デニムのライディングパンツが欲しい
みなさんはバイクに乗る時、どんなパンツを履いていますか?
僕は基本的にはHYODの革パンツ(スマートレザー)。
真夏の耐えられない時期だけはマックスフリッツのサイドパネルパンツを履いています。
革パンツは安全性が高いだけじゃなく、厚みがあって、かつ滑らないので、長時間バイクに乗っても疲れにくかったりします。
それにエンジンの熱から肌を守ってくれるので、夏でもジーンズよりかえって暑く(熱く)なかったりします。
とはいえ、やっぱり真夏のライディングには辛いものがあります。
マックスフリッツのパンツは機能性の点でも気に入っているのですが、ベージュというライディングパンツとしては珍しい色なので、もう一本、気軽に履けるデニムのラインディングパンツがほしいな、と思っていました。
ライディングパンツに求めるもの
デニムのライディングパンツはいろんなメーカーから出ているのですが、安全性の高いものとなると、意外と限られてきます。
ヒザにプロテクターを装着できるデニムパンツは多いのですが、転倒で傷を負うのはヒザだけではありません。
恥ずかしながら、昔、ジーンズでバイクに乗っていてコケたことがあるのですが、ジーンズってこんなにも簡単に破れるものなんだ、と思った記憶があります。一見丈夫そうに見える厚手のデニム生地も、アスファルトで擦られるといとも簡単ににズタボロになります。
生地が破れると、肌が露出し、擦り傷を負うことになります。擦り傷というと骨折なに比べると大したことがなさそうに聞こえますが、深い擦過傷は、治るのにすごく時間がかかるんだそうです。
ましてやもう若くない我々は、なかなか皮膚が再生しないだろうしね。
そう考えると、やっぱり引き裂き強度の高い革が一番安全、ということになるんですが、デニムパンツの中にも、裏地に強度を持たせたり、強靭な糸を織り込んだりして強度を高めた製品があります。
せっかくライディング用として買うなら、そういう丈夫な生地のデニムパンツを選びたいと思います。
エドウィンかオックスフォードかで悩む
安全性の高そうなライディング用デニムパンツをいろいろと探してみました。
JAPEXが販売するイタリアのおしゃれなライディング用デニムが「PMJ」。T-TEX Proという防弾繊維が織り込まれていて、引き裂き強度がすごく高いらしい。見た目はかなりスリム。かっこいいけど僕に似合うのだろうか? ちなみに「Jモデル」というショートサイズがあるのですが、身長172cm以下を想定しているらしい。これでもきっと長すぎるんだろうなあ。あと、ちょっとお高いのが玉にキズ。(ただし革ベルト付き)
D.E.F(DURABLE EXTRA FIBER)DENIMという、エドウィンでは最強のライディングデニム。かたちはレギュラーストレート。いつも履いているエドウィンということで、スタイルはだいたい想像でき、安心感は一番。
2りんかんで見かけたオックスフォードのアーマライトジーンズ。信頼するモトブロガー あいきょうさんのチャンネルでも紹介されていました。ポリイミド繊維を用いた高強度な生地と、しっかりとしたプロテクター装備でヨーロッパのCE基準をクリア(AAAのモデルとAAのモデルがあるようです)。安全性は一番ありそうです。ただしこちらもちょっとお高いです。
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この中で選ぶなら、EDWINかオックスフォードか。どっちにしようかな、と悩んでいました。
RIDEZという選択肢を思い出す
迷っている時、ふと思い出したことがありました。
そういえば、東京モーターサイクルショーでRIDEZがデニムのライディングパンツを展示してたなあ・・・
展示がおしゃれで、なんかすごくカッコいいパンツに見えた記憶があります。(モデルやマネキンが履いているんで、そう見えただけかもしれませんが。)
ちょっと調べてみたところ、なんだか良さげです。
気になる安全性ですが、スチールの15倍の強度をもつというDyneema(ダイニーマ)という素材をデニム生地に織り込むことで強度を上げているそうです。
この手のジーンズで多いのは、デニム生地の内側に特殊な高強度生地を貼り付けた二重構造のものが多いのですが、これは1枚。なので、軽くて通気性も良いらしいです。
もちろん、ひざと腰にプロテクターが入れられます(残念ながらプロテクターはオプションですが)。しかもひざのプロテクターは履いた状態で外から入れられるみたいです。
さらにいいなと思ったのは、長短二種類の足の長さを選べること。確認していませんが、こういう生地自体が高強度素材の場合、普通にカットして裾上げって出来ないんじゃないかと思われます。(裏地に高強度素材を使っているパンツは裾の部分は裏地が無いものが多いです)
もちろん、短足を自認する僕が選ぶのは長短の「短」の方(ToT)。手持ちのライディングパンツの長さを計ってみると、ほぼ同じ長さ(それでも若干長い 涙)。どうやらそのままでいけそうです。
これ、いいんじゃないか。
本来ならここで現物を探して試着、という流れになるのですが、近くのバイク用品店にはおいてありませんでした。東京モーターサイクルショーで試着しとけばよかった。
実物は見てないけど、なんかよさそう、そう思うと急に欲しくなってしまいました。ちょうどタイミング良く(悪く?)、翌週末には仲間とのツーリングの予定があり、できればそれに履いていきたい。
で、思い切って通販で購入することにしました。(不安もありましたが、勢いが勝りました。w)
待つこと一週間。商品は無事、ツーリングの翌日に届きました。(笑)
RIDEZライディングパンツ BLACK RDB1025
届いたのがこちらです。色はブラックを選びました。

RIDESのデニムジーンズ。色はフラック。ワンウォッシュって言うんですかね?新品ですがやや色落ちした感じです。パッチには「MOTO JEANS」とありますが、必要以上にライディング用を誇示することもなく、普通のジーンズにしか見えません。ポケットは深く、低い位置にあります。長財布を尻ポケットに入れる人にはいいかも。

いわゆるファイブポケットのジーンズですね。ただし、どこにもリベットが使われていません。バイクを押すときにリベットがタンクに当たって傷つくことがあるからだと思います。

高強度素材であるDyneemaが使われていることをさりげなくアピールしています。ベルトループの下についている馬蹄のような輪っかは、カラビナなどをつけてキーをぶら下げておくのに便利です。

裏はこんな感じ。シングルレイヤージーンズと言いながら、裏にはメッシュ素材の裏地が貼られています。また、腰の部分にはポケットがあって、プロテクターが入れられるようになっています。

これはヒザの部分。折り返しやステッチなどなにもなく、見た目全く普通のジーンズです。ただ、右の継ぎ目の部分に小さなファスナーがあるのがわかるでしょうか?

その小さなファスナーを開けるとこんな感じになります。履いたままでも簡単にヒザ用プロテクターを入れられます。ただし、位置の上下は調整出来なさそうです。

腰にはハンガーループが付いてます。前のボタンとファスナーを開けて、このハンガーループでハンガーに引っかけて干せば、より早く乾くし、織り目もつかないので便利です。
見た目は全く普通のジーンズですが、バイクライディング用にいろいろ細かい配慮がされているのがわかります。やるな、RIDEZ。というのが第一印象です。
早速履いて走ってみました

履いたらこんな感じ。かなり細身です。

短い方の丈を選びましたが、盛大に長さが余ってます。(笑。いや、涙) でもこのぐらいないとバイクに乗った時に足首が露出してしまいます。
早速履いてみたのですが、かなりスリムです。スタイルに関する記述が無かったので、普通のストレートなのかなと思っていたのですが、スキニーではないものの、けっこう細身でした。
実は普段はいているジーンズ(リーバイスやエドウィンのストレート)と同じウエストサイズを買ったのですが、正直ちょっと厳しかったのでので、サイズ交換していただきました。普段細身のジーンズをはいていない方は、ワンサイズ大き目がいいかもしれません。
ただ、このデニム、けっこう伸縮性があります。高強度繊維なのでガチガチなのかなと思っていたのですが意外でした。なので、ピッタリのサイズでも案外動きやすいです。
もうひとつ意外だったのは思ったより重いこと。けっこうずっしりしてます。(プロテクターは未装着状態) めちゃくちゃ重いということはないのですが、シングルレイヤーで軽量、という謳い文句からすると、ちょっと想像した感じと違いました。そのぶん安心感はあります。
バイクに跨ります。伸縮性があるので乗り降りはスムーズです。この状態で長さはピッタリ(いや、ちょっと長いけど。w)。靴下が露出するようなことがありません。ここは思惑通りです。
ライディングの姿勢をとってもどこかが突っ張るような感じはありません。ただ、裏地なのか何なのか、ちょっとごわごわしたような感じがあります。ただ5分も走れば忘れてました。
気温は30℃。正直暑いです。決して真夏向きではありません。もちろん、革パンツに比べれば快適ですが。けれど、履けないことは無いと思います。
今の愛車のKTM(890dUKE)は以前乗っていた空冷のハーレー(XL1200CX スポーツスター)ほどではありませんが、それでも走っているとエンジンからの熱を感じます(なぜかふくらはぎが熱くなる)。なので、生地の薄いデニムなんかで乗ると、熱くて乗ってられません。低温火傷のリスクも感じます。
このRIDEZのデニムパンツは、通気性が良くて快適、とは言えませんが、エンジンの熱をある程度遮ってくれるようなので、熱くて(”暑くて”、ではない)乗れない、というところまではいかないみたいです。
気になったのはニーグリップをしても滑ること。もちろんデニムなので滑るのは当然で、あくまで革と比較して、という意味でです。たとえば先ほど紹介したマックスフリッツのパンツは内側にレザーが貼ってあるので滑りにくく、長距離のライディングでも疲れにくくなっています。まあ、そこは見た目(あくまで普通のデニムパンツに見える)とトレードオフなので、これはこれでいいと思います。
長く愛用出来そうな一本
というわけで、僕のワードローブに新たに加わったRIDEZのデニムパンツ。なにより見た目が全く普通のジーンズで、それでいてバイク用としていろいろと考えられて作られている点が気に入りました。見た目もカッコいいです。(カッコいい人が履けばもっとカッコいいんでしょうけれど・・・)
飽きずに長く履けそうな一本。今後ヘビーローテーションすることになりそうです。