2022年4月から。土日祝限定&100km超の場合のみ適用
報道によると『国土交通省並びに東日本高速道路、中日本高速道路及び西日本高速道路(以下、「NEXCO3社」)は、二輪車の利用促進や地域の活性化等を目的として、令和4年4月より、土日・祝日にNEXCO3社が管理する高速道路を利用するETC搭載の二輪車を対象に、定率の料金割引を実施する方針を取りまとめた。』のだそうです。
ついに普通車の半額実現か!?と思いましたが、よく見るといろんな条件つきです。
①NEXCO 3社(NEXCO東日本/中日本/西日本)が管理する高速道路のみ対象。
②2022年4月~11月の予定。
③土日祝のみ。
④100km超の場合のみ適用(片道か往復かはまだ決まってない様子)
⑤インターネットから事前申し込みが必要。
⑥ETCが必須
⑦他の割引(休日割や深夜割など)との併用は無し。
どうも手放しで喜べる感じじゃなさそうですね。
突っ込みどころが満載!
まずは
① NEXCO3社のみ対象。残念ながら関東のライダーにとっては首都高速、名古屋なら名古屋高速、大阪なら阪神高速、等々は対象外ということですね。これはいずれ対象拡大をお願いしたいところ。
② 2022年4月~11月の予定。実施時期がまだずいぶん先なのは「システム改修に時間がかかるから」らしいです。「 そんなややこしい条件をいっぱいつけるからだろ?」と突っ込みたくもなりますが、まあコロナ禍でもありますから、これはその時を待つしかないですね。
さらには4月~11月限定。まあベストシーズンに使えるのはありがたいですが、利用率アップを目指すのなら、利用率の低いシーズンも使えるようにしてほしいですね。
③土日祝のみ。土日が休みじゃない人はどうすんだ!?というのもありますし、せっかく高速を使って足を延ばそうと思っても、土日限定だと2泊以上のロングツーリングには使えません(3連休なら使えますが、ただでさえ混むのに・・・)。この辺は地域振興への寄与というお題目との矛盾を感じます。
④100km超の場合のみ適用。 これも意図が良くわかりません。地方へ足を伸ばせということなんでしょうけれど、東京からだと伊豆・箱根のツーリングには使えない感じです。
⑤インターネットから事前申し込みが必要。これまでの「ツーリングプラン」でも同様でしたが、やっぱり面倒です。NEXCO側も事務処理が大変なんじゃないかと思うのですがね。
⑥ETCが必須。こんないろんな条件を付けず「バイクは一律50%引き」とすれば、ETC無しでも問題ないと思うのですが。ETC普及促進という思惑もあるんでしょうね。
⑦他の割引との併用は無し。地方部区間の高速に適用される「休日割」は30%引き。それに対し、今回の割引は37.5%引き。つまり地方だと7.5%値引き幅が増えるだけなんですよね。
なんでこんなに条件が多いのか・・・
なんでこんなに条件が多いのか。
国土交通省曰く「システム改修が大変&時間がかかる」とか「地方経済振興に寄与するように」とかいろいろ言ってるようですが、結局のところ「恒常的な定率値下げはやりたくない」ということなんでしょうね。
素人考えですが、どう考えても「常に定率割引」にする方がシステム対応も簡単で、地方経済寄与も大きいと思えるからです。
バイクの通行料収入なんて、それ以外の車両に比べたら微々たるものだと思うので、気前よく引き下げてほしいところですが、高速道路会社からすれば「取れるところからは取っておきたい」と考えているのかもしれません。バイクをないがしろにしたところで、世間からはほとんどバッシングされませんからね。
「いつでもどこでも車の半額」への通過点、だといいんですが。
今回の施策が「恒常的に車の半額」実現へのステップ、という意見もありますが、これでお茶を濁されて「半額」実現がますます遠のいた、という意見もあります。
自民党二輪車問題プロジェクトチーム(=二輪車PT/逢沢一郎座長)などでもこの案の受け入れには葛藤があったようです。
二輪の高速道路料金割引に対し、世論も賛否があるようです・・・というか、ライダーの大半は『賛成』。それ以外は『反対』or『無関心』なのだと思います。
「オートバイだけ割引なんて不公平!」って言う人もいるそうですが、そもそも『割引』という考え自体がおかしいと思うんですよね。
専有面積も小さく、車重も軽く(=路面損傷への影響が小さい)、定員もMAX2人まで、という二輪車が軽自動車と同じ負担を強いられる、というのが理不尽なのであって、『合理的な料金設定にしてほしい』というのが「高速道路料金半額」の意図だと思います。
つまり「割引」ではないと思うのです。
ただ、「車と比較して、バイクは、追い越しをしたり割り込んできたり小回りがきくぶん、危ない運転が多い」という反対意見については『そんなの料金設定の問題と関係ないじゃん!』と思う反面、ちょっと耳の痛い意見でもあります。
そして、こういう世論が我々ライダーの立場を弱くしているんだろうなあと思います。
今回の施策を「通過点」とするためにも、我々ライダーの側も日頃の運転マナーについて、ちょっと省みたいところですよね。