グリップ交換で緩めたアクセルワイヤーのあそび調整が必要
無事に終えた我がスポーツスター(XL1200CX ロードスター)のグリップ交換。
さあ久々に走り出そう、と言いたいところですが、その前に、一度緩めたアクセルワイヤーの遊びを調整をしなければいけません。
クラッチワイヤーの調整は過去なんどかやっていますが、アクセルワイヤーの調整は初めてです。(以前乗ってた国産バイクでは何度かやってますけどね。)
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ハーレーのアクセルワイヤー遊び調整方法
ハーレーのアクセルワイヤーの調整方法といっても、基本的には国産バイクと同じで、ワイヤーケーブルにあるアジャスターを締めたり緩めたりしてアクセルスロットルの遊び調整をおこなうことに変わりはないはず。
でも何か日本車にはない”お作法”があるやもしれません。
そこで、まずは純正のサービスマニュアルを読んでみました。(以下はインジェクション車の場合です。)
ところが、これが分かりづらい。
どうやらエアインテークのバタフライバルブに繋がるアクセルワイヤー用プーリーのところを見ながら調整するようなのですが、パーツの用語がわかりづらい上に、イラストで描かれている図がどうにも理解できません。
ネットの情報もいろいろ調べてみたりしたのですが、いまひとつ分かりやすい情報が見つかりませんでした。
その他、サービスマニュアルやWeb上のブログ記事なんかを参考にトライしてみることにします。
二本のアクセルワイヤーの調整方法
先ずは結論(?)。
ハーレーのアクセルワイヤーは
・引き側(前側)=スロットルケーブル
・戻し側(後ろ側)=アイドルケーブル
の2本で構成されています。
それぞれの調整は、、、
引き側:バタフライバルブが全開になるように調整
戻し側:
1.アクセルを戻したら、瞬時にバタフライバルブが「全閉」になるように調整
2.アクセル引き始めの ”あそび” が最小になるように調整
3.ハンドルを左右に切ってもエンジンが吹け上がらないように調整
というのが調整方法になります。
① アジャスターの位置を測っておく
まず、アクセルワイヤーを外す前に、アジャスターナットの位置を測っておきます。
ワイヤーの取り回しや、今回のようにスロットルスリーブを交換したりすると、もともとのアジャスターの位置と同じにするのが正解とは限りませんが、迷った時の調整目安にはなるので、念のため測っておきます。
②フリクションスクリューを緩める
二本のアクセルワイヤーの付け根についている謎のスクリュー=フリクションスクリューを緩めます(普通は緩んでいるはずですが念のため。)。ただし、緩めすぎると脱落するので注意が必要です。
このスクリューは締めこむとアクセルが固定される仕組みになっているのですが、そもそも何のために今もこんなものがあるのか。ハーレー独自の「謎」パーツです。
③ エアクリーナーを外す
サービスマニュアルでは、バタフライバルブ側のケーブルの動きを見ながらアクセルワイヤーを調整するように書かれているのですが、アクセルワイヤーがつながっているところを見ようとすると、エアクリーナーをベースの部分まで全部外さなければならず、かなり面倒です。
それにどうもサービスマニュアルの説明はわかりづらい。
なので今回はエアクリーナーのフィルターだけを外し、実際にバタフライバルブの動き方を見ながらアクセルワイヤー調整する方法を試してみます。
エアクリーナーの外し方はこちら↓↓↓
④バタフライバルブが全開になるようにスロットルケーブルを調整する
まずは引き側(スロットルケーブル)を調整します。
アジャスターのゴムカバーをずらし、ロックナットを緩めてからアジャスターナットを回して調整します。
バタフライバルブを見ながらアクセルを開き、バタフライバルブがちゃんと全開になるようにアジャスターを調整します。
実際のバタフライバルブの動きがこちら。アクセルを開けてもバタフライバルブが全開になっていません。↓↓↓
引き側のワイヤーアジャスターを締めこんでいくと、バタフライバルブが全開になるようになります。アクセルワイヤーがストッパーに当たって「カチッ」と音がするようになるまでアジャスターを締めこみます。
下の動画の状態だと、まだちょっと開き具合が甘い感じですね。(この後さらに調整しました。)↓↓↓
調整が終わったらいったんスロットルケーブルのロックナットを締めてアジャスターを固定します。
⑤ アイドルケーブルで ”あそび” を調整する
今度は戻し側=アイドルケーブルを調整します。
調整方法は引き側と同じ。ロックナットを緩めてアジャスターを回して調整します。
⑤ー1
まず一番重要なのは、アクセルを戻したとき(手を離したとき)に瞬時にバタフライバルブが全閉になるようにすること。アジャスターを締めこむ(”あそび” が少なくなる)と全閉にならなくなるので、アクセルを戻した瞬間に全閉になるところまでアジャスターを緩めて調整します。↓↓↓
⑤ー2
続いて、アクセルの ”あそび” を調整します。” あそび” と言っているのは、アクセルスロットを回してから、ワイヤーが引っ張られるまでのガタ?の事を言います。
ハーレーは ”あそび” が無い(出来るだけ少ない)状態にするのが基本らしいのですが、遊びが少なくなりすぎるとバタフライバルブが全閉にならなくなったり、ハンドルを切るだけでアクセルが開いてしまったりするので、そうならない範囲で ”あそび” を調整します。
↓↓↓
⑤ー3
最後にハンドルを左右に切って ”あそび” を確認します。我が愛車の場合、ハンドルを右に切った状態が一番 ”あそび” が小さくなるので、この状態でもアクセルが開いたり、バタフライバルブが全閉にならなくなったりしないように戻し側のケーブルアジャスターを調整します。
※僕の愛車の場合はハンドルを右に切った状態が一番 ”あそび” が少なくなりましたが、ワイヤーの取り回しによっては逆になる可能性もあるかもしれません。必ず左右両方にハンドルを切って確認してください。
⑤ー1、⑤ー2、⑤ー3を繰り返して、問題のない位置に調整していきます。
特に⑤ー1と⑤ー3が重要。ちゃんとアクセル全閉にならないとスピードが落とせず危険ですし、ハンドルを切っただけでエンジンが吹けてしまうとコーナーで飛び出したり、Uターンで吹っ飛んだりします。(おそろしい・・・)
問題なければ戻し側のロックナットを締めます。
⑥エンジンを掛けて確認する
ここまではエンジンを切って調整します。
全ての調整が終わったら、エンジンを掛けて確認します。
念には念を入れて確認を。
ただし、「全開確認」はやらないように。(笑)