殆どコメントが来ないこのブログあてに一通のメールが
以前も書いた通り、ほとんど”反響”というものがないこのブログ。見ている方はいるようですが、コメントをいただくこともほとんどありません。(怪しげな英文のメッセージは時々届きますが・・・。)
そんなある日、このブログの「読者」という方から一通のメールが届きました。
アルマイトしてくれるところは、見つかりましたか?
アルミの材質(種類)にもよりますが、ご協力できるかと思います
ん?何これ。
どうやら以前ぼくが作成した『RAMマウントを取り付けるためのアルミプレート』にアルマイト処理をしてくれる、という事のようです。
自作のスマホ取付用アルミプレート
確かに、記事の中で、「近いうちにアルマイト加工してくれるところを探して、錆び防止をするつもりです。」という事を書きました。
ですが、アルマイト加工というのは、ちゃんとした専用の設備のあるところでないと出来ない加工で、個人で出来るようなものではありません。
もちろんインターネットの時代ですから、小ロットの部品を加工したい、といった個人のニーズにも応えてくれる加工業者さんはネットで沢山見つかるのですが、加工費は結構かかります。
コストを掛けて作りこんだ、カッコイイパーツならそれもありですが、なにしろ僕の作った ”パーツ ”は単にアルミ板に穴をあけただけのもの。製作コストは材料費を入れても2000円もしません。
2000円のパーツに、その数倍もコストを掛けてアルマイト処理するのもなあ・・・と思い、
”まあそのうち缶スプレーで色を塗ろうかなあ~”
などと考えていました。
メールを見た瞬間は、「加工業者さんからの商売メールかな?」と思いましたが、どうやらそうではないらしい。
「仕事でアルマイト加工にいろいろ出してるから、ついでにやってあげるよ」との事。しかも無料でやってくれるという。
え?だだ? 何で?
曰く「ブログの拝見料」なんだそう。
えーーー!ほんとう??
本当ならとっても嬉しい申し出ですが、にわかに信じがたいというか、怪しさ満点。(←すいません。)
でもまあ考えてみれば、何か悪意があるような話には思えません。こんなアルミ板一枚、騙して手に入れてもしょうがないでしょうし。(笑)
半信半疑のまま、お願いしたい旨のメールを返信し、「(パーツの引き渡しを)どうしたらいいでしょうか?」と尋ねると、「住所を開示したくないからどこかでお会いしましょう」という返事。
まぁ、現代社会で自分の身を守るには当然の事でしょう。
でもこれで逆に ”ああ、この人はまちがいなく普通の人だな”(←重ね重ねすいません。)と思い、ちょっと安心しました。
”では双方知っている、わかりやすいところで ”、という話になり、バイク用品店のナップスでお会いする事になりました。
「読者」さんとご対面
お会いしたOさんは、ローライダーに乗るハーレー乗りでした。
物腰のやわらかい感じのオジサン(←ホントすいません。僕とそんなに年齢は違わないかも。)で、「同じハーレー乗りだし、よく楽しみに(ブログを)読ませてもらってるから」と、メールをくださった理由をおっしゃっていました。
なんて有難いお話なのでしょう。(涙)
「アルミの材質によっては、あんまりキレイに発色が出ないので、つや消しみたいになるかも」だそうですが、僕的には出来れば目立たないようにしたいので、むしろつや消しの方がうれしかったりします。
というか、あらためて自分の作ったアルミ板を見て、こんなものにわざわざ手間かけて加工していただくのも、なんか申し訳ないなあ・・・と思ったのでした。
しばらく、ナップスの駐車場で、アルマイトや「電着塗装」のお話を聞いたり、またお互いのハーレーの話に花を咲かせたり。いろいろと楽しい時間でした。
とはいえ、立ち話でほんの20分ほどだったでしょうか。
「じゃあ、出来たら連絡します」と言って、Oさんはローラーダーで去っていきました。
アルマイト処理が完成!
「加工が上がって来ました」とご連絡をいただいたのは、お会いした一週間後。
「材質の関係で光沢には 成らず、半艶消しです」というメールにはアルマイト加工されたアルミパーツの写真が添えられていました。
残念ながらその週はちょっと予定があったので、翌週に再びナップスの駐車場でお会いする事にしました。
「本当はちゃんと研磨してからアルマイト加工したかったんだけど」とおっしゃいながら、Oさんはアルマイト加工したパーツを渡してくださいました。
単なるアルミ板は、つや消しのブラックになり、ちょっと”パーツ”っぽくなりました。いや~あ、うれしい。
天気も良かったので、そのまま駐車場で20、30分ほどバイクの話をしたり、お互いのバイクを見せ合ったり。
しばらく談笑した後、「じゃあ、またなんか加工したいものがあったら言ってくれれば。」と言って、Oさんはローライダーで走り去っていきました。
別にことさらバイク乗りの仲間意識を強調するでもなく、もちろん恩着せがましい事など全く言わず、まるで近所のおじさんが、自分ちの庭の木でとれたみかんを「持ってく?」と言っているかのような、実にさりげない態度でした。
僕は心底感激し、感謝していたにも係らず、Oさんのあまりに淡々とした態度に、「あ、どうも。すいません。」位の事しか言えないまま、Oさんを見送りました。
Oさん、本当にありがとうございました。
早速取付け
早速家に帰り、いそいそと組み立ててみました。
ハンドル周りがより引き締まった感じになりました。いや、うれしい。
そして、パーツがカッコ良くなった以上に、このブログを少しでも喜んでくれている方がこうして声を掛けてくれた事がうれしく、きっとこのパーツを目にするたびにハッピーな気分になるんだろうなあ、と思ったのでした。