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最初で最後?の北海道ツーリング(最終回)

6月。10年に一度の長期休みに北海道ツーリングへ行きました。

その旅もいよいよ今回が最終回です。

小樽の朝市でお土産を購入

北海道ツーリングもいよいよ最終日。17:00 小樽港発のフェリーで新潟へ向かいます。

それまで北海道最終日を満喫したいと思っていました。

まずはこの旅の間ずっと気になっていた、家族へのお土産を買いに行きます。

旅の間、インターネットで調べた結果、新鮮な海の幸を本土にお土産で送るなら、ここ小樽の朝市で買い求めるのが一番良いのでは、という結論に至りました。

小樽には大小さまざまな海鮮市場があるのですが、そのなかで、もとにかく安いと評判な「鱗友朝市(りんゆうあさいち)」へ行ってみることに。

昨晩泊まったコンテナホテル「コージーイン 小樽」から「鱗友朝市」まではバイクで2分。歩いても5分ほどで行ける距離です。

しかもこの「鱗友朝市」。「朝市」というだけあり、朝は何と早朝4:00ごろから開いているそう。この情報を知っていれば、初日、フェリーで朝04:00に小樽港へ放り出された時、まずここへきてお土産を買って送ればよかったなあ、と思いました。

鱗友朝市

鱗友朝市。「朝市」という名前ですが、各地の漁港の朝市とは異なり、建物の中に店が並んでいる形です。だから雨の日でもゆっくり買い物ができます。右側には「朝市食堂」という食堂の入り口があり(中からも入れるようです)新鮮な魚介の定食などが食べられるそうです。

8時ごろに鱗友朝市に到着。店の前の道にバイクを停めます。店の前の道はその先が行き止まりになっているので、バイクなら5,6台は停められそうです。

建屋の中に入ると、魚介を扱う店の他、野菜や果物、雑貨などを売る店など、約10件ほどの店が営業しています。

ぐるりと一周して回った後、ここと思った店に立ち寄りました。

元気のいいお姉さんがいろいろ説明してくれます。

先ずはお目当てのウニ。木箱に入ったウニではなく、北海道でよく見る(北海道でしか見ない)塩水に漬かった状態で売られています。

ミョウバンなどの添加物をつかっていないので、味が良く甘みがあるのですが、いかんせん日持ちがしません。賞味期限は製造日から5日間ほど。

北海道のあちこちで宅配便で送れないか聞いてみたのですが、送り先が関東だと告げると、どこで聞いてもあまりお勧めしないと言われました。

でも、ここ小樽では「大丈夫ですよ」と力強いお言葉が。

「なんなら航空便で送れますよ。1000円ほど送料が上乗せになるけど、明日には家に届くから。」

早く届けば賞味期限に余裕がありますし、なにより新鮮です。この辺は交通の要所でもある小樽ならではなのかもしれません。

ウニは二種類。色が白っぽく味がやや淡白なムラサキウニと、色が赤みがかっていて味も濃いバフンウニ。味はそれぞれ好み次第ですが、値段はムラサキウニの方が二倍近くします。

うーんどうしようか、と悩みましたが、どうせならと高い方のムラサキウニを買いました。3500円はビックリする値段ですが、店で食えばこの2倍以上します。

お目当てのウニです。味の濃いは3500円、やや淡白なムラサキウニは1900円です。産地の北海道と言えども正直高いですが、これが店でどんぶりに乗って出てくると、この倍以上の値段になります。

カニも買いたかったのですが、毛ガニなどは高くて手が出ません。

お店の方いわく、「最近は本当にカニが採れなくなって、私たちもビックリするくらい値段が上がってしまったんですよ。それでも品揃え的に無いとやっぱり寂しいので、頑張って置いてますけど・・・」とのこと。

そんな中、” この会社のは値段の割に美味しくて間違いない ”とオススメしてもらった冷凍タラバの脚を買いました。

カニやいくら、ホタテ貝、サーモンなど、おいしそうな魚介が並びます。お店の方オススメのタラバガニの足を買いました。

あとは家族が大好きなホタテ。

殻付きの生のものもありましたが、

「本土へ送って食べるなら冷凍の方がおいしいですよ。刺身で食べるなら大きくても小さくても味は変わらないから、この小さいのがいっぱい入ったやつがお得。」

「逆に焼いて食べるなら身が縮むので、身が大きい方がおいしい」

と説明してくれ、わざわざ大きいサイズと小さいサイズを適当数混ぜたセットを作ってくれました。

こういうところがお土産屋さんとは違う市場ならではの魅力なのかもしれません。

※この写真はイメージです。

「たくさん買ってくれたから」とサケの切り身もちょっとオマケしてくれました。

送料も加えると結構散財しましたが、家族をほったらかして一人遊びに来ているんですから、この程度の罪滅ぼしは仕方ないところ。楽しく買い物ができて大満足でした。

これは後日自宅に届いたバフンウニ。

甘くて味が濃くて、舌に載せると溶けます。臭みが全くないので、醤油をかけなくても美味しいです!

最高のウニ丼を求めて積丹へ

行き当たりばったりの今回の旅ですが、旅を始める前に決めていた目的が2つありました。

・ひとつは日本最北端の宗谷岬へ行くこと。

・もう一つは最高のウニ丼を食べることです。

コロナ禍ということもあり、あまり食べることにはこだわらないつもりでした。実際コンビニ飯とビールで過ごした夜もありました。

でもせっかくの北海道。一度くらいは贅沢をしてみたい。

そして、ウニ好きな僕としては、一度でいいから本場で最高のウニを腹いっぱい食べてみたい!と思っていました。

旅の途中、北海道出身のバイク仲間にLINEで「ウニ丼食べたいんだけど、どこで食べればいい?」と聞くと、

「やっぱりウニの産地と言えば積丹(しゃこたん)。なかでも有名な店は ”みさき ” かな。しかも今は一年で一番ウニが美味しい季節。行かないと後悔するぞ!」

と教えてくれました。

なんでもかなりの人気店で、いつも行列が出来ているそうです。

” まあ、もしいっぱいで食べられなかったら、その周りにも同じような店があるから。どこで食べてもウニそのものにそんなに違いと思うよ ” と言ってたその友人は、ぼくが訪れた1か月後に「みさき」を訪ねたそうですが、すごい行列であきらめ、近くの別の店で食べたそうです。(笑)
これは積丹へ行くしかない。
宗谷岬の前に立ち寄ったノシャップ岬にも、ここ鱗友朝市にもウニ丼が食べられる店があったのですが、そこは我慢。とにかく積丹へいくまでは、と涙を呑んで見送ってきました。
(ウニののった太巻きは、初日に思わず食べてしまいましたけど・・・)
鱗友朝市を出ると、ポツリポツリと雨が。
あーあ、もう今日は最終日なのになあ・・・と思いましたが、気を取り直し、レインウエアを着こんで出発しました。

走り始めたときはポツポツという感じでしたが、途中から本降りの雨に。ドラッグストアの軒先を借りて雨対策をします。背負っているバックパックにはレインカバーを掛け、ナビで使っているスマホには雨が侵入しないようにUSBケーブルの接続部に養生テープで防水処置をします。ブーツカバーも付け、これで万全です。

途中、余市で偶然見つけたニッカウヰスキー北海道工場。そういえば「余市」っていうウイスキーありますよね。僕はどちらかというとサントリー派ですが、竹鶴政孝が本格的な国産ウイスキーを作るため作った余市蒸留所は見てみたかったです。(コロナ禍で休館中。)

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雨の中を2時間ほど走り、11:00ごろ、積丹半島の先端にある「元祖生うに丼 みさき」に到着。まだ昼前にもかかわらず、既に店の前の駐車スペースは満車でした。

いそいそとレインウエアを脱ぎ、順番待ちの記名シートに名前を書いて待つことおよそ20分。名前を呼ばれて店内へ入りました。

店の前の駐車場は既に満車(第二駐車場はまだ空いていた様子)。外には数人のお客さんが順番を待っていました。

うに みさき

北海道各地からのナンバーの車が店の前に並んでいました。近くにあった同じく海鮮丼の店は人が並ぶ様子はなかったので、やっぱり人気店なんだなあ、と再確認。

店に入るとまずは食券を購入します。残念ながらこの日はバフンウニは入荷無し。となれば一択、ムラサキウニのウニ丼です。

その時目に入ったのが「ウニたっぷり丼」の文字。普通のウニ丼より500円ほど高いのですが、せっかくここまで来たのだからと、迷わず(本当はちょっと悩みましたが。笑) ウニたっぷり丼を選択。

席について食券を渡し、待つことしばし。ついに夢にまで見たウニ丼が運ばれてきました。

みさき うに丼

うに丼は¥2980。でも僕が選んだのは ウニたっぷり丼。¥3500 也。ご飯が見えないくらい敷き詰められたウニの上にさらに大粒のうにが乗っけられています。圧巻!です。

食べてみると甘く、クセがなく、もちろん臭みなど皆無。舌の上に乗せるととろけるようで、最高!でした。

(ウニが多すぎて正直、最後はちょっと飽きました。笑)。

料理としてバランスよく味を楽しむなら「ウニイクラ丼」とか「ウニイクラカニ丼」なんかのほうがいいんでしょうけれど。

でも腹いっぱい本場のウニを食べられて大満足!!です。

お食事処 積丹の幸 みさき

旅の終わりは突然に・・・

「みさき」でうに丼を食べ、大満足で積丹を後にしました。

それまで降り続いていた雨も徐々に弱まり、途中から青空も見えてきました。

あとは小樽に戻り、フェリーに乗りこめば、初めての北海道ツーリングも終わります。

とはいえ、まだ出航まで時間に余裕はあります。

早めに小樽についたら、どこかにバイクを停めて、小樽の街を散策してみてもいいかなあ、なんて思っていました。

ただ一つ気になることが。

本降りの雨の中、一日走った我が愛車は泥だらけ。海沿いの道とはいえ、ずっと舗装路しか走っていないのですが、それにしてもひどい汚れです。

後はフェリーに乗るだけとはいえ、フェリーを降りた後も、自宅までは400km近く走ることになります。エンジンが猛烈に熱くなる我がスポーツスター。この汚れを放置し、ガンガン走れば、熱でこの泥汚れがこびりついて落ちなくなるかもしれません。

それはいやだよなあ~。

また、どこかにコイン洗車場でもないかなあ~。

と思ってたところ、道端に「コイン洗車場」の文字が。

おっ!ラッキー! ここで洗っていこう、と思い立ち寄ることにしました。

平日の昼間。広いコイン洗車場には他に誰もいませんでした。

洗車ブースにバイクを停め、荷物を降ろします。そして前回同様、持っていた養生テープで浸水したらやばそうなところを片っ端から目張りします。

キーの差し込み口、USB電源周り、メーターの裏側、ヘッドライトの配線出口、サイドカバー内のコネクター、エアクリーナーの入り口、マフラーの排気口 、などなど。

これで準備万端です。

ここの洗車場の放水は、強弱2種類が選べるようになっていたので、迷わず「弱」を選びます。

コインを入れ、ノズルをしっかり持って、いざ放水。

洗剤が落としきれないとかえってサビを呼ぶので、今回は水のみで洗車します。

足回り、エンジン周りを中心に、出来るだけ前から、上から水をかけます。

車体をこするブラシもなく、洗剤も含まない水だけの洗車ですから、こびりついた泥がきれいさっぱり落ちた、とは言いませんが、あらかた汚れは落とせたようです・

アー さっぱり!きれいになりました。

バイクもきれいになったことだし、再び走ります。目指す小樽はもうすぐそこです。

車体に着いた水をタオルで拭き取り、再びシートバッグを装着します。

さあ、ラストラン!

バイクに跨り、キーを指して、セルを押します。

キュッ! キュルキュルキュルキュルキュッ。・・・ん?

キュッ! キュルキュルキュルキュルキュッ。・・・あれ?

キュッ! キュルキュルキュルキュルキュルキュルキュルキュルキュッ・・・

えーーーーっ!エンジンかかんない!?

なんで? キーONだよな? ニュートラルだしクラッチも握ってる。

バッテリーは・・・先月替えたばっかりだぞ。さっきまで走ってたし、今もセル回ってるし。

ガソリンは? まだ半分以上はあるはず。

おかしい、そんなはずはない。

キュッ! キュルキュルキュルキュルキュッ。・・・なんで?

キュッ! キュルキュルキュルキュルキュッ。・・・なんで?

キュッ! キュルキュルキュルキュルキュルキュルキュルキュルキュッ・・・

おーまいがー!!!!

自分で集めた車載工具を降ろし、地面に広げます。そして・・・何をすればいいんだろう?

工具はあれど、何をしたらいいかわかりません。

車載工具

とりあえずプラグを外してみることに。

ちょっと電極が減っているようないないような・・・

BRISKプラグ

※写真はイメージです。(写真撮ってる余裕などなく・・・)

外したプラグをプラグコードに差し込み、エンジンのシリンダーに近づけるてセルを回します。すると火花は飛びます。小さな青い光が。でもなんとも弱々しい。

もっとも、プラグを外して火花を見るなんて何十年かぶり。しかも普通のプラグではなくブリスクプラグです。

はたしてこれが正常なのか異常なのか・・・。(多分正常じゃないよなあ~)

仕方ないので再びプラグを装着し、プラグコードもさして、祈るような気持ちでセルを回します。

キュッ! キュルキュルキュルキュルキュルキュルキュルキュルキュッ・・・

万事休す、、、です。

頭が真っ白になりました。

とにかく保険会社に電話するも・・・

もう、どうしていいかわかりません。

落ち着け、オレ。落ち着け。

とりあえずここに居ても仕方がないので、レッカーを呼ぶことに。

保険会社に電話し、レッカーの手配を頼みました。

保険会社の方が、

「どういう状況ですか? 」

「バイクはXL1200CXで間違いないですか?」

「ご本人様ですか?生年月日は?電話番号は?」

「今日はこのあとどうされる予定ですか?」

などと確認事項を並べるたびに、内心イライラしてました。

” そんなことより、早くレッカー手配してくれーーーー!!”  と。

(保険屋さんスイマセン。)

ひととおり確認が終わった後

「ではレッカーを手配します。40分ほどかかるそうですがよろしいですか?」と言われ、

「40分でも1時間でも待ちますから、早く手配してください~(涙)」

と言って電話を切りました。

***

レッカーは手配できたものの、さて、このあとどうするか。

一体どこへ運んでもらえばいいんだろう?

エンジンかからなくてもフェリーに載せてもらえるだろうか? そりゃ無理だよな。

第一、もしフェリーに乗れても、新潟で降ろされてからが困るし。

近くの修理工場に運ばれるんだろうな。でもハーレーだからなあ。普通のバイク屋で直るのか? 直ったとしても、フェリーに間に合うんだろうか?

この時点でフェリー出発まではあと3時間ほど。無理だよな~、どう考えても。

バイク屋で修理するにしても、すぐには直らない可能性が高いでしょう。とはいえ、もうあと4日後にはこの休みも終わり、会社へ行かなくてはなりません。

ああ、いったいどうすんだよ~?

とにかくバイクはバイク屋に預けることになるよな。で、いったん飛行機かなんかで帰るだろ。で修理が完了したら、また北海道まで着て、フェリーへ乗って帰るのか。

往復の飛行機代。そしハーレーの修理代。いったい幾らかかるんだろう・・・

なんてことが頭の中をぐるぐるぐるぐる回ります。

天国から地獄とはこのことです。

保険屋さんの提案

そんな時、スマホが鳴りました。保険会社からです。

「レッカーの手配ができました。ただ近くにはいなくて、もうしわけありませんが、50分ほどお待ちください。」

致し方ありません。

「わかりました」と力なく答えました。

すると保険屋さんが

「普段、修理やメンテナンスをされているバイク屋さんとかありますか?」と聞くので

「このバイクを買った近所のディーラーですけど。」と言うと

「なるほど。じゃあ、そちらへ運んで修理する方がいいですよね?」

「そりゃー当然そのほうがいいけれど・・・」

そりゃあ、その方がいいに決まってます。でも、地元のハーレーディーラーはここから1000km以上離れています。

さすがにそこまでは運んでくれないでしょう。

すると電話口の保険屋さんがこう言いました。

「一つご提案があるのですが。いまからお客様のバイクをレッカーでお預かりし、地元のディーラーさんへ運ぼうと思います。ただし、普通に運ぶのはさすがにちょっと無理です。

そこで、格安の運賃で運べる便を使って運ぼうと思います。ただし、トラックの空き荷がある時などに運ぶことになるので、すぐには届くかどうかはわかりません。最長1か月程度かかることもあるのですが、、、。いかがでしょうか?」

最初一瞬、何を言われているのかわかりませんでした。ん?ひょっとしそれって、ここから1000km先まで運んでくれるっていうこと??

「もちろんそうしてくれるなら有難いですけど・・・。それって費用は?」

「もちろん保険の補償で運びます」

マジか!? ホントに!??

「お時間かかりますがいいですか? おいそぎなら有償で運ぶことになりますが・・・」

「いいです。もちろん。1か月かかってもいいです。」と即答しました。

まさに『地獄に仏』です。

「あと、申し訳ないのですが、安い便が確保できるまで運送会社でバイクをお預かりすることになりますが、その間は屋外での保管になります。雨に濡れたりもすると思うのですが、ご了承いただけますか?」

もちろん、異論はありません。

「結構です。お願いします!!」

” わかりました 。ではレッカー車が到着するまでもう少しお待ちください。”

と言われて電話が切れました。

フェリー会社へ電話、そしてレッカーが・・・

どうにかバイクは運んでもらえることになりました。

あとは自分自身をどうするか、です。

フェリーに乗って帰ろうかとも思いましたが、新潟で降りてもそこから帰る手段がありません。

とりあえず、フェリーはないな、と思い、新日本海フェリーさんへ電話をしてみました。

「すいません。今日の新潟行きを予約しているのですが、キャンセルできませんか?」

僕はこれまでの経緯をかいつまんで説明しました。すると

「わかりました。出発前のご連絡ですし、バイク故障で来られないということですのでキャンセルをお受けします。」と言っていただけました。しかもキャンセル料は不要とのこと。

なんという神対応なんでしょうか。フェリーもコロナ禍で採算が大変だろうに・・・。

新日本海フェリー様の対応にただひたすら感謝感謝なのでした。

***

ここまでくれば、あとはレッカー車を待つだけです。

バイク仲間にLINEで状況を報告すると、すぐに折り返しで電話がかかってきました。

「どうしたの?何が起きたの??」

経緯を説明すると ”そりゃあ災難だね” と言いつつ、

「でも最終日で良かったじゃん。うに丼食べられたの? 旅の途中じゃなく、やりたいことを全部やり終えてからだったんだから、ラッキーだったと思うしかないね・・・」

と言ってくれました。たしかにそうです。少し救われた気がしました。

” バイクに高圧洗浄機なんかで水掛けるからだよ ”

・・・なんてことを言わないのが、さすが、大人の対応だなぁと思いました。

そうこうしているうちに、また雨が降り出しました。

広い洗車場には、雨をしのぐ場所がありません。

ぼくは為す術無く、そぼ降る雨に打たれながら、ただ雨の中で濡れていくバイクを見つめていました。

***

やがて、コイン洗車場に巨大なレッカー車が入ってきました。

降りてきたのはドライバーの男性と助手の女性のふたり。

ドライバーの方に名刺をいただき、ご挨拶と今後の説明を受けました。

バイクから荷物を降ろし、キーを渡します。

「あっ、ちょっと待って下さい。」

今回のトラブルは、洗車機で水を掛けたことで、どこかに水が入ってしまったことが原因なのは間違いありません。

ならば、時間が経ってその水が抜ければ、直る可能性もあります。(何かが壊れてしまっていたら無理ですけれど。)

洗車からかれこれ1時間半。もしかしたら・・・

一縷の望みを掛けて、もう一度セルを回します。

” これでもしエンジンがかかったら、この人たち(レッカー屋さん)に何て言おう ”

なんて内心思いながら、祈りを込めてセルボタンを押しました。

キュッ! キュルキュルキュルキュルキュルキュルキュルキュルキュッ・・・

やっぱりダメでした。(T_T)

「お願いします。」といって女性にキーを渡し、男性にバイクを預けました。

こうして僕の北海道ツーリングは突然幕を下ろしたのでした。(涙)

さよなら北海道

レッカー車を見送った後、タクシーを拾って最寄りの駅へ。

そこからは千歳空港を目指します。

大きな防水バッグとヘルメットを抱え、革パンにブーツの井出達は、電車で移動するにはあまりに重く、疲れた体に堪えます。

電車の車窓から外の景色を眺めながら、抜け殻のようになっていました。

でもやがて現れた北海道の海の景色を見ていると、

” まあ、でも 楽しい旅だったよなあ~ ” と思えるようになってきました。

千歳空港から羽田へ。当然予約などなく、料金は正規料金です。すこしでも費用を浮かすため AIRDOに乗りました。翌日まで待てば、Peach便が半額で乗れたのですが、この重い荷物を持って、再び今晩の宿を探す気力はもうありませんでした。

これで、僕の北海道ツーリングは終わりました。

行く前はなんとなく、

“あこがれの北海道ツーリングへ行っちゃったら、もう俺のバイク人生も終わりかなあ~”

なんて思っていたのですが、実際に終わってしまった今は、旅の充実感と喪失感という相反する感情が相半ばになりました。

それにしても、僕のバイク、どうなっちゃうんだろうなあ~。

しばらくバイクは帰ってこなさそうですし、修理には時間も費用もかかることでしょう。

修理代次第では、本当にバイクライフが終わるかも。

まあ、ゆっくり考えましょう。(とこの時は思ってました。)

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コメント

  1. 辰蔵 より:

    え、えー!高圧洗車機って、使っちゃダメなんですか〜?!単身赴任先では、もっぱら洗車はバケツで手洗いなので、たまにはがーっと高圧洗車したかったのですが、ダメなんですか?
    早く故障の原因が知りたいー!
    予想外の北海道ツーリングの終幕にびっくりしました。大した事では無いことをお祈りしてます。

    • kento-yoshida より:

      辰蔵さん こんばんは。コメントありがとうございます。
      そうですね、高圧洗車機はバイクには使うな、という話はよく聞きます。電装系に水が入ってトラブルになったり、ベアリングなどのシールを突き抜けて水が入り、ベアリングの寿命を縮めたり、場合によっては古い塗装をはがしてしまったり、といったことがあるからだそうです。(分かってるならやるなよ。おれ。) 
      でも大丈夫と言う人もいますし、実際、僕のお世話になっているハーレーディーラーでも高圧洗浄機で洗車してたりします。高年式の日本車なんかだとあまり気にし過ぎる必要はないのかもしれませんが、まあ避けた方が無難なんだろうな、と思います。
      (僕が言うと説得力がありませんが。いや、逆に説得力があるのか。笑)
      ご心配をお掛けしたままも申し訳ないので結果だけ言うと、僕は今もロードスターに乗っています。その後の経緯についてはまたあらためて書くつもりです。

  2. 辰蔵 より:

    1200CXと883Rでは、違いますが、困った時の参考にしていますので、今もロードスターに乗られていると聞いて安心しました。
    あ、バイクカバーは、ヤマハの青銀カラーのものをYoshidaさんのブログにあった写真の中から選びましたよ。アパートの駐輪場で見る他のバイクカバーと比べると、耐久性はこれが一番と個人的には思います。
    USB電源取り出しは、手軽なDATONAのスモールライトからの取り出しキットで取ってます。ブログを参考に、配線作るのは、私にはハードルが高いと思って(笑)
    私は、バイクで北海道は退職してからになると思いますが、密かな楽しみの一つです。

    • kento-yoshida より:

      いろいろ読んでいただいているようでうれしいです。ありがとうございます。
      ヤマハのバイクカバーは僕も何度か使いました。定価は高いですが、バイク用品店などのセールで安く売っていることが多いので、コスパがいい商品だと思います。
      寿命は3,4年ぐらいかと思いますが、作りもそれなりにしっかりしていますし、機能性も良く、バランスの取れたいいいい商品だと思いますね。

  3. ナツ より:

    初めて書き込みさせていただきます。
    旅の終わりにとはいえ災難でしたね。😣
    私も先日ロンツーの合間に高圧洗車機を使っており、
    幸い何もなかったですが気をつけなきゃですね。
    バイクは大事には至らなかった?ようで何よりです😄

    • kento-yoshida より:

      ナツさん はじめまして。ヨシダです。コメントありがとうございます!
      そうなんです。それなりに気を付けていたつもりだったのですが、ハーレーあるあるなのか、運が悪かったのか。。。(いや、自分が悪かった、かな。)
      いろいろ役立ちそうに見えて、実は失敗談ばかり書いているこのブログですが、よかったらまた覗きに来てください。よろしくお願いします。