クラッチ軽量化の効果を確かめにショートツーリングへ
クラッチの重さが気になり、クラッチアームを交換した我が愛車 KTM 890Duke。
価格:12100円 |
取り付けた翌日に、早速試走を兼ねてショートツーリングに出かけました。
向かう先は横須賀本港。お気に入りのツーリングスポットです。
クラッチを確かめるためなので、あえて高速は使わず、下道をトコトコと走ります。(まあ、高速代ケチって、いつも下道を走るんですが。w)
シフトの軽さに驚く
朝9時。気温は5℃。かなり寒いですが、日中は14℃まで上がる予報です。
バイクの横に立ったまま、エンジンスタート。軽くなったクラッチを握り、シフトを1速へ。
クラッチワイヤーのあそびが少なすぎると、レバーを握ってもクラッチが完全には切れず、バイクが前へ進もうとしたりするのですが、そんな感じはありません。
ここまでは前日も確認済み。
バイクに跨るため、いったんギアをニュートラルへ。ここでちょっとびっくり。シフトレバーがいままで経験したことがないくらい、”ヌルっ”という感じでスムーズに動き、簡単にニュートラルが出ました。
我が愛車はちょっとシフトの動きが渋く、ニュートラルを出す時や、1速→2速へのシフトチェンジが重かったりするのですが、今日は気持ち悪いぐらい気持ちよく(?)シフトが動きます。なんだこれ?
ひょっとするといままではクラッチが完全には切りきれておらず、油温が低い時はごくわずかにクラッチを引きずっていたのかもしれません。
クラッチが軽いが遠い
クラッチミートしてスタート。確かにクラッチが軽くなっているのを感じます。それは良いのですが、クラッチが遠い。ほとんど指が伸びきったあたりでクラッチミートします。(ちなみに僕はかなり指が短いです。)
こりゃあ遠いなあ、と思いましたが問題ありません。Dukeにはレバー位置の調整機能がついているからです。
これをちょいちょいっと動かしてレバーを手前に・・・ん?あれ?
なんと既に一番近いところに調整されていました。どんなけ指短いねん。オレ。
仕方がないのでレバーのあそびで調整。あそびを大きくすればクラッチミートのポイントは手前にきます。ちょこっと走っては止まり、調整してまた走り・・・
まあ、こんなもんかなあ、と思うところまで調整出来ました。
ただ、なんとなくしっくりきません。
クラッチミートするレバーの位置が遠いのは、まあいいとしても、これ、本当にちゃんとクラッチがつながっているんだろうか?という気がしてきました。
クラッチが滑ってる?滑ってない??
クラッチレバーが遠いときや近すぎる時は、レバーのあそびで調整する・・・なんてよく書かれていたりしますが、それはあくまで適正範囲内でのこと。
クラッチの遊び調整は、あそびが多すぎるとレバーを目一杯握ってもクラッチが完全には切れず、引きずってしまいます。逆にあそびが少なすぎると、レバーを離してもクラッチが完全にはつながらず、クラッチが滑ってしまったり、最悪はクラッチが焼けてしまったりします。
普通はそこまでシビアなものではないのですが、今回のようにクラッチアームを長いものに換えたりすると、半クラの範囲が広くなり、切れにくくつながりにくいクラッチになります。
ロングクラッチアームの商品ページには「フリクションゾーン(=半クラ)が広がり、コントローラブルになる」と、メリットかのように書かれていたりしますが、広すぎる半クラは大きくレバーを握らないとクラッチが切れず、かえって使いづらかったり、あそびの調整がシビアだったりするのです。
***
クラッチが完全に切れているかどうかは、先述の通り、クラッチを握った状態で1速に入れたとき、前に進もうとするか否かで容易に判断がつきます。
ところが、クラッチが完全につながっているかどうかは、なかなか判別がつきません。
完全に半クラ状態なら感覚的にも分かると思いますが、わずかに滑っている、高回転の時だけ滑る、といった状態だと、なかなか実走で判断するのは難しいと思います。
疑い始めると、なんかどうにもクラッチが滑っているように思えてきて、気になって仕方がありません。ちゃんとつながっているかどうか、スタートダッシュでアクセルを大きく開いて急加速してみたり、逆にシフトダウンで急にクラッチを繋いでみたりもしましたが、どうにもよくわかりません。
前はもっとアクセルにリニアに加速したような気がするんだけどなあ・・・なんて思い始めると、どうにも加速が鈍いような気がして仕方ありません。
たしかにクラッチは軽くなっているんだけれど、あまりにもフィーリングが変わってしまい、半クラの範囲が広すぎて、異常なのか正常なのかが分からなくなってきました。
うーん。このまま使い続けて大丈夫なんだろうか?クラッチ板が焼けたりしないよなあ。
どうにもスッキリしないのでした。
軍艦と潜水艦と横須賀海軍カレー
帰路、やはり違和感が拭えず・・・
なんとか無事横須賀に到着し、昼飯を食べ、早々に帰路へ。
さすがにこのころには新しいクラッチにも慣れ、あまり違和感を感じなくなってきました。
とにかく軽いクラッチは快適です。
以前スポーツスターに乗っていたころは、横須賀まで下道で来ると、左手がどうにもこうにも痛くてしょうがなくなったものですが、今日はまったく問題ありません。
やっぱりこれでいいんだよな。気にしすぎ気にしすぎ・・・と自分を納得させようと思ったのですが、やっぱり違和感がぬぐえません。
信号からのスタートで加速中、クラッチをほんの1~2cmほど引いただけで、エンジンが ”ウォーン!”と吹けあがります。
これ、やっぱりおかしいよなあ。
とにかくこのままでは安心して乗れない、とあらためて思いました。
穴位置を変えてみる
やっぱりやり直そう。
とはいえ、ノーマルに戻すのはさすがに気乗りしません。
そこで、穴位置を変えることにしました。
前回書いた通り、このクラッチアームにはケーブルを繋ぐ穴が3か所あり、
一番先端がノーマル比▲33%
真ん中の穴はノーマル比で▲15%
一番根元の穴はノーマルと同じ。
という比率で軽くなります。
たった15%じゃ、ノーマルとの違いなんか感じられないんじゃないか?とも思いましたが、ものは試し。せっかく調整機構があるのだから、使って確かめてみない手はありません。
というわけで。穴位置を変えて組み直してみました。
結果的にケーブルとアームの角度がほぼ90度になり、先端の穴よりこちらの方が力の伝達ロスが少なそうに見えます。
さてどうなりますか。
早速試乗してみます。
程よく軽く、違和感のないクラッチフィールに
エンジンをかけ、クラッチミートしてスタート。
そうそう、これこれ!
短いレバーストロークでクラッチがつながり、半クラッチにも違和感がありません。
引きシロが大きく、軽いものの手ごたえがなかったクラッチが、ちょうどよい節度をもってクラッチがつながり、スムーズにギアチェンジできるよになりました。
その分、クラッチの重さはノーマルと大差がなくなりましたが、とはいえ効果を感じられないかと言えばそんなことはなく、確実に軽量化されていることを感じられました。
たった15%の軽量化に1万2千円の出費かあ・・・という気もしますが。(笑)
しばらくはこれでいってみようと思います。