素晴らしく進歩した?ロードスターのノーマルリアサス
我が愛車であるロードスター(XL1200CX)には、長さ13.4インチ(340mm)のエマルジョン式リアサスペンションが付いています。
XL1200Rなどのスタンダードな(走り系の?)スポーツスターのリアサスは336mmですが、それよりちょっとだけ長くなっています。
このエマルジョン式サスペンション。ハーレー純正オプションとしても販売されており、12万円のプライスタグがつく「高級」サスペンションでもあります。
価格:125,221円 |
確かに2016年以前のスポーツスターについていたサスペンションに比べ、格段に進化しているらしく、またフォーティーエイトやアイアンのような280mmのサスペンションに比べればストロークにも余裕があって、底付きしにくいと言えます。
実際ロードスターの各種インプレを読んでみても
「それまでのスポーツスターに比べて格段に乗り心地がいい!」
といった評価が多いです。
でもオーナーならわかりますが、やっぱり固いんです。
路面の凸凹をすごく拾いますし、高速道路の継ぎ目ではガツン!っと腰に来ます。
(280mmサスのローモデルのように底付きしているわけではなく、ストロークが長い分いくらかマシのようですが。)
初めて第三京浜(特に玉川IC側から乗ってしばらくの間の区間)を走ったとき、あまりに跳ねるのでビックリ!しました。
そもそもハーレーのサスペンションは使っていくうちにヘタることを想定しているらしく、実際3万キロ近く走った僕のリアサスは、新車のころに比べればずいぶんと柔らかくなり、最近は許容範囲と思えるようなってきました。
でもやっぱりなあ〜。
まあ、純正のリアサスは基本的にオーバーホールできない『消耗品』。
いつかは交換しようと思いつつも、これまで手が出ずにいました。
満を持してのリアサス選び
とはいえ、”いつかはリアサス” と思い、実はコツコツ「リアサス貯金」(笑) をしてきたのですが、ここにきてリーズナブルな製品ならなんとか手が届くかな、という額になってきました。
(コロナ禍でまったく飲みにいかなくなったのが大きい。笑・・・笑えないか。)
ちょうどタイヤも交換しないといけないタイミングになったので(使い古したタイヤでセッティング出来ないですから。)、本気でリアサス交換を検討することにしました。
世界中で人気のスポーツスターだけに、対応するサスペンションも多くのメーカーからリリースされています。
オーリンズ
まずは泣く子も黙るオーリンズ。 http://ohlins.czj.jp/
ラインアップも豊富で、伸び側調整のみのシンプルなモデルから、リザーバータンク、伸び側・圧側減衰調整、車高調整、油圧式プリロードアジャスターまで備えるハイエンドモデルまで。さらにはブラックカスタムのハーレーに良く似合う「ブラックライン」も揃っています。
ナイトロン
価格:168,665円 |
こちらもリザーバータンク無しのシンプルなモデルから、なんでもありのハイエンドモデルまで。さらにはオーリンズ同様、フルブラックの「ステルス」シリーズもあります。
加工の仕上げや質感がオーリンズ以上に美しく、それでいてオーリンズより若干低価格なのですから、人気が出るのも当然といえます。
サンダンス KYBトラックテック
さらに、ハーレーと言えばサンダンス。 https://www.sundance.co.jp/
そのサンダンスがKYBと組んで、ハーレー専用にチューンしたリアショックが「トラックテック」です。
シンプルな構成ですが、専用設計だけにきっとベストマッチなんだろうなあ、と思います。
ブラックボディーにゴールドの組み合わせが凄みさえ感じさせますね。
ワールドウォーク
コストパフォーマンス抜群のワールドウォーク。 https://world-walk.com/
“下町のバイクパーツメーカー”であるワールドウォーク。
オーナー自らが自分のスポーツスターを乗りやすくするべく、開発がスタートしたのが上のブラックサスペンションです。
シンプルですが、プリロード、伸び側減衰調整に車高調整までついています。オーバーホールにも対応し、バネのカラーオーダーも可能。それでいて価格は5万円を切るんですから、コスパは抜群です。
トランプサイクル 「RacingBros」
スポーティーなスポーツスターカスタムで有名な大阪のトランプサイクル製リアサスペンション。 http://www.trampcycle.com/
RacingBrosとのコラボレーション商品です。
ショップオリジナルのサスペンションですが、実に質感が高くカッコイイ外観です。
長さは290mm、330mm、360mmの三つから選ぶことが出来ます。
またスプリングレートも「スタンダード」に加え、「ハード」、「ソフト」も選べます。
伸び側減衰力調整に加え、リザーバータンク付きの上位モデルは圧側減衰力調整も対応。
さらに車高調整までついてます。
それでいてリーズナブル。
う~ん。最強かも。
その他のサスペンション
その他のサスペンションメーカーとしては、
“コンスタントライジングレート”スプリングで有名なハイパープロ。http://www.acv.co.jp/hyperpro/
最近コスパの良さで急激にユーザーが増えているYSSなんかもありますね。
僕なりのサスペンション選びの基準
僕も何度か過去乗ってきたバイクにアフターメーカーのリアサスを入れたことがあるのですが、成功したこともあれば、失敗だったかなあ・・・と思ったこともありました。
その結果たどりついた、僕なりのサスペンション選びの基準は、、、
「何を買うか(どのメーカーか)よりも、どこで買うか。」が重要!
ということ。
そもそも僕は ”吊るし”の(=メーカー出荷のままの)サスペンションを信用していません。
なぜなら、そもそもアフターパーツのサスペンションは基本レース用で、ユーザーがチューニングして使うもの(とメーカーが考えている)だと思っているからです。
まあ昔に比べれば、ストリートバイクでサスペンションを換えるのも一般的になってきましたから、以前ほどレース向けガチガチのサスペンションばかりではないと思いますが、それでも基本的にはスポーツ走行にターゲットを置いた設定になっているものが多いハズ。
***
昔、某サスペンション専門ショップの方と話をしていたとき、
「オーリンズってやっぱりいいんですか?」
と聞いたことがあります。
(そのショップはオーリンズを扱っていました。)
するとそのショップオーナー曰く
「いいのもあれば、そうじゃないのもある。」
とのこと。
「そもそもレース用だし、外人想定のセッティングだから、本国のセッティングのままじゃガチガチで乗れたもんじゃない。で、日本で誰かがその車種用にセッティングして、それをフィードバックして売ってるやつはいいんだけど、全部の車種用がそうやってセッティングしてるわけじゃないから。」
今のオーリンズはそこまで極端ではなく、ある程度日本人や日本の道で使うことを想定したセッティングで出荷している(ホームページには「装備重量75kgを想定」とありました。)とは思いますが、疑り深い僕はあんまり信用していないのです。
なので、どこかの信頼できるショップがその車種用にチューニングしてくれたサスペンションを買いたい。
できればサーキット用じゃなく、ストリート用としてチューニングしたものが欲しいのです。
さらにそのショップが、のちのちのチューニングにも対応してくれるショップであることも重要。買ったはいいけど、やっぱり自分には合わない、ということもあり得ますから、その時は相談にのってくれるショップで買いたいのです。
(そこは自分でやるもの、という考えもあると思いますが、アドバイスを含め、いざとなったら頼れるところがある方がいいですよね。)
そして、オーバーホールやパーツ供給に問題がなく、長く使えるものがいいと思っています。
(ぼくは過去マイナーメーカーばっかり選んできたので、この点はちょっと失敗してるんですよね。)
ロードスターのサスペンションに求めるもの
僕がロードスター(XL1200CX)のリアサスペンションに求めるものはというと、
① 乗り心地の良さ
先に書いた通り、歴代スポーツスターの中ではもっとも優秀と言われるサスペンションを持つロードスターですが、やっぱり固い。
特に高速道路の継ぎ目で跳ね、長時間乗っていると次第に腰にきます。
それに路面が荒れているといちいちその凹凸を拾うので乗り心地が悪く、きれいな道じゃないと今一つ楽しめません。
出来れば山奥の荒れた田舎道をトコトコ走っても楽しめるバイクにしたいのです。
② 車高調整(車高UP)
あくまでへっぽこライダーの感想ですが・・・
ロードスターは乗り心地が固いので(バイク屋さんのアドバイスもあり)ぼくはプリロード最弱で乗っているのですが、そうするとカーブの曲がり始めであまり曲がらず、狙ったラインよりほんの少し外側へ膨らんでいきます。いわゆる弱アンダーのハンドリングです。(特に苦手な右カーブでそれを感じます。)
プリロードを掛ければ改善するのはわかっているのですが、そうすると乗り心地が悪い。
なので、ノーマルより少し長めのサスにすれば、乗り心地とナチュラルなハンドリングを両立できるんじゃないか、そう思うのです。
③ フロントとのバランス
バイクのサスペンションは前後別々では語れず、バランスが取れて初めていいハンドリングになります。
昔、XJR1200に乗っている時、リアサスだけ換えたらフロントが動きすぎるようになって怖くて走れなくなったことがありました。
そんな時はフロント側も調整するのですが、我がロードスターには調整機能が一切ありません。(倒立フォークなのに、プリロードさえないとは思わなかった!)
なので、もしフロントフォークを調整するとなると、オイルの量や粘度を変えたり、スプリングを変えたり、カラーを入れてイニシャルを変えたり・・・といった作業をすることになります。
いずれも僕の手には負えません。
したがってショップに依頼することになるのですが、当然お金がかかります。
でも今回はリアサス購入で予算切れ。フロントにまで手が回りそうにありません。
というわけで、ノーマルフォークに手を加えなくても、ある程度バランスがとれるリアサスが欲しいところです。
で、僕が選んだサスペンションは・・・
ロードスターのリアサスに求めるものを得るため、さて何を選ぶか。
まずはオーリンズ。
オーリンズの魅力はその性能の良さももちろんですが、扱っているショップの多さと部品供給を含めたアフターサービスの安心感です。
先に書いた通り、サスペンション選びはショップ選びだと思っているのですが、オーリンズなら多くのショップが扱っていますから、店も選び放題。サスペンション専門を謳うショップも多く、そのほとんどはオーリンズ中心、またはオーリンズも扱っているショップといっていいと思います。
ただし、いいものは高い。他のリアサスよりやっぱりちょっと高いです。(量販店や通販で買えば安いですが、、、)
次にナイトロン。
こちらは購入時にいろいろと仕様を選べる、というのが魅力です。しかも質感が高く、カッコイイ! しかもオーリンズより(同じ仕様なら)安いです。
ただ、オーリンズほど扱っている店は多くなく、面倒を見てくれるショップを探すところから始めることになりそうです。
最後にトランプ。
ホームページを見ると、スポーツスターにマッチさせるべく、1年半もの開発期間を掛けて徹底的に作り込んだと書かれています。しかもサーキットより一般の道で楽しめるように作っている、というところが魅力です。
さらに車高(全長)を選べ、バネも選べます。調整機構も豊富。質感も高く、デザインもカッコイイ。オーバーホールも可能。それでいてリーズナブル! うーん、最強です。
ただ、お店が大阪というのが難点。もちろん購入や相談は出来るでしょうが、通うには少々厳しい距離ではあります。
あとは扱う店が限られるので、将来にわたってアフターがどこまで維持されるのか、という点に一抹の不安を感じなくもありません。
うーーーん。悩みます。
最終候補としては「ナイトロンか?トランプか?」で悩み、当初はナイトロンにしようと思っていたのですが、結局・・・
さて、僕はどのサスペンションを選んだのでしょうか? といわけで、次回に続きます。
ちょっとまて。答え、タイトルに書いてあるな。(笑)