正ネジのミラーなのに、なぜ緩む???
我が愛車 KTM 890DUKEのミラーを交換することにしました。
ノーマルは逆ネジのミラーがついてる「890 DUKE」に、正ネジの「890 DUKE R」用のミラーを付けるため、ミラーホルダーを正ネジ用に交換しました。
前回の記事を参照ください。↓↓↓
これで問題なく「890 DUKE R」のミラーが装着できる・・・ハズでした。
ところが用意した「DUKE R」用のミラーを取り付けようとしたところ、なぜかうまくいきません。
「DUKE R」用のミラーは、ステーの根元がダブルナットになっているのですが、これをいくら締め付けても、すぐに緩んでしまって取り付けられないのです。
なんだ?どうして?
なんですぐ緩んじゃうんだ???
ミラーの取り付けなんてこれまでに何度もやってます。そんなに難しいものではなく、いつも問題なく取り付けられました。
なのになぜこのミラーは装着出来ないんだろう???
不思議に思い、ネットでいろいろ調べてみたところ、最近のバイクのバックミラーは取り付け方が以前と違う、ということがわかりました。
一体何が違うのでしょうか?
890DUKE用 VS 890DUKE「R」 用
先ずは我が愛車「KTM DUKE 890」のノーマルミラーを見てみます。
「890 DUKE」のノーマルミラーはシンプルな構造。ミラステーの先端がボルト状になっていて、そこにナットがひとつはまっています。ある程度ミラーをねじ込んだ後、ナット(ロックナット)を締め付けて固定する仕組みです。
さらに右のミラーはボルト部分が逆ネジ(反時計回りに回すと締まる)になっています。ヤマハ車でもよく採用されている逆ネジミラーです。
一方、「KTM 890 DUKE R」 用のミラーは少し違っています。
「890 DUKE R」用のミラーは接合部分が一見、ダブルナット風になっています。ところが下側のナットを緩めてみると、ナットの上と下でボルトの太さがちがっていて、さらに上側は逆ネジになっています。
なんだこれは??
ぼくが過去乗ってきたバイクは、すべてロックナットが1個のタイプでした。ところが「890 DUKE R」用のミラーはかなり構造が違うようです。こういうミラーは初めて見ました。
ネットで調べてみたところ、今はこのようなダブルナットタイプが主流らしいです。
どうやって締めるんだろう? これ。
シングルナット VS ダブルナット
ではシングルナットタイプとダブルナットタイプを比べてみます。
まずはシンプルなシングルナットのミラーです。
シングルナットタイプのミラーはミラーステーの向きを正しく保持したままロックナットを締めることで固定します。
締め方は次の図のとおりです。
【1】まずロックナットを一番上に上げた状態で、ステーをミラーホルダーにねじ込む。
【2】一旦ミラーを1、2回転ほど緩め、ミラーを正しい向きに調整する。
【3】ミラーの向きを手で保持したまま、スパナなどでロックナットを締め込む。
シンプルで簡単ですね。
一方、ダブルナットタイプのミラーはこんな構造になっています。
ダブルナットタイプのミラーは、ちょうど逆ネジミラーを変換アダプターを介して正ネジのミラーホルダーに取り付けたような構成になっています。
ではダブルナットタイプのミラーの取り付け方です。
ポイントは上下のナット(下側は正しくはナットではなくアダプターボルト)を正逆反する向きで回す必要があるので、スパナを二本使う必要がある、という点です。
【1】まずはアダプターボルトをミラーホルダーに締めこみます。これは普通に正ネジになっています。スパナやモンキーレンチなどを使ってガッチリ締めこみます。
【2】次にロックナットを一番上まで上げた状態でミラーステーをアダプターボルトに締めこみます。ここは逆ネジなので反時計回りに締めこみます。
【3】一旦ミラーを1、2回転緩め(時計回り)、ミラーを正しい向きになるよう調整します。
【4】ミラーを正しい向きに手で保持したまま、ロックナットをスパナやモンキーレンチで締めこみます。この時、下のボルト(アダプターボルト)と上のナット(ロックナット)の締めこむ向きは逆なので、スパナを二本使い、それぞれ逆方向に回して締めこみます。
この2つのナットは同じサイズ(890 DUKE R用の場合は14mm)なので、同じサイズのスパナが2本必要です。同じサイズのスパナが無い場合はモンキーレンチなどを使います。
2023/5/27訂正
KTMのこのミラーの場合、下側のナットは14mmですが、上側のナットは13mmでした。(モンキーで作業してたので気付かず)13mmのスパナは890Dukeの場合、車載工具に入っています。
なぜダブルナットになっているのか
ダブルナット式のミラーは、なぜわざわざこんな複雑な作りになっているんでしょうか。
それはダブルナットとすることで、ミラーに前から力が加わっても、逆に後ろから力が加わったとしても、どちらでもミラーが緩むからです。
シングルナットのミラーは片側から(前から)力が加われば緩みますが、逆方向だと緩まずロックしてしまいます。ところがこのダブルナットの方式であれば、どちらの方向からでも力でも加われば、すぐにミラーが緩みます。しかも右ミラーと左ミラーの構造を分ける必要がありません。
というわけで、シングルナットのミラーに比べ、より安全性が高いダブルナット式のミラーが最近の主流になっているのだと思います。
無事「R」用ミラーの装着に成功!!
というわけで、無事「890 DUKE R」 用のミラーを装着することが出来ました!
なかなかいいんじゃないでしょうか。
これで890DUKEに対してより愛着がわいてきました。これからもどんどん走っていきたいと思います。
でも早く温かくならないかなあ~。
コメント
こんにちは。
理に適っている構造なのですね。ロードスターは違いますよね?
自分でカスタムしたことも、細部を注視したこともありません。
さすがに、エアクリーナー カバーの交換は自分でやりましたが。(笑)
本当に、早く、暖かくなって欲しいですね。
そろそろ、“about me”のページが更新されそうですね。
ちょっと、寂しいですね・・・
中西さんこんばんは。
そうですね。理屈を知ってしまえばなるほどな、と思います。
でも出先で緩んだら、おなじスパナ2本も持ってないから困りますけどね。(笑)
ロードスターのミラーは一度も外したことがなかったですけれど、あれはもっと単純で
ナットでホルダーを挟む構造だったと思います。ミラーを上向きにも下向きにも(フォーティーエイトみたいに)付けられるのっていい加減、いや、面白いですよね。(笑)
about meですか。そうですね。書き換えましょうかね。でもなんかハーレーユーザーじゃなくなるようで僕自身も寂しい気がします。