極寒のスカイラインを目前に怯む
福島ツーリング二日目。今日はいよいよこの旅一番の目的である「磐梯我妻スカイライン」を走ります。
しかし、この日は珍しく寒気が降りてきていて、福島市の最低気温は10℃。標高1600mを超える浄土平(じょうどだいら)辺りは、おそらく0℃近くまで気温が下がっていると思われます。
せっかく前泊しているのですから、観光客のクルマで混みあう前に登頂したいところなのですが、この気温には正直ちょっとビビってしまいます。
うーん。まあ、とりあえず朝飯を食うか。(笑)
優雅にホテルの朝飯を食べ、のんびり準備をし、ホテルをチェックアウトしたのはAM09:00過ぎでした。この時の気温は16℃。これならたぶん山頂付近も10℃はあると思われます。
寒さに備え、ウインタージャケットの下にはダウンジャケットを着込みます。
こうして、ようやく二日目のツーリングに出発しました。
磐梯我妻スカイライン
ホテルを出て、磐梯我妻スカイラインを目指します。まず最初の目的地は、「つばくろ谷」にかかる「不動沢橋」です。
橋の架かる70号線からちょっと脇道入ったところに「つばくろ谷駐車場」があります。その距離100mぐらいでしょうか。この駐車場からながめる不動沢橋越しの風景が美しく、皆さんそれを見に集まります。
ところが、その駐車場は車がせいぜい30台ぐらい停められるだけのスペースしかなく、その先はUターンして帰ってくるようになっているので、いつも駐車待ちの車が列を成すことになります。
特に今ごろの紅葉の季節の休日は大渋滞になって、クルマの列がスカイライン本線にまで伸びてしまうので、渋滞で身動きできなくなることもあるそうです。
この日は平日にもかかわらず、やはり駐車場までの道は車が順番待ちで列をなしていました。
浄土平までの荒涼とした絶景の中を走る
つばくろ谷を離れ、浄土平までの区間が、磐梯我妻スカイラインのクライマックスといえる区間です。
しばらくは道の左右にきれいな紅葉が続きます。山側も谷側も、まさに日本と思えないような広大な紅葉風景です。
ところが、途中から急に山肌が現れ、草木の無い、荒涼とした火山荒原が広がります。この区間は火山性ガスが噴出しているため、クルマは窓を閉めて走行するよう指示され(バイクはどうすればいいのやら)、駐停車禁止区間となっています。(丘の上から監視員が監視してました。)
その風景はまるで急に違う国に来たみたいな感じ。というか、SF映画のセットに入ったかのような、ディズニーランドのテーマパークに入ったみたいな感じすらします。
まさに絶景なのですが、駐停車出来ないので、残念ながら写真に収めることは出来ませんでした。まさにこんな風景です。↓↓↓
(ぜひビューを回転させてみてください)
わずか10分ほどで走り抜けてしまいますが、これは現地に行かないと体験できない、まさに一見の価値がある風景です。
浄土平で強風と戦い、汗をかく
火山ガスの危険地帯を抜けると、浄土平(じょうどだいら)に到着しました。
レストハウスの駐車場は広く、まだ駐車台数には余裕があったと思いますが、上り下り、両方から入場を待つ車の列でごった返していました。
駐車場にバイクを停めたのがAM11:00。既に昼近くになっていましたが、この時の気温は9℃。しかもバイクが倒れるんじゃないか?と思うほどの強風が吹き荒れていました。体感温度は5℃以下、という感じです。
お土産物屋や食堂のあるレストハウスも大変な賑わいで、大勢のお客さんがひしめき合っていました。とても山頂1600mとは思えません。
駐車場からは「我妻小富士(あづまこふじ)」の山頂が見えます。我妻小富士は標高1707mの活火山で、本来の山名は摺鉢山(すりばちやま)。すり鉢状の大きな火口があり、あたかも小型の富士山のように見えることからこの名が付いたそうです。
気温9℃と強風の中でしたが、山頂まで歩いた結果、汗をかくことになりました。本当は火口一周したかったんですけれど、革ブーツじゃ厳しいですね。
ともあれ、荒々しく壮大な風景を満喫することができました。
磐梯我妻スカイラインを満喫し、福島へ
浄土平から先はブナの樹海の中を急なへアピンカーブが続く道路が走り、安達太良山、磐梯山や裏磐梯の湖を望める景色の良い快走路になっています。
ただ、この日は平日にもかかわらず車が多く、また観光バスなども頻繁に走っていましたから、休日はたぶん混雑必至だと思います。
この日の宿泊を断念し、帰路へ
磐梯我妻スカイラインを抜け、「道の駅つちゆ」で小休憩。このときちょうど12:00だったので、お昼ご飯を食べても良かったのですが、なにしろ朝食がバイキングで腹いっぱい食べてしまったもので、この時間になっても全くお腹が空いてきません。
ただ、ちょっと甘いものが欲しかったで、売店で甘酒(ノンアルコール)を買っていただきながら、この日のその後のルールを検討することにしました。
翌日の水曜日がもし午前中だけでも天気が持ちそうだったらどこかでもう一泊して、翌日早朝から一気に走って帰ろうと思っていたのですが、天気予報を見ると雨の降り始めがどんどん前倒しになっていて、明日は早朝から雨の一日になりそうです。
まあ、レインウエアも持って来てますから、帰るだけだから、覚悟決めて雨の中をたんたんと走るというのもアリかもしれませんが、それも楽しくないしなあ。
というわけで、この日の宿泊は断念し、その日中に神奈川の自宅まで帰ることに。
もう一泊するなら、今回走った磐梯我妻スカイラインだけでなく、「磐梯我妻レイクライン」や「磐梯我妻ゴールドライン」など、この辺の道をもっといろいろ走り回りたかったのですが。それはまたの機会とすることにします。
福島県ホームページ:
道の駅つちゆを出て、東北自動車道 二本松インターチェンジを目指します。途中、なびの指示に沿って、国道459号線からちょっと逸れた道を走ったのですが、この間の道がまた最高でした。クルマのとおりはほとんどなく、路面も荒れていません。周囲の風景は緑や田畑に囲まれていて、どんどん変化し、走っていても飽きません。飛ばすこと無く、のんびり流すのが最高に気持ちいい道でした。
またもトラブル発生!
二本松ICから東北自動車道に乗り、あとはこのまま東京を目指して一直線、、、でもいいのですが、来るときと同じ道を走るのも面白くありません。そこで、海沿いへ出て常磐自動車道で帰ることにしました。海沿いの適当なところで高速を降りて、どこか海沿いの街で美味しい海鮮でも食べたいな、という目論見でした。
(常磐自動車もツーリングプランの「東北道・常磐道コース ワイド」の対象エリアに含まれています。)
そこで、東北道を離れ、まずはいわきに向かって走ることに。天気はどんよりとしていましたが、暑くも寒くもなく、車も少なくて快調に走っていました。
ところが、、、、
トンネルに入った時、何かおかしいことに気が付きました。ヘッドライトの光が妙に手前を照らしているのです。
ん? いくらロービームとはいえ、こんなに近くを照らすものなんだっけ??
しかも走っていて路面の凹凸を拾うと、ヘッドライトの明かりがぐわんぐわんと揺れます。
これはおかしい、と思い、ステップの上に立ち上がって上からヘッドライトを覗いて見たところ、ヘッドライトが下を向き、上下に揺れているのです。
わー!ヘッドライトが落ちかけてる!!
我が愛車、KTM DUKE890のヘッドライトは、下方の左右2点と真ん中上の一点でボルト止めされています。ヘッドライトが下を向いているということは、真ん中上をとめているボルトが飛んで行ったに違いありません。
今は下側2点のボルトで止まっていますが、このまま走っていると、いつ振動でヘッドライトが落っこちるかもしれません。
これは非常事態です。
やばいやばい! そう思いながら、とにかく衝撃を与えないようにとスピードを落とし、なるべく一定の速度で次のパーキングエリアを目指すことにしました。
こんな時に限ってなかなか次のパーキングエリアが現れません。
冷や汗をかきつつ、なんとか差塩パーキングエリアにたどり着きました。
バイクを停めて、前に回り込むと、ヘッドライトがこんな風になっていました。↓↓↓
ヘッドライトを3点で留めている箇所のうち、上の一点の固定が外れています。この部分のボルトが緩んで外れてしまったのでしょうか。
ところがよく見ると不思議なことが・・・
緩んで飛んで行ったと思っていたヘッドライトを止めている星形のボルト(トルクスねじ)は、ボディー側にそのまま残っていたのでした。
こんなことがあるんでしょうか?
実はさっき高速道路に乗る前、県道を気持ちよく走っている時に、ふいに大きな路面のギャップを拾い、フロントフォークがフルボトムするぐらいの衝撃を受けました。一瞬ホイールのリムが曲がったんじゃないかと思うほどの衝撃でした。(リムは問題ありませんでした。)
おそらくその時の衝撃が原因だったんだろうと思います。
ところが、ヘッドライトを固定するネジは抜けないまま、ヘッドライト側が前へ飛び出してしまいました。ということは、ネジで固定されている部分のネジ穴が、きっとネジ穴ごともげてしまっているに違いありません。
あーあ。それ最悪かも・・・
しかし、目視する限り、とくにヘッドライト側のネジを受ける部分が損傷しているようには見えないのです。
とにかく一度、ネジを外して付け直してみようと思い、車載工具を取り出しました。
車載工具のL字のトルクスレンチを取り出し、ボディー側に残ったネジを外します。特にネジに問題は見られません。
次いでヘッドライトユニットを元の状態に戻し、外したトルクスねじで再度固定してみたところ、がっちりと固定出来てしまいました。手でゆすってみてもびくともしないほどガッチリとヘッドライトユニットが固定されています。
つまり、非常に強烈な前向きの力がヘッドライトユニットにかかった結果、固定しているボルトが抜ける前に、ヘッドライトのネジ穴側が広がってボルトの頭を通してしまった、ということになります。
ホントに、こんなことってあるんでしょうか?
・・・でも正直、ホント助かりました!!
那須湊おさかな市場を目指すも・・・
ホッとしたらお腹が空いてきました。考えたら昼飯を食べていません。せっかく海沿いをはしっているのですから、サービスエリアで食事もいいのですが、どこか漁港の近くかなんかで、美味しい海鮮丼でも食べたい!と思いました。
そこでネットで調べてみると、ひたちなか市に「那珂湊おさかな市場」というところがあるという情報を見つけました。確かに以前、テレビか何かで特集していたのを見た気もします。
ココいいじゃん!
ところが、この那珂湊おさかな市場までは、高速の最寄りのICを降りた後も10kmぐらいあるようで、今からまっすぐ向かっても、到着はPM03:00ぐらいになりそうです。
調べるとこの那珂湊おさかな市場はいくつかのお店が集まってできている施設らしく、閉店時間は店ごとにまちまちなのですが、早い店だとPM02:00には閉まってしまう様子。ただ中には04:00頃まで開いている店もあるみたいなので、とにかく向かってみることにしました。
常磐道をひた走り、最寄りの日立南太田ICを降りたのはPM03:30。うーん、このまま おさかな市場にたどり着いても、果たして開いている店があるのかどうか。
そんなとき、ふとある看板が目に飛び込んできました。
「生鮮市場 ひたち南ドライブイン」そして「回転寿司」の文字。
おや、これ何?ひょっとすると、ここでいいんじゃないの?
那珂湊おさかな市場へは是非とも行って見たかったものの、行ってほとんどの店が閉まっていたらどうしようもありません。
ここは、ここで手を打つか。
というわけで急遽こちらで遅い昼食をいたたくことにしました。
海鮮丼は安くて良かったのですが、けっきょく追加して200円位食べちゃいました。w
一泊二日 総走行距離 868kmで無事帰宅
再び日立南太田ICから常磐道に戻り、あとはひたすら東京を目指しました。
首都高に入るとパラパラと雨が。でもその後強まることもなく、時々パラっと降る程度で、なんとか帰宅するまでは天気が持ってくれました。
この日首都高はなぜか大渋滞。通常守谷からは1時間ほどで帰宅できるのですが、結局2時間近くかかってようやく帰宅。
二日間で868kmのツーリングとなりました。
↓↓↓ 二日目のルート。
正直言うと、折角福島まで行ったのですから、もうちょっといろいろ走り回りたかったですが、まあ一泊二日ということを考えると、それなりに充実したツーリングになりました。
福島、是非また行きたいなと思います。