ブレーキグリスを塗るも、解消には至らず
先日交換したKTM890DUKEのリアブレーキパッド。
交換後、尋常ではないブレーキの鳴きが発生。キーキーという音だけならともかく、
ピロピロピロピロ・・・ や
ポコン!ポコン!ポコン!と、
ホントにブレーキから鳴ってるの!?と疑いたくなるような変な音が出ます。
仕方なく、対策としてブレーキグリスをパッドの裏面に塗布。
これで発生頻度は確実に減ったものの、完全に解消には至りませんでした。
強めにブレーキを踏めば音はしないものの、交差点などでリアブレーキを引きずるような乗り方をするとかなりの確率で音が出ます。
かなりカッコ悪いです。なにしろ ポコン!ポコン!ですから。
パッド用 鳴き止めシートを試してみる
仕方ないので、次なる手を考えます。
今回はブレーキパッドの裏面に貼る、鳴き防止シートを試してみることにしました。
アマゾンで探してみると、ヒットしたのはこの2つです。
まずはメタルスキーというメーカーのブレーキ鳴き止めシート
もう一つは、キタコが販売しているSBSのブレーキパッドシムです。
メタルスキーは65mm×135mmのシートが4枚入り。厚さは0.5cmと書いてあるので、5mmということになりますが、本当に5mmも厚みがあったらパッドに貼れない(キャリパーに収まらない)と思うので、おそらく0.5mmの間違いだと思います。
SBSのブレーキパッドシムは79mm×39mm 厚さ0.5mmの4枚入り。
両者で一番違うのは貼る時の手順。
メタルスキーは
- バックプレート面を60℃程度に加熱してメタルスキーを貼り、2枚のパッドを背中合わせにプレス(またはバイス)で加圧(200~600Kg)。そのままで2時間ほど保持する。
- または、凸部のあるパッドの場合はバックプレート面を80℃程度に加熱してメタルスキーを貼り全面をプラハンマーなどで叩く。特に外周部を念入りに叩く。
と書かれています。かなりめんどくさいですよね。
一方のSBSはバックプレートを脱脂して、シールを剥がして貼り付けるのみです。
今回はSBS製でいきます。メタルスキーは大きさから言ってもクルマ向けなのかもしれませんね。
SBS ブレーキパッドシム を購入
さっそくアマゾンで購入しました。

ブレーキパッドのメーカーであるSBS製の「アンチノイズシム」4枚入り。


グラスファイバーをゴムで挟んだ三層構造になっているみたいです。
実のところ、この製品を購入したのは初めてではありません。ただ、いつ、どのバイク用に買ったのかは覚えていません。(おそらく15年ぐらい前な気がしますが。)
そして、正直その時に効果があったかどうかも覚えてません。すごく結果が良かったら覚えているような気もするんですが・・・(笑)
とにかく試してみます。
取り付け
取り付け方法といっても、パッドを外せれば難しいことは何もありません。
パッドの裏面(摩材の付いていない方)をブレーキクリーナーできれいに脱脂し、パッドの形に切ったシートを、裏紙を剥がして貼り付けるだけです。
パッドを外す手順は以前のパッド交換の記事をご参照ください。

前回の反省を踏まえ、100均で注射器を買ってきました。リアキャリパーのピストンを押し戻す際、ブレーキフルードがあふれ出ないように、あらかじめこの注射器でフルードを少し抜き取りました。

外したブレーキパッド。前回塗った鳴き止めグリスがべったりついているので、まずはこれをブレーキクリーナーで拭き取ります。

紙ウエスにブレーキクリーナーを吹き付け、パッド面にグリスが付かないよう注意しながら丁寧にぬぐい取りました。

シートは4枚入り。フロントダブルキャリパーのモデルでも1セットで間に合います。

厚みはこんな感じ・・・と見せたかったのですが、ピンボケですいません。

パッドの形状にあわせてハサミで切ります。外にはみ出ないようにやや小さめに切りました。(貼る時は接着面の黄色いシールを剥がして貼るので、裏返して貼ります。)

保護シートを剥がしてパッドの裏面に貼り付けます。(左右で色味が違うのは光の加減でそう見えるだけです)
作業は20分ほどで完了しましたが、接着面が固まるまで放置した方がいいかと思い、その日は試乗はせず作業を終わりました。
ブレーキの鳴きが止まりました!
後日、試乗を兼ねてツーリングへ。
何も考えず、いつも通り走り始めたのですが、しばらくして、”そういえば、音鳴ってないな” と気づきました。
お、これは成功したか!?
わざとブレーキを鳴らしてみようと、軽くブレーキを引きづって見たりもしたのですが、どうやっても鳴きません。
やりました!ついにリアブレーキの鳴きを抑えることに成功しました。
このSBS製のアンチノイズシム。ネットの口コミを見ると「ブレーキタッチが悪くなった」といった書き込みもありました。確かに貼り付ける前に比べるとブレーキのタッチがやや曖昧になり、ゴムを介してブレーキディスクを挟んでいるような感覚が少しあります。
ただ今回の場合リアブレーキですし、そもそもそんなに繊細な感覚は求めていないので、特に気にはなりません。まあ、これがフロントブレーキだったら気になったかもしれませんが。
あと、ペーパーロックの防止に効果あり、という書き込みもありましたが、僕の場合、そもそもバイクのブレーキでペーパーロックなんて経験したことなどありませんので、この点は分かりません。
試してみる価値はあり
以前も書いた通り、ブレーキの鳴きという問題はバイクやパーツとの相性の問題も大きく、有るバイクで効果があった対策が、別のバイクでは全く効果なし、ということが多々あります。
今回の場合、SBSのアンチノイズシムは効果絶大でしたが、これさえ使えば必ずブレーキの鳴きが収まる、と言えるものではないと思います。
ただ、上手くはまれば今回のように効果的な方法なので、ブレーキの鳴きで悩んでいる人は、一度試してみる価値はあると思います。



