秋雨前線でバイクに乗れず・・・
雨、雨、雨、あめ・・・最近雨続きで嫌になります。
特に週末の雨が多いので、全くバイクに乗れていません。
「雨の日には車をみがいて」(五木寛之著)という名著があります。
「そんな雨の日にはバイクを磨いて」・・・とやれる恵まれた環境のバイク乗りの方もいらっしゃるでしょうが、僕のバイクは屋外駐車。雨除けの屋根も無いのでカバーを被せたままです。
# 僕のお勧めのバイクカバーはこちら。
こんな日は、バイクを題材にした本を読んでみるものいいのではないでしょうか。
僕のお勧めのバイク小説
バ・イ・ク (講談社文庫) 文庫 柳家 小三治著
人間国宝でもある落語家 柳谷小三治師匠が40代で突然バイクに目覚め、のめり込み、仲間たちと一緒にツーリングを重ねるさまを描いたエッセイ。若いころにバイクに対する憧れや勢いで乗り始めた人と違い、いい大人になってからひょんなことでバイクに目覚めた人は、妙に生真面目にバイクに取り組むもので、一生懸命理屈を考えながらバイクに乗り、上達していく様は、特にリターンライダーや、壮年でバイクに乗り始めた人には共感できる部分が多いのではないかと思います。
この本で特に好きなのが、師匠が落語仲間とツーリングする件。落語仲間と「転倒蟲(てんとうむし)」というツーリングチームを作り、全国各地をツーリングをしながら、旅先で落語の会を開き、また次の目的地へツーリングを続けるという話で、何処でも体一つで人を魅了する芸を見せられる落語というのは、なんていい仕事だろう!と(もちろん簡単な芸ではありませんが)憧れの気持ちさえ湧きました。
バイクに乗らない方でも楽しめる本だと思います。
黄色いドゥカと彼女の手 (角川文庫) 文庫 原田 宗典 (著), 沢田 としき (イラスト)
原田宗典割のバイクをモチーフとした短編小説集。軽妙な文体のエッセイが多い印象がある原田さんですが、これは青春時代の少年の繊細さを描いた話が多い。若い人向けだとは思うけれど、青春時代の感情を振り返りつつ読むのもいいかも。
雨は これから vol.1 (Motor Magazine Mook) ムック 東本昌平 (著)
これは小説ではありませんが・・・
東京モーターサイクルショーのブースで、ジャケットにひかれて購入しました。緻密に描きこまれた絵が東本昌平氏の魅力の一つですが、この作品はちょっと絵が荒く、よく言えば肩の力が抜けたかのような感じです。
主人公は57歳の元テレビマン。愛車は結構いじったSR400。キリンとはちがい、画風同様、ちょっと力が抜けたというか、現実社会に近い形の世界で話が進み、オヤジ世代としては感情移入しやすい作品・・・なのですが、途中からキリンの世界の住人のようなスピード命の男が登場してきて、やっぱりそっちの世界の話になってしまうのかどうか。
楽しみにしていたVol.2が既に発売になっている事を今日知り、ポチッとしました。
さあ、どう話が展開しているのか・・・。
ライダーズ・ハイ 山川健一 (著)
バイク小説というのは数多いのですが、バイク小説以外でもその実力を示す作家が書いているバイク小説、というのは案外数が少ない、と思います。結果的に小説としては今一つなバイク小説が少なくない、というのが正直なところです。
僕が山川健一を知ったのは、僕が多大な影響を受けた香咲 弥須子氏との共著「時には、ツイン・トリップ 」で。そこから山川さんのバイク小説を読み漁り、さらにはバイク小説以外も読むようになりました。
「コーナーの向こう側へ」「マシンの見る夢」「追憶のルート19」などなど。いずれもバイクを題材にした小説で、実際にバイクを愛している人でしか書けないような、臨場感あるリアルなバイク描写が魅力的ですが、実力のある小説家だけに、バイク乗り以外の人が読んでも十分楽しめる作品だと思います。
電子書籍バンザイ!?
今回ご紹介した本は(「雨はこれから」を除けば)いずれも古い本が多いのですが、この記事を書くに当たり、あらためてネットで情報を調べてみて、それぞれの本がKindle版になっている事に少なからず驚きました。僕は正直なところ、電子書籍よりは紙の本で読みたい派なのですが、いまでは入手が難しい本も電子書籍でなら手に入る現状を見ると、電子書籍というものの良さを認めざるを得ないなあ、と思いました。
電子書籍なら今すぐにでも入手し、読み始める事が出来ます。
秋の夜長。台風接近で、明日は学校も休み?会社も自宅待機かもしれませんし(笑)、一つ入手して読んでみてはいかがでしょうか?