Motor Fun illustrated の最新刊は「バイクのエンジン」特集
「Motor Fun illustrated」という雑誌があるのをご存じでしょうか。僕はバイクは興味がありますが、クルマはとんと疎いので(興味がないわけじゃありませんが)、普段車雑誌を購入することはありません。この「Motor Fun illustrated」という雑誌も例外ではなく、いままで購入したことは一度もないのですが、近所のブックオフにバックナンバーが並んでいるので、たまに手に取ってパラパラと立ち読みしてみることはありました。
読んでみるとわかるのですが、この雑誌。とにかくクルマのメカの技術解説がすごくて、かなり専門的な記事が並んでいます。でも、内容はかなりマニアックなのですが、深い専門知識を持った人しか理解できないような文章ではなく、僕のような普通のバイク好きが読んでも理解できるような、わかりやすい文章で記事が書かれています。
「いいなあ、この雑誌。こんなバイク雑誌でもこんな雑誌でないかなあ」と思っていました。
ところが先日、本屋に立ち寄ってみると、Motor Fun illustrated の最新号が置いてあり、その表紙にはなんと「バイクのエンジン」というタイトルが書かれていました。
なに? Motor Fun illustrated の特集がバイクのエンジン!?
これは買わねばなるまい。
正直、ちょっとお高い雑誌なので30秒ほど悩みましたが、買って帰ってきました。
中身の濃い技術記事
早速家で読んだのですが、バイクの記事は単なる巻頭特集かと思いきや、なんと54ページもありました。全部で100ページ足らずの雑誌なのでは半分以上がバイク記事ということになります。
まだ全部は読み切っていませんが、内容はメーカーエンジニアのインタビュー記事が中心で、専門的ながらかなり面白く、非常に読みごたえがあります。
内容はこんな感じ・・
※Amazonの商品ページを見ると、詳しく目次が見られます。
例えばスズキの開発者によるバイクエンジンとクルマのエンジンとの開発上の違いとか、ホンダの開発者によるCBR250RRの解説。カワサキのエンジニアによるZX-25Rの解説など。
250ccの直4エンジンなんて、30年以上前に既に市販されていたので、何を今更、と思っていましたが、現在の環境規制の中でこれを実現するのがいかに難しいか、30年ぶりに250cc直4を再度生産することがいかに困難なのか、ということが良くわかりました。ZX-25なんて、バルブにインコネルを使ってたりするんで、なんて贅沢な!と思っていたのですが、これなど、昔の設備が既に無いせいで高価なインコネルを使わざるを得なかった、なんていう話が書かれていて、とても興味深かったです。
エンジン本体だけでなく、周辺の補器類の話なんかも面白かったですね。点火プラグは高回転まで回す二輪車向けの方が、四輪より耐久性をもたせるのが厳しいと思っていたのですが、現実には逆なんだ、ということがわかって驚きました。
バイク雑誌も頑張ってほしい!
正直なところ、最近のバイク雑誌はニューモデルや新商品の話以外、特にに目新しい情報もなく、あまり興味を持てなくなってきました。今回のMotor Funの記事を読んで、こんな濃い記事が毎月読める四輪はうらやましいなと思いました。
今ならネット上に様々な詳しい情報も出ていますが、真偽のほどが疑わしいものも多いですし、素人でもわかりやすく書かれている記事はなかなかありません。そういう意味では雑誌などのメディアの役割はまだまだあると思うのですが。
二輪雑誌業界も読者=ライダーが減っているなか大変だと思いますが、頑張ってほしいなあ、と思います。