コラム:バイクの常時点灯は果たして正しいのか?

対向車のヘッドライト。気になりません?

僕の住む町は坂が多く、家の近所を車で走ると頻繁にアップダウンがあります。ほとんど平らな道が無い感じです。歩くのも大変ですが、自転車だともっと大変。普通の自転車だと歩く方がよっぼど楽、という事になるので、街を走る自転車は、そのほとんどが電動アシスト自転車です。

車で走っている分にはもちろん問題ないのですが、夜走ると気になるのが対向車のヘッドライト。特に信号待ちで止まっている時に、向こうが下り坂になっている時、あるいはこちらが上り坂で止まっていると、向かい側で止まっている車のヘッドライトの光がまともに目に入ります。

特に最近の車はディスチャージヘッドライトやらHIDやら(同じか。)キセノンやら(これも同じか。)、挙句の果てにはLEDヘッドライトまで登場し、色は青白く、圧倒的に明るい。その明るさは対向車から見るととてもまぶしく、暴力的とさえ言えます。

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僕は「相手もきっと眩しいだろうなあ」と思い、上り坂の信号で止まるとスモールライトに落として減光するのですが、中にはそれに呼応してライトを落としてくれる車もまれにいるものの、大抵の車は意に介せず、煌々とヘッドライトを灯したまま止まっています。

特にRVやミニバンのような車高の高い車はこちらの目線に近いのでよけい眩しく感じるのですが、そういう車に限ってむやみやたらと明るく、青白いヘッドライトが付いていたりします。

あまりに眩しいときは、ちょっとムッと来てしまい、落としていたヘッドライトを点灯し、時には抗議の意味を込めてハイビームにしたりもするのですが(←なんとも大人げない。)、こっちは20世紀に発売された時代物のクルマ。ヘッドライトはほんのり黄色いハロゲンライト。ハイビームにしてみたところで相手にとっては痛くもかゆくもないようで、変わらず白いビームの直撃を受け続けたまま、ただ信号が青に変わるのを待つ事になります。(涙)

明るいヘッドライトは本当に正義なのか!?

そもそも、この21世紀の世の中に、あんなに明るいヘッドライトが必要なのでしょうか?

確かに田舎に行ったり、山道を走れば街灯も少なく、時には自分の車のヘッドライト以外の明かりが全くない状況で走らないといけないケースもあるかもしれません。あるいは街中を走る場合でも、明るく白いヘッドライトは自分の車の存在をアピールし、周りの車に認識してもらえることで、より安全に走る事が出来る、というメリットもあるでしょう。

それでも最近の車のヘッドライトは、より明るく、より白く、と進化した結果、不必要なまでに明るくなりすぎているような気がするのは僕だけでしょうか。

「おまえ、絶対、林道なんか走った事ないだろう!!」という感じのピカピカの4WDに限って目も眩むような光量のヘッドライトを点けて街中を走っている気がします。

むやみやたらと自己主張するためだけのヘッドライトの進化(?)は、もうそろそろいいんじゃないの?と思うわけです。(ひねくれ過ぎでしょうか?私。)

こうしたヘッドライト光量のさらなる増大傾向は、我らが愛するオートバイの世界にも同様に見られます。アフターマーケットパーツとして広がり始めたHIDを通り越し、最近はノーマルの時点で既にでLEDヘッドライトを積んだモデルも現れてきています。

さらにバイクの場合、車に比べ車体が小さいがゆえに自らの存在を周りの車や歩行者にアピールすることが大切だとされ、そのためバイクは昼間でも灯火する事が推奨されるようになりました。現在ではすべての市販車でヘッドライトの常時点灯が義務化され、スイッチをつけて消灯できるように改造すると、車検さえも通らない、という事になっています。

しかしこれって本当に正しい事なのでしょうか?

確かにヘッドライトを常時点灯することで自車の存在をアピールでき、安全に繋がっていると思われます。でも一方でセル始動時にバッテリーに負担がかかったり、時には対向車に迷惑だったりして、バイクでもヘッドライトを消したい場合もあるわけで、その選択肢が与えられていない、というのはいかがなものかと思うわけです。

バイク乗りは誤解されている!?

それに、バイクに乗らない、乗った事がないという、世間の大多数の皆さんは、「最近のバイクにはそもそもヘッドライトスイッチが付いていない」、という事実を知っているのでしょうか?

バイクのヘッドライトは総じて車のヘッドライトより高い位置にあります。対向車から見ると目線に近いので結構眩しく、「なんだよ、眩しいなあ!!信号待ちしてる時くらい消せよ!」と苦々しく思っているドライバーの方も多いんじゃないでしょうか。

でも「消したくても(ライトスイッチが存在しないので)消せない」という事実はライダーの常識ではあっても、一般のドライバーにとっては意外と知らない話なんじゃないかと思います。

知らず知らずのうちにライダーが誤解を受けているんだとしたら・・・

やっぱり必要に応じて消灯する権利ぐらいはあってほしいよなあ、と思うわけです。

ヘッドライトのON/OFFスイッチを後付するのは違法?

こうしたニーズにこたえる商品もあります。後付のヘッドライトスイッチや減光システムです。

けれどこれらの商品は、ノーマル状態で常時点灯になっているバイク(※)に取り付けると法律に引っ掛かる可能性があります。

少なくとも車検には通りません。

※平成10年4月1日以降に製造製造されたバイク

車は消灯できるのに、バイクではやると違法、というのは、いかに安全のためとはいえ、なにかちょっとやり過ぎのような気がします。

デイライト解禁で減光がOK?

ところで、最近はヨーロッパ車を中心に昼間走行灯=DRL(デイタイムランニングランプ)というものが搭載されたバイクが増えてきています。

これは日中の被視認性を高める専用ライトの事で、欧州では’11年2月から義務化。ドカティーの新しい2SuperSpotsやスクランブラーなどにも採用されています。

日本では四輪車で先行して解禁されたものの、バイクではまだ認められておらず、DRLは減光処理をした上でポジションライトとして認可されています。ただし、現在の欧州との規制共通化の流れの中で、今後二輪も日本で解禁となる可能性があると思われます。

このDRL。欧州では通常のヘッドライトと点灯の切り替えができます。通常のヘッドライトよりは光量は控えめなので、日本でも認められれば、対向車が気になるときはDRLに切り替えることで、対向車の眩しさもある程度緩和されるような気がします。

光量アップするなら光軸の確認、調整を!

バイクでも高光度のヘッドライトがどんどん主流になりつつあります。それはそれで安全に繋がるいいことだとは思うのですが、任意で消灯や減光が出来ないのであれば、不必要に対向車にまぶしい思いをさせないよう、せめて光軸の調整はきっちりやるべきでしょう。

僕はバイクの車検はユーザー車検で通すことが多いので、光軸検査(予備検査場での「予備検査」を含む)をたびたび受けていますが、しばしば引っかかります。

バイクの光軸は、たとえ事故や転倒、ヘッドライト周りの分解・調整などを行わなくても、例えばレンズを拭き掃除したりするだけでも、意外と簡単にずれてしまいます。

また、バイクはサスペンションのセッティングを変えるだけでも車体を前後姿勢が変わりますし、リアシートに重い荷物を積んだりしても変わります。そして、前後の姿勢が変わると、結果的にヘッドライトが上を向いたり下を向いたりしてしまいます。

車の場合は運転席でヘッドライトの上下向きの調整ができたりします。(出来ないクルマもありますが。)

バイクの場合、そこまで簡単ではありませんが、それでも(大抵のバイクは)ドライバー一本あれば光軸を調整する事が出来ます。(くわしくは各社取扱説明書をご参照ください)

ただ光軸がずれているのかいないのかは、車検場や、車検場の近くにある予備検査場で検査を受けなければ正しく確認することは出来ません。(予備検査場での検査費用は店によりますが、光軸検査だけなら大体2千円前後のようです。)ただ、予備検査場は平日しか空いていませんし、わざわざ車検でもないのにテスターでチェックを受ける方は少ないだろうと思います。

簡易的にチェックする方法としては、壁にハイビームを照射して確認するという方法があります。車検の時の基準としては、10m先の壁にハイビームを照射した際、ヘッドライトの中心の高さを基準に、上は10cm、下はヘッドライトの高さの4/5以内、というのが合格範囲となります。(ちなみに左右は27cm以内)

なお、測るのは人がバイクに乗車した状態で測るので、同じバイクでも体重の違う人が乗ると結果が変わることになります。

要点はハイビームでも水平よりはやや下向きに設定されている、という事です。

車検の時はもちろんシビアに測る必要がありますが、日ごろはそこまでせずとも、適当な壁にハイビームを照射して、ヘッドライトが上向きになっていないかをチェックしましょう。

光量の大きいライトを装備するのなら、時々は確認してほしい項目だと思います。

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