リアブレーキが盛大に鳴き始めました(涙)
先日交換したKTM890DUKEのリアブレーキパッド。
その際、定番とされている面取り作業(=摩材の角を削り落とす)をあえてしませんでした。
ブレーキの鳴きを抑えるのに効果ありとされる作業なのですが、形状的にブレーキディスクとパッドとの間に異物(小石とか)を噛み込みやすくなるので、個人的にはあまりやりたくないからです。

こんなイメージですかね。
その分、ブレーキの鳴きが発生しやすくはなりますが、まあちょっとくらいキーキー鳴る程度ならスルーすればいいですし、ひどければそのときに考えよう、と思っていました。
ブレーキパッド交換後、パッドの慣らしが済むまではブレーキの効きも弱く、鳴くこともなかったのですが、慣らしが進んでブレーキが効き始めると、ブレーキの鳴きも発生するようになりました。
でも最初は赤信号などで停止する寸前に「キー、キー」とわずかに鳴く程度で、まあ想定の範囲内かな、と思っていました。
ところが、次第にそのキーキー音が大きくなり始め、やがて「ピロピロピロ」とまるで鳥が鳴いているかのような音になり、さらには ポコンポコンポコン!と鳴るようになりました。
空の注射器のピストンを思い切り引っ張って抜いた時のような音です。(伝わるかなあ・・・)
”キーキー” ⇒ ”ピロピロピロ” ⇒ ”ポコンポコンポコン!”
こんな音聞いたことがありません。
さすがにこれは恥ずかしい・・・
仕方ない。追加で作業をすることにしました。
ブレーキの鳴きを止める方法
ブレーキの鳴きを止める方法はいくつかあります。
① パッドの摩材の角を面取りする
② パッドの裏面にブレーキグリスを塗る
③ パッドの裏に鳴き止めシートを貼る
④ ブレーキディスクに鳴き止め剤を塗る
⑤ パッドを変える
①パッドの面取りをする
先にも書いた通り、パッドの摩材の角を斜めに削ることでブレーキの鳴きが抑える効果があります。(これで必ず鳴かなくなるわけではないですが。)
ただ、ネットを見ると、どこを削るかは、いろいろ流儀があるようです。

1)①と②の辺を削る(最も一般的)
2)①②③④すべて削る
3)①(ディスク侵入側)だけ削る
4)③④だけ削る
などなど。
あと「パッドの真ん中に溝を掘る」というのも見たことがあります。もともとそうなっているパッドも多いですが、自分で加工するのはちょっと怖い気がしますし、お勧めしません。
② パッドの裏面にブレーキグリスを塗る
ブレーキパッドの裏面(ピストンと接する面)にグリスを塗る方法です。ブレーキパッドを組むときは裏面にシリコングリスを塗るのが一般的ですが、「ブレーキの鳴き防止用」として販売されているグリスがあるので、それを塗るという方法です。
③ パッドの裏に鳴き止めシートを貼る
ブレーキパッドの裏面に貼る鳴き防止シートという製品があります。これを貼る事でパッドの振動を抑える効果があります。純正でよく付いているシムの代わりなんでしょうね。
④ ブレーキディスクに鳴き止め剤を塗る
パッドではなく、ブレーキディスクの表面に塗る鳴き防止剤というのもあります。昔ぼくもクルマで使ってみたことがあるのですが、今回探してみましたが見つかりませんでした。
この製品は研磨剤らしく、直接ディスクに塗るのではなく、ブレーキパッドの側面に塗る事で、パッドとディスクの接触面に導入され、ブレーキの鳴きを止めるらしいです。どちらかというと分解整備の難しいクルマ向けの製品のように思います。
⑤ パッドを変える
ブレーキの鳴きはパッドとディスクの相性、パッドとキャリパーの相性など様々な要素が絡みます。なのでパッドと変えてみることでブレーキの鳴きが抑えれる場合があります。ただ、どのブレーキパッドが良いのかは、実際に使ってみないと判りません。(このバイクで良かったからといって、別のバイクでも効果があるとは限りません)
今回はノーマルパッドからベスラに換えたことで音が発生するようになったので、もとの純正ノーマルに戻す、というのがある意味一番確実な方法ではありますね。

KTM純正パッド(裏面)。鳴き防止のためかシムが付いてます。これに変えるのが一番確実な対策でしょう。
いくつか方法をご紹介しましたが、どれが効果があるかはやってみないと判りません。あるバイクで上手くいった方法が、他のバイク(ほかのブレーキ)でもうまくいくとは限らないからです。
以前、某バイクショップのメカニック氏がこう言ってました。
「ブレーキの鳴き対策は難しいんですよね。どこかで振動が起きて、それが共鳴するんですけれど、どこで発生するか、どこで共鳴するかは様々。だから対策も確実にコレ、というモノはない。純正でも鳴るときは鳴りますから。メンテして収まっても、しばらくするとまた発生したりしますし。使っているうちに収まるケースもあります。正直、ブレーキの効きには関係ないので、自分のバイクなら放置しますけど、お客さんのバイクだとそうはいかないので・・・」
なかなかやっかいな問題なのです。
鳴き防止グリスを塗ってみる
さて、我が愛車はどうするか。
一番簡単に試せるのはパッドの角を面取りすることですが、先にも書いた通り、出来ればそれは避けたい。
そこでまずはパッドグリスを試してみることにしました。
前回パッド交換した際も、シリコングリスは塗ったのですが、今回は鳴き防止用のグリスを試してみることにします。
今回はこれを選びました。
ブレーキパッドのメーカーでもあるRK製であることと、容量が少なくて価格が安いことがこれを選んだ理由です。
これで音が止るといいけどなあ。
作業開始
ブレーキパッドを取り出すところまでは前回のパッド交換と同じなので省略。
ただしここで一つミス発生。
パッドピンを止めているクリップを飛ばしてしまいました。必死に探すも見つからず。あーあ。けっこう慎重に外したのになあ。

パーツリストで見ると、パッドピンなんかとセットでしか購入できないみたいです。同じようなものがネットで買えないかと探していますが、今のところ見つかっていません。

どなたか「これが使えるよ」という情報があったら教えてくださいませ。
気を取り直して作業します。

RKの鳴き止めグリースです。「特殊個体潤滑剤を配合した、耐熱性に優れた高性能グリースです」と書かれています。

ブレーキパッド裏面(シムのある場合はシム両側)、キャリパーのガイドライン、及び摺動(しゅうどう)部分に薄く塗れと書かれています。

特殊個体潤滑剤って何?と思い、成分を見ると、「鉱油、増調剤、添加剤」とあります。これじゃわからん。

パッドを外したら裏面にグリスを塗ります。ピストンと触れる部分に薄く均一に塗るのですが、このグリス、かなり粘度が高く、指にぺたぺたくっつく感じで、なかなか薄く均一に塗れません。しかもまだ新しいパッドなので、ピストンとどこが当たるのか、どの辺に塗ればいいかもよくわかりません。仕方ないのでとにかくできるだけ広く、できるだけ薄く塗ります。(今見ると、パッドピンの通る穴にも塗るべきだったかも)
このグリス。色を見る限り、カッパー(銅)系のグリスのように思います。ブレーキグリスは銅が添加されているものが多いみたいですね。

パッドを組んだあと、裏側から見たところ。こうやって見ると全然関係のないところにもグリスが塗られてます。塗り直すのも面倒だしなあ。ひとまずこのままで様子見とします。
試乗してみると・・・
作業した日は乗る時間がなく、翌週に試乗となりました。
走り始め、リアブレーキを掛けてみると・・・音がしません。
おー!すばらしい。音がしなくなりました。
やったー。成功!
・・と気を良くしてしばらく走り回っていたのですが、30分位乗り回していると、やっぱり交差点で止まるときに ”キーキー” とブレーキが鳴き始めました。
うー。やっぱり鳴くなあ。でもまあ、キーキーと鳴くレベルならいいか。
と思っていたのですが、さらにしばらく走ると、
”キーキー” ⇒ ”ピロピロピロ” ⇒ ”ポコンポコンポコン!”
オーマイガー! (ToT)
また例の音で鳴き始めました。うう・・だめかあ。
ただ、鳴く頻度でいうと、グリスを塗布する前の五分の一ぐらいに減っています。今までだったらこのタイミングで鳴ってたよな、というタイミングでも鳴きません。
それに音自体も小さくなっているようです。
うーん。まあこの位ならいいか。
というわけで、大成功!とはいきませんでしたが、しばらくはこれで様子を見ることにしようと思います。


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