ちょっとタイトル大袈裟ですかね?(笑)
バイク乗りがうまくなる四段階とは?
昔バイク雑誌で読んだ記事の受け売りなのですが・・・
バイク乗りというものは、例外なく、次の4つの段階を経てうまくなっていくものなんだそうです。
いうまでもなく、最も危ないのが第②段階。
下手な自覚がなく、ただ単にちょっと慣れてきただけなのに、上手くなったと勘違いするので、あっという間に危険なゾーンにはいってしまいます。
でもそうして走っているうちに、だんだんと技術がついてきて本当に上手くなり、やがてむやみに飛ばさなくなってくる、というのがライダーの上達に至るプロセスなのだそうです。
危険の真っただ中に
僕はこれを読んで、なるほど、と納得しつつも、自分は例外だと思っていました。
”僕は飛ばさないから②はない。とはいえ、まあ決して上手くはないけれど、もうさすがに初心者とも言えないから、①と④の間ぐらいかなあ~ ”
な~んてのんきな事を思っていたのですが、その後、仲間に誘われてライディングスクールや安全運転講習会などに参加するうちに、否が応でもある事実に気づかされ、愕然とすることになります。
それは『自分は今まさに②の真っただ中にいる』という事でした。
他人と比較して、そんなに飛ばさないから①だ、④だ、という事ではなく、自分の技量を超えるスピードで走っていれば、それは②や③なのです。
そのうえで、技量が伴っていなければ明らかに②の段階。そう、ライディングスクールや講習会に参加すると、いやでも自分の技量を認識することになります。僕は初心者の域を出ていない「下手くそ」にも関わらず、目いっぱい飛ばす危ないやつだったのです。
これはやばい。このままだといつかバイクで死んじゃうかもしれません。
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どうすれば無事③または④の段階にいたることができるのでしょうか?
ひとつは自分の未熟さを認識し、安全運転に徹しつつ、経験を積み重ねていくこと。
もうひとつは安全な環境で練習することだと思います。
世の中には、教習所卒業後も、我々ライダーが技術を磨くことが出来るライディング教室がいくつかあります。
それぞれに特徴があり、料金などもまちまちですが、こうしたプログラムに参加することで、安全に、また、確実に運転技術を向上させていくことが出来ます。
そこでかつて僕が参加したことのあるバイクの運転講習プログラムを2つご紹介してみようと思います。
Honda Motorcyclist School (HMS)
ホンダの交通教育センターレインボーで開催されている、二輪の運転講習です。
初級、中級、上級に分かれており、教習所の復習のようなレッスンから、高度な運転技術を研鑽できる上級コースまで、さまざまなレベルの講習が用意されています。
料金が一回¥15,000(昼食代込み)とちょっと高いのが難点ですが、10:00から16:30まで、昼食をはさんで一日みっちり練習が出来ます。
このHMSは自分のバイクではなく、教習車を使っての教習となります。
この「教習車で練習できる」、というのは大きなメリットで、(もちろん出来れば避けたいですが)万一転倒などしても、自分のバイクが痛むことがないので、思い切って走れます。
僕は交通教育センターレインボー埼玉で受講したのですが、この施設、荒川の河川敷にコースが広がっていて、とんでもなく広い!んです。
初心者向けは教習所のようなコースから始まりますが、だんだんと広いコースに移り、ガンガン走れるようになります。
例えばスラロームなんかでも、普通の教習所のような5,6本パイロンが並んでいる、といった規模ではなく、何十本も並ぶパイロンを延々すり抜けるような練習が出来ます。
中級になると、教習所というよりはジムカーナに近いような感じです。さらに上級の皆さんの走りを見ているとまさに別次元という感じで、タイヤをギャンギャン滑らしながら走っていたりします。完全にスポーツの世界です。
目からうろこのタンデム体験
一度このHMSで、教官の後ろにタンデムで載せてもらい、コースを走ってもらったことがあります。(いつもお願いできるわけではなく、僕があんまり下手なので・・・という感じでしたが、時々やっているのを見かけるので、お願いすれば体験させてくれるかもしれません。)
この体験は僕にとっては衝撃でした。
それまで僕はバイクというものは半円を描くように曲がっていくものだと思っていました。(その半円の大小はあるにせよ。)
ところが、そうではなかったのです。
直角に曲がったコーナーに、教官は全く減速することなく突っ込んでいきます。
「エッ!?曲がんないの?曲がんないの?」と思っていると、
もう前輪が半分コースアウトしてるんじゃないか?と思うようなタイミングで急ブレーキをかけ、急減速したかと思うと、”ガクッ!” という音がするかのような、あり得ない勢いで直角に曲がるのです。
”いやいや、直角には曲がれないっしょ?” と思っているあなた。
いえ、90度に曲がるんです。ホント、そうとしか思えないような曲がり方をするのです。
”うわあ、バイクって本当はこんなに曲がるものなんだ!!”
と、まさに目から鱗が落ちるような体験でした。
もちろんそれを体感したからといってすぐに真似できるような簡単なものではありません。
でも、バイクにはそういう世界があり、行きつくべきひとつのゴールはそこにある、という事を見せてもらっただけでも本当に価値のある体験でした。
察署が主催する二輪車実技教室・二輪車安全運転講習
各都道府県によって微妙に呼び方が違うようですが、全国の各県警が主催する二輪の安全運転講習(グッドライダーズミーティング)があります。
だいたい、運転免許センターなどの施設で行われることが多いようですが、中には各地の教習所を借りて練習する場合もあります。
関東の例ですが・・・
などなど・・・。
教えてくれるのは各県警の白バイ隊員および二輪車普及安全協会指導員等。神奈川県では
ホワイトエンジェルス(女性白バイ隊員)の皆さんも教えてくれるようです。
受講料は地域によって異なるようで、僕の受けた神奈川は傷害保険料の¥100のみ自己負担でした。(今回調べたところ、近畿エリアのグッドライダーズミーティングの講習料は¥3000となっていました。)
ただし、料金が格安(または無料)なだけあって大変人気があり、受講は申し込みの上、抽選、という会場が多いようです。
この安全運転講習は、車両は自分のバイクで走る事になります。慣れたバイクで走れるのはいい点ですが、あまり教習向きでないバイクだと厳しいかもしれません。(僕も今だとハーレーなので、さすがにちょっと・・・)
もちろん、スクーターやアメリカンバイクなどで参加されている方も見たことがありますので、参加できないわけではありません。むしろ、自分が実際に公道を走るバイクで上達する、というのは、安全運転を学ぶ講習としては本来の姿ともいえます。
昔は会場によっては常連の人が多く、独特の雰囲気もあり、初めてだとちょっと気おくれするようなところもありましたが、最近は出来るだけ初めての人を優先して当選させているようです。警察の主催という公の講習ですから、まあそうあるべきなんでしょうね。
いずれにせよ、受講してみたいけどちょっと・・・という人は、一度見学に行くことをお勧めします。大抵の会場で見学可能です。
バイク講習会で得たものは・・・
HMSや安全運転講習会などで走ると、嫌がおうにも自分の技量のなさがくっきりと浮き彫りになります。謙遜とか見栄とか、そういうものが一切入り込む余地などなく、自分が周りの人と比べて上手いのか下手なのかが一目瞭然になるのです。
僕の場合、普段一緒に走っている仲間に比べ、自分があまりにも下手くそである、という事実を再認識させられ、愕然としました。リターンライダーで普段ゆっくり走っているような友人も、こういう場では僕よりずっと速かったりします。(講習会は速さを競う場ではありませんが、レベルが上がってくると、次第に自分だけ流れについていけなくなったりするのです。)
こういう事は公道を走っているだけでは判らなかったりします。公道は誰もが安全マージンを取って走っているわけで、逆に言えばマージンを減らして走っている人が速く見えたりします。でもこういう安全を確保された場所で一緒に走ると、運転の上手下手がみんなにわかってしまいます。
何度か(多分5,6回)HMSを受講し、それ以上の回数、安全運転講習会に参加しましたが、それで上手くなったかというと・・・
まあ、受講しなかったよりはずっとマシだとは思います。
特にHMSは真剣に取り組めば少しずつでも確実に運転が上手くなっていくのが実感できます。
ただ、僕の場合、受講して得た最大の収穫は、自分の技量の無さを自覚し、今自分が②の段階にいるんだ、という事を認識できた事だったように思います。
果たして僕は運転がうまくなったのか・・・というと
・・・で、今のお前はどの段階なんだ?というと、う~ん、④と言いたいところですが、、、
相変わらず②、というか、最近はハーレーに乗り換えてなおさら飛ばさなくなったものの、着実に前より下手になってきた(目も動体視力が・・・)気がするので、なんとなく①に戻ったような気がします。(ToT)
まあ、安全ならいいんですけどね。