S&S ステルス ティアドロップエアクリーナーの取り付け
前回、いろいろと悩んだ結果、ど定番の「S&S エアクリーナー」を購入しました。
スポーツスターのエアクリーナーを交換しました。(その1)
|
価格:52,580円
(2022/6/4 16:36時点)
感想(0件)
|
ということで早速取り付けを開始。英語の取説と格闘しつつノーマルのエアクリーナーを外し、ティアドロップエアクリーナーを取り付けます。
先ずはノーマルクリーナーの取り外し
まずはノーマルエアクリーナーの取り外しから。フィルター交換自体は何度かやっているのでお手の物ですが、ベースプレートまで外すのは初めてです。
まずはノーマルのエアクリーナーを外します。ノーマルのカバーは二本の六角穴ボルトで止まっているだけです。
使うのは3/16インチのヘックスソケットです。
カバーを外すとエアクリーナーフィルターが見えます。これはトルクスねじ(星形ねじ)を3本外せば取れます。
使うのはT25サイズのトルクスレンチです。
これでエアフィルターが外れました。ここまでは過去何度かやっている作業なので楽勝です。
続いてバックプレートを外します。使うのは9/16インチの六角ソケットです。
2本のブリーザーボルトを外します。このブリーザーボルトは穴の奥にあるので、メガネやスパナでは回すことが出来ません。回すにはある程度深さのあるソケットレンチが必要。しかもネジロック剤が使われているのか、結構固いです。ここはしっかりした工具を使いたいところ。
ベースプレートが外れ、ようやくスロットルボディーが見えました。
外したブリーザーボルト。なんかすごく汚い。茶色いカスのようなものがネジ山にこびりついています。これはネジロック剤の跡なんでしょうか。このままではとても再利用できないので、頑張って落としますが、こびりついていてなかなかきれいになりません。
真鍮ブラシ、パーツクリーナー、つまようじetc.を駆使し、ようやくここまできれいになりました。今回の装着作業で、これが一番時間がかかりました!あー疲れた。・・・ところが、新しいエアクリーナーを取り付けるのには、このブリーザーボルトは使わない、という事が後でわかりました。あんなに頑張ってキレイにしたのに・・・・(涙)
英語の取説と格闘
さて、いよいよS&Sのエアクリーナー(ステルスエアクリーナー)を取り付けていきます。これが構成部品。かなり点数が少ないですね。新しいガスケットも付いてます。
そしてカバー。「S&S CYCLE」と書かれているのは昔のロゴの復刻だそうで、最近のは「 S&S SUPER」と書かれています。
新しいガスケットを付けるため、古いガスケットを剥がします。本来はスクレーパーで剥がした後、オイルストーンでならすんでしょうけれど、スクレーパーは気を付けないと母材の金属を傷つける可能性があります。オイルストーンも持ってないし。というわけで、パーツクリーナーをたっぷりかけて、ブラシの柄(竹)でゴシゴシこすって落としました。
さて、なんとかノーマルエアクリーナーの取り外しが終わったので、いよいよ
S&Sエアクリーナーを装着していきます。
まずは取説をじっくり読んで・・・なんですが、入っている説明書は英語版のみです。
S&Sエアクリーナーの取説は当然ながら英語です。
というわけで、いつも通り「Googleレンズ」で翻訳して読みます。
スマホのカメラで読みたい英語を写すだけで翻訳してくれるGoogleレンズ。もちろん出てくるのは怪しい日本語ですが、写真や図をみながらだいたいの意味を理解するには十分です。わからない単語を辞書で引くよりはずっと便利。いやあ、良い時代ですね~。
まあなんとなく取り付け方法は理解出来ました。
S&Sエアクリーナーの取り付け作業開始
取説を一通り読んで理解したら、早速作業開始です。
まずは「スロットルボディーサポートブランケット」を外します。世に数多あるエアクリーナーの中には、このサポートブランケットを外すエアクリーナーと外さないヤツがあるらしく、それを間違えて取り付けている例が多い、某サイトに書かれてました。
使うのは3/16インチのヘックスレンチです。
まずはスロットルボディーにベースプレートを取り付けます。
スロットルボディーの取り付けには黄色の〇で囲ったボルト(ベースプレートスクリュー)3本と赤い丸で囲ったボルト(ブリーザーボルト)を2本使います。黄色い3本のボルトの反対側にはガスケットを被せ、赤い二本のブリーザーボルトにはベースプレートを挟んで前後2枚のゴムコーティングワッシャーを挟みます。
まずはベースプレートにボルトを3本ねじ込みます。
使うのは 5/32インチのヘックス(六角)レンチソケットです。ちなみにベースプレートのやや奥まったところにボルトを締めるので、短編側の短いL字レンチだと回せないかもしれません。
こういうショートサイズのレンチだと回せないと思います。ボールポイント側では本締めは危険です。
ボルトを通したら、反対側にガスケットを通します。
取扱説明書では、3本のボルトに続いてブリーザーボルト2本をベースプレートに通してからスロットルボディーに取り付ける、とあるのですが、実際にやってみるとすぐにボルトが落ちてしまって、なかなかうまくいきません。
そこで、まずは真ん中のボルト3本でベースプレートを仮付けしたのち、ブリーザーボルト入れて締める方が簡単です。
取説だとここでベースプレートを留める5本のボルト全てにネジロック剤を付けるのですが、この段階ではまだ塗布しない方がいいと思います。仮組した後、ベースプレートとシリンダーヘッドとの隙間を測ってワッシャーの枚数を決めるのですが、その前にネジロック剤を塗ると仮組後にばらせなくなるからです。もちろん本組の時にはちゃんとネジロック剤を使います。万一ここのボルトが脱落すると、そのままエンジン内に吸い込まれる可能性がありますから非常に危険です。ちなみに使うネジロック剤はブルー(中強度)が指定です。
まずは3本のネジでベースプレートをスロットルボディーに仮止めします。
続いて、5/16インチの六角レンチでブリーザーボルトを取り付けます。
その際にベースプレートを挟んで前後に1枚づつワッシャーを入れます。
ワッシャーを入れてブリーザーボルトを通したら、まずベースプレートを留める3本のネジを締めます(ブリーザーボルトはまだ仮締め。また、この時点ではまだロックタイトは塗布していません。)
バックプレートを留めるボルトを締めたら、バックプレートとシリンダーヘッドのつなぎ目に隙間が無いか、シックネスゲージを使って確認します。ここに隙間があるとブローバイガスが漏れ出てくるからです。取説によれば、シックネスゲージを使い、もしワッシャーの厚みより広い隙間があった場合は、ワッシャーを追加(1枚or2枚)して挟め、それより小さい隙間なら規定トルクで締めよ、となっています。
とはいえ、僕はシックネスゲージを持っていないので、実際にワッシャーを横から差し込んでみて隙間ないかどうかを確認します。これは上から見た図。
大丈夫そう・・・ですよね?
シックネスゲージってエンジン開ける時なんかじゃないと、なかなかバイクメンテで使用するシーンが思い浮かばないです。実際僕は持ってません。けれど、そんなに高いものじゃないので、これを機に一つ買っておくのもいいかもしれません。
隙間を測ってワッシャーを何枚追加するかを決めたら、一度すべてのボルトを緩めてベースプレートを外します。そして各ボルトにネジロック剤を塗布し、再度ベースプレートを取り付けます。
(先にネジロック剤を塗布してしまうとこの時にバラシ難くなるので、この本組のタイミングで塗りましょう。)
ロックタイトはブルーの中強度のものを塗ります。ネジの先端に塗ると外れにくく(ねじ込むとネジ部全体に広がるから)、根元に塗ると外しやすくなります。
ちなみに、取説によると各ネジの締め付けトルクは、
・ベースプレートスクリューは72in-lbs
・ブリーザーボルトは10ft.-lbs
と書かれています。
「in-lbs」と「ft.-lbs」って・・・?
工具でおなじみ、KTCさんのHPが分かりやすいと思います。
https://ktc.jp/support/unit-cal
72in.-lbs (72lbf・in)=8.13Nm(ニュートンメートル)=0.83kgf・m
10ft.-lbs(10ft・lb)=120lbf・in=13.56Nm=1.38kgf・m
らしいです。
ベースプレートのネジを締めすぎてスロットルボディーが割れ、まるごと交換になった話をネットでみたことがあります。また、シリンダーにつながるブリーザーボルトは中空なので、を締め込みすぎると折れたりするそうです。そして下手すると最悪、シリンダーヘッドごと交換になるかもしれません。エアクリーナーの交換は比較的簡単な作業ですが、場所が場所だけにトルク管理には十分気を付けたいところです。
あれ?まさかの欠品!?
ベースプレートが付いたら、いよいよエアフィルターを取り付けます。赤い色がカッコイイです。(取り付けると見えなくなっちゃいますが)。
さて、無事ベースプレートが付いたので、つぎはいよいよエアフィルターを取り付けます。さて、トッププレートを付けてネジを締めよう・・・と思いましたが、ここで問題が発生。
フィルターを押さえるフィルタートッププレートが見当たりません。
赤い丸で囲んだ部品が「フィルタートッププレート」です。これでフィルターをベースプレートに押さえつけるハズなのですが、このフィルタートッププレートが見あたりません。え!?ひょっとして欠品??
何度も箱の中身を確認したり、家の中を探したりしたのですが、このフィルターを押さえるフィルタートッププレートが見当たりません。えー!なんでだろう???まさかの欠品???
深呼吸して一旦落ち着いてから再び探しましたが、どうしても見つからないので、購入先の「パインバレー」さんへ電話してみました。
その日は祝日で休みだったし、その時 既に夕方6時近い時刻だったので、果たして電話がつながるかどうなるか不安でしたが、無事電話がつながりました。
「えーと、ないんです。あのー、先日御社で買ったエアクリーナーが。いや、エアクリーナーはあるんですけれど、ないんです。え?あ、はい。フィルターを押さえる円盤?なんていうのかな・・・それです。」
落ち着いて説明しているようで支離滅裂です。内心そうとう焦ってました。
もし ” どうやら欠品みたいなんで、じゃあアメリカかパーツを取り寄せます” なんて言われたら、楽しみにしていたツーリングの予定がすっ飛んでしまいます。
電話で対応してくれた担当者は「ちょっと商品構成を調べますね」と言うと、電話は保留になりました。
1分ほど後、再び電話口に現れた担当者氏曰く
「お客様がおっしゃっているのは『フィルタートッププレート』だと思いますが、こちらの商品にはこのフィルタートッププレートはもともとありません。」
とのこと。
え? そもそも入ってない?
だって、取説には載ってるじゃん。じゃあどうやってエアフィルターを取り付けるの???
「ティアドロップカバーが入っていると思いますが、それにフィルターをセットして取り付けてください。」
えー?トッププレートいらないの????
「こういう風にトッププレートを取り付けるんだよ」と説明書きされていると思った取説には、実は「トッププレートを取り付けていた人は、ティアドロップカバーを付けるなら要らないパーツだから、取り外せ」と書かれていたのでした。
トッププレートはあくまでカバーを付けない人がエアフィルター付けるためのパーツなんだそうです。
つまりは僕の勘違い。
電話口のご担当者様にひたすらお詫びしたのでありました。
ティアドロップカバーの取り付け
気を取り直してカバーを装着します。この裏の突起がスティンガーコーン(Stinger Cone)と呼ばれるエアフローを最適化するための突起です。でも思ったより小さい突起だなあ。こんな小さな突起が効くんだろうか。
エアフィルターをセットしたところです。エアフィルターは円柱ではなく、わずかに広がっている形になっていますが、車体側に向かって広がる形で取り付けます。
カバーを被せたら、あとはプラスネジ2本を締めるだけ。
ただし、ここにはバイク用としては珍しい3番のプラスネジが使われています。バイク用として一番多い2番のドライバーで締めると、舐める可能性が高いのでNGです。
無事完成!です
というわけで、多少すったもんだがありましたが、無事S&Sエアクリーナーを取り付けることが出来ました。
ジャーン!完成です!! 取説を読むのが面倒ですが、やってみると簡単です。
こんな感じになりました。
というわけで、終わってみればあっけなく、新しいエアクリーナーは装着出来ました。旧タイプのティアドロップエアクリーナーはもう少し部品点数が多くて取り付けも大変なようですが、このステルスエアクリーナーの取り付けは実に簡単です。
ただ、取り付ける先がエンジンなので、万が一にもねじ切ったりしないよう、締め付けトルクの管理は慎重にするべきでしょう。
さて、いよいよエンジンを掛けて試乗です。
果たしてエンジンの調子はどうなるのか? まさかバランスを崩してノーマルに戻すことになるのか・・・。
というわけで次回へ続きます。