No wear No ride!胸部プロテクター
ヘルメットと並び、バイク乗りの安全装備として必須なのが胸部プロテクター。バイク事故による死亡原因でのうち、頭部に次いで多いのが胸部の損傷によるものであることから、ぜひ装着したい必須アイテムとなっています。
長年愛用のプロテクターはそろそろ寿命?
僕が愛用している胸部プロテクターは2つ。いずれもホンダの純正アクセサリーとして販売されていたものです。
ひとつはゼッケンプレートのようなメッシュベストに取り付けるタイプで、頭からかぶり、脇腹のところにあるベルトをバックルでつなぎます。前面は胸部プロテクター、背面は脊椎プロテクターが付いています。
もうひとつはドットボタンでジャケットの胸部に取り付けるタイプで、左右分割となっていてるのですが、ジャケットの前ファスナーを閉じるだけで左右が一体化するようになっています。このタイプはジャケットのファスナーを開けたときにプロテクターが見えないので、違和感なく使えます。
いずれもプラスチック(ポリプロピレン?)の中空構造になっていて、かなり厚みがあり、強度も高いものです。
これだけ強固で広範囲をガードでき、しかも軽く、通気性も確保されている胸部プロテクターは他になかなか見当たらりません。なのでずっと愛用してきました。
ところが最近になって問題が2つ。ひとつは一体型の胸部プロテクターを付けているメッシュベストがあちこち破れたりして、そろそろ限界になってきたこと。
もう一つは、僕の体が「成長」し、厚みのあるプロテクターを付けるとシルエットがビバンダム君のようになってしまうようになったことです。(痩せろって。笑)
また、プロテクターの部分は見た感じまったく問題ありませんが、とはいえ樹脂パーツですから、見た目分からなくても、実際は強度が落ちてきている可能性もあります。
気に入っているので、できれば同じものを新品で買い替えたいのですが、どこを探しても見つかりません。どうやらもう販売していないようです。
仕方がないので、他にいいものはないかと、ずっと探していました。
胸部プロテクターの種類
胸部プロテクター(チェストプロテクター)は内外の多くのメーカーから様々な製品が発売されていますが、大きく分けると3種類。
①ハードプロテクタータイプ
②ソフトプロテクタータイプ
③エアバック式
に分けられると思います。
①ハードプロテクタータイプ
プロテクターがプラスチックなど、強度のある素材で作られているものです。
見た目にも安心感がありますが、重くて厚みがあり、装着感が良くない、見た目が悪い(太って見える)、通気性が悪く暑い、比較的高価、などのデメリットもあります。
(このコミネ製のは比較的軽くてリーズナブルです。↓↓↓)
②ソフトプロテクタータイプ
プロテクターがスポンジやポリウレタンなど、柔らかい素材で出来ていて、いるタイプできるタイプです。
衝撃を吸収することで体を守る構造になっています。
また、普段は柔軟性があるが、衝撃を受けると固くなる特殊素材を使ったものもあります。
比較的軽く、安価で、装着しても動きを妨げにくいものが多いです。ウレタンフォームなどは通気性が良くないですが、メッシュ形状などで通気性を良くしたものもあります。厚みは薄いモノもありますが、衝撃吸収性を確保しようとすると、結構厚くなってしまいます。
③エアバッグ式
クルマのエアバッグのように、衝突した瞬間にエアでウエアに備えられたバッグが膨らみ、衝撃から体を守る方式のプロテクターです。
車体に繋いだケーブル(ハーネス)が引っ張られることで膨らむタイプと、Gセンサー等で衝突を関知して膨らむタイプとがあります。
https://www.dainesejapan.com/feature/d-air/
非常に高価なことと、一緒に合わせるウエアを選ぶことが難点ですが、特に転倒時の保護効果は非常に高いと思います。
どのタイプがいいのか?
3種類のなかでどのタイプがいいのか。実際の事故の状況にもよるので、一概にこれとは言えません。
以下はあくまでも素人の考察です。
バイクの事故で胸部へのダメージが起きやすいのは右直事故なんだそうです。
直進するバイクが急に曲がり始めたクルマの側面に衝突し、クルマのルーフに胸をぶつけたり、バイクのハンドルが胸にぶつかったりして肋骨が折れ、内臓を損傷するケースです。
そういう事態を想定した場合、一番防御力が高そうなのは、やはりハードタイプのプロテクターじゃないでしょうか。
特にハンドルなどの突起物がぶつかることを考えると、一点に力が集中するので、ソフトタイプのプロテクターでは衝撃を受けきれないような気がします。
エアバッグ式のプロテクターは、転倒時のよう体が路面に叩きつけられる状況では最強だと思いますが、エアバッグの部分の面積が小さいので、突起物には弱いような気がします。
(だからエアバッグプロテクターのメーカーさんがハードタイプの胸部プロテクターをオプションで用意したりしてますよね。)
以上の考えから、僕としては胸部プロテクターにはハードタイプのプロテクターを選びたいと思います。
候補はRSタイチのチェストプロテクター
次期購入候補として、いろいろ胸部プロテクターを探しているのですが、今一つ決め手に欠ける感じがあり、購入には至っていません。
いま使っているプロテクターもまだ使えるので、買い換えはもう少し先かな、と思っていたのですが、、、
買い換えるとすれば、第一候補はRSタイチのチェストプロテクターです。
理由は、
- ハードタイプのプロテクターであること。しかもハニカム構造を持っていて、特に強度が高そうなこと。
- ドットボタンで止める構造であり、タイチ製をはじめ多くのメーカーのウエアに装着しやすいこと。
- 別売りのベルトでも装着出来るので、ウエアを選ばないこと。
- (一体化できる)左右分割タイプがあること。
・・・といったところが良い点だと思います。
「通気性があまりよくなさそう」「カバーする面積が小さい」「ちょっとお高い」といったデメリットもありますが、最近はホンダ純正アクセサリーとしても採用されていて、安全性は高そうです。
いま使ってるやつがいよいよダメになったらタイチ製を買おうかな、と思っていたのですが・・・。
Youtubeで見た衝撃的な新製品
そんなある日、Youtubeを見ていたら、コミネの新製品紹介動画が流れていました。
そこで紹介されていた、全く新しいコンセプトの胸部プロテクターを見て驚きました。
ドライカーボン製のチェストプロテクターで、厚さなんと1mmです。
カーボン製と言われるものには、大きく分けて2種類あり、ひとつはウエットカーボン。もう一つがドライカーボンです。
これらは実は似て非なるもので、ドライカーボンは金属をしのぐほどの強度を持ち、かつ軽くすることが出来ます。
ただし、その生産には高い技術と大掛かりな設備(カーボンを整形する金型や焼き固めるための釜など)が必要で、非常にコストがかかります。
このコミネの「ドライカーボンチェストシールド」は、その名の通りドライカーボンで作られており、厚みは1mm。重さはわずか72gです。この厚み、この重さであれば、ほとんど装着しても違和感がないことでしょう。
しかも超高強度なので、万が一の際の衝撃にも耐え、力を分散することによって肋骨が折れるのを防いでくれそうです。
これ、凄いけれど、一体いくらするんだろう?
だれもが考えそうな商品ではあるけれど、だれも作らなかったのは、手間とコストがあまりにもかかるからだろうと思います。
やっぱり高いんだろうなあ、と思ってコミネの公式HPを見てみると・・・なんと22,000円(税込)!
高い! いや、胸部プロテクターとしてはかなり高いのですが、正直言うと4,5万円ぐらいはするんじゃないかと思っていました。なにしろドライカーボンですから。
それよりは大幅に安く、そのことに驚きました。さすがはコミネさんです。
(昔は正直、” 安いけど安っぽい ” という感じのするメーカーでしたが、最近はデザインも洗練された、非常にコストパフォーマンスに優れたウエアを販売されています。)
欲しい! でもやっぱり22,000円は高い。けどいい商品だと思います。
それにこれ、たぶんすぐ入手困難になるんじゃないかな・・・
なにしろドライカーボンは手作りに近く、量産のむずかしい製品です。しかも日本製。2万円超は高いとはいえ、欲しい人はたくさんいると思います。
発売開始は2024年2月1日。今はまだ予約販売の受付をしているだけのようです。
初回ロットを逃したら、しばらくは手に入らないかも。
うーーーーん。 買っちゃえ!(笑)
というわけで、コミネさんのHPで発注しました!
高い買い物ですが、命をまもるもの。いい買い物に違いありません!(と思いたい。)
入手したらあらためてレポートしたいと思っております。いまから楽しみです。