電熱ジャケットが一番!なんですが・・・
最近は暖冬が多かった気がしますが、この冬は寒いですねぇ。
冬でも変わらずツーリングを楽しみたいのですが、僕は寒いのが大の苦手です。
そこで重要なのがライディング時の防寒対策です。
このサイトでもいくつか防寒対策をご紹介してきましたが、僕の考える寒さ対策の一位と二位は「ダウンジャケット」と「電熱ウエア」だと思います。
ところが今の愛車、ハーレー スポーツスター(XL1200CX ロードスター)に乗るようになってからは電熱ジャケットを使っていません。
すぐにバッテリーが上がってしまうスポーツスターでは、怖くて電熱ウエアを使う気になれないからです。
仕方ないので、ここ数年はダウンジャケットをフル活用してなんとか冬のツーリングを乗り切ってきました。ですが気温が10℃を下回るようになると、さすがにそれだけでは厳しくなってきます。
マメにバッテリーを充電することを前提に、電熱ウエアを引っ張り出してこようかとも思ったのですが、やっぱりちょっと不安です。
(先日もバッテリーが上がってましたし。涙)
バイク芸人推薦のあったかインナー?
そんなある日、バイク用品店でウエアを見ていると、「チョモランマ」というアンダーウエアを売っていました。POPの説明書きを見ると
「所(ジョージ)さんの番組で紹介された、北の漁師も愛用する最強の温かウエア」
と書かれていました。
”ああ、そういえばアメトークの「バイク芸人」でも、なんかすごい温かいアンダーウエアがある、みたいなことを言ってたな。”
と思い出しました。
こういうのを着ると温かいのかなあ~と思って値段を見ると、ひっくり!なんと9900円!
こりゃあ高い!
電熱ジャケットより安いとは言え結構なお値段。気軽に手を出せる値段ではありません。
でも興味深々。本当に謳い文句どおりなら、僕にとって「冬の救世主」になるかもしれません。
というわけで、まずはいろいろ調べてみることにしました。
チョモランマ VS エベレスト?
あらためて調べてみると、この ひだまり本舗の「チョモランマ」。エベレスト登山隊も愛用したという、知る人ぞ知る逸品らしく、メディアでもいろいろ取り上げられている様子。
三層構造になっていて、肌に近い部分は「ダンロン」という速乾性・透湿性に優れた素材が汗を素早く外側へ放出。
また特殊加工編みで空気をたっぷりとため込む(デッドエア)ことで、高い保温性能を得ているそうです。
- 温かさでは「エベレスト」が「チョモランマ」より一段上
- エベレストは色が5色から選べる。チョモランマはネイビーのみ。
- ハイネック仕様は「エベレスト」にも「チョモランマ」にもあるが、チョモランマのハイネックは販売価格:¥14,080(税込)なのに対し、エベレストは10,450円(税込)。
- ”チョモランマはスポーツにも最適”、と書かれているが理由が不明。チョモランマの方が動きやすいのか?それともエベレストだと暑過ぎるのか?
どっちがいいか正直悩みましたが、防寒性能で妥協したくないので、防寒性能が少し上、という「エベレスト」を選びました。
1万円のアンダーウエアってどうよ? とも思いましたが、もはや若くないバイク乗りにとって少しでも温かさを得られるなら、多少高くても「アリ」でしょう。
それに電熱ウエアや高性能防寒アウターに比べれば安いとも言えますし。
ということで購入してみることにしました。
ひだまり本舗「エベレスト」
購入したのはエベレストのハイネック。色はブラックを選びました。
箱を開けて早速着てみます。
興味深げに見ていた家人曰く
「これ、ほとんどセーターやん。」
確かに、厚手のアンダーウエアというより、まるでセーターのような厚みがあります。
見た感じも編み込みのセーターのように見えますが、表面はモコモコで手触りも毛糸のようにややザラザラとした感触。けど肌に触れる裏地は比較的さらっとしていて、着心地は悪くありません。
そして、着た瞬間からほんのりと温かさを感じます。
これはかなり期待できそうです。
ハイネックの首回りの部分も十分に厚みがあり、しっかりしています。袖口も同様。体温が逃げないように締まってます。
それに比べれば「チョモランマ」の方は(写真で見る限りですが)首元や袖口、全体のシルエットもややゆったりした感じ。首元にはジッパーがあったり、肩口にワッペンがあったりするので、多少なりとも見た目を意識しているしている感があります。
「エベレスト」の方はいかにもアンダーウエアらしく体形がモロに出ますから、そのまま人前に出られる感じではありません(自慢の体形を見せたい人はいいかもしれませんけど)。
その分、着こなしがやや難しい気がします。見た目が(まるで)セーターなので、上にTシャツやシャツを着るとちょっと合わないからです。
バイクに乗ってるときは上に着込んでいるから関係ないんですが、ツーリング先で食事で店なんかに入ってアウターを脱いだ時に何か上に着ておかないと、なんかヘンテコリンな恰好になってしまいそうです。(夏、ぴたっとした速乾インナーで体形を晒しているオッサンが居ますよね。あんな感じ。)
気温6℃の中走ってみた。
翌週末。この「エベレスト」を着てツーリングしてみました。
防寒対策には重ね着(レイヤード)が効果的。
というのが基本です。
(いくら電熱ジャケットでも首から隙間風が入ったら寒いです←経験済み。)
この日の僕の服装は
・「エベレスト」
・薄手のパーカー(主に「エベレスト隠し」)
・ミドルウエアはユニクロの「ウルトラライトダウン」(ダウンとしては薄手)
・アウターは「RSタイチのウインタージャケット」(ただし着脱式インナーは外した状態)
という格好。
ちなみに下はゴアテックスの防風アンダー(10年以上前に買ったもの)の上に HYODの「SMART レザー」パンツです。
この格好で先週走った道とほぼ同じコースを走ってきました。
この日の気温(時刻はAM11:00)は6℃。(先週走ったときは11℃でした。)
テストにはもってこいのコンディションです。
先週走ったときでもいい加減寒かったのですが、この日は・・・寒くない!
空は快晴で風も全くない状態だったので、
” 気温は低くても案外寒くないのかも? ”
なんて一瞬思ったのですが、スリーシーズンの(冬用じゃない)グローブをはめた手はすぐにかじかみ、革パンツからも徐々に寒さが伝わり、ヘルメットのシールドを上げようもんなら、一瞬で息が詰まる、そんな空気の冷たさです。
そんななか走っても、上半身はほとんど寒さを感じません。
さすがに2時間近くも走り続けると徐々に寒さが伝わってきましたが、これは下半身からくる冷えもあったと思います。つまり、上下で「エベレスト」を着れば完ぺき!かも。
(上下セットで2万円はさすがにちょと厳しいですけれど・・・)
発熱するわけじゃないので、走っててポカポカする、ということはありませんが、寒さを感じにくい感じです。
この「エベレスト」さえあれば、もう冬の寒さは関係ない!・・・とまでは言いませんが、冬でも走るツーリングライダーの強い味方になってくれることは間違いないと思います。
「エベレスト」の弱点は?
僕的にはかなり満足度の高い「エベレスト」ですが、ちょっとした「懸念」と意外な「弱点」もあります。
まずは価格が高いこと。まあこれは考え方次第と言えます。
いくら温かいといっても電熱ジャケットには敵いません。+1万円位出せば電熱ジャケットに手が届きます。
バイクの発電量に問題が無ければ、こちらを買った方が防寒性能では上でしょう。
ただ、僕のようにバイクから電源を採りたくない場合や、ツーリング先でバイクを降りてうろうろするときの防寒を考えれば「エベレスト」にメリットがあると思います。
次に「耐久性」です。
見る限り「エベレスト」はかなりしっかりとした生地と縫製なので、特に耐久性に問題があるわけではないと思いますが、レヴューなどを読むと「(やがて)襟元が伸びてくる」といった評価もありました。
どのくらい使い込むとそうなるのかは不明ですが、アンダーウエアなので洗濯を繰り返せばある程度のびるは仕方ない、とは思うものの、その価格を考えればちょっと心配ではあります。
最後に意外な欠点は、この「エベレスト」(「チョモランマ」も)は熱に弱い、ということです。
乾燥機やアイロンを使えない、というのはまあ避ければいいだけのことなのですが、ツーリングライダーとして気になるのは、カイロを使えない、という点です。
カイロは時に60℃を超えたりするため、カイロと接している部分が伸びたり硬化したりすることがあるそうです。
「エベレスト」を着れば十分に温かいものの、使い捨てカイロや「ハクキンカイロ」を併用したいという方も多いと思います。カイロはコンビニでもすぐ手に入る我々ツーリングライダーの必需品なだけに、これが使えないのはちょっとつらいところです。
「エベレスト」はおすすめか?
欠点や懸念点もある「エベレスト」ですが、その温かさはなかなかのもの。あなたの使い方に合うなら、ぜひ一度試してみてほしいなあ、と思います。