「チェーンクリーナをたっぷりかけてゴシゴシ」は正しい?
以前「バイクのチェーンにオイルは必要なのか?否か?」というテーマで記事を書きました。
今回も同じテーマなのか? いえ、ちょっとだけ違います。
「チェーンオイル」ではなく、「チェーンクリーナー」って本当に必要なの?という疑問です。
「チェーンのメンテナンス」というと定石なのは
(1) チェーンクリーナーをたっぷりかける。
(2) ブラシでゴシゴシこする
(3) ウエスやペーパーなどで拭き取る
(4) チェーンオイルを注す
というもの。
確かにこれをやるとギトギトだったチェーンの油はキレイに落ち、真っ黒だったチェーンは新品のように輝きを取り戻します。
でもホントにこれでいいんだろうか?
疑問に思う理由は2つあります。
① 防錆のためにチェーンにオイルを塗るのに、わざわざ溶剤(=チェーンクリーナー)を使って完全に油分を落とす必要があるのか
②「シールを攻撃しない」となってはいるものの、浸透率の高い溶剤を吹き付けて、ホントにシールの中のグリスを洗い流してしまわないか
いやいや、チェーンメーカーが公式に勧めている方法なんだから正しいでしょ・・・確かにそうです。
ただ、僕は、毎回毎回チェーンクリーナーをじゃぶじゃぶ使うんじゃなくて、日頃は違う方法でチェーンを掃除したほうが、チェーンには優しいんじゃないだろうか、と思うんです。
チェーンも基本は「拭き掃除」
たしかに油にほこりが混じって真っ黒になったチェーンの汚れは、チェーンクリーナーで落とすのがもっとも効率的です。あっという間に汚れが落ち、ピカピカになります。
でもそこまでギトギトじゃないときは、水や中性洗剤などで洗えばかなりきれいに出来ます。むしろ水さえ使わず、布で拭き取るだけでもけっこうキレイになります。
特にマイクロファイバークロスを使って拭くとチェーンがピカピカになります。繊維が油汚れをしっかり拭き取ってくれます。最近は100均でも手に入るので、汚れたら使い捨てにしても、そんなに財布を傷めません。
ただ、貧乏性の僕は「フクピカ」を使ってチェーンを拭いています。
毎回走行後、ボディーや足回りを拭いたついでにフクピカでチェーンを拭きます。
繊維が引っ掛かって残りやすいのが難点ですが、適当に油分(ワックス)があるので錆防止にもなります。
ポイントは「マメに拭く」ということです。汚れをため込むと落とすのが大変になりますが、走行後、まだチェーンが熱いうちに布で拭けば、大抵の汚れは落ちます。
汚れがひどいときは、布にチェーンオイル(クリーナーではなく)を吹き付けて拭く、という方法もあります。油は油で溶けるので、油汚れもきれいになりますし、あらためてチェーンオイルを吹きかける必要もなくなります。
チェーンクリーナーは吹き付けない
それでも汚れがひどい場合は、チェーンクリーナーの出番となります。
ただ、仮にチェーンクリーナーを使うにしても、びしょびしょになるまでクリーナーを吹き付け、ブラシでゴシゴシこすったりしなくても、チェーンクリーナを吹き付けたウエスでチェーンを拭くだけで十分キレイになります。
これなら使用量も少なくて済みますし、チェーンクリーナーが周りに飛び散って車体や床を汚す心配もありません。
パーツクリーナーは使わない
チェーンクリーニングに「パーツクリーナー」は使ってはいけない。これもよく書かれています。パーツクリーナーの中には、チェーンに使われているシール(Oリング)を傷めるものもあるからです。
けれど、パーツクリーナーでも「シールチェーンにも使用可能」と書かれているものもあります。この場合はもちろん使用可能です。
でもオススメはやはり専用の「チェーンクリーナー」です。
パーツクリーナーは乾きが早いものが多く、汚れを落とすには向かないからです(チェーンクリーナーは遅乾性)。また、チェーンクリーナーには防錆剤が入っていたりもします。
やはり専用品が良いと思います。
泥汚れや「塩分」には水洗い
「チェーンは拭き掃除」と書きましたが、雨天走行で泥跳ねを浴びた時や、冬に凍結防止剤が撒かれた道を走った時、海沿いで潮風を浴びた時などは、出来るだけ早く水洗いしたいところです。
砂などが付いたままゴシゴシやるとシールを傷めるのが心配ですし、塩分は洗い流さないと錆びてしまいます。
基本は水洗い。ひどい場合は中性洗剤などで洗います。専用品もありますね。
でも普段からマメに拭いていれば、水洗いでも十分かなと思います。
水洗いに「手動ポンプ」を使ってみる
チェーンを水洗い、と書きましたが、水洗いって結構面倒なんですよね。自宅の庭やガレージでホースで水が引ける恵まれた環境の方もいらっしゃるかもしれませんが、マンション住まいで水洗いしようと思ったら大変です。
以前の記事で、洗車に「アウトドア用ポンプ」を使ってみよう、と書きました。
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容量は限られますが、工夫して手際よくやればなんとかバイク一台洗えます。
簡易なキャリーカートを使えば、持ち運びも楽々です。
僕も以前はこの方法でバイクを洗車していました。ただ、家のベランダから無理やりホースを引っ張るようになった (笑) ので、最近はあまり使っていません。
これでチェーンを洗ってもいいのですが、やっぱりちょっと大げさなので、こんなものを買ってみました。
「携帯シャワーミニ」という商品です。(近所のオートバックスで発見。)
中に水(1.5リットル)を入れ、手動で加圧することで噴射することが出来る「加圧式ポンプ」です。

携帯シャワーミニ。たしか800円ぐらいでした。横においてあるのは100均で買った刷毛(ハケ)です。

水をいれ、ハンドルを(20回程度)ポンピングしてエアを加圧します。

ボタンを押すと水が3mぐらい飛びます。先端のノズルを回すと、霧吹き状にもできます。
同じようなものはホームセンターなどでも買えます。(園芸コーナーなどに置いてます)
今回買ったポンプの内容量は1.5リットルですが、この手のハンドポンプにはもっと大きなものもあります。
こちらは8リットル。このぐらい容量の大きなものなら、足回りも一緒に洗えるかもしれません。細く長いノズルはブレーキ周りなど、奥まったところに水を掛けるのに最適かも。
チェーンを水洗いしてみる
というわけで、チェーンを水洗いしてみました。(いまは特に汚れてないんですけどね。)

タイヤに水がかからないようにプラ板でカバーし、汚れた水を受けるトレーと新聞紙も用意しました。でもチェーンオイルやクリーナーと違って単なる水ですから、ここまで養生に気を使わなくて良かったかも。

加圧したらボタンを押して水を噴射。チェーンに着いた泥や小石を落としていきます。

刷毛でこすって汚れを落とします。シール(Oリング)を傷めないよう、出来るだけ毛先が柔らかいものをと選びました。けれどDukeはチェーンとスイングアーム間が狭いので、大きな刷毛は使いづらかったです。失敗。
水の量が1.5リットルなので、噴出時間は2-3分といったところでしょうか。刷毛も使って汚れを落としていきます。
ブラシでゴシゴシ」も注意しないと、シールチェーンのシールを傷めてしまう気がします。
使い勝手はいいんでしょうけどね。
(私流)チェーンクリーニングのまとめ
あらためて、チェーンクリーニングの方法についてまとめてみます。
(あくまで素人の経験と主観によるものです。ご参考まで)
1)日頃のメンテンスは、走行後にチェーンを拭く。
2)汚れている時は「チェーンオイル」をウエスに塗布して拭く。
3)汚れがひどいときは「チェーンクリーナー」をウエスに塗布して拭く。(その後、注油)
4)雨天走行後や泥はね、凍結防止剤、潮風などを浴びたときは水洗いする。(その後、注油)
こんな感じでしょうか。チェーンクリーナーを使うのは最後の手段、という感じです。まめにチェーンを拭いていれば、そう簡単には錆びたりしないです。