ノーマル至上主義
最近は雑誌でもネットでも、” バイクはカスタムしてるほどエライ!” みたいな記事ばかりですが、へそ曲がりな僕は、ちょっと違った事を書いてみたいと思います。
(あくまで個人的意見ですから、まあ軽く聞き流してください。)
僕も過去にはさんざん自分のバイクをいじってきたので、カスタムを否定するつもりは全くないのですが、ただ、カスタムすればするほど、最終的に行き着いた結論は
「やっぱりノーマルってよく出来てるよなあ~」
という事でした。
僕は昔、XJR1200に乗っていた時・・・・
シートをカスタムし、
ハンドルを変え、
ブレーキキャリパーを変え、
メッシュホースを付け、
バックステップを付けた、、、
・・・その後、
ノーマルシートをあらためて買い、
ハンドルをノーマルに戻し、
ブレーキキャリパーを純正品に変え、
ブレーキホースをノーマルのゴムホースにし、
バックステップを外してノーマルステップに付け直した、、、
・・・という経験があります。(ハハハ。)
もちろん、カスタムパーツに替えてみて、大いに気に入り、
そのまま使い続けたパーツもありましたが、
一方で、付け替えた瞬間に
「ん?こんなはずでは・・・」
と思ったり、ネガの部分がどうしようもなく気になってきてしまった、というパーツもたくさんありました。
ワークスマシン!?
・バイクの専門家であるメーカーの開発者が、その英知を集めて設計し
・テストライダーや技術者が、ありとあらゆる条件で性能や耐久性を試し
・何時間も何万kmもテストライドしてチューニングした
・・・その結果発売されるのが ”ノーマル ” です。
これって、それぞれのパーツにかけているコストこそ違え、
「メーカーが総力を挙げて開発している」という点においては
” ワークスマシン ” なんですよね。
悪かろうはずがないのです。
ホントにノーマルはダサいのか?
なのに、雑誌などでは ”カスタムはするのが当然 ” のような記事が目立ち、
そんな雑誌に登場する読者オーナーも、
「とりあえずブレーキとマフラーとサスペンションは変えましたが、まだ全然ッス」
みたいな事を言ってたりします。
いや、もちろんいいんです。
アウターパーツメーカーのカタログを眺め、自分のバイクに適合するパーツをチェックし、
どれから付けようかなあ~ってと悩んでる時って、最高に楽しいですから。” アリ ”だと思います。ちょっと変えると楽しくて、どんどんエスカレートしていくんです。
僕もかつてはやりました。
(エンジンとフレーム以外ノーマルパーツがない、というバイクにしたことがあります。)
そもそも、こういう人たちが居ないと、アフターパーツメーカーが成り立たないし、雑誌が売れないし、ひいてはバイク業界全体が活性化しません。
ただね・・・
「ノーマルだとダサい」
「ノーマルパーツだと恥ずかしい」
みたいなのは、なんか違うんではないか、
・・・と思うのです。
アフターパーツ >ノーマル とは限らない
確かにノーマルパーツにはコストの壁があります。
過剰なまでの耐久性も求められますし、
騒音規制などもアフターパーツよりはるかに厳しいものが求められ、性能を出すには不利だったりします。
だからアフターパーツはノーマルを超えられる、・・・確かに可能性としてはそうです。
けれど、とはいえ、大メーカーが総力を挙げて開発したノーマルパーツを、あらゆる点で超えるものを作る、というのは、そう簡単なことではないと思うんです。
***
以前、雑誌に載っていた、バイクメーカーの開発者インタビューを読んで、驚いたことがあります。
スーパースポーツモデルの、しかもSPモデルの開発の話の中で、
「重さの異なるホイールを何種類か用意し、テストを繰り返して最適なものを選んだりしました。」
とテストライダー氏が話していました。
雑誌なんかを読むと、「バイクのホイールは軽ければ軽いほど良い」ような事を書いてあります。バネ下重量がどうとか、ジャイロ効果がどうとか・・・。
でも、バイクメーカーではテストして、最適なものを選んでいるんです。
ツアラーやネイキッドなら解るんです。直進安定性とかにも係ってくると思うので。でもスーパースポーツなんです。SPモデルなんです。
ホイールは軽いほどいいのなら、テストなんかしなくても、一番軽いのを選べばいいじゃないですか。でもテストして選んでいるんです。
きっと ”そんな単純な話じゃない” 、という事なんでしょうね。
やっぱりメーカーってすごいんだなあ、と思いました。
よりカスタムを楽しむために
繰り返しますが、カスタムを否定する気は全くありません。
楽しいですから。
ただ、ノーマルパーツはダメ、では決してなく、
とことんノーマルで付き合った上で、どうしてもここは・・・というところからカスタムしていくのが、結局、長く自分のバイクを楽しめるコツなんじゃないかなあ、というのが僕なりにたどり着いた結論です。