グリップ交換ついでにワイヤーに注油しようとしたけれど・・・
我が愛車、ハーレー スポーツスター(XL1200CX ロードスター)のハンドルグリップをスロットルスリーブごと交換することになり、ついでにアクセルワイヤーに注油することにしました。
ところが、アクセルワイヤーを外す方法がわからず、ビニール袋を使って漏斗のようにオイルを流し込む方法は断念。オーソドックスにスプレー式のオイルを使うことにしました。
ただし、スプレー式のワイヤーオイル(ワイヤーグリス)を使う時のお約束であるワイヤーインジェクターも、やはりアクセルワイヤーを外せない事には使えません。
さて、どうしようか、というのが前回までのお話です。
ワイヤーへの給油は何がいいのか?
ところで、バイクのワイヤー(アクセルワイヤー・クラッチワイヤー)へ注油するには何を使うのがいいのでしょうか?
これもチェーンオイル同様、諸説紛々。まあいろんな意見があるようです。
曰く、
・「ワイヤーグリス」や「ワイヤーオイル」(やっぱり専用品が間違いないよね~)
・余りものの「エンジンオイル」(もちろん余りものじゃなくてもいいけど)
・余りものの「フォークオイル」(やっぱり余りものじゃなくてもいいけど)
・「チェーンオイル」「チェーングリス」(わざわざワイヤー用を買わなくても、ってことかな)
・「CRC-556」などの潤滑剤をマメに吹く(これは賛否両論)
・「シリコンスプレー」(潤滑剤とは似て非なる)
・「ミシン油」(シブい・・・)
・ 何もしないのがベスト(楽でいいけど)
等々。
1)「ワイヤーグリス」や「ワイヤーオイル」などの専用ケミカル
メーカーがそれ用に発売しているものだから当然安心感があります。
「オイル」と「グリス」は本来違うモノ、というか、オイルに「増ちょう材」を混ぜて半固形にしたものがグリスですが、わりと混用されている気もします。
「グリスは固すぎて抵抗になる」とか「固すぎてスルットルが戻らなくて危険」なんて書かれているのも見かけますが、さすがにメーカーがワイヤー用として発売しているものなら心配ないだろうと思いますけどね。
2)「エンジンオイル」や「フォークオイル」。
潤滑性はもちろん、適当な粘度があり「結局これが一番!」という人も多いようです。
ただ、ワイヤーに注油するにはオイラーに入れたり、ビニールを漏斗状にケーブルに巻いてそこに注ぐなど、工夫が必要です。
フォークオイルはエンジンオイルより柔らかいオイルだから、ということなんですかね。
3)「チェーンオイル」や「チェーングリス」
こちらも「わざわざ専用品を買わなくても余りもののオイルで十分」ということでしょうか。
「チェーンオイルは、最初さらさらで浸透しやすく、しばらくすると粘度が上がって定着する、という特性がワイヤーオイルとしてもすぐれている」といった意見もあります。
一方で「(あえて)自転車用のチェーンオイルが固過ぎずベスト」という意見もありました。
4)「CRC-556」「WD-40」などの潤滑浸透剤
これは賛否両論。(というか否定派が多い感じ。)
「すぐ蒸散してしまって長持ちしない」という意見や
「アウターケーブルのゴムやテフロンチューブなどを傷めてしまう」という意見も。
一方で
「さらさらなので抵抗になりにくい」「隅々まで届く」「サビやゴミを流してくれる」「長持ちしないが、その分マメに挿すならOK」
という肯定的な意見もありました。
その他、「まずはこうした浸透潤滑剤でケーブルを洗い、ケーブル内のサビやゴミを落としたのちに、エンジンオイルやワイヤーグリスを注入するのがベスト」という意見も多いようです。
5)「シリコンスプレー」
僕の読んだメンテナンス本には「近年式ハーレーはシリコン系のスプレーを使う」と書かれていました。
理由は書いてませんでしたが、ハーレーの純正ワイヤーは内側がテフロン樹脂で滑りが良くなっているらしいので、そのあたりの理由かもしれません。(シリコン系の潤滑油は樹脂への攻撃性が少ないらしいので。)
6)「ミシン油」などの機械油
ミシン油って何でしょう?もちろん「ミシン油」というものがあるのは知っているのですが(若い人は知らないかなぁ)、どういう油なのかはよくわかっていません。ただ、非常に粘度の低いさらさらな油が良いということなんでしょう。
「アクセルワイヤーにはミシン油、クラッチワイヤーにはエンジンオイルと使い分ける」という意見もありました。
確かに、クラッチワイヤーは非常に強いスプリングで引かれていて力が掛かるのに対し、アクセルワイヤーは非常に繊細な操作が求められ、そのため軽く動くことが大事、とちょっと求められるものが違うのはなんとなく理解できますよね。
7)フッ素系潤滑剤
粘性のある液状のものはゴミを呼びこむ可能性があるので、フッ素系の潤滑剤で滑りをよくするものが良い、という意見もありました。
探してみたらこんな商品が。すごく良さげですが、高い!! です。
8)何もしない
「敢えて何もしない」という意見もあるようです。
先ほども書いた通り、最近のワイヤーは内側にテフロンを使ったものなど、そもそもが低抵抗になっていて潤滑を必要としない、かえって被膜を傷めたり、ゴミを呼んだりするのでむしろ油など刺さない方がイイ、という意見があります。
また「ワイヤーが錆びたら、いくら潤滑剤を吹いたところで一時的な対策にしかならないので、さっさと交換すべき」というバイク屋さんの意見もありました。
なるほど、と思います。
でもハーレーの純正ケーブルって、ビックリするぐらい高いんですよねえ。(1本2万円位するらしい。)
メンテで寿命が延びるならそうしたいところです。
デイトナ ワイヤーオイルを購入
話は戻って、我が愛車。
僕は正直、そんなにワイヤーオイルの種類にこだわりはありません。
なんにせよ、やらないよりはやった方がいいだろう、程度の考えです。(身も蓋もないですが。)
家にはヤマハのワイヤーグリスがありますが、ノズルが太いのでハーレーのワイヤーに挿すのは難しそうです。(逆にワイヤーインジェクターを使うには太めのノズルが合ってます。)
なんかいいのが無いかな、と思って調べていると、良さげな商品が見つかりました。
デイトナのワイヤーオイルです。
何がイイかというと、付属のノズルが極細で、ワイヤーケーブルの外皮とケーブルの隙間に刺し込んで注油できる、というところ。
オイル自体がどんなオイルかは判りませんが、まあ専用品ですから悪くはないでしょう。(適当だなあ。)
というわけで早速買ってきました。
注油は簡単!
早速注油してみます。
注油後、ケーブルを手でシュコシュコ動かしてみると軽く動きます。まあ、注油前もそんなに動きが悪かったわけじゃないので、あんまり変わらないと言えばかわらないんですけどね。
露出しているケーブルにはグリスを塗布
ケーブルに注油を終えたら、露出しているケーブルとタイコにグリスを塗ります。
僕的にはケーブル内部への注油よりも、こちらの方がずっと重要だと思っています。
グリスを塗ることで雨など水分の侵入をある程度防げますし、結局ケーブルが錆びたり、ほつれたりして切れるのってこの部分であることが多いからです。
「注油しない派」の場合も、ここだけはグリスアップした方がいい気がします。
あとは耐久性がどうか
デイトナのワイヤーオイル。使い勝手は最高。これならマメに注油できると思います。
あとは ”持ち” がどの程度か。すぐに乾いてギシギシになる、っていうことはないんでしょうけれど。
ひとつ注意が。
デイトナ ワイヤーオイル。こんなセット商品もあります。
ワイヤーオイルとインジェクターのセットです。
ただ、このセットのワイヤーオイルに付属しているノズルは極細ノズルではありません。
インジェクターに刺し込みやすい(抜けにくい)太めのノズルが付属しています。
ネット通販などで購入される方はご注意を。
こんな商品も・・・
この記事を書いていて発見したのですが、オイル刺しでこんな商品がありました。
狭所用のオイラーで、ノズル径が約0.9mmと極細。内径が約0.3mmとかなり細いので、あまり年度の高いオイルは通らないかもしれませんが、これを使えば他のオイルやグリスでも、ケーブルの隙間から注油することが出来そうです。
これを買ってエンジンオイル刺しのがよかったかも。
***
というわけで、無事ケーブルへの注油が完了しました。
それではようやく本題。ハンドルグリップを交換してみたいと思います。
この話続きます。