当サイトではアフィリエイト広告を利用して商品を紹介しています

ハーレーロードスター XL1200CX セカンドインプレッション (その2)

8か月、4800km乗ってのセカンドインプレッション(その1)・・・の続きです。



6.ハンドリングとサスペンション

ハンドリングとにかく素直。「弱アンダー」といった感じで決してクイックではありませんが、バンク角が深まるにつれて素直に曲がっていきます。
ところがいい調子でペースが上がってくると、ステップが「ガリッ」と路面を擦ります。(車体やマフラーが擦る前にステップが擦るよう、ワザとステップ位置を下げているそうです。)

まあ「このあたりでやめとけば?」という事でしょう。

実際かなりのペースで走れますが、ペースが上がるほど車体の重さを感じるようになってきて、調子に乗ると危険な気がします。
コーナーで思ったより先が曲がりこんでいた場合など、ごまかしが効きません

国産ネイキッドに近い感覚で走れますが、あくまでハーレー。程よいペースでスムーズに走るのが似合っていますし、そういう走りをしている時の気持ちよさは格別!です。
※あくまで僕の運転技量での話です。上手い人が乗れば、国産四気筒を追い回すことも出来るかもしれません。ちなみに僕自身ライディングは決して上手くありません。(←残念ながら謙遜ではありません。涙)

フロントフォークはスポーティーな倒立式ですが、調整機構はプリロードを含め一切ありません(笑)。

けれどスムーズでよく踏ん張り、僕のレベルではなんら不満はありません。おそらくスポーツスター用としてはかなり優秀なサスペンションだと思います。

一方リアサスペンションも「エマルジョン式」の(ハーレーとしては)高性能なサスがついています。

ただし調整機構はプリロードのみ。

”従来のスポーツスターに比べてストロークが大きく、格段に乗り心地がいい” なんて雑誌などでは書かれていますが、高速道路の継ぎ目などではガツン!ガツン!と衝撃が来ます。
(東名高速では我慢できる程度ですが、第三京浜だとキツイです。)

先述のポジションの問題と相まって、かなり腰に負担がかかります。

某バイク屋さん曰く

「スプリングよりはダンパーの問題だと思う。固くて荷重を掛けても動かない。もっと使い込んで抜けてきたころにちょうど良くなるかも?」

との事。
とりあえず「動くようにした方が良い」というアドバイスに従ってイニシャルを最弱にして乗っていますが、いずれはカスタムしたいです。

追伸:その後走行距離は1万kmを超え、さらに慣らし(へたり?)が進んだ結果、いまでは許容範囲と思える乗り心地になっています。

リアサスはプリロード調整付き

7.エンジンフィーリング

最初はノイズばかりが大きく、あまりいい印象のなかったエンジンですが、距離が進むにつれ、だんだんと楽しめるようになってきました。

ビッグツインの様に(乗った事はありませんが。笑) ドコドコと地面を蹴るような強烈なトルク感はありませんが、角の取れたスムーズなトルクの出方が気持ちいいです。

2500~4000回転位がもっともおいしいところですが、回転数によってそれぞれ表情が異なり、、、

  • 2500回転:ドゥルドゥルドゥル・・・といった丸みのあるパルス感で、クルージングに最適。
  • 3000回転:トルクより回転、という感じで車速の伸びが気持ちよく、峠でもエンジンレスポンス良く快調に走れる。
  • 4000回転:回転上昇が速く、ハーレーらしからぬ速さにちょっとびっくり。猛然とダッシュ!できます。

といった感じです。

低回転でドコドコ走るイメージのハーレーですが、このエンジンは回した方が(といっても3000~4000回転ですが)面白い! という気がします。

8.積載性(ツーリングは不向き?)

ノーマルでは積載性は全くありません。シート下はフレームとバッテリー配線だけで、車載工具はおろか、車検証すら積み込むスペースがありません。

リアシートは幅が狭く前後長も短いため、バッグを乗せるにも荷物が安定しません

タンクも小さく、またガソリンキャップが出っ張っている為、タンクバックも使いづらいと思います。

ノーマル状態では小さめのバックをリアシートに括り付けるか、自分で背負うしか方法がありません。
ロングツーリングなどで積載性を上げるには、サイドバックを着けるか、リアキャリアを着けるか、あるいはシーシーバーをつけてバッグを括りつけるか、などの対策が必要だと思います。(まあ、そういうオプションが豊富なのもハーレーの魅力ではありますが。)

これだけ縛ってもズレ落ちてきました

9.メーター、ウインカー、ミラー&操作系

ミラーはステーが短く、低い位置についていますが、視認性は悪くありません。意外に振動にも強く、ブレて後ろが見えないという事はありません。

ちなみに、ハーレーのミラーは国産車とは取り付け方法が異なるため、国産車用のミラーは流用できません。(わざわざ国産車用のミラーを付ける必要もありませんが・・・)

ウインカーはフロントがクラッシックな電球式

一方リアはLED式で、ストップランプが組み込まれた一体型になっています。よって独立したブレーキランプはありません

ヘッドライトもオーソドックスなハロゲンライトですが、このXL1200CXは、スポーツスターの特徴であるヘッドライトバイザーがありません。ヘッドライトは吊り下げ型ではなく、アンダーブランケットに取り付けられています。

メッキハンドルや電球式ウインカー、ハロゲンヘッドライトなど、フロント周りはなんとなくレトロな雰囲気を漂わせるロードスターですが、それだけにリアのLEDウインカーにはちょっと違和感を覚えます

(私自身は走行中見えないので、あまり気にしていないのですが、仲間にはやや不評です。)

ハンドルはインチサイズで国産車より太いのですが、グリップは薄いものが採用されており、手の小さな僕でも太くて握りにくいという事はありません

振動が気になるところですが、エンジンのラバーマウントもあって、手がしびれるような事はないです

このハーレーのグリップ。バーエンドがなく、ハンドルの端まで包み込む形になっています。

立ちごけした際グリップエンドがハンドルに突き刺さってしまい、アクセルが回せなくなる、という話を聞いたことがあるのですが、実際のところどうなんでしょうか?(できれば知りたくないというか、体験したくないですが。)

ブレーキレバー&クラッチレバーはハーレーらしく、太く無骨なデザインです。

四本指でガバっと握るには適した形状ですが、指2本、あるいは3本で操作するには不向きです。
僕はフロントは指2本で操作しますが、先述のとおりブレーキの初期の利きが悪い、と感じるのはこのレバー形状2本指での操作が関係しているのかもしれません。

一方クラッチは握りこまないと完全には切れないので指4本で操作しています。その握り方をするぶんには使いやすいレバー形状と言えます。

ちなみにクラッチは油圧ではなくワイヤーですが、指4本で握る分には思ったほど重くはありません。国産ネイキッドよりちょい重い程度だと思います。(渋滞はつらいですが。)

ウインカースイッチは他のハーレーと同様(ストリート750を除く)ウインカーが左右独立しており、曲がる側のスイッチを押します。

左は問題ありませんが、問題は右。ウインカースイッチの位置が遠いので、親指を伸ばそうとすると思わずスロットルをひねってしまい、急加速してしまいます。これはかなり怖い。

今はだいぶ慣れて、スロットルから手のひらを浮かすようにしてウインカーを操作していますが、できれば何らかのカスタムを施したい部分です。(ウインカースイッチを延長するキットなどがあります。)

ちなみにハーレーにはウインカーのオートキャンセル機構がついており、交差点を曲がった後は自動でウインカーが消えます。(再度ウインカースイッチを押しても消えます。)
このオートキャンセルは意外と優秀なのですが、時には消えないこともあります。また、車線変更などでは反応しません。

で、”消えない!”と思って再度スイッチを押すと、実はそのタイミングで消えていて、再度スイッチを押した事でウインカーが点きっ放しになる、という事が時々起きます。いいような良くないような。(笑)

左スイッチ

右スイッチ

メーターは「アナログの回転計」と「スピードなどを示すデジタルメーター」がひとつになった一体型メーターです。
デジタル部分はスピードのほか、オドメーター(総走行距離)、距離計(A、B 2つの距離が測れる)、タコメーター(回転数)、時刻などが表示でき、それらは左手のスイッチボックスで簡単に切り替えられます。これは非常に便利です。

デザインはひとそれぞれ好みだと思いますが、デジタル部分が半月というか、笑った口の様で僕的にはいまひとつ。

デジタル表示部にはギアポジション表示もあり、今、何速で走っているか が表示されます。ただしこのギアポジション表示はエンジン回転数と速度から計算しているようで、クラッチを握った状態では表示されません。したがって赤信号などで急に止まったとき、「あれ?ローに入ってたっけ?」などという時は表示されず、ニュートラルを出すのにギアをガチャガチャやることになります。

そしてこのメーター一番の問題は、昼間明るいときの視認性の悪さです。デザイン重視なのか盤面の取り付け角度が水平に近く、夜は問題ありませんが、昼間日光の下では非常に見づらいのです。

どこかに明るさを測るセンサーが付いているようで、トンネルに入ってコンマ数秒でメーターのバックライトが点くのですが、いっそのこと昼間でもこのバックライトを点けっぱなしにしておいてくれれば、もう少し見やすいのになあ、と思います。

一体型メーター

10.ガソリンタンク&燃費&航続距離

ガソリンタンクは小ぶりでニーグリップは出来ません。また、「フォーティーエイト」よりは大きいものの、ガソリンは約12.5リットルしか入りません。

ちなみに燃費は僕の乗り方で約20km/L前後。計算上は満タンで250km以上走る事になりますが、150~160km位走るとメーター内のガソリン残量警告灯が点灯するので、200km以内で給油する事にしています。

まあなんとか実用範囲内かな、とは思いますが、見知らぬ土地へのロングツーリングなどを考えれば、もうちょっと走ってほしいところです。

ガソリンキャップキーロック付(本国ではオプションらしいです。向こうはガソリンが安く、盗むやつなどいない?からだそうです)。ところが、このキーロックの使い方が少々わかり辛い
納車の際にディーラーで説明は受けましたが、いざ初めて給油するときにうまくいかず、スマホで調べて開けました。(笑)
初めてハーレーを買った人は事前に練習しておくことをお勧めします。

キーロック付ガスキャップ。カバーを開けてキーを刺し、キャップ全体が回らないように手で押さえつつ、キーを左に「カチッ」と音が鳴るまで回します。キーを抜いた後、キャップを左に回す(結構何回も回す)と、最初はクルクルと手ごたえ無く回っていますが、やがて手ごたえが出てきて空きます。逆に、締める時はキーは不要で、キャップを右に回すだけです。(読んでもわかり辛いですよね?笑)

で、結局どうなのヨ?

ここまでロードスターの各部についていろいろと書き連ねてきましたが、そもそもハーレーをこうした各論で語る事はナンセンス、という気もします。

”ここもあそこも欠点だらけ。でも乗るとなんかイイ。それがハーレー。”

という意見があります。僕もそう思います。

正直言うと、買ってしばらくはかなり後悔していました。

国産四気筒から乗り換え、いつも通い慣れた道を走りに行くと、楽しいはずの道なのになぜか全く楽しめない。欠点が気になる以上に、楽しいと思える部分が見つからない。

”まだ今なら売却して、その金で別の国産車が買えるかな~” と何度も思いました。

実際、走行距離が極端に短いハーレーの中古車が多いのを見ると「こんなはずでは・・・」と早々に手放すバイク乗りも多いんだろうと思います。

いま思うと、あの時楽しめなかったのは、ロードスターでの走りに以前のバイクのイメージを求めていたからじゃないか、と思います。
なまじスポーティーなモデルなだけに、国産ビックバイクに近い走りが出来てしまいます。

でもそこはハーレー。国産ビックバイクとはやっぱり楽しみ方が違うのです。

ハーレーの良さは楽しめるスピード域が国産ビックバイクよりずっと広いこと。それも「低い速度の方に広い事」だと思います。

国産四気筒に乗っている時は、峠道で車の後ろを走ることは苦痛以外の何物でもありませんでした。かっ飛ばすわけではないけれど、何とか前の車を抜いて、フリーな状態で走らないと楽しめない、そんな感じでした。

レーサーレプリカほどではなくても、峠で車の後ろを走っていてでも楽しめる国産ビッグバイクは少ないと思います。

その点ハーレーは、2000回転では2000回転の、3000回転では3000回転の味わいがあり、車の後ろでもそれなりに走りを楽しむことができます。

きっちりブレーキングしてコーナーに入らなくても、流すようなコーナリングがとても楽しい!
しかもそれがロードスターなら回して走る楽しみもあり、国産ビッグバイクにもそこそこついて走れる。

景色のいい場所で、気持ちゆっくりめに流して走るとき、あるいは少しだけペースを上げて走るときロードスターはそのどちらでも至極の気持ち良さを味あわせてくれます。

そして、そんなときの速度が制限速度前後だったりします。

そういう事を感じ始めてから、どんどんこのバイクが好きになり、楽しくなりました。
(距離にして3000km位走ってからでしょうか。)

いまでは乗り換える気は全くありませんし、以前のバイクの2倍くらいのペースで走行距離を伸ばしています。

ただ(過去の国産四気筒に比べて)長距離はやはり疲れるバイクです。
それは振動であり、熱であり、操作性であり。そしてなにより独得のポジションが原因です。

正直言って、現状のこのバイクで(以前のように)東京から関西までのロングツーリングを走る気にはなれません。(年齢的な事もありますが・・・)

でも「慣れる」という事も含め、あるいは少しづつ気になる部分を改良していって、長距離も楽にこなせるバイクにしていきたいと思いますし、それがハーレーの楽しみでもあると思います。
XL1200CXロードスター。お勧めです。

追伸:その後、かなりこのバイクにも慣れ、神奈川~和歌山(約600km)の長距離ツーリングもこなすようになりました!



シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

コメント

  1. nc39k5 より:

    初めまして。

    通りすがりのXL1200CX乗りです。
    インプレを読んでいてちょっと気になったのですが、インプレの中にリアサスのプリロードを最弱にしてあると書いてありますが、現在もそのままでしょうか?

    私も同じトラップに引っかかったのですが、もしかしたらリアサスが底付きしてる可能性があります。
    乗り心地が悪い=サスが硬い
    と考えてしまいますが、ハーレーはもともと車重も重いのである程度のサスの硬さは必要です。
    そこで勘違いして、サスを柔らかくする方向に調整すると大きい段差で底付きして、衝撃がきている可能性があります。
    私の場合は高速で大きめのギャップを通過したときに、ドカン!ドカン!とバイクに衝撃がきてました。
    小さい段差は気にならず、大きな段差を通過するときに衝撃がくるようなら、サスのバネ調整を柔らかくしすぎていると思います。

    一回騙されたと思って、説明書に書いてある表を元に自身の体重と合わせてセッティングしてみて下さい。
    多分、バイクにくる衝撃が無くなると思います。
    もし間違っていたらごめんなさい。

    長文失礼しました。

    • kento-yoshida より:

      “通りすがりのXL1200CX乗り”さん初めまして。Kentoです。
      コメントありがとうございます。
      なるほど。柔らかくし過ぎて逆に底付きしている。あるかもしれません。
      僕の場合、最初は買ってきたままで乗っていましたが、慣らしを終えた頃に取説に従ってプリロードを一段落としました。
      僕の体重は約63kgと(ハーレーの)標準よりは軽いからです。これで多少乗り心地が良くなりました。
      そのころにハーレーカスタムでも有名なXTENSIONさんへ行ったところ、代表の荒谷さんから「サスが固いねえ」と言われました。
      シートを押して曰く
      「これはスプリングがハードというより、ダンパーが効きすぎて動いていないよね。
      ハーレーのサスはダンパー効き過ぎが多くて、使い込んで抜けた頃がちょうどいい、っていう人もいる位だから。」
      「とにかく動かせるものは動くように、まずはイニシャルを最弱にして、どんどんサスを動かした方がいいよ」とアドバイスをもらい、
      プリロードを最弱にしました。これでさらに乗り心地は良くなりました。
      現在は走行距離も1万キロを超え、さらに乗り心地は良くなり、ほぼ許せる範囲になりました。
      ただし、コーナーを曲がる時のハンドリングの素直さは、ハーレー指定値の方が良かったと思います。
      プリロードを抜いたことで、リアが下がっているのかもしれません。
      サスもかなり慣らし(へたり?)が進んだはずなので、一度指定値に戻してみようかな、と思っています。
      試してみたら、また報告させてもらいますね。
      ”通りすがりのXL1200CX乗り”さん。通りすがりでもよいので、ぜひまた覗きに来てください。
      よろしくお願いします。