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最初で最後?の北海道ツーリング(その3)

10年に一度の長期休暇をもらい、初めての北海道ツーリングに出かけました。

海沿いの232号線をひたすら北上

海鮮土産の店で買った太巻きを食べたあと、(もう宿は目と鼻の先なのですが)チェックインには少し早いので、再び走り始めました。

北海道の海沿いはどこを走っても絵になる景色ばかり。偶然見つけた道端の花に思わずバイクを停め、写真を撮ったりしてました。

願わくば景色の良いところにカフェでもないかなあ、なんて思って探したのですが見つからず。仕方ないのでコンビニでコーヒーを買って駐車場でひとりカフェタイムしました。

さて、そろそろ宿へ向かうことにします。

今夜の宿へチェックイン!

羽幌まで戻り、今夜の宿へチェックイン。ここはライダーには有名な宿だそうで、北海道出身のバイク仲間が「道北へ行くなら是非行ってみな。飯がうまいから」と教えてくれた宿です。

いわゆる ” 徒歩宿 ”って言うんですかね。ライダーや自転車乗り、バックパッカーなんかが相部屋で安く泊まるタイプの宿です。(今回の度でここだけは出発前に予約を取りました。)

人見知りの僕はあんまりこういうタイプの宿には泊まらないのですが、今はコロナ対策で個室のみの営業らしく、また折角バイク仲間が熱心に勧めてくれたこともあって泊まることにしました。

どんな宿なんだろう?と最初はちょっと緊張してました。

出迎えてくれたオーナーは夫婦でこの宿を切り盛りされていて、最初はちょっと素っ気ない印象を持ちましたが、話してみると実に話しやすく、良い方でした。

部屋は山小屋風の造りでベッドが3つ。

風呂は小さな家庭用の風呂があるそうなのですが、今はコロナ対策で入浴不可。シャワーを利用するか、希望すれば近くの温泉まで車で送ってもらえます。

僕は迷わず温泉を選択。近くの道の駅の温泉を堪能しました。

道の駅 ほっと はぼろ

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食事は食堂(昼間は喫茶を営業してる)でいただきます。

紹介してくれたライダーの言う通り、ここの料理は旨かった! 和洋折衷の料理でゴージャスな感じではないものの、一品一品手が込んでいて、味付けが美味しいです。

これだけでもまた泊まりたいな、と思わせてくれました。

こちらは夕食。豚のカツレツをメインにホタテのグラタンや自家製漬物、甘えびの刺身など。どれもちょっとずつ手が込んでいておいしかった。これにご飯とみそ汁がついてボリュームも満点。大満足でした。

こっちは翌朝の朝食。ズッキーニのトマト煮がのったオムレツにパン、サラダなど。この朝食もかなり美味しく、かつヘルシーでした。

この日泊まっていたのは僕だけだったようで、最初食堂にはもう二組お客さんが居ましたが、途中からは貸し切り状態。

調理を終えたオーナー夫婦は洗い物をしながら、いろいろと楽しいお話を聞かせてくれました。

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とっても良い宿だったのですが、唯一残念だったのは部屋がカビ臭かったこと。入った瞬間に感じたので、就寝までの間、ずっと部屋のドアと窓を開けっぱなしにしておいたのですが、その匂いは抜け切りませんでした。

どうやら板張りの床や壁から匂ってくるらしく、幸いベッドや布団は清潔感があって全く問題はなかったのですが、部屋のにおいだけは残念でした。

ちなみに、トイレや洗面台は共同設備(この日は貸し切り)でしたが、こちらは最近リニューアルされたのか、すごくきれいで快適でした。

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今思えば、部屋はいくつも空いていたと思うので、違う部屋に換えてもらうようお願いしてみてもよかったんじゃないかと思います。こういうタイプの宿に慣れていないこともあり、ちょっと遠慮してしまったのですが、あの親切なオーナーなら、快く対応してくれたんじゃないかという気がします。

他がとっても良かっただけに、そこで遠慮してしまったのは、後から考えればもったいないことをしたなー、と思います。

季節やその日の天候なども関係したかもしれません。出来ればまた一度リベンジしてみたい。そう思わせてくれる宿でした。

北海道二日目は小雨の一日

翌朝。どんよりと曇った一日のスタート。

天気予報と雨雲レーダーを見ると、時間が経つにつれ天気は悪化するようですが、逆に今から向かう北の方は天候が回復してくる、という予報になっています。

宿を立つときにちょうどポツポツ降り始めたので、レインウエアを着こんで宿からスタートしました。

小雨そぼ降る中、最後まで出発を見送ってくださったオーナーご夫婦。本当にお世話になりました。

****

今日のゴールは宗谷岬。昨日も走った海沿いの道を北上します。

LINEでバイク仲間に状況報告すると、「今日は日曜日だから、ガソリンスタンド締まってるところが多いので気を付けて」という返事がきました。

なるほど。それは確かに。出発早々見つけたガソリンスタンドに立ち寄って満タンにします。

***

海沿いは、どこまでもひたすら真っすぐな道が続きます。

道路の左側に組まれた足場のようなものは風よけ。上に見える矢印は、冬場雪が積もったときに路肩の位置を示すためのものなんだそうです。

雨は降ったりやんだり。でも本降りになることはありませんでした。

ただしこの日も寒い! 気温は約13℃。

レインウエアを着ているので昨日よりはマシだと思って走っていましたが、北に向かうにつれてやはり寒さが身に染みるようになってきました。

もう6月も終盤というのに。さすが北の大地です。

「道の駅 てしお」

日本最北端の国立公園「利尻礼文サロベツ国立公園」。ひたすら真っすぐな道が延々続きます。

圧巻!!オトンルイ風力発電所

やがて遠くに驚きの光景が見えてきました。

「オトンルイ風力発電所」です。

北海道の海沿いには、大小たくさんの風力発電機立っています。

最初は感動していましたが、あまりにあちこちで見かけるので、だんだんありがた味が無くなってきていました。

オトンルイ風力発電所も風車が並んで立っているだけで、数が多いとはいえ、もうあんまり感動しないかなあ、と思っていました。

ところが、それが遠くの方に見えた瞬間、驚きました。

なんだあ~!?あれは?

明らかにそれまで見た風車とは規模が違う、想像していたよりはるかに大きな風車が整然とならんでいました。

オトンルイ風力発電所

オトンルイ風力発電所

オトンルイ風力発電所

オトンルイ風力発電所

直ぐ間近でみる巨大な風車は驚きの大きさで、それが大自然の中、風に向かって並んで立っている風景は、人間が作ったものではあるものの、神々しい(あるいは禍々しいというべきか)感じがしました。

こればかりは写真では伝えきれませんね。

ガス欠?必死でガソリンスタンドを探す

オトンルイ風力発電所を見た後、なおも海沿いの106号を北上しましたが、途中、444号線へ右折し海沿いを離れました。

昨晩の宿のオーナーが「温泉好きなら是非行ってみてほしい」と力説されていた「豊富温泉」へ向かうためです。北海道各地を旅したオーナーのおススメです。行かないわけにはいきません。

ただ、ガソリンの残りが少なく、それがちょっと不安ではありました。

この444号線はサロベツ湿原を突き抜けるように走っている道で、それまでの海沿いの道とは違い、視界の左右が見渡す限り湿原がつづいている光景は、これまでとはまた一味違った北海道の姿を見せてくれます。

30分ほど走り豊富温泉に到着。日帰り温泉に入れるホテルもありましたが、町営の温泉施設が目にとまりました。きっとここが正解なのでしょう。

豊富温泉

オーナーお勧めの温泉とは、いったいどんな風光明媚な場所なんだろう?と思っていたのですが、想像していたのとはちょと違い、そこはアトピー性皮膚炎などを患っている方々が訪れる、鄙びた湯治温泉でした。

泉質はさらっとした肌触りの塩化物温泉なのですが、それでいて油分を含むという世界的にも珍しい温泉なんだそうです。

お湯は良かったのですが、何しろこの日、朝から寒い雨の中を走り続けていたので、たくさん着込んだウエアを脱ぎ着するのが大変でした。

***

お風呂から上がってくると、雨が上がっていました。

ただ、ガソリンスタンドを探さないとこの先進むことができません。

昔なら地元の方に片っ端から訪ねて・・・だったのですが、今の時代はスマホという便利なものがあります。googleで近くのガソリンスタンドを探すと2kmほど先にあることがわかりました。

良かった、良かった、と胸をなで下ろし、早速向かいます。

すぐにそのガソリンスタンドは見つかりました。が、なんと定休日!ガーン。(涙)

「日曜日はやってないスタンドが多いから」というバイク仲間からの忠告を思い出しました。

ヤバイ。どうしよう? いや、落ち着け。

今度は「営業中のガソリンスタンド」と入力してGoogle先生に尋ねると、5km先にあるよ、とのお答えが。

再度バイクを走らせ、今度は無事ガソリンをゲットすることが出来ました。

いや、本当に便利な世の中になったもんですね。

オロロンラインを走り、納沙布岬へ

再び海沿いの道へ戻り、オロロンラインを北上します。

もはや電柱すらない、ただひたすらに真っすぐな道が続きます。天気が今一つなのが残念ですが、本州ではまずお目に架かれない絶景です。

ああ、北海道に来たんだなあ、と感慨にふけりたいところですが、なにしろ寒い!!

時々強く吹く海風にビビりながら、寒い!さむい!と叫びつつ、ただ々々真っすぐな道をひたすら走ります。

20-30kmほど走り、ようやく稚内へ。ここまでくれば、目的の宗谷岬まではあと30kmほどなのですが、まだ時間もあるので、納沙布岬(ノシャップ岬)へ行ってみることにしました。

納沙布

納沙布岬周辺は結構観光地化されていて、有名な「みなとや」や「樺太食堂」、「漁師の店」など、うに丼やイクラ丼の看板を掲げる店がいくつも並んでいました。

う、うまそう。

おもわず入ろうかと思いましたが、ここで食べると宿の夕食が食べられなくなるので、泣く泣く我慢しました。

お土産物屋や海鮮市場、稚内港北防波堤ドームなどの観光名所も近くにあるので、車なんかで観光に訪れるなら、ノシャップ岬、いいところかもしれません。

いよいよ日本最北端の地。宗谷岬へ

さて、いよいよこの旅の目的に、日本最北端 宗谷岬を目指します。

稚内の市街地を抜け、そこからはひたすら海沿いの238号線を走ります。

この道は別名『宗谷ヒストリーロード』というそうです。バイク乗りになってウン十年。いつかは行きたいと思っていた宗谷岬はもう目の前です。

いつか行きたい!と思う一方で「もうこれでいつバイクを降りても悔い無し・・」みたいな気持ちになるんじゃないか。そんな風に思っていました。

ここにきて、ずっと曇っていた空が少し晴れてきました。左手に見える海がキラキラと輝いて見えます。車も少なく、気持ちの良い道が続きます。

ああ、いいところだなあ~。

もうあと10kmほどで宗谷岬。でも大きなタンクローリー車が前をふさぎ、ゆっくりゆっくり走っていてスピードを上げられません。

追い抜こうか・・・でもなんかこの時間が終わるのがもったいないような気がして、追い越さずに後ろをゆっくりゆっくりついて走りました。

左手には変わらず、美しい海が見えています。きれいだなあ~

そんな美しい風景の中に、頭にヘッドホンを着けたおじさんが二人。道路わきの草むらの中にひっそり隠れて座っていました。

・・・

わー、やっべー!ネズミ捕りだあ~。

もう少しで(ある意味)本当に旅が終わるところでした。(汗)

ついに到着。感動の(?)宗谷岬

宗谷岬までの道は、海沿いの緩やかなワインディングが続きます。

車も少なく、のどかな海と、山の緑を見ながら、徐々にその時へと近づいていきます。

たどり着いたら感動するんだろうなあ、オレ。泣いちゃうかもしれないなあ、オレ。

あと5km、あと2km。

そしてついにその時は来ました。

宗谷岬です!!

宗谷岬

着いた!ついに着きました!

早速バイクをおり、最北端のモニュメントへ向かいます。

ああ、ついにここまで来たなあ。

そう感慨に浸ろうかという瞬間、一人の男が目に入りました。

どうやらライダーのようですが、モニュメントのすぐ前にスクーターを停めて(そもそもあんなところにバイクを乗り入れていいんだろか?)、来る人来る人に片っ端から声を掛けているようでした。

その男が僕を見つけるなり、すっとんできました。

「こんにちは。どこから来たんですか? 今日はどこまで行くんですか?」

聞くと彼は数か月前に仕事を辞めて日本一周をしているらしく、北海道にはもう数週間滞在している・・・そんなことを一方的に話しました。

僕はこういう人が苦手です。

あのさ、僕はせっかく初めて宗谷岬へきて、ひとり感慨に浸りたいわけで。君の身の上話に興味はないんだけど・・・とも言えず、僕は曖昧な返事をくりかえしていました。

なんだかなあ~。さっきまでの感傷的な気分が飛んで行ってしまいました。

でもまあ、誰かに記念写真をとってもらおうと思っていたし、ちょうどいいか。と思い直し、彼に写真をとってほしいとお願いしました。

もちろん彼は快くOKしてくれ、僕のスマホで写真を撮ってくれました。

宗谷岬

ありがとうございます、とお礼を言ってスマホを受け取った瞬間、ちょうどいま来たライダーを見つけ、彼はまたすっ飛んでいきました。

****

あらためて、最北端の地で感慨にふけり・・・たいのですが、とにかく寒い!!

初めて訪れた宗谷岬は、バイクで走っていなくても震えるほど寒かったのでした。

宗谷岬

この時の気温は、なんと10.7℃!! 関東なら3月の気温でしょうか。そりゃあ寒いはずです。

何はともあれ、これでこの旅最大の目的は終わりました。(まだ3日目ですが。)

もう思い残すことはありません。(まだ北海道2日目ですが。)

これで帰ろうかと一瞬思いましたが、帰りのフェリーの乗船日はまだ先です。

明日からどうしようか。

ひとまず今日の宿へ行って考えることにします。

***

というわけで、この旅の話、まだ続きます。

宗谷岬

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