことにしました。

今回の旅の目的は・・・

念願の北海道ツーリング。せっかく行くからにはあれもこれもと思いますが、こんな時期でもあり、あまり欲張らないことに。

今回の旅の目的は ”宗谷岬に行くこと” 。

北海道へ行くのは初めてではありません。仕事では何度も行ってますし、観光やスキーに行ったこともあります。ただツーリングははじめて。せっかくバイクで北の大地を走るのです。ならば最北端を目指そうという、達成感を求めて非常にシンプルでわかりやすい目的です。

そして、旅の方針をこう決めました。

①最短で日本最北端「宗谷岬」を目指す。その先のことはそのあとで考える。(要するにノープラン。)

③(コロナ禍なので)食にはこだわらない。

④(コロナ禍なので)なるべく人に接しない。

⑤(コロナ禍なので)都会にはいかない。

これらを基本方針としてツーリングしてみようと思います。

宗谷岬

いよいよ出発!一路新潟港を目指す。

6月某日。朝04:30。まだ明けきらぬ空の下、新潟に向けて出発しました。

まだ車の少ない都内を抜け、関越自動車道へ。

” そうか、関越の「越」って越後の「越」なんだなあ ” って今更ながら当たり前のことに気づきました。

あとはひたすら北上します。

日中はかなり蒸し暑いこの時期でも、日の出前となると話は別。

道路脇の気温計は19℃を指していましたが、北上するとともに日が昇り始めると、放射冷却でさらにぐっと寒くなりました。

3シーズンジャケットの下にTシャツと薄手のフリースを着ていましたが、高速を走ると寒く感じます。

実は今回の旅で一番心配だったのがこの工程。ちゃんとフェリーの出発に間に合うのか?ということと、無事給油が出来るか?ということ。

僕の住む町から新潟のフェリーターミナルまではおよそ400km弱。我がスポーツスター(XL1200CX ロードスター)の航続距離は満タンで約220~230kmほど。

うまくいけば途中1回給油すればたどり着けそうですが、ちょうど真ん中にガソリンスタンドがあるとは限りません。

関越自動車道の下りで一番ガソリンスタンドが無い区間は、赤城高原SA~越後川口の間。約102kmもの間ガソリンスタンドがありません。

ちゃんと給油できるところで給油しないと、途中で高速を降りてガソリンスタンドを探すようなことになれば、フェリーの時間に間に合わなくなる可能性もあります。

そもそもサービスエリアのガソリンスタンドって、このコロナ禍でも24時間営業してるんだろうか? などと考えると、いろいろ不安は尽きません。

結局、早め早めということで赤城高原と越後川口で2回給油し、無事乗り切ることができました。

新潟港でいよいよフェリーに乗船

黒崎PAに着いたのが午前9時。ここで朝食を取って時間調整。新潟港には10時過ぎに無事到着しました。もうこれだけで旅を終えたような気分です。

乗船前にガソリンを満タンにし(なにしろ小樽着は朝4時ですから。果たしてスタンドが開いているかどうか判りませんし。)、コンビニでおにぎりを買ってフェリー乗り場へ向かいました。

平日ということもあるでしょうが、フェリー乗り場は閑散としていました。いつもなら、大勢の人でにぎわっているんでしょうね。

11時10分。いよいよ乗船です!

初めての北海道。どんな旅が待っているんだろう。

果たしてこのバイクで無事走り切れるんだろうか。僕の体力は、僕の腰はもつんだろうか?

ちゃんと泊まるところは見つかるんだろうか?

なにしろノープランの旅です。何が起きるか判りません。

久々の長距離ツーリングに、大きな期待と、漠然とした不安がありました。

” まあ、なんとかなるべ。”

そうは思っていたのですが、それがまさかあんな結末になろうとは、・・・・

というわけで、この話次項に続きます。

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