6月。10年に一度の長期休暇をもらい、初めての北海道ツーリングに出かけました。
ライダー歓迎の宿!「民宿 宗谷岬」
宗谷岬をひとしきり堪能した(?)あと、もう少し走ろうかとも思ったのですが、あまりの寒さに負け、そのまま宿に向かうことにしました。
今日の宿は昨日ネットで見つけた民宿。その名も「民宿 宗谷岬」さんです。
場所は宗谷岬から、わずか400m。あるいても5分。バイクなら一瞬です。
宿の入り口は階段を上がったところ(1階?)にあるのですが、道路に面したところにバイク置き場があります。
雨風をしのげるバイク置き場がある、というだけでもわれわれバイク乗りにはうれしい限りなのですが、ここのバイク置き場に入ると少々驚きました。
壁にバイクの絵が描かれ、そこには過去この宿を訪れたライダーたちのサインがびっしり書かれています。
さらにはベンチがあったり、ちょっとした工具が置いてあったりして、簡単なメンテナンスならここで出来るようになっています。
雨降りの日でも、ここならゆっくり荷物をおろしたり、レインウエアを脱いだりできるでしょうし、なんなら汚れた愛車を磨くことも出来るでしょう。
いやあ、ライダーへの愛を感じます。
宿の中へ入ると、とっても感じの良い女将さんがあたたかく出迎えてくれました。
部屋は2階にあって、 ”The 民宿!”という感じ。豪華ではありませんが、清潔感があふれていてなんの問題もありません。
「今日は満室」とのことでしたが、この日は僕が一番乗り。
そこで早速一番風呂を頂くことに。
お風呂は家族風呂を大きくしたような感じ。大人3~4人がゆったり入れる大きさです。
そんな湯船を僕が独り占め。外が寒かっただけに、とっても気持ちよかったです。
美味!初めてのたこしゃぶ
風呂から上がると夕食です。
たぶんコロナ対策だと思うのですが、なんと部屋食。巨大なお盆にのった食事が部屋まで運ばれてきました。
そのボリュームにビックリ!
中でも美味しかったのが、タコのしゃぶしゃぶ。ごく薄くスライスした水ダコを昆布だしににくぐらせていただきます。ポン酢で食べるところが多いらしいのですが、ここはゴマダレでした。
僕は初めていただきましたが、凍った水ダコを薄くスライスしているので食感がやわらかく、見た目はちょっと水っぽいのかな?と思いきや、味もしっかりしていて、ゴマダレともよく合います。いやあこれ、美味しいなあ~。
簡単と言えば簡単な料理なのかもしれませんが、家で適当なタコを包丁で厚く切って食べても、絶対この味にはならないんだろうなあ。
これを食べに来るだけでも、この宿に泊まる価値があると思いました。
(後日、バイク仲間に話したら、偶然にも同じ宿に泊まったことがあるらしく、「あそこのたこしゃぶ、いいでしょ?」と言ってました。)
館内の自動販売機で買ってきたビールをぐびぐび飲みながら、ひとり豪華な北海道の幸を頂きます。なんて贅沢なひとときなんでしょうか。
一人旅の夕食で、家族連れの並ぶ食堂でポツンと一人で飯を食うのはちょっと寂しいものがありますが、部屋食なら関係ありません。
” ひゃ~!うめ~!!” なんて言いながら、ビールをぐびぐび。”ぷはー!”
その日一日の旅を振り返りながら飲むビール。最高!です。
***
食べ終えたら食器を廊下に出し、自分で布団を敷いて寝ころびます。
さて、明日はどこへ行こうか?
・・・と作戦を練るつもりが、この日も一瞬で撃沈してしまいました。
日本最北端のガソリンスタンドで給油すると・・・
翌朝。ぐっすり寝むれ、気持ちよく起きられました。
ボリュームたっぷりの朝飯をいただき、出発します。
おかみさんから「で、今日の行先は決まったんですか?」と聞かれましたが、昨晩は結局爆睡してしまったのでノープランです。
親切なおかみさんは心配していろいろ提案してくれます。
「+++の健康ランドは朝まで休憩室で寝られるそうですよ。」
「確か、×××温泉はこの時期、格安の料金で泊まれるはず。」
「○○○センターは確か無料だったはずなんだけど、寝袋持ってます?」
といろいろ教えてくれるのですが・・・おかみさん、僕ももうそれなりにいい歳なので、もうちょっとお金出してもいいのでちゃんと眠れる普通の宿に泊まりたいんですけど。(笑)
まあ、何とかなりますよ、きっと。ということで、丁寧にお礼を言って宿を後にしました。
機会があればぜひまた訪れたい宿でした。
***
ノープランですが、午前中は昨日回れなかった、ここ宗谷岬周辺の観光スポットを回りたいと思います。
その前に、まずは給油。
ここ宗谷岬には『日本最北端のガソリンスタンド』があって、そこでバイクに給油すると、記念フラッグ(旗)がもらえるとのこと。
そのガソリンスタンドは昨夜泊まった民宿の目と鼻の先にありました。
出てきたお兄さん(おじさん?)に ”ハイオク 満タンで。とお願いし、カードを渡しました。
” はい!ハイオク満タンですね!” と言いながら、おじさんは給油を始めました。
やがて給油は終わりましたが、旗をくれるような雰囲気はありません。
あれ? お願いしないともらえないのかな??
と思っていると、いったん店の奥に引っ込んだオジサンが、クレジットカードの伝票とともに、なにやら小さな貝のようなものを手渡してくれました。
以前は旗だった給油の記念品は、手作りの小さなキーホルダーに変わっていました。
へぇー面白い。これはこれでいい旅の記念になりそうです。(注意しないと割れそうですが。)
ただ、ただね。こんなにカワイイ貝殻のキーホルダーなら、僕はそっちのかわいいアルバイト(?)のお姉さんに手渡してもらいたかったなあ~。
宗谷岬ウインドファームと「白い道」に感動
給油を終え、昨日来た道を少し戻り、宗谷丘陵を目指します。
先日、オトンルイ風力発電所の風車群に感動したのですが、そのことをバイク仲間に伝えると「宗谷岬の風車も見ごたえがあるから行った方がいいよ」と教えてもらいました。
宗谷岬の背後に広がる「宗谷丘陵」は氷河期に氷河によって形成されたんだそうで、「宗谷丘陵の周氷河地形」として北海道遺産に登録されているんだそうです。
その宗谷丘陵に広がる風車群が「ユーラス宗谷岬ウインドファーム」です。
オトンルイ風力発電所は整然とならぶ風車群が圧巻でしたが、こちらの風車はなだらかな緑の丘に、悠然と立ち並ぶ57基の風車群が風景と一体となってなんともいえない美しさを感じさせます。同じ方向を向って並ぶ風車が、なにかに立ち向かう人の姿のように見えます。
***
その風車群の近くにあるのが「白い道」です。
出川哲朗さんの「充電させてもらえませんか?」で訪れているのを見て、一度行ってみたいと思っていました。
この白い道。稚内市産業観光課職員のアイデアで捨てるしかないホタテの貝殻を砕いて砂利道に敷き詰めることで通りやすくしたもの。それが美しいということで話題になり、観光スポットになったのだそう。
TVでその映像を見てはいましたが、実際に行ってみたら「白い」といっても薄汚れていたりして、対してきれいじゃないんじゃないの?と思っていたのですが、さにあらず。定期的に手入れされているそうで、想像以上に美しいです。
そして、行ってみて分かったのですが、この白い道。周りの景色が美しく、遠くには海も見えるロケーションで、それがさらにテンションを上げてくれます。
みなさんも機会があったら是非行ってみてください。
The 直線道路! エサヌカ線
宗谷岬周辺を一通り満喫したあと、いよいよノープランとなったので、ともかく海岸沿いを南下してみることに。
海沿いの238号線は信号も少なく、快走できるのですが、この日は海からの風がきつく、いやぁ寒いのなんの。ひたすら耐えて走ります。
やがてホタテの産地猿払村にたどり着きました。
道の駅に立ち寄り、周辺の観光スポットを探してみると、ライダーに人気の北海道でも有数の直線道路が近くにあることがわかりました。
早速行ってみることにします。
その道は「猿払エサヌカ線」という猿払(さるふつ)村の「村道」です。
全長は16kmあり、途中2か所のL字クランクがある以外はひたすら真っすぐな一直線。(”まっすぐな一直線”って日本語がおかしいですが、ほんと真っすぐなんですよ。普通長い直線でも緩やかに曲がってたりすると思うんですけど、この道はほんとうに真っすぐです。)
両脇にはなにも建物がなく、電信柱も看板も何もありません。
車も滅多に通らず、広大な景色と延々と続く道を独り占めしているような感覚になりました。
(あれだけ長いと、逆になんでクランクがあるんだろう?と不思議になります。それだけまっすぐにこだわった、ということなんでしょうかね?)
さるふつ村観光協会ホームページ
内陸側へ進路を変更
エサヌカ線を走り終え、再び238号線に合流。海沿いを南下します。
ですが、いい加減海沿いの直線路も飽きてきました。(笑)
そこで、浜頓別から海沿いを離れ、275号線を内陸側に向かって進むことにしました。
で、その前にガソリンを給油。すると目にとまったのがガソリンスタンドに併設されたコイン洗車場です。
ずっと海沿いの道を走ってきて、強い海風を浴び続けていたので、ヘルメットのシールドは塩で真っ白。当然バイクも塩まみれです。
旅はまだまだ続きます。この塩分を放置すれば鉄だらけの我がハーレーは簡単に錆びてしまうかもしれません。
本来、コイン洗車場の高圧洗浄機はバイクの洗車には向かない(電気系統に浸水してトラブルを招いたり、ベアリングのグリスを流してしまったりする)のですが、背に腹は代えられません。
というわけで、ちょっと立ち寄り洗車することにしました。
水が入るとまずいところを養生テープで防水し、前の方からザっと水をぶっかけます。塩で真っ白だった車体がようやく本来のブラックに。
あー さっぱりしました~。(笑)
きれいにしたバイクに再び跨り、内陸を目指します。
ここからの道が最高でした!
275号線を通って中頓別、音威子府(おといねっぷ)、美深町へ。
深い緑、そばを流れる川、クルマは少なく、信号も少なく、適当に緩やかなカーブが続く道。天気も徐々に晴れてきて、気温も上がってきました。快走!最高!
海沿いの直線路もいいのですが、やっぱりバイクは曲がっている道に限ります。(笑)
美深町からそのまま40号線を南下して、名寄、士別と進んでもよかったのですが、そこら辺まで行くと結構都会(?)というか、クルマも信号も多くなってきます。
そこであえて回り道。地図を見ると湖があるようです。湖の周りは大抵いい道があるもの。275号線を通って「朱鞠内湖(しゅまりないこ)」へ。
今夜の宿を旭川で探す
朱鞠内湖を過ぎ、「道の駅 モリト湖の郷ほろかない」で一休み。
アイスクリームを買ってベンチに座ってたべながら、今夜の宿を探します。
今日の今日泊まる宿なので、宿の料理はあきらめ、素泊まりで探します。ならば民宿よりはビジネスホテルの方がよさそうです。幸い今日は平日なので、ビジネスホテルならいくらでも空きがあります。
しかもビジネスホテルの場合、今日泊まる宿を直前に探すと、場合によっては正規の金額よりかなり安く泊まれたりします。
このペースで走ると、今日の宿泊は旭川辺りかな、ということで、旭川周辺で手ごろなホテルを探します。
いろんな宿紹介サイトで検索した結果、良さげなホテルが格安で予約できました。
天然温泉 神威の湯 ドーミーイン旭川
まあ、ツーリングの宿としては味気ないと言えば味気ないですが、広々とした天然温泉があって部屋には大きなダブルベッド。
長旅ですから、時にはこうしたシンプルにゆっくり眠れるホテルも織り交ぜ、旅の疲れを取りたいですよね。
一泊7000~10000円位するホテルですが、この日は直前の当日予約ということで、5000円ちょっとで泊まれました(素泊まり)。
というわけで、北海道3日目の夜も静かに更けていきました。
このはなし、さらに続きます。
最初で最後?の北海道ツーリング(その5)