屋外駐車はサビとの闘い
引き続き巣ごもり生活が続いております。
バイクに乗れなくてもバイク趣味は楽しめる!ということで、前から気になっていたエンジン回りのサビ落としをすることに。
屋外駐車はサビとの闘い。いくら厳重にバイクカバーをかけて雨を防いでも、なかなか錆を避けることは難しい。
我がスポーツスター(XL1200CX ロードスター)も恥ずかしながら、エンジン回りのボルトを中心にあちこちのボルトが錆びていて、ちょっとみすぼらしくなってしまっています。
ハーレーは鉄の塊。しかも空冷大排気量で熱がすごいので、高温になるエンジン周りのボルトは特に錆びやすいようです。
とはいえ、オーナーズクラブのミーティングなんかへ行くと皆さんとってもきれいにされていて、こんな錆びているバイクはほとんど見かけません。まったくお恥ずかしい限り。
これはなんとかしなくてはなりません。
サビ取りの方法は大きく2つ
発生してしまった赤錆を取り除くにはいろいろな方法がありますが、大別すると2つ。
ひとつは薬品の化学反応でサビを取り除く方法。
もうひとつは物理的にサビをこすり取る方法。つまりワイヤーブラシを使ったり、サンドペーパーでこすったりして錆を落とす方法です。
また、以前ご紹介した「さびとりつや之助」はドロッとした溶液ですが、研磨剤(けい酸系鉱物)入りのサビ取り剤なので、化学的にというよりは物理的にサビを削り取るサビ取り方法と言えます。
材質によって、あるいはサビの状態によって、どちらがより効率的かは変わってきますが、物理的にこすり取る方法は表面に浮いたサビは落としやすいのですが、かなり素材の中まで侵攻してしまったサビを取り除くのは難しいようです。
また、こする対象や使う道具によってはパーツに傷がつく恐れもあります。
一方、化学的にサビを落とす方法は、物理的な方法に比べると力を必要とせず、また(使い方を間違えなければ)パーツを傷つける心配も少ないです。
今回サビ落としするボルトはかなりがっつりと錆びてしまっているので、物理的な方法だけで落とすのは難しそう。ということで、今回は薬品系のサビ取り剤を使って錆を落とそうと思います。
バイクレストアから生まれた「花咲かG」シリーズ
サビ取り剤と一言でいっても様々な商品があります。酸性のものから中性、アルカリ性のものまで。
もっとも一般的なのは酸でサビを落とすもの。リン酸や塩酸などの成分が用いられます。
時々雑誌やWebでも紹介されている「サンポール」を使ったサビ取り方法も酸によるものです。(サンポールは塩酸濃度9.5%)
ただし、サビを落とすだけだと、そのあとまたすぐに錆びてきてしまいます。
以前の記事で紹介したサビ取り剤も、そのサビ取り効果はかなり強力でしたが、その後すぐにまた同じところが錆びてしまいました。
なにかいいサビ取り剤はないかなあ、といつもホームセンターやWebページ、通販サイトのレビューなどを漁っているのですが、なかなかこれといったものが見つかりませんでした。
そんななか、目に留まったのが、「花咲かG」シリーズの「ラストリムーバー」です。
「花咲かG」シリーズは株式会社 榮技研の製品で、いずれもバイク乗りの間では有名な、超ロングセラー商品です。
代表の谷口氏はもともと旧車マニアで、レストア専門店を営んでおり、自身のレストア経験から「花咲かG」シリーズを開発したそう。実際にバイクレストアする方の視点で製品開発しているので非常に信頼がおけます。
僕自身、過去に同じシリーズの「花咲かG タンク・クリーナー」や「花咲かG ワックス」を使ったことがあるのですが、いずれもとても良い商品でした。(ちょっとお高いですが。)
今回、あらためて「花咲かG」のサビ取り剤に着目したのは、サビ落としと同時に、錆防止の効果もあると書かれていたからです。
「花咲かG」のラストリムーバーはリン酸を主成分とする錆とり剤です。リン酸による錆除去は、錆を落とすと同時に、鉄とリン酸が化合したリン酸鉄が「リン酸塩皮膜」を作ります。それが防錆作用として働くので、サビ取り後、特に何もしなくてもさびにくくなります。
ちょっと値段が高いのと、amazonのレビューを読むと結構評価が分かれること、「熱の加わる部分には使用不可」となっていること、などが気になりますが、まあ物は試し。一度使ってみることにしました。
早速サビ落とし。落ちる?落ちない??
商品が届いたのでさっそくサビ落とし。「花咲かG ラストリムーバー」は塗装やメッキ※にやさしい製品ですが、取説には「サビ部分以外は付着しないよう保護せよ」と書かれているので、一応養生をします。
※クローム・ニッケルメッキは可。蒸着メッキ、亜鉛、クロメート、ユニクロメッキ等は不可
10分経ったので溶剤を拭き取ります。
う~ん、サビ落ちたかぁ??
ちょっと黒っぽくなった気はするが、とても錆が落ちたとは言い難い。
でもここであきらめてはいけません。
一度でだめなら二度三度、塗布→放置→拭き取りを繰り返します。
う~ん、落ちないなあ~。やっぱりこれだけサビが酷いと、もうさすがに落とせないのかなあ、、、と思いつつも作業を続けます。
” 高いだけで残念な商品だったのかなあ~ ” というふうに思い始めていたその時、三度目の塗布をして数分たった時点でふと気が付きました。
” あれ?これ、なんかサビ落ちてきてないか???”
一度で劇的に変化はしないので気づかなかったのだけれど、ボルトが黒っぽく変化して、赤錆が消えてきている。
やっぱりサビが落ちてきてるようです!
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結局5回ほど塗布と拭き取りを繰り返した結果がこちら。↓↓↓
気が付いたら赤錆はほとんど消えていました。ただ赤が黒く変わった感じで、金属の地色が光る、というところまでは至っていません。
ここらあたりが化学変化の限界か?ならばこの状態で物理的に表面を削ってやればもっときれいになるかも・・・
ということで、研磨剤を含んだ「さびとりつや之助」でちょこちょこっと磨いてみました。
その結果がこちら・・・↓↓↓(Before&After)
真鍮ブラシとか、ピカールのような研磨剤を使ってもっと磨けば、よりきれいに輝くかもしれないけれど、あまりやると「花咲かG」で形成された防錆被膜が剥がれる(もう剥がれているかもしれないけれど)ので、あまり深追いはしないことにしました。
ピカピカになったとは言い難いですが、まあこれくらいであればレトロエンジンっぽい、ちょっとした”味”と思えなくもないし。(言い訳がましいですが。笑)
高熱で焼き付いたかなり頑固なサビですから、これぐらい落ちれば合格かな、と思います。
安心して使えるサビ取り剤としてオススメ
ちょっと時間と手間はかかりましたが、結果としてかなりサビ取り効果はあったと思います。
手間といっても塗って拭き取るだけなので、力がいるわけでもなく、時間さえあれば大した労力ではありません。
ケースバイケースで他のサビ取り方法と併用すればより効果的でしょうし、なにより、サビ取り後の再発を抑制してくれる点が便利です。
花咲かGシリーズのいいところは塗装やメッキ、環境に配慮されていて、安心して使えるところ。溶液もほとんどニオイもなく、手についてもヒリヒリするようなこともありません。(ちゃんとビニール手袋をしましたが。)この辺がロングセラーとなり、バイクメーカーが純正採用したりする理由じゃないでしょうか。
バイク用のサビ取り剤として、安心して勧められる商品だと思います。