峠道へ向かう道で・・・
飽きもせず、道志方面へ向かおうと田舎道を走っていたら、道の真ん中に不自然に止まる一台の車が。
なんでこんなところで止まってんだ?
近づくとその車の前に一台のBMW(バイクです)が止まっていました。
ライダーは何やら制止するかのように右手を横に伸ばしています。
なんだ? なにやってんだ?
よく見るとそこには信号のない横断歩道があって、一人のおばあさんが道を横断しようとしていました。
あーなるほど。そういうことね。
当然、ぼくも車の後ろに大人しく停車します。
しかしながら、対向車線の車は停止することはなく、その流れはなかなか途切れません。
その横断歩道は緩やかな坂の頂上近くにあり、しかも道は対向車側から見るとわずかに左に曲がっています。
なので、おそらく対向車線側からだと、立っているおばあさんの姿が見えづらいんでしょう。
一向に車が止まる様子はありませんでした。
そんな中、こちらのライダーの意図に気づいて止まってくれたのは、やはり同じバイク乗りでした。
BMWのライダーは、対向車線のバイクの後続車も止まったのを確認すると、右端のおばあさんに手招きしました。
おばあさんはちょこんと頭を下げると、ゆっくりと横断歩道を渡り、道の反対側へ無事たどり着きました。
***
BMWのライダーと、対向車線のバイク乗りは、
「サンキュー!」
「おう!」(もちろん、実際に声は聞こえませんが)
とそれぞれ手を上げて合図し、それぞれの方向へ走っていきました。
一瞬の出来事ですが、いやー、イイものを見ました。
カッコイイ。
我々バイク乗り。かくありたいものです。