荷掛けフックを掛けるところさえ無いロードスター
荷物を積むところがほとんどない我がスポーツスター(XL1200CX ロードスター)。なにしろ車検証すら載せておくスペースがありません。
荷物を積めないだけでなく、リアシートにバッグを乗せようとしても、荷掛コードのフックを掛ける場所すらない始末。
仕方ないので、リアショックの取り付け部分とウインカーのステーに布製のループベルトを巻き付け、そこに荷掛コードのフックを引っ掛けるようにしていました。
ただ、後ろ側のウインカーステーはともかく、リアショックの付け根部分はわずかながらも動く”可動部”であり、そこに布ベルトを巻き付けるのは、ちょっと問題というか、いずれ切れてしまうんじゃないか、という危惧がありました。
もちろんこれは一時的な間に合わせで、いずれちゃんとした荷掛ボルトをとりつけ、フックを引っ掛けられるようにするつもりでした。
ところが、この状態使い続けて早4年。特に問題もなかったので、ついそのまま使い続けてしまっていました。
けれどさすがにちょっと布ベルトにほころびが見られるようになり、いずれ切れてもおかしくない状態に。
リアショックのボルトを交換するに必要なジャッキも購入したことですし、というわけで、ようやく重い腰を持ち上げることにしました。
リアショック用の荷掛ボルトは2017年式に適合するのか?
そこで今回、リアショックの取り付けボルトを、某有名メーカーの「荷掛けフック付きボルト」に交換することしました。
このロードスターを買った当初から、いずれこの荷掛ボルトに交換することは決めていたのですが、いままで踏ん切りがつかなかったのは、わがスポーツスターの年式への適合が不明だったから。
僕のロードスターは17年式(買ったのは16年秋なんですが)なのですが、どの通販サイトでこの「荷掛ボルト」の対応年式を調べてみても、「XL 2000年式以降」とだけ書かれていたり、「スポーツスター 00-15y」と書かれていたり。2017年式に適合すると書かれてるサイトは見つかりませんでした。
スポーツスターシリーズは2016年式からサスペンションが変わっているので、適合が2015年モデルまでだとしても不思議ではありません。
さてどうしたものか。
こうなったら直接メーカーに聞くしかありません。というわけで意を決し、メーカーのホームページから質問メールを送ってみることにしました。
返信を待つことわずかに2日。製造メーカーさまから返信がとどきました。
曰く、
弊社にて2016年XL883Nにて取り付け確認を行い、問題な
2017年XL1200CXにつきましても、使用されているボル
使用可能となります。
リアショック用の荷掛ボルトを購入
翌々日には商品が届きました。
届いたボルトのパッケージには『00-15yまでのスポーツスターに適合』と書かれています。おそらく2015年時点のパッケージで、その後更新されていないのでしょう。各社WEBショップのHPで「00年~2015年式対応」となっているのはこのせいだと思われます。
サイズは「1/2-13×2-1/4インチ」。ハーレーのボルトは基本インチサイズなのですが、このサイズ表記が非常にわかりづらいです。
いったいどこで区切れるのやら・・・。
取り付けに必要な工具は・・・
さあ、では早速取り付けましょう。
こういう重要な個所のボルトこそトルク管理が大事!
先日復活させたトルクレンチ(デジラチェ)の出番です!!
・・・ちょっとまて。これ、ソケットレンチ使えないじゃん。
ということは、トルクレンチが使えません。
仕方ない。今回も「手ルクレンチ」で締めることにしましょう。
この形状ですから、使える工具はスパナかメガネレンチ、もしくはモンキーレンチとなります。
力のかかるところだし、出来ればメガネレンチを使いたいところ。
こんなサイズのメガネレンチなんて持ってたっけ?? これ何mmなんだ??
モンキーレンチの目盛りで測ってみたところ、約19mmでした。
「19ミリ、19ミリ・・・、あ、有った!19mm!」
いつ買ったのかわかりませんが、工具箱の片隅に19mmのメガネレンチがありました。
よかった、わざわざ買わなくて済みます。
どれどれ、と差し込んでみると、なぜか不思議なことに、ボルトの向きによってメガネにはまったり、はまらなかったりします。
どういうこと??ボルトの精度が悪いの?それとも工具の方??
ちなみに工具はKTC製です。高級品とは言わなくとも一級品です。
ああ、このボルト黒く塗装してあるから、寸法が多少違っちゃってるんだなあ~
なんて思いながら抜き差ししていると、
あ、あれ? ぬ、抜けない・・・
ボルトがメガネから抜けなくなってしまいました。
おい、どうすんだよこれ。
いくら引っ張っても一向にボルトが抜けません(涙)
仕方ないので、ハンマーでボルトの頭をガツン!と叩いてやると、ようやくポロっと取れました。
ふーっ!やばかった・・・
しかし、なんだよお、このボルト。こんなの車体に取り付けた後で抜けなくなったらどうすんだよ・・・
なんて毒づいていたのですが、ここでハッっと気づきました。
もしや・・・
こんどはちゃんとノギスで測ってみます。
19.1mm?
いや、これはインチサイズ。
そう、このボルトは 3/4インチ=19.05mmだったのでした。
そんなサイズのメガネレンチ持ってないよお・・・
仕方ありません。とりあえず今日のところはモンキーレンチでしめることにして、明日でも工具を買いに行くことにしましょう。
いよいよ取り付け作業開始・・したのですが。
気を取り直して作業開始です。
まずはジャッキアップ・・・する前に、あらかじめリアショックの取り付けボルトを少し緩めます。
ジャッキアップした状態で力を加えると危険だからです。
左右ともに少し緩めたら、そこで一旦緩めるのを止めて、ジャッキアップします。
リアサスにバイクの重さが掛かった状態だと、ボルトを抜くことは出来ても、差し込むことが出来なくなります。(バネの反力で穴の位置があわなくなるから。)
なので、スッとボルトが抜ける位置になるよう、ジャッキの高さを調整します。
ボルトが抜けました。
後は荷掛けフックボルトに付け替えるだけ・・・なのですが、、、
ノーマルのボルトと比べてみると・・・
抜いたボルトと荷掛けフックボルトを比べてみます。
ん? なんか短くないか???
上の写真はボルトの座面の位置を揃えておいたところ。みぎの荷掛ボルトの方が、首から下が短いのです。
さらにこのボルトは首下全部がネジになっている『全ネジ』ではなく、一部がネジになっていない『半ネジ』なのですが、そのネジじゃない部分の幅がノーマルボルトより短くなっています。
このノーマルのボルトの「ネジの切られていない部分」(←なんていうのかな?)は、ちょうどリアサス上部のボルトを貫通させる部分の幅とほぼ同寸になっています。
この部分でサスペンションからの力を受け止め、かつサスペンションが滑らかに動くようになっているんですね。
ところが、荷掛ボルトのネジが切られていない部分の幅はノーマルボルトの半分程度しかありません。
そのため、サスペンションに掛かる力の半分くらいは、ネジを切られた部分で受ける必要があります。
しかもボルトの首下が短いので、このボルトのネジはスポーツスターのフレーム軸受け部分の2/3程度までしか入らないのです。
わずかな差なのですが、ここはリアショックに掛かる荷重を全て受け止めるところです。
本当に大丈夫なんだろうか、と疑念が一度頭に浮かぶとなかなか離れません。
ちゃんとしたバイクパーツメーカーさんが「大丈夫」と言っているわけですし、実際にこのパーツを同じロードスターに装着している方がいらっしゃるのも知っています。もちろん不具合が起きたという話は聞いていません。
純正パーツは過剰なほどの安全率を見てパーツ設計をしているでしょうから、それより少しばかり強度面で弱くなる方向だとしても、おそらくまだ十二分な強度があることでしょう。
ただね、場所が場所ですから・・・、う~ん。
楽しく乗るために。
悩んだ挙句、結局ボルト交換を断念することにしました。
このパーツが危険だと言っているわけではありません。
ただ、この先ずっと
”大丈夫・・・だよなあ?”
と一抹の不安を抱えながら乗ることになると、きっと楽しめないだろうな、と思ったからです。(心配性の自分が少々恨めしくもあります。)
まあ、ど素人メカニックのカスタムですから、これぐらい慎重でいいのかもしれません。
” あーあ、これ、取り付けたかったんだけどなあ~。”
そう思いながら、ノーマルのボルトに戻して取り付けました。
というわけで、再度ノーマルボルトを取り付けて、無事(?)作業終了となりました。
あっ!!トルクレンチ使うの忘れた!