HYODのスマートレザーパンツを買い替えました

偶然 HYODの店舗を見つける

それは9月のある日のことでございました。

野暮用があって、東京の井の頭通をクルマで走っていたところ、道沿いに一軒のお店が・・・

「あ、あれ!ヒョウドウじゃん!」

それはバイクウエアショップ HYODの東京店でした。

へぇー、こんなところに店があるんだ~!

HYODの直営店って静岡にしかないんだと勝手に思い込んでいた僕は、東京に専門店があることに驚きました。

「うわー。ヒョウドウじゃん。ここにあったんだ。いいなあ、行きたいなあ」

と勝手に盛り上がって叫んでいると、横にいるヨメさんが

「そんなに行きたいなら、行けばいいじゃない」

と冷めた声で言いました。

「でもさあ、めったにここまで来ることなんてないからさ。」というと

じゃあ今から行けば、というではないですか。

え?ほんと?寄ってもいいの? というと、もう用事も済んだしイイヨという。

え、まじ!?やったー!

「でもさあ。実は欲しいものがあってさ。行って見ちゃうと欲しくなるからなあ。」

というと、「じゃあ買えばいいじゃない」とおっしゃる。

だが喜んではいけない。ヨメさんの言う  ”買えばいいじゃない” は ”買ってあげるよ” ではなく、”(あんたの小遣いで)買いたきゃ勝手に買えば”、という意味なのです。

「いや、でもさあ、それ、結構 値が張るんだよ。今そんな金無いし」

するとヨメさんはひとこと、

「今ならボーナス払いで買えるわよ」

と涼しい顔で言うのでした。

ん?そうなの? まだ9月だけどボーナス払いで買えるんだ・・・

もちろん、ボーナス払いというのは、あくまでボーナス時期まで支払いを待ってくれるというだけの話であって、何かお金が降って沸いてくるわけではありません。

そもそもボーナスは、バイクのローンやカードの支払いなどで、そのほとんどが消えていきます。

しかし、その時の僕の頭の中では ”ボーナス払い” という言葉が、まるで魔法の呪文のように聞こえていました。(笑)

「じゃあ、まあ、買うかどうかは別として、ちょっと寄ってみるわ」

と、クルマをUターンし、ヨメさんと一緒に店に立ち寄ることにしました。

ヒョウドウ東京

お目当ては スマートレザーパンツ

ヒョウドウに行きたかった目的は、スマートレザーパンツを見たかったから。

ウォッシャブルレザーを使った、ジーンズスタイルのレザーパンツです。

実はヒョウドウのスマートレザーは既に一本持っていて、真夏以外はほとんどそればっかり履いているのですが、長年の使用でさすがのレザーパンツもくたびれてきていて、そろそろ買い替えたいなあ、と思っていたところだったのです。

ただ、そこそこ値も張るのでなかなか買い替えられず、今に至っています。

それと、僕が買った頃はたしかスマートレザーパンツは一種類しかなかった(カラバリは2色)のですが、いまは何種類かのスマートレザーパンツがラインナップされています。

買うとすれば是非試着してから買いたい。カラーやサイズもいろいろ試したい。でもHYODの製品は常に品薄で、バイク用品店へ行っても全種類はそろっていなかったり、サイズがなかったりします。

なので ” いつかは浜松の本店へ行って、試着して買いたいなあ ” と思っていたのですが、思いがけず東京で直営店を見つけ、立ち寄ることになりました。(単に自分が調べてないだけですが。笑)

これはもう、バイクの神様が買えと言ってるに違いない!

というわけで、店に入る時にはもう購入意思を固めておりました。

HYODスマートレザーパンツ とは

ここであらためてヒョウドウのスマートレザーパンツをご紹介すると

・デニムスタイルのレザーパンツ

デザインはデニムパンツスタイル。いかにも革パンツ、という感じではなく、バイクを降りた時でも違和感なく履けます。それにどんなウエアやシューズとも合わせやすいです。

・ウオッシャブルレザーを使用

フッ素化合物を繊維に浸透させたウオッシャブルレザーを使用しているので、自宅で洗濯機で洗えます。風合いもキャンバスパターンの特殊型押し加工を施してあるので、普通のレザーのようなテカテカした感じではなく、しっとりとした質感です。(ここはぜひ実物をみていただきたい。)さらには撥水性があるので、普通の革のように水に弱いということがなく、少々の雨なら弾いてくれます。

・ヒザにD3Oプロテクターを装備

そもそもがレザーなので安全性が高いうえ、ひざにはD3O(ディースリーオー=Delta Three Oscar)素材によるプロテクターを標準装備しています。D3Oは普段は柔らかいゴムのような質感なのですが、衝撃を受けた瞬間に分子が結束し、硬くなります。普段は違和感なく、いざという時はしっかり守ってくれるプロテクターです。

といった特徴があります。僕が特に気に入っているのはデニムスタイルであるところと家で洗えるところ。ちび&短足な私に本格的な革のライディングパンツはどうにも似合わないのですが、デニムスタイルならまあそれなりに見られます。(多分)

家で洗える点も合わせて、ツーリングライダーである自分にはピッタリなのです。

試着を重ねてついに購入!

僕は店で服を試着、というのがどうも苦手です。その後購入すると決めている時は良いのですが、ちょっと着てみて、” やっぱりやめた” というのがどうも出来ません。

なので、たとえばスーツを買うときなどは「今日はこの店で買う!」と心に決めてから入店し、選んで試着したらすぐに購入します。

でもこの日は入店時点で「買うぞ!」と腹を括っていましたから、じっくり試着させていただきました。

さきほども書きましたが、僕が買った当初、スマートレザーは一種類しかなかったと思うのですが、いまはいくつかのバリエーションがあります。

まず、シルエットでいうと3種類

① レギュラーフィットストレートスタイル

② レギュラーフィットテーパードスタイル

③ スリムフィットテーパードスタイル

上から順に細くなっていく感じです。

HYODさんのHPより https://shop.hyod-products.com/Form/Product/ProductDetail.aspx?shop=0&pid=SMP006

今まで履いてきたスマートレザーはたぶん①のストレートスタイルだろうと思っていたのですが、試着してみると思ったよりゆったりしていて、どうも違う感じ。

③のスリムフィットは文字通りスリムでかっこ良かったのですが、真冬にインナーを履くことを考えるとちょっと厳しそう(ちなみに僕は太ももがかなり太いです)。

結局②がいままで履いてきたスマートレザーと近い感じで、履いた感じも一番しっくりきました。

結構違いがありますし、好みに合う合わないも分かれると思います。これを確認出来ただけでも実際試着してよかったと思いました。

商品ラインナップは細かい仕様の違いでいくつか種類があります。

SMP003N SMART LEATHER D3O® PANTS:Black

一番オーソドックスなレギュラーストレート。一番デニムに近いシンプルなスタイルで、ポケットもデニムっぽく5ポケット仕様です。

SMP006 SMART LEATHER D3O® TAPERED PANTS:Black/Olive/Black(Orange STITCH)

太ももから裾にかけて綺麗なラインが特徴のテーパードシルエットのパンツ。

ポケットはコインポケットの無いシンプルな4ポケットです。

さらに、カラビナなどをつかってバイクのキーなどを掛けられるように、フロントのベルト通しの下にはDカンが付いています。

Black Orange STITCHは全体はブラックですが、オレンジ色のステッチが入っています。

SMP007 SMART LEATHER D3O® BIKERS PANTS:Black

こちらもテーパードシルエットですが、006よりさらにスリムフィットです。

5ポケット仕様ですが、003の5ポケットとはコインポケットの形が少し違います。

さらにこのモデルはヒザの部分が立体構造になっていて、スリムな形状でもひざを曲げた状態で突っ張らないようになっています。

SMP005 SMART LEATHER D3O® VENT PANTS:Black

これはおそらくSMP006がベースなんだと思いますが、太ももの部分にエアを取り入れるベンチレーヨン用のファスナーがあって、それを開けることで走行風を取り込めるようになっています。ポケットではないのでカーゴパンツではありませんが、ちょっと似た感じにも見えます。

このほかにも、女性向けのSMP902。パンチングメッシュ仕様のSMP006Mなどがあります。

選んだのはSMP006 Black

せっかくなので、片っ端から試着させていただきました。買うと決めたからには真剣です。(笑)

シルエット的にはレギュラーフィットのテーパースタイルが一番自分に合っている感じがしました。スリムフィットもちょっといいかもとも思いましたが、やっぱりスリム&足の長い人のほうが似合う気がします。

そうすると候補はSMP005かSMP006。サイドベンチ付きのSMP005も個性的でいいかなとも思いましたが、長く履くのでシンプルな方が飽きが来にくいだろうと思いました。となるとSMP006ということになります。

最後まで悩んだのが色。ブラックにするかオリーブにするか。これも飽きの来ないブラックにするつもりでしたが、実際に履いてみるとオリーブがなかなか捨てがたい。まえもブラックだったし、今回はオリーブにしようか・・・と散々悩みましたが、結局やっぱりブラックにしました。

どんなスタイルにも合わせやすいことや、汚れが目立ちにくいことも選んだ理由なのですが、一番の決め手はブラックだと再染色が出来ること。これも今持っているスマートレザーで一度やってもらったことがあるのですが、色落ちしたパンツが新品のようになります。(残念ながら再染色できるのはブラックだけ)

というわけで、今回もブラックを選びました。

(本当はオレンジステッチが欲しかったのですが、残念ながら在庫切れでした。)

ちなみにサイズは現有のワンサイズアップ。そういえば、前回購入したときは、直前に必死にダイエットしたことを思い出しました。今回は素直に現実を受け入れることにします。

裾上げもその場でOK

購入する一本を決めたら次は裾上げです。HYOD東京店では、もちろん裾上げも店で行ってくれます。(厚みのあるレザーはそれ専用のミシンでないと縫えないらしく、バイク用品店でも対応できないことがあります。)

もちろん、他で購入した場合でも、寸法を指定してヒョウドウに送れば、無料で裾上げはやってもらえるそうです。でも実際に試着して寸法を測ってもらい、その場で裾上げしてもらえるのは安心感があります。

ライディング用のパンツは普通のパンツとは異なり、裾をかなり長めにしておかないと、バイクに跨った際に裾が上がってしまい、足首が出てしまうことがあります。革パンツは厚みがあり固い分、布のパンツ以上に裾が上がりやすいです。

しかもHYOD東京店には、試着用に実際に跨れるダミーバイクが店頭にあるのです。キャスターの付いたフレームにタンクとステアリング、ハンドルとステップが付いていて、実際に跨ってライディングポジションをとった状態で裾の長さを確認出来ます。

店内には(昔の方の)カタナと、車種は分かりませんがスーパースポーツの2台?のダミーバイクがありました。(写真撮っとけばよかった・・・)

余談ですが、僕は昔、カタナに乗っていたことがあるのですが、今回ダミーカタナに跨ってみて、”うわあー、カタナってこんなにタンクが長くてハンドルが遠かったんだ ” と驚きました。

バイクに跨った状態で鏡に映してもらいながら、裾を折り曲げ、長さを決めます。

適切な長さにすると、普通に立った状態ではかなり裾が長い感じになります。

それでも結構な長さ裾を切ることになりました。

なにしろ革ですからね。なんかもったいないし、くやしい・・・

切ったぶんの革をもらって帰ろうかと思いましたが、恥ずかしいのでやめました。(笑)

僕の次に同じスマートレザーを試着したお客さんがいて、店員さんが「ああ、それぐらいでしたら裾上げしなくていいと思いますよ。」と言われていました。それを聞いてヨメさんが、「あの人は切らなくていいんだって。ぷぷぷ。」と笑っておりました。なんかくやしい。

採寸が終わったら裁断してミシンで縫うわけですが、後日引き取りかと思いきや、店内で待っている間に終わりますよ、と言われて驚きました。

ちょっと時間はかかりましたが、その間、店内の商品をゆっくり見ることが出来ました。

こうして、HYODを見つけてからおよそ1.5時間ほど後には、ぼくは新しいスマートレザーパンツを手にしておりました。

購入当日はキャンペーン期間中で、革製のベルト(買えば3000~4000円位する)と、オリジナルタオルをいただきました。ラッキー!

今まで履いていたスマートレザーと比べてみた

先ほども書いた通り、僕がスマートレザーパンツを購入するのはこれが2本目です。

最初のスマートレザーパンツは、HYODがスマートレザーパンツを出してまだすぐのころだったと思います。

もうずいぶんと長く履いているのですが、いったい何年履いてるんだろう?と思って調べてみたら、2010年に購入していました。つまり、なんともう15年も履いてることになります。

その間、一年のうち半分以上はこれを履き、ほぼ毎週のようにどこかしらへ走りに行ってます。決して安くはないウエアですが、これだけ履けば元は十分取ったと思います。というかコスパ抜群!です。

今回もう一つ驚いたことがあります。それは値段。ぼくが15年前に買ったSMP001は\49,875でした。そして、今回買ったSMP006は 税込 \59,950。なんと1万円しか値上がりしていません。昨今の物価高を考えると、これはとっても驚異的だと思いますし、ものの良さを考えれば十分バーゲンプライスだと思います。

同じく洗えるレザージーンズの元祖といえる、クシタニのエクスプローラージーンズ(EX-1220)は¥72,600(税込)ですから、それと比較しても安いです。

左が今まで履いていたSMP-001。右が今回買ったSMP-006です。左のSMP-001は数年前に一度再染色をしています。

同じく背面。全然質感が違い、左側はツルツルテカテカしていますが元々は同じような質感でした。尻のポケットに描かれたHYODのマークが、左側では黒いラインになっていますが、これは再染色によるもので、もともとは右側と同じく、白いラインだったと思います。

左のSMP-001の右側ポケットはコインケース付き。左側のポケットにはファスナーが付いてます。一方でSMP-006はポケットは左右対称でコインポケットは無しのシンプルな形です。

SMP-001はヒザの曲げ伸ばしに対応するため、ヒザの部分にプリーツが入っていました(今はすっかり伸びてしまってますが)。これがあまり好きではなかったのです。

まだ新しかったころはこんな感じでした。

今回のSMP-006はプリーツが無くスッキリしています。

これはSMP-006を裏返したところ。すべりの良いナイロンメッシュの裏地がついてます。また3DOプロテクターは上下非対称で、向きを入れ替えることで位置を上下させることが出来ます。

ちなみに、こちらが今まで使っていたD3O。今回取り出そうとしたところ割れてしまいました。15年間ご苦労様でした。

履いて走ってみました

早速履いてみました。

かなり長さが余っていて、しわしわになっていますが、ライディング姿勢をとっても裾から足首が出ない長さになっています。

サイドから見るとこんな感じ。膝のプロテクターはそれほど目立ちません。

履いて走ってみたところ・・・新しいパンツを履いていることをすっかり忘れて走っておりました。それぐらい違和感がありません。15年親しんだパンツは新品と変わらぬクオリティーを保ってくれていた、ということだと思います。

革なので滑らず、バイクをしっかり保持できますし、厚みもあるのでバイクの振動や風によるバタつきを抑えてくれます。これはロングツーリングをしたときの疲れ方に結構大きな差となって現れます。つまり疲れないんです。

革なので防風性も抜群。冬になると革自体に保温性はありませんが、風を完全にブロックしてくれるので、インナーに保温性のあるタイツをはけば、真冬のライディングでも快適です。

やっぱりこれだよなあ。あらためてそう思いました。

また15年履き続けます

ということで、新しくなった僕の定番パンツ。これでまた当分は快適に履き続けられると思います。

ただ、果たして15年後って何歳だ? その時も僕はバイクに乗れているんだろうか?

店頭で見つけたマグカップ。一目で気に入って、スマートレザーを買ったポイントを使って購入しました。何気にお気に入りです。

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