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ハーレーのアクセルワイヤーのあそび調整

グリップ交換で緩めたアクセルワイヤーのあそび調整が必要

無事に終えた我がスポーツスター(XL1200CX ロードスター)のグリップ交換。

さあ久々に走り出そう、と言いたいところですが、その前に、一度緩めたアクセルワイヤーの遊びを調整をしなければいけません。

クラッチワイヤーの調整は過去なんどかやっていますが、アクセルワイヤーの調整は初めてです。(以前乗ってた国産バイクでは何度かやってますけどね。)

***

ちなみに、クラッチワイヤーの交換はエンジン側(ダービーカバーの中)とワイヤーの中間にあるアジャスターとの2か所の調整箇所があります。大幅な調整はエンジン側、微調整はアジャスターで行います。(普通はアジャスターのみで調整しますが。)
詳しくはこちらをご覧ください。↓↓↓

クラッチワイヤーのアジャスター

ダービーカバーの中のクラッチワイヤー調整箇所

ハーレーのアクセルワイヤー遊び調整方法

ハーレーのアクセルワイヤーの調整方法といっても、基本的には国産バイクと同じで、ワイヤーケーブルにあるアジャスターを締めたり緩めたりしてアクセルスロットルの遊び調整をおこなうことに変わりはないはず。

でも何か日本車にはない”お作法”があるやもしれません。

そこで、まずは純正のサービスマニュアルを読んでみました。(以下はインジェクション車の場合です。)

ところが、これが分かりづらい。

どうやらエアインテークのバタフライバルブに繋がるアクセルワイヤー用プーリーのところを見ながら調整するようなのですが、パーツの用語がわかりづらい上に、イラストで描かれている図がどうにも理解できません。

ハーレーのサービスマニュアルはかなりのボリュームで、比較的細かく親切に解説がされているのですが、パーツの呼び名が一般的な日本のバイクでの呼び方と違って独自の名称が多く、文章で読んでも何を書いているのかわからないところが多いです。
また、精密なイラストを使って説明している箇所が多く、それは基本的にはいいのですが、逆にイラストだから判りづらい(写真の方が良い)箇所もあります。

ネットの情報もいろいろ調べてみたりしたのですが、いまひとつ分かりやすい情報が見つかりませんでした。

一番わかりやすかったのが「スポーツスター メンテンスファイル」でした。↓↓↓

ハーレー スポーツスター メンテナンス ファイル

もともと安くはない本ですが、ネットオークションなんかではプレミアがついてとんでもない値段になってますね。そこまでの本じゃない気もしますが・・・・

その他、サービスマニュアルやWeb上のブログ記事なんかを参考にトライしてみることにします。

注意!アクセルワイヤーの調整は決して難しくはありませんが、正しく調整しないと、エンジンが吹け上がったまま回転を落とせなくなったり、勝手に吹け上がったりすることがあり、重大事故に繋がります。自信がない方は素直にバイク屋さんに任せることをお勧めします。※当サイトを参考に作業された結果について当方は責任を負えません。自己責任でお願いします。

二本のアクセルワイヤーの調整方法

先ずは結論(?)。

ハーレーのアクセルワイヤーは

・引き側(前側)=スロットルケーブル

・戻し側(後ろ側)=アイドルケーブル

の2本で構成されています。

それぞれの調整は、、、

引き側:バタフライバルブが全開になるように調整

戻し側:

 1.アクセルを戻したら、瞬時にバタフライバルブが「全閉」になるように調整

 2.アクセル引き始めの ”あそび” が最小になるように調整

 3.ハンドルを左右に切ってもエンジンが吹け上がらないように調整

というのが調整方法になります。

① アジャスターの位置を測っておく

まず、アクセルワイヤーを外す前に、アジャスターナットの位置を測っておきます。

ワイヤーの取り回しや、今回のようにスロットルスリーブを交換したりすると、もともとのアジャスターの位置と同じにするのが正解とは限りませんが、迷った時の調整目安にはなるので、念のため測っておきます。

ワイヤーのアジャスターを覆っていゴムカバーをずらし、アジャスターの位置を測ります。ノギスを使って測っていますが、測る位置やノギスの当て方でズレるのであくまで目安です。それに元の位置に戻すのが必ずしも正解とは限りません。

②フリクションスクリューを緩める

二本のアクセルワイヤーの付け根についている謎のスクリュー=フリクションスクリューを緩めます(普通は緩んでいるはずですが念のため。)。ただし、緩めすぎると脱落するので注意が必要です。

このスクリューは締めこむとアクセルが固定される仕組みになっているのですが、そもそも何のために今もこんなものがあるのか。ハーレー独自の「謎」パーツです。

簡易的なオートクルーズコントロール(本気か?)だとか、暖機運転の時にアクセルを開けたまま固定するためだとかの説明を読んだことがありますが、キャブレターならともかくインジェクション車になぜ残ってるの?と思います。どうも納得いく説明を見たことがありません。
フリクションスクリュー

フリクションスクリュー。

③ エアクリーナーを外す

サービスマニュアルでは、バタフライバルブ側のケーブルの動きを見ながらアクセルワイヤーを調整するように書かれているのですが、アクセルワイヤーがつながっているところを見ようとすると、エアクリーナーをベースの部分まで全部外さなければならず、かなり面倒です。

それにどうもサービスマニュアルの説明はわかりづらい。

なので今回はエアクリーナーのフィルターだけを外し、実際にバタフライバルブの動き方を見ながらアクセルワイヤー調整する方法を試してみます。

エアクリーナーの外し方はこちら↓↓↓

「純正」エアクリーナーフィルターを交換したつもりが・・・

ちなみにこれは以前エアクリーナーのフィルターを交換したときの画像。めちゃめちゃ汚れてますね。汗

バタフライバルブ

これでバタフライバルブが目視できます。Vツインのハーレーならではですね。

④バタフライバルブが全開になるようにスロットルケーブルを調整する

まずは引き側(スロットルケーブル)を調整します。

アジャスターのゴムカバーをずらし、ロックナットを緩めてからアジャスターナットを回して調整します。

バタフライバルブを見ながらアクセルを開き、バタフライバルブがちゃんと全開になるようにアジャスターを調整します。

※念のため書きますがエンジンは切ったままです。

バタフライバルブが全開になった状態。

この状態だとまだ全開になっていないですよね。引き側のあそびが大きすぎるとこうまります。

実際のバタフライバルブの動きがこちら。アクセルを開けてもバタフライバルブが全開になっていません。↓↓↓

引き側のワイヤーアジャスターを締めこんでいくと、バタフライバルブが全開になるようになります。アクセルワイヤーがストッパーに当たって「カチッ」と音がするようになるまでアジャスターを締めこみます。

下の動画の状態だと、まだちょっと開き具合が甘い感じですね。(この後さらに調整しました。)↓↓↓

調整が終わったらいったんスロットルケーブルのロックナットを締めてアジャスターを固定します。

⑤ アイドルケーブルで ”あそび” を調整する

今度は戻し側=アイドルケーブルを調整します。

調整方法は引き側と同じ。ロックナットを緩めてアジャスターを回して調整します。

⑤ー1

まず一番重要なのは、アクセルを戻したとき(手を離したとき)に瞬時にバタフライバルブが全閉になるようにすること。アジャスターを締めこむ(”あそび” が少なくなる)と全閉にならなくなるので、アクセルを戻した瞬間に全閉になるところまでアジャスターを緩めて調整します。↓↓↓

⑤ー2

続いて、アクセルの ”あそび” を調整します。” あそび” と言っているのは、アクセルスロットを回してから、ワイヤーが引っ張られるまでのガタ?の事を言います。

ハーレーは ”あそび” が無い(出来るだけ少ない)状態にするのが基本らしいのですが、遊びが少なくなりすぎるとバタフライバルブが全閉にならなくなったり、ハンドルを切るだけでアクセルが開いてしまったりするので、そうならない範囲で ”あそび” を調整します。

↓↓↓

⑤ー3

最後にハンドルを左右に切って ”あそび” を確認します。我が愛車の場合、ハンドルを右に切った状態が一番 ”あそび” が小さくなるので、この状態でもアクセルが開いたり、バタフライバルブが全閉にならなくなったりしないように戻し側のケーブルアジャスターを調整します。

※僕の愛車の場合はハンドルを右に切った状態が一番 ”あそび” が少なくなりましたが、ワイヤーの取り回しによっては逆になる可能性もあるかもしれません。必ず左右両方にハンドルを切って確認してください。

⑤ー1、⑤ー2、⑤ー3を繰り返して、問題のない位置に調整していきます。

特に⑤ー1と⑤ー3が重要。ちゃんとアクセル全閉にならないとスピードが落とせず危険ですし、ハンドルを切っただけでエンジンが吹けてしまうとコーナーで飛び出したり、Uターンで吹っ飛んだりします。(おそろしい・・・)

問題なければ戻し側のロックナットを締めます。

⑥エンジンを掛けて確認する

ここまではエンジンを切って調整します。

全ての調整が終わったら、エンジンを掛けて確認します。

アイドリングでエンジンが勝手に吹け上がらないか(暖気終了後の話。)。
エンジン全閉でちゃんと回転が落ちるか(アクセルを話すと瞬時に回転が落ちるか)。
アクセルの ”あそび” は適切か。過大でないか。アクセルが異常に重かったりしないか。
ハンドルを左右一杯まで切ってもエンジンの回転が勝手に上がったりしないか。

念には念を入れて確認を。

ただし、「全開確認」はやらないように。(笑)

もし問題や違和感があれば素直にバイク屋さんに連絡しましょう。間違っても乗っていかないように。
最後にロックナットがちゃんと閉まっているかを再度確認し、アジャスターにシリコングリスを塗って(錆防止)元通りゴムカバーを掛けて終了です。

ご参考まで・・・

後日ネットをさがしていたら、プロの説明動画があったのでリンクを貼っておきます。
さすがはプロ。エアクリを外すこともなく、ストッパーに当たる音だけで調整するようです。
まあ朝飯前の仕事なんでしょうね。
寺田モータースさんのYouTubeより↓↓↓
https://youtu.be/KA2MgADZgBY
さいしょからコレ貼っとけ!って?・・・それを言っちゃあ身も蓋もございません。悪しからず。

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