当サイトではアフィリエイト広告を利用して商品を紹介しています

クラッチを軽くしたい。KTM 890DUKEクラッチアーム交換(その1)

DUKE890のクラッチが重い?

前の愛車、ハーレースポーツスターはものすごくクラッチが重かったので、今の愛車、KEM Duke890に乗り換えたときは、その軽さに感動しました。

ところが慣れてくると、もっと軽くならないかな、と思うようになりました。決して重いということは無いのですが、指二本で軽く引ける、というほどは軽くなく、市街地や渋滞路一日走ると、結構左手が辛くなるからです。

「Ready to Race」というキャッチフレーズのKTMですが、軽い車体、楽なポジション、スムーズなエンジン特性は意外にもツーリングが快適。それだけにクラッチが軽くなれば更にツーリングマシンとしての魅力が増すのになあ、と思っていました。

ロングクラッチアームってどうなの?

クラッチを軽くする方法はいくつかありますが、ケーブル式のクラッチの場合、クラッチアーム(クラッチレリーズ)という部品の長さを変えることでレバー比を変えて軽くする方法が一般的です。

クラッチアーム

これはノーマル。クラッチレバーを握るとケーブルが引かれ、クラッチアームが引っ張られることでエンジン内部のクラッチが切れる仕組みです。

Lorababer オートバイアルミワンフィンガークラッチレバークラッチアームブラケット適用車種K.T.M 790 DUKE ADV Adventure S/R 2018-2021 CF-MOTO 800MT 2021-2022 (黒)

このクラッチアームをノーマルより長いパーツに交換することで、てこの原理によりクラッチ操作が軽くなります。(写真は社外品のロングクラッチアーム)

ちなみにハーレー(スポーツスター)の場合はこのようなパーツを付け替えます。

キジマ (kijima) バイク バイクパーツライトクラッチキット 94Y-18Y スポーツスター用 HD-04485

一見全然違うパーツに見えますが、こちらもレバー比を変えることでクラッチを軽くするパーツ(ハーレー専用)ということで、原理は同じです。

ただ、この方式は確実にクラッチが軽くなるものの、クラッチを切るためにレバーを握る幅が広くなります。その結果、車種によってはクラッチが切れにくくなったり、つながりにくくなったりしてフィーリングが悪くなる場合があり、クラッチの遊び調整が非常にシビアになったりします。(ハーレー スポーツスターもそういう車種です。)

では、我がKTM 890 Dukeの場合はどうなのか。Duke用のロングクラッチアームは数社から出ているようですが、果たしてフィーリングは悪化したりしないのでしょうか。

オレンジミーティングでオススメされる

そんなことを考えていたとき、KTMオーナー有志によるオーナーズミーティング「オレンジミーティング」に参加したところ、実際にロングクラッチアームを装着しているオーナーの話を聞くことが出来ました。

その方曰く「かなりレバー操作が軽くなり、特にネガもない。もっと早くから交換しておけばよかった」とのこと。

この話を聞いて、俄然ロングクラッチアームに興味がわいてきました。

似たような製品がたくさん。一体どれを選べばよいか?

KTM Duke890用のクラッチアームは、いくつかのメーカーから販売されています。そのなかでも高品質でよく選ばれているのがキャメルの製品です。

BONSAIMOTOボンサイモト【CAMEL】1フィンガークラッチ790DUKE890DUKE790Adventure890AdventureNorden901KTMKTMKTMKTMKTMKTMKTMKTMHUSQVARNAハスクバーナ

価格:14300円
(2024/3/3 23:52時点)
感想(0件)

僕の通うKTMディーラーも、「ウチで取り付ける場合はキャメルを取り付ける」と言ってました。ところが、このキャメル製のクラッチアーム。値段が高いのがネックです。

一方、amazonでKTM890用のクラッチアームを検索してみると、他メーカーのクラッチアームがいろいろ紹介されています。中には中華製と思われるものも沢山あります。そして、そのいずれもが非常に(異常に?)安いのです。

790 Duke 790 Adventure R ADV 2018-2021用 フィンガークラッチレバー クラッチアーム KTM 890 Duke 890 DUKE890 Adventure R 2020 2021用 XaoYgg (Color : Orange)

ワンフィンガークラッチレバーキット アルミ合金プルクラッチアクチュエーターアームレバー 790 Adventure R 2018-2023用 (黒)

ただ、あまりに安いものは精度や強度が不安です。前述のDukeオーナー曰く

「”格安パーツを使って折れた”という話も聞いたことがあるので、あまり安いものは不安。ちょうど1万円位の製品があったのでそれにした」

と言ってました。

こんなパーツが折れたりするのか?とも思いますが、なにしろ、キャメル製が14,300円もするのに対し、安いものはなんと2,000円以下だったりします。さすがにここまで安いと不安になります。(笑)

ただ、高いほど良い製品とも限りません。

ここは素直にキャメルを買おうかとも思ったのですが・・・

いろいろ探した結果、僕はこの製品を購入することにしました。

AltRiderアルトライダークラッチアームエクステンション790Adventure790AdventureR890Adventure890AdventureRNorden901KTMKTMKTMKTMKTMKTMKTMKTMHUSQVARNAハスクバーナ

価格:12100円
(2024/3/4 16:21時点)
感想(0件)

理由は4つ。

①ちゃんとした(?)メーカー製。

これはALT RIDER(アルトライダー)製。 AltRiderはアメリカ・シアトルを拠点に、アドベンチャー・ツーリング・バイク用のアクセサリーやギアを設計・製造している会社だそうです。(知らんけど)

②材質が明記されている。(アーム:6061 T6 アルミニウム合金、ケーブルホルダ:ステンレス)

6061というアルミ合金名が書かれている製品は他にもあるが、「T6」という熱処理方法まで記載されている商品は他に見当たらず。(6061は熱処理することで強度が上がる)

安い製品は「飛行機用アルミニウム合金」なんて書いてあったりする。(笑)

③クラッチアームとケーブルホルダーの接続が「ピン+割りピン」の構成。

AltRiderアルトライダークラッチアームエクステンション790Adventure790AdventureR890Adventure890AdventureRNorden901KTMKTMKTMKTMKTMKTMKTMKTMHUSQVARNAハスクバーナ

これはキャメルも同じ構成。

他の製品は「ピン+Oリング+スナップリング」の構成だったり(Oリングがフリクションになりそう)、「ボルト&ナット」だったり(ちょっと不安)します。

④キャメルよりちょっと安い

ちょっとですけどね。(笑)

*****

ただし、一つ問題が。

この製品、適合車種は

適合車種:790 Adventure/Adventure R /890 Adventure/Adventure R
となっていて、我がDuke890は記載がありません。(キャメルはDuke890対応が明記されています。)

販売元のWebikeさんにメールで問い合わせたところ、「メーカーにて適合未確認のため、非適合となります」との回答をいただきました。

うーん。どうしよう。

でも890 Adventureとはエンジンが同じだし、キャメルと形状も変わらないしなあ・・・

ということで、ここは自己責任で購入することにしました。

交換作業は簡単・・・なのですが、不器用なもので。

というわけで、早速(ホントは寒いので2か月ほど放置してた。w)交換作業を行います。

AltRiderの製品ページには、丁寧な取り付け動画もアップされているのですが、残念ながら英語なのと、取り付けている人の手が邪魔で、作業しているところがあまり写っていない、という少々残念な動画です。

よって以下作業手順は自己流です。(参考にされる場合は自己責任でお願いします。)

クラッチケーブルロックナット

まずクラッチレバー側の遊び調整ネジで、ワイヤーのあそびを最大にします。ロックナットを回して緩めます。(赤矢印の方向へ進む)

ケーブルアジャスター

続いてアジャスターを回します。アジャスターがレバー側へ近づくほどクラッチワイヤーのあそびが大きくなります。

かなりあそびが大きくなりました。

この状態でクラッチアームを反時計回り方向に押してやると、クラッチケーブルがケーブルホルダーから外れます。もし外れなければエンジン側でもクラッチケーブルのあそびを調整します(後述)。

ケーブルホルダーはこのように切り欠きがあり、ケーブル先端のタイコを引っ掛けているだけなので、ケーブルのあそびを大きくして横にずらせば簡単に外れます。

続いて、ワイヤーホルダーからケーブルを外すため、ゴムカバーと(エンジン側の)ナットを外します。ゴムカバーは力づくで外します。w

エンジン側のナットを反時計回りに回す(レンチを手前に倒す)と緩みます。

使用するのは12mmのオープンレンチです。周りが狭いので、なるべく短いレンチの方が作業しやすいです。

上手くケーブルを抜けなかったので、ホースガイドごと外すことにしました。トルクスレンチで外しますが、工具の掛かりが浅いので、ナメそうで怖いです。浸透潤滑剤を吹いて、しばらく待ってから緩めます。

緩まないネジにはラスペネ!

使ったのはT30サイズのトルクスレンチ(星形のやつ)。ホントはソケットレンチ+T字レンチなどで上からしっかり押しながら回したいところですが、ボルトの上にフレームが合って邪魔なのでL字レンチを使いました。

トルクスは手持ちのL字レンチを使いましたが、今もっているトルクスレンチは間に合わせで買った安物なので、精度がちょっと不安。

ちなみにヘックス(六角レンチ)はシグネット製を使っています。

安くて高品質、コスパ抜群のシグネット。KTMはトルクスネジが多いし、買い直そうかなあ。

シグネット 9PC ロング ヘックスローブレンチセット 35225

なんとかナメずにホースガイドを外せました。

クラッチアームもT30のトルクスで外します。

外したノーマルパーツです。

アルトライダーのクラッチアームエクステンション。ラベルには取り付け方法を説明するホームページにリンクしていると思われるQRコードが示されているのですが、ラベルの貼り方が雑でしわしわになっていて、QRコードが読めませんでした。なんだかなあ~。

こちらが構成パーツ一。アルトライダーの「A」のロゴマークが特徴的。目立たないようにブラックを選びましたが、表面はザラっとした質感です。アルマイト処理のはずですが、粉体塗装みたいに見えます。ケーブルを繋ぐ穴は3つあり、一番根元の穴はノーマルと同じ位置。真ん中はノーマル比-15%、先端はノーマル比-33%軽くなる設定です。

ボルトはノーマルを流用します。ネジロック剤がついていたので真鍮ブラシでこすり、パーツクリーナーできれいにします。熱の加わる部分なので、アンチシーズグリスを塗って組み付けました。

意外にも苦労したのが割りピンの処理。この割りピン、非常に小さいうえにステンレス製でとっても硬く、なかなか曲がりません。しかもピンがクルクル回るので、一方の足を抑えつつ、もう一方の足を掴んで曲げるためにラジオペンチが二本必要。家には一本しかなく、仕方がないのでウォーターポンププライヤーで押さえようとしたのですが、ピンが小さいのでめちゃくちゃ難しかったです。

ひとまず仮組みした状態。押すとケーブルが引っ込むので、外したゴムカバーを嵌めるのに一苦労。ピンはもっとも軽くなるレバー先端に挿しました。ここから調整していくので、各部のネジは仮止めです。

調整。まずはクラッチアームを固定します。クラッチケーブルを引いた時、クラッチが切れ始める直前まであそびを取った状態でアームを固定します。マイナスドライバーで軸を反時計回りに回しつつ、アームをトルクスねじで締め付けます。

アームが自由に動くよう、根元のトルクスねじを緩めた状態で、トルクスレンチを黄色の矢印の方向に押しつけ、アームを時計回りに回します。そしてトルクスレンチを押し付けた状態のまま、アームの軸をマイナスドライバーで反時計回りに回します(オレンジの矢印)。手ごたえを感じるところ(1/4回転ほど)まで軸を回し、その状態で保持したまま、根元のトルクスねじを締めてクラッチアームを固定します。(こうしないと遊びでレバーを引ききれず、クラッチが切れなくなります。)

次いで、ケーブルがクラッチアームに対して垂直になるよう、ホースガイドの向きを調整します。この製品はケーブルサポートの片側が長穴になっていて、角度を変えられるようになっています(黄色い矢印)。これを調整して、ケーブルが出来るだけ直線になるようにします。

最後にケーブルのあそびを調整します。エンジン側調整ナットを手前に回して緩めておき、レバー側の調整ナットを手前に回すと(B広がりAが狭まる)遊びが少なくなります。逆にAを広げ、Bを狭くすると遊びが増えます。

最後にハンドル側であそびを調整(微調整)し、ロックナットを締め込めば終了です。

遊び調整はエンジン側で大まかに調整した後、ハンドル側で微調整して終了です・・・なんて書くといかにもスムーズに調整出来たようですが、実際はホースガイドの角度を変えると遊び量も変わってくるし、調整ナットを回しているうちに、どっち向きで回せばいいか分からなくなってくるしで、何度も何度もやり直して、ようやくそれっぽい感じに調整することが出来ました。(不器用なもんで。)

調整が済んだら、エンジンを掛け、クラッチを切った状態でギアを1速に入れます。もしこれで前へ進もうとしたら、クラッチが完全に切れていない証拠。再度調整が必要です。

OKだったら、次いでクラッチをゆっく離し、半クラッチでのつながり具合を確認します。これで違和感なくクラッチをつなげられたら完成です。

完成。試乗は翌日

というわけで、簡単なはずの交換作業を苦労してようやく終えることが出来ました。早速試乗・・・といきたかったのですが、ここで時間切れ。

試乗は翌日にあらためてすることにしました。

果たして、クラッチアーム交換の効果はどうだったか・・・(そんなあっさりは終わらないんだなあ、これが。w)

次回へ続きます。

クラッチを軽くしたい。KTM 890DUKEクラッチアーム交換(2)

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする