本屋で偶然見つけた不思議なハウツー本
先日、会社の昼休みに立ち寄った本屋さんの店頭で、ふと目にとまった本がありました。
「大人のオートバイチャレンジ」というサブタイトルがついた「アジャスト&セッティング」という本です。
サブタイトルからして「初心者やリターンライダー向けの入門書なのかな?」と思いつつ手に取ってみると、目次には
「リアショックのイニシャル調整」
「チェーンのテンションアジャスト」
「ポジション・セッティング」
などの項目が並んでいます。
あー、はいはい。そういうハウツー本ね。
そう思って棚に戻そうと思ったのですが、パラパラとめくってみると、大きなイラストに少ない文字。いかにも入門書的な誌面構成ながら、書かれていることが何やら想像した感じとちょっと違います。
ん?これ、初心者向けの本じゃないかも・・・
なんかちょっとじっくり読んでみたくなり、そのままレジへ持っていきました。
実はマニアックな本?
この本。わずか100ページ足らずの本で、イラストが誌面の大部分を占めていることから、情報量は大したことがないと思っていたのですが、中をみると誌面広告がほとんどありません(裏表紙含めて4ページぐらい)。なので実は結構な分量だったりします。
しかも中身が案外マニアック。
たとえば最初の「リアショックのイニシャル調整」
「とにかくイジってみよう」とか「プリロードでバネが固くなるわけじゃない」といった内容は比較的よく見ますが、それが「スイングアームの対地角度の変化による影響」や「そもそもバネがどうやって反発力を生むのか」といった話まで広がるとなると、あまり類を見まみません。
チェーンアジャストの話も「どうしてチェーンに遊びが必要なのか?」という説明はよく見ますが、それがスイングアームのアーム長の話にまで広がると、なかなかマニアックです。
初心者向け?
ただ、この本が非常に参考になるか、あるいは実践的か、ということになると、ちょっと疑問に思ってしまいます。
たとえば、チェーン調整の意義や重要性についてはいろいろ突っ込んで書かれていますが、肝心の調整の方法は書かれていません。
一見、イラストが大きく目立つので詳しく図説されているように思えるのですが、実際はただ大きく書かれているだけで、イラストの数はそれほど多くありません。いろいろ詰め込んで説明している文章に対し、図は圧倒的に少ないので、見るだけで理解しやすいかというと残念ながらそうは思えません。
たとえばタイヤの話では、タイヤの内部構造の話から材質の話、ラジアルとバイアスの違いなど、非常に多くの情報が文章で書かれていますが、タイヤの構造を示す図がないので、これ、文章で読んでわかる人がどれだけいるんだろうか?と思ってしまいます。
この本自体のテーマは「どんどん調整できる部分をイジって、自分好みのバイクにしていこう」という内容で、一見、初心者向けの本のように見えますが、本当の初心者にはちょっとわかりづらい本かもしれません。
誰が読む本なんだろう?
この本を読んで思ったのは「なんだかマニアが作った個人の趣味のホームページみたいな本だなあ」ということです。
内容がテーマに沿って一貫している感じがせず、話があちこちに飛んでいる気がします。(ちなみにこの本、誤字脱字がめちゃくちゃ多いです。笑)
豊富な情報も、テーマの理解を深めるため、というよりは、とにかく書きたいこと、知りうる情報を全部詰め込んだ、という感じがして、「結局これは何を言いたいんだろう?」と思う部分も少なくありません。
ただ、書かれている情報は濃く、マニアックで、読んでいて面白いです。
「フロントフォークの突き出しを増やすと、キャスター角が立つのでハンドルがクイックになる、なんて迷信だ!」
と、「●ahoo!知恵袋」なんかでよく書かれてそうなことを真っ向否定していたりします。(笑)
そういう意味ではある程度のベテラン向けの本なのかもしれません。
僕なんかが知らないこと、気付いていないことも多々書かれていました。
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一見初心者向け。実際に初心者をターゲットに書かれた本だけど、作者の思い込みが強すぎて内容を盛り込みすぎてしまい、誰向けなのかよくわからない本になった・・・そんな本じゃないかと思います。(笑) 売れないんだろうな、コレ。(爆)
でも売れないで終わるのはもったいない本だと思うのです。
さあ、手に取って、読んでみましょう!買ってみましょう!(笑)
↓↓↓下記 Amazonの販売ページには、(いまのところ)本の写真も説明書きも無し。ほんま売る気あるんかいな?(爆)
↓↓↓ こっちも買ってみようかな。(このシリーズ クセになる?w)