10年に一度の長期休暇を利用し、6月某日。念願の初めての北海道ツーリングに行くことにしました。
いよいよフェリーに乗船
11:10 ようやく乗船です。
乗船するのは新日本海フェリーの「らべんだあ」です。
「乗船の際には必ずマスクを」という指示があり、マスクをつけてからヘルメットを被るのですが、フルフェイスだとズレてしまってなかなかこれが難しい。
長いスロープをのぼり、船内へ。
誘導された場所へバイクを停めると、急いで荷物を降ろします。なにしろバイクを固定するために、船員さんがまだかまだかと待っているのでどうしても焦ります(別に船員さんはプレッシャー掛けているわけじゃないと思いますけどね。w)。
新しく買った防水バックは、車体に結び付けたベルトのバックルを外すだけで簡単に降ろせます。
荷物とヘルメットを抱え、船内へ。
検温を受けた後、まずは自分の部屋へ向かいます。
フェリーの優雅(?)で孤独な旅
新日本海フェリーの「らべんだー」の客室にはいくつかのクラスがあります。
安い方から・・・
- ツーリストC (Aとの違いがよくわからないのですが・・)
- ツーリストA 大部屋2段ベッド
- ツーリストS 大部屋内に仕切られた個室。 TVあり。
- ステートAツイン 個室(TV・トイレ・シャワー付き)
- デラックスAツイン
- スイート
和室・洋室や窓の有り無し(ステートAツイン)、ペット同伴の可否など細かい区分けはありますが、おおまかにはこの6つです。
今回の船旅は、ちょっと贅沢に個室を選びました。(感染対策でもあります。)
『ステートA ツイン』というクラスです。泊まるのは一人ですけどね。
普通、ツインに一人で泊まるばあいは追加料金をとられるのですが、今回は不要(利用する時期によります)。このクラスとしてはかなりリーズナブルに泊まれました。
部屋は広くはありませんが、キレイで清潔。普通のビジネスホテルという感じです。
リーズナブルなクラスとの差は繁忙期だと1万円位の差になりますが、この時期だと5,6千円ほどの差なので、ゆっくり休めることを考えれば十分アリかな、と思います。
湯舟はありませんが、シャワールームがあります。バイクで雨に濡れた後だとシャワーがあるだけでもずいぶん助かると思います。
トイレはウォシュレット付きの普通のトイレに見えますが、飛行機のトイレのように水は最小限の利用で、使用後は吸い込むタイプです。ただ正直ちょっと狭い。小柄な僕でも窮屈なので、大柄な方はちょっとつらいかもしれません。
12:00 いよいよ出航です。
出航後部屋へ戻り、遅めの昼食。乗船前にコンビニで買ったおにぎりと、船内の売店で買ったカップラーメンで簡単に済ませます。(節約。節約。)
その後少し船内を散策。他のランクの部屋も覗いてみました。
これは『ツーリストA』というランクの部屋。いわゆる2段ベッドなのですが、上の下で入口が逆向きになっているので、下の部屋に居ても、上の部屋の住人が上り下りするたびに覗かれる、ということがありません。まあ多少物音はするんでしょうが。実にうまく考えられています。
若い時の一人旅なら、この部屋で十分だったかもしれないなあ。
こちらは「ツーリストS」というランクの部屋(の入り口)。
”大部屋の中に区切られた個人スペース” ということになっていますが、実際の見た目はこんな感じ。廊下に面した扉を開くと中に個室の扉か並んでいます。扉には鍵もあり、中にはシングルベッドが一つ。TVもあるそうです。
トイレやシャワーはありませんが、船には大浴場もあるので、コロナ禍でなければこっちを選んだかもしれません。
夕食は一人海を見つつ
夕食は船内のレストランで食べます。
会社や学校の食堂のように、トレーを持って好きなものを注文し、最後にお金を払うスタイルです。
刺身など海鮮メニューもありましたが、まあ上陸すればいくらでも食べられるしなあ・・・ということで、この日はホッケのフライがのったカレーライスとオレンジジュースをオーダーしました。
もうちょっと優雅な夕食でもよかったのですが、べつにここでお金を使わなくてもなあ、という貧乏臭い考えが。でもこのカレー、案外おいしかったんだよなあ。
レストランの席はちゃんとパーテーションなどの感染対策もされていて、酒を飲みながら会話を楽しんでいるグループもいましたが、こちらは一人旅。他のお客さんからちょっと離れた窓際の席に座り、だれとも会話することなく、海を眺めながら食事しました。
これはこれで悪くないものです。
食事後、船首が見えるフォーワードサロンへ。船が広い海原を進む様子を見ていると、ああ、旅に出てきたんだなあ、と実感しました。
部屋に戻り、売店で買ってきたビールでひとり乾杯!です。
部屋でビールを飲みながら、この旅の予定を考えます。
直前まで行くかどうするか悩んでいたこともあり、宗谷岬を目指すこと以外はノープラン。宿は初日泊まるところだけは決まっていますが、そのあとはまったく決めてませんでした。
まあ、どうせ船の中で暇だから乗ってから考えようと思っていたのですが、ここで重大なミスに気づきました。
なんと、出発の直前に買った「ツーリングマップ 北海道」を家に置き忘れてきました。
ガーン。
後悔しても仕方ありません。インターネットで調べるか、とスマホで検索しようかと思うと、なんと圏外!
そう。海の上って、陸から離れたところでは携帯の電波は届かないのでした。
いよいよ北海道の地に降り立ちました。
翌朝は午前3時の館内放送で目が覚めました。
まだ夜も明けていませんが、4時には小樽港到着でフェリーから降ろされてしまうので、いそいそと出発準備を始めます。
荷物をバイクに括り付け、スマホのナビをセットし、エンジン始動。今年換えたばかりの純正バッテリーはもちろん快調です。(このために交換したんですから。)
ハッチが空き、スロープがドッキングされ、いよいよ北海道の地へ降り立ちました!
空は薄曇り。気温は13℃。さすがに4時半だとまだ寒いです。
ついに来たなあ~。北海道。
小樽港を抜け、大通りへ。そして・・・どうしよう?
ナビ画面は開きましたが、行先はセットされていません。なにしろノープラン。決まっているのは今晩の宿だけです。
時刻は早朝 04:20。こんな早くから開いているのは、コンビニと牛丼屋ぐらいです。
仕方ないので、まずはコンビニへ。
温かいカフェオレを飲みながら、作戦会議です。(一人だけど。)
今いる国道5号線をそのまま走れば札幌市街。左に曲がれば海岸沿いを北上するルートになります。
今夜の宿は羽幌(はぼろ)町。海岸沿いを走れば最短ルートですが、その距離およそ200km。そこそこの距離ですが、今から走れば昼前には着いてしまいます。(何しろまだ5時前)
大都会札幌へ行けば、この時間でもなにかしら開いている店はあるでしょうが、「都会には行かない」という今回の旅の方針に反します。それにわざわざ北海道へ来てまで都会のカフェだファミレスだで時間つぶし、なんてしたくないですし。
まあ、(宿に)早く着いたらそれから考えよう、ということで、海岸沿いの道へ向かいました。
走るスピードに悩む
北海道の道は道幅が広く、信号が少ないのでついついスピードがでてしまいます。
快調に走れますが、冬季の雪やタイヤチェーンの影響なのか、路面は荒れているところが多かったです。
リアサスをオーリンズに換えておいてよかった。おかげで路面の荒れも気になりません。
小樽市街を走っている時はそれなりに車も走っていましたが、それを抜けると一気に車の数が減ります。そして周りに車が居なくなると、いったい何キロぐらいで走ればいいのか分からなくなりました。
もちろんどんな道であろうが制限速度で走るのが当然なのですが、そうはいっても普通は周りの車の流れに沿って走りますよね。特に地方へ行くと、その地方地方によって車の流れるスピードは違うもの。でも他に車が走っていないので、それがわかりません。
仕方ないので、とりあえず制限速度で走るのですが、そうするといつの間にか現れた地元の車にすごい勢いで抜かれます。
たとえ飛ばしていなくても、信号が無い直線道路をバイクで走っていると、排気音と風切り音にかき消され、後ろから近づいてくる車の音に気付かないのです(最近のクルマは静かですから。)
なんど地元のクルマにすぐ横からぶち抜かれ、ヒヤッとしたことか。(ToT)
あんなに飛ばしてて、捕まらないのかな?と思うのですが、地元の人に聞くと、わりとしょっちゅう取り締まりをやっているそうです。(このあと各地でなんどかネズミ捕りを見かけました。)
結局地元に人はどこで取り締まりをしているか知っていて、それ以外の場所では飛ばしてる、ということなんでしょうね。
壮大な風景に感動。でも、とにかく寒い。
しばらく田舎道を走っていたのですが、やがて海が見えてきました。海と丘が織りなすその壮大な景色に感動します。
おもわずバイクを停めパチリ。どこを切り取っても絵になります。
その後もひたすら海沿いの道を走り続けますが、とにかく寒い!
時間とともにすこしづつ気温もあがっていくだろう、と思っていたのですが、曇天のためかなかなか温かくなりません。
寒いだろうと思っていたのでs、スリーシーズンジャケットの下には薄手のユニクロ ダウンジャケットを着こんでいるのですが、それでも寒いです。
余りの寒さに、たびたび道の駅に飛び込むのですが、朝 早すぎてまだどこも開いておらず、トイレだけ借りてまた走ります。
厚田港で朝市へ
さらに道沿いを走っていると ”朝市開催中” の文字が。
朝市好きの僕としては、覗いてみるしかありません。
厚田港の朝市だそうで、港のすぐそばで朝市をやってました。
どうやら常設の市場らしく、日曜だけじゃなく平日も毎日やっているようです。
既に終了間際だったようで、皆さん帰りかけているところでしたが、なかなか盛況の様子。来ている車のナンバープレートを見ても、地元の人が買い物に来る朝市のようです。
野菜なんかも売られていましたが、やはり中心は魚介類。新鮮な魚が沢山売られていましたが、中でも目に付いたのがホタテ。殻付きのホタテが袋いっぱいに詰められて1000円とか2000円とか(サイズによる)で売られています。
これ、お土産に出来ないかな?と思って聞いてみたところ
「道内なら送れるけど、本土は無理なんですよ。」だそうです。冷凍じゃないからね。ちょっと残念。
結局、旅の途中のバイク乗りが買えるようなものが見つからず、残念ながら収穫はゼロでした。でも雰囲気だけでも楽しめてよかったです。
しかし、朝から走りっぱなしでお腹空いたなあ~。
「道の駅 るもい」で朝ご飯
231号線を走り続け、留萌市へ。「道の駅 るもい」で休憩です。ところがここもほとんどの店がまだ開店前の様子。
唯一開いていたかまぼこ屋の「たこ天」と、ちょうど開店のタイミングでパンを並べに来たお兄さんが「揚げたて美味しいから是非食べて!」と勧めてくれたカレーパンを頂きます。
このカレーパンが思いのほか美味しかった!
中にはまるごと一個、大きなホタテが入っていて、スパイシーなカレーに負けない旨みがありました。この旅で初めて食べた北海道らしい味でした。
(よく考えたら昨日の夜もカレーだったなあ。)
スマホ見ながら宿探し。
ベンチでカレーパンをいただきながら、スマホで明日の宿を探します。
グーグルマップで目的地である宗谷岬周辺の宿を探すと、クチコミ評価 4.6の 三ツ星がついた民宿が目にとまりました。(民宿に三ツ星っていうのは違和感がありますが・・・笑)
ここいいなあ、泊まれないかなあと思い電話してみると、
「ちょうど一組キャンセルが出たところなのでいいですよ」との返事。
ラッキー! ツイてます。
ということで、明日の宿は宗谷岬近くの民宿に決まりました。
道の駅をはしごする
ここまでくれば今日の宿まではもう目と鼻の先。でもまだお昼前です。(笑)
というわけで、道すがらにある道の駅に片っ端から立ち寄ります。
途中、よさげな海鮮屋さんがあったので立ち寄りました。↓↓↓
ここは産地直送の海鮮の直売所で、ネットでも沢山紹介されているところらしいです。
カニ、いくら、ホタテ、甘えびなど、おいしそうな海鮮が並びます。
しかもこのお店には食堂が併設されていて、格安で新鮮な海鮮料理が食べられるらしいのですが、コロナ禍でこの時は閉鎖されていました。とっても残念。
・・・と思ったら、お弁当が売っていたのでこれを買って外で食べることにしました。
先ほど立ち寄った道の駅「とままえ温泉ふわっと」に戻り、外のベンチでいただきます。
この時点で今晩の宿はもう目の前、だったのですが、まだ時刻は13:00。いくらなんでもチェックインには早すぎます。
腹も膨れたことだし、もう少し走ることにしましょう。
ということで、次回へ続きます。