意外と知らない『民宿の世界』
前回、ひとり泊旅ツーリングの魅力をご紹介しました。
自由気ままなひとり旅のツーリングは楽しいヨ、というご紹介をしたのですが、
では、そんなひとりツーリング旅に最適な宿とはなんでしょうか?
僕がお勧めしたいのは、ズバリ!「民宿」です。
「えー、民宿!?」
「民宿なんて泊まった事ない。」
「何が楽しいの?」
等々の声が聞こえてきます。(よく言われます。)
ですが、ひとり旅のツーリングで泊まる民宿というのは、実に味のある、楽しいものなのです!
今回はそんな民宿の魅力を紹介してみたいと思います。
民宿のイメージって・・・
みなさんの民宿のイメージってどんな感じでしょうか?
民宿とは、、、
従って、
田舎の大きな家の一室で、建物は古く、小奇麗にはしていても部屋は簡素。風呂やトイレは住人と共用。
安くて泊まれて料理はそれなりにご馳走だけれど、まあいわば家庭料理。
宿主は親切だけど、あんまり干渉されるのもなあ~。
・・・っていう感じでしょうか。
まあ、当たらずしも遠からず。
ただ、民宿の基本はその通りではあるけれど、最近の民宿は、最初から宿の提供を前提に建てられた物が多く、部屋数も多くて綺麗で清潔。
設備は住人のとは完全に分離されていて、プライベートも確保されている、といった感じ。
いわば「旅館」と「従来の民宿」の中間のような宿が増えています。
一方で、安くて親切で料理が美味い!という、民宿ならではの良さは従来通り。
宿主とのコミュニケーションも、設備が分離されているだけに過度に干渉されるような事もなく、逆にひとり旅の退屈さを紛らわせてくれるような、程よいやりとりが旅の思い出になったりします。
言わばイイ所取りなのが最近の民宿。
どうでしょう?ちょっと興味が湧いてきませんか?(笑)
民宿利用の ”コツ ”
そんな、オススメの民宿ですが、ホテルや旅館に比べ、やや当たり外れが大きいのも事実。いい宿に巡り合い、民宿を満喫するにはどうすればいいのでしょうか?
① 事前調査は念入りに
先の「ひとり泊ツーリングのススメ」では、事前予約せず、行き当たりばったりの旅を楽しむ事を提案しましたが、こと民宿に関しては、事前にいろいろ調べてから予約する事をお勧めします。
今はインターネットという便利なものがありますから、事前に宿のHPや口コミなどを調べる事で、いい宿に巡り合える確率が上がります。
その際は、単に評価の点数だけでなく、口コミの中身をよくチェックしましょう。
民宿は一般的に旅館やホテルに比べると、規模が小さくて料金が安い分、どこかしら劣る部分もあります。ただ、ひとそれぞれ、妥協できる点と、これだけは妥協できない、という点があると思うのです。
たとえば、
「民宿なんだから料理の質と量が大事!」とか
「とにかく風呂は清潔じゃないとイヤ!」とか、
「トイレだけは共用じゃなく部屋に欲しい!」とか、
譲れない点がありますよね?
そこは口コミをいくつか読めば、ある程度は事前に情報が得られます。
全てにパーフェクトを求めると、かえって民宿を楽しめないと思いますが、逆に譲れない点だけは事前にチェックしておけば、そう”ハズレ”にあたる事もないと思います。
②予約をしよう
民宿の場合は事前予約が必須です。素泊まりの場合はなんとかなるかもしれませんが、予約にあわせて食事の材料を調達しておかないといけなかったりするからです。
家族経営の宿が多いだけに、事前に予約を入れておかないと、突然休館にする場合もありますし、ひとり旅は受け入れない、というところもあります。
事前に予約する事でそういったトラブルも避ける事ができます。
③観光案内所を利用しよう。
民宿の場合、斡旋料などの手数料を嫌って、旅行代理店などとの契約を結んでいないケースも多いそうです。
この場合、インターネットを使って情報を探す、という事が難しい宿もあります。
こんな時は、宿泊地に早めに到着し、地元の観光案内所に相談するのがオススメ。
独自のネットワークで、いい民宿を紹介してくれたり、その場で宿に連絡し、料理、宿泊代の交渉をしてくれることもあります。
民宿に限りませんが、特に民宿の予約の場合は、地域の観光案内所が強い味方になってくれます。
④ 投宿前に”調達”しよう。
民宿の場合、売店や自販機などはなく(あるところもあります)、宿でいろいろ買う事が出来ないため、持ち込みを認めてくれているところが多いです(要確認。)。
したがって、チェックインする前に、地元スーパーなどに立ち寄り、酒などの飲み物、夜のつまみなどを買ってから投宿するのがオススメ。
また、歯ブラシや髭剃り、タオルなどの備品が全て準備されているとは限りませんから、できれば予約時に確認しておいて、宿に入る前に調達しておくことが必要です。
⑤ 宿主とのコミュニケーションを楽しもう!
宿主とのコミュニケーションといっても、昔のユースホステルのように、一緒にギターを弾きながら歌い、語ろう!というわけではありません。(やりたい人は止めませんが。(笑))
例えば食事の後などに、「おいしかったです!」と感謝の言葉を伝えれば、それをきっかけにたわいもない、けれど楽しい会話が広がったりします。
「この宿、何年くらいやられているんですか?」でもいいですし、「明日、あっち方面へ向かうんですけれど、どこか面白いところないですか?」と聞けば、いろいろ良い情報を教えてくれると思います。
以前、ある民宿に泊まったら、その日の宿泊客は僕一人だったらしく
「良かったら一緒に版ご飯食べない?」
とご主人と奥様に言われ、おいしい地ビールと店主が作ったというアユの燻製をごちそうになりながら、楽しいひと時を過ごさせてもらった事があります。
それとて、夜が更けるまで、というわけではなく、ほんの1時間ほどの話で、その後はひとり長い夜をのんびりと部屋で過ごしました。
でも後になるとやっぱりそういうコミュニケーションは、旅のいい思い出になっています。
⑥その土地ならではのおいしい料理を満喫しよう!
やっぱり、民宿の醍醐味といえば、なんといっても豪華な食事。これに尽きると思います。
宿泊地が海の近くなら、たいてい豪華な海鮮料理が並びますし、山里なら普段はなかなか口に入らないような山海の幸が食卓に並びます。必ずしも調理する人は料理人でなくても、地元ならではの素材の良さと品数、そして圧倒的なボリュームで満足させてもらえる民宿は多いですし、そういう宿を選びたいと思います。
オススメは 伊豆 「雲見」
民宿は日本全国各地にあり、それぞれ土地土地の良さがあって、どこが一番、なんていう事はもちろんありません。
ただ、せっかくなので、僕のお勧めを一つ上げるとすると、西伊豆の雲見(くもみ)。
雲見は宿の名前ではなく、「雲見温泉」、あるいはその地域の名前です。(静岡県賀茂郡松崎町雲見)
この「雲見」には、30軒をはるかに超える数の民宿が軒を並べる密集地で、富士山が綺麗に見える景勝地であり、温泉地でもありますが、なんといってもそれぞれの宿が提供する食事の漁に圧倒される事まちがいなし、というエリアなのです。
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民宿と聞いて、ちょっと尻込みをしていたアナタ。いかがでしょうか?
ホテルや旅館にはない魅力を持った民宿。
是非一度、勇気をもって民宿に泊まってみてください。
きっと新しい旅の楽しみが広がるに違いない、と僕は思います。