DUKE890のクラッチが重い?
前の愛車、ハーレースポーツスターはものすごくクラッチが重かったので、今の愛車、KEM Duke890に乗り換えたときは、その軽さに感動しました。
ところが慣れてくると、もっと軽くならないかな、と思うようになりました。決して重いということは無いのですが、指二本で軽く引ける、というほどは軽くなく、市街地や渋滞路一日走ると、結構左手が辛くなるからです。
「Ready to Race」というキャッチフレーズのKTMですが、軽い車体、楽なポジション、スムーズなエンジン特性は意外にもツーリングが快適。それだけにクラッチが軽くなれば更にツーリングマシンとしての魅力が増すのになあ、と思っていました。
ロングクラッチアームってどうなの?
クラッチを軽くする方法はいくつかありますが、ケーブル式のクラッチの場合、クラッチアーム(クラッチレリーズ)という部品の長さを変えることでレバー比を変えて軽くする方法が一般的です。
ちなみにハーレー(スポーツスター)の場合はこのようなパーツを付け替えます。
一見全然違うパーツに見えますが、こちらもレバー比を変えることでクラッチを軽くするパーツ(ハーレー専用)ということで、原理は同じです。
ただ、この方式は確実にクラッチが軽くなるものの、クラッチを切るためにレバーを握る幅が広くなります。その結果、車種によってはクラッチが切れにくくなったり、つながりにくくなったりしてフィーリングが悪くなる場合があり、クラッチの遊び調整が非常にシビアになったりします。(ハーレー スポーツスターもそういう車種です。)
では、我がKTM 890 Dukeの場合はどうなのか。Duke用のロングクラッチアームは数社から出ているようですが、果たしてフィーリングは悪化したりしないのでしょうか。
オレンジミーティングでオススメされる
そんなことを考えていたとき、KTMオーナー有志によるオーナーズミーティング「オレンジミーティング」に参加したところ、実際にロングクラッチアームを装着しているオーナーの話を聞くことが出来ました。
その方曰く「かなりレバー操作が軽くなり、特にネガもない。もっと早くから交換しておけばよかった」とのこと。
この話を聞いて、俄然ロングクラッチアームに興味がわいてきました。
似たような製品がたくさん。一体どれを選べばよいか?
KTM Duke890用のクラッチアームは、いくつかのメーカーから販売されています。そのなかでも高品質でよく選ばれているのがキャメルの製品です。
価格:14300円 |
僕の通うKTMディーラーも、「ウチで取り付ける場合はキャメルを取り付ける」と言ってました。ところが、このキャメル製のクラッチアーム。値段が高いのがネックです。
一方、amazonでKTM890用のクラッチアームを検索してみると、他メーカーのクラッチアームがいろいろ紹介されています。中には中華製と思われるものも沢山あります。そして、そのいずれもが非常に(異常に?)安いのです。
ただ、あまりに安いものは精度や強度が不安です。前述のDukeオーナー曰く
「”格安パーツを使って折れた”という話も聞いたことがあるので、あまり安いものは不安。ちょうど1万円位の製品があったのでそれにした」
と言ってました。
こんなパーツが折れたりするのか?とも思いますが、なにしろ、キャメル製が14,300円もするのに対し、安いものはなんと2,000円以下だったりします。さすがにここまで安いと不安になります。(笑)
ただ、高いほど良い製品とも限りません。
ここは素直にキャメルを買おうかとも思ったのですが・・・
いろいろ探した結果、僕はこの製品を購入することにしました。
価格:12100円 |
理由は4つ。
①ちゃんとした(?)メーカー製。
これはALT RIDER(アルトライダー)製。 AltRiderはアメリカ・シアトルを拠点に、アドベンチャー・ツーリング・バイク用のアクセサリーやギアを設計・製造している会社だそうです。(知らんけど)
②材質が明記されている。(アーム:6061 T6 アルミニウム合金、ケーブルホルダ:ステンレス)
6061というアルミ合金名が書かれている製品は他にもあるが、「T6」という熱処理方法まで記載されている商品は他に見当たらず。(6061は熱処理することで強度が上がる)
安い製品は「飛行機用アルミニウム合金」なんて書いてあったりする。(笑)
③クラッチアームとケーブルホルダーの接続が「ピン+割りピン」の構成。
これはキャメルも同じ構成。
他の製品は「ピン+Oリング+スナップリング」の構成だったり(Oリングがフリクションになりそう)、「ボルト&ナット」だったり(ちょっと不安)します。
④キャメルよりちょっと安い
ちょっとですけどね。(笑)
*****
ただし、一つ問題が。
この製品、適合車種は
販売元のWebikeさんにメールで問い合わせたところ、「メーカーにて適合未確認のため、非適合となります」との回答をいただきました。
うーん。どうしよう。
でも890 Adventureとはエンジンが同じだし、キャメルと形状も変わらないしなあ・・・
ということで、ここは自己責任で購入することにしました。
交換作業は簡単・・・なのですが、不器用なもので。
というわけで、早速(ホントは寒いので2か月ほど放置してた。w)交換作業を行います。
AltRiderの製品ページには、丁寧な取り付け動画もアップされているのですが、残念ながら英語なのと、取り付けている人の手が邪魔で、作業しているところがあまり写っていない、という少々残念な動画です。
よって以下作業手順は自己流です。(参考にされる場合は自己責任でお願いします。)
緩まないネジにはラスペネ!
トルクスは手持ちのL字レンチを使いましたが、今もっているトルクスレンチは間に合わせで買った安物なので、精度がちょっと不安。
ちなみにヘックス(六角レンチ)はシグネット製を使っています。
安くて高品質、コスパ抜群のシグネット。KTMはトルクスネジが多いし、買い直そうかなあ。
遊び調整はエンジン側で大まかに調整した後、ハンドル側で微調整して終了です・・・なんて書くといかにもスムーズに調整出来たようですが、実際はホースガイドの角度を変えると遊び量も変わってくるし、調整ナットを回しているうちに、どっち向きで回せばいいか分からなくなってくるしで、何度も何度もやり直して、ようやくそれっぽい感じに調整することが出来ました。(不器用なもんで。)
調整が済んだら、エンジンを掛け、クラッチを切った状態でギアを1速に入れます。もしこれで前へ進もうとしたら、クラッチが完全に切れていない証拠。再度調整が必要です。
OKだったら、次いでクラッチをゆっく離し、半クラッチでのつながり具合を確認します。これで違和感なくクラッチをつなげられたら完成です。
完成。試乗は翌日
というわけで、簡単なはずの交換作業を苦労してようやく終えることが出来ました。早速試乗・・・といきたかったのですが、ここで時間切れ。
試乗は翌日にあらためてすることにしました。
果たして、クラッチアーム交換の効果はどうだったか・・・(そんなあっさりは終わらないんだなあ、これが。w)
次回へ続きます。