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パインバレーオリジナル ハーレー専用オイルに交換

オーバーヒート?灼熱の高速道路でパワーダウン

先日、箱根へ行った際、帰りの東名高速を快調に(一番右の車線を流れに沿って)走っていた時、急にパワーダウンというか、アクセルについてこないような感覚があり、あわててスローダウン。すぐパーキングエリアへ入ってクールダウンし、事なきを得ました。

感じとしてはガス欠が起こる直前のような感じというか、チョークを引きっぱなしのまま忘れて走ったときの感じというか。あきらかにパワーダウン・・・というところまではいかないものの、なんとなくそんな兆候を感じました。

油膜切れでエンジンが抱き着く寸前だったのか、あるいはコンピューター(ECU)がエンジンの保護のために燃料を濃くした(燃料を濃くすると燃焼室の温度は下がる)のか、そんな感じでした。

(キャブ車じゃないからパーコレーションとかないですよね?)

渋滞もなく快調に走っていたのに・・・と思いましたが、この日の気温は33℃。東名を走っていたのは12時ちょい過ぎの一番暑いタイミング。おそらく道路上は軽く40℃以上はあったでしょう。

しかも箱根峠から一切止まらず、いいペースで780km以上一気に走っていました。なかなかエンジンには過酷な状況だったかもしれません。

ワコーズオイルを交換することに

いずれにせよ、こうなったからにはオイルを交換した方がよさそうです。

今入れているオイルはワコーズのタフツーリング。

ワコーズ TT-40 タフツーリング 20W40 ヘビーデューティエンジンオイル E260 1L E260 [HTRC3]

交換したのはゴールデンウイーク。また3か月ほどしかたっていませんが、距離はおよそ3000kmほど走っています。

しかもよくよく考えると、今入れているオイルの粘度は『20W-40』。

我がスポーツスター(XL1200CX ロードスター)の指定オイル粘度は『20W-50』。冬はいいですが、夏はもう一番手上げて『25W-50』にしておくべきだったかもしれません。

(実際ネットでタフツーリングを調べてみると、夏場は25W-50の使用を勧めている方が多いようです。)

いつもより交換タイミングが早いですが、粘度も換えたいし、ということで、オイル交換をすることにしました。

オイルを購入しにNapsへ行ったら・・・

今週は夏休み。どうせコロナ禍で帰省もできないしメンテしよう、というわけで、オイルを買いにバイク用品店のナップスさんへ。

オイルは今回もワコーズのタフツーリング。ただし今回はやや硬い「25W-50」を選択。さらに、前回プライマリーオイルは交換していないので、今回は交換。ただこちらは選択に悩みます。

前回はツインパワーを選び、こちらは特に不具合は感じていないのですが、出来ればこっちもいろいろ違う銘柄を試してみたいところ。

なにか他にいいのないかなあ、と思ってオイル売り場を物色していたところ、一本のオイルが目にとまりました。

パインバレーオリジナル【ハーレー専用】100%化学合成プラチナ・エンジンオイル1L

写真はエンジンオイル

ご存じ有名ハーレー専門店、横浜のパインバレーさんが出しているハーレー専用のオリジナルオイル『プラチナオイル』です。

そういえばナップスさんでも取り扱いを始めた、というニュースがメールで来てました。

あー、これかあ~。やっぱりいいのかなあ。

ラインアップにスポーツスター用のトランスオイルは無いようですが、プライマリーオイルがトランスオイルとしても使えるようです。

ちょっと高いですが、これ使ってみたいです。(Napsさんで買えば送料もいりませんし。)

ということは、当然、エンジンオイルもパインバレーだよなあ。

このパインバレーのオリジナルオイルは熱にも大変強いようです。今年の猛暑を乗り切るためには、一度試してみるのもいいんじゃないだろうか。

というわけで、今回はパインバレーさんにちょっと ”浮気” してみることにしました。

パインバレーオリジナル『プラチナオイル』

パインバレーさんのプラチナルオイルは100%化学合成油をベースに、モリブデンを含む、高濃度の各種添加剤を加えたオイルで、日本のオイルメーカーとの共同開発で作られているとのこと。

非常にコストのかかる100%化学合成油+高濃度添加剤を使用しながら、パッケージや流通にかかるコストを抑えることで低価格を実現しているそうです。

こういう謳い文句のオリジナルオイルは多く、あるあるな感じなのですが、一方でうさん臭さも感じます。(失礼!)

ペコペコのプラスチック容器でパッケージコストを抑えているのは確かに感じますが。

これだけなら特に注目に値するオイル、という感じでもないのですが、このオイルで

”おっ!、これは!”

と思うのは、具体的なライバル製品との性能比較を数字(グラフ)で示しているところ。

  • 粘度低下(使用前後での粘度変化)
  • 粘度指数(低温時と高温時での粘度変化)
  • HTHS 粘度(高温=150℃でせん断力がかかっている時の粘度)
  • Zn 濃度(添加物 Zn=亜鉛 の濃度)
  • 泡立ち性能

といった項目において、HD純正、HD純正のSYN3(100%化学合成オイル)、モチュール7100との比較数字をのせていて、そのすべてでトップの性能を示しています。

もっとも、この計測はプラチナオイルの製造元による計測で、しかも計測方法が細かく記されていません。ひょっとしたら負けている項目は敢えて公表していないだけかもしれません。(性格曲がってるなあ、私。)

まあ、そんな悪意あるものだとは思いませんが、公平さが担保されていない可能性はあります。

でもあえてこうして数字をOPENにし、性能差を明示してきたのは、製品への自信の表れなんでしょう。一度試してみたい。そう思わせるオイルです。

***

このパインバレーオリジナルに限らず、ショップオリジナルや小規模メーカーによるスペシャルオイルといったものをたまに見ます。

どれももっともらしい謳い文句がならびますが、石油メーカーや大手化学メーカーではない中小規模のメーカーやショップが、本当にそんないいオイルを作れるものなんでしょうか?

原油から精製し、化学合成100%オイルのベースとなるオイル(ベースオイル)を作り出せるのは、ごく一部の大手化学メーカーだけと聞いたことがあります。かなり大掛かりな設備や研究施設が伴わないと難しいんだろうなあ、ということはなんとなく想像できます。

一方、オイルの性能はベースオイルと添加剤の配合で決まるんだそうです。

小規模なメーカーはベースオイルは作れなくても、どのベースオイルを選ぶのか、そのベースオイルにどんな添加剤をどの位配合するのか、といったところで勝負する余地がある、ということなんですかね。

猛暑日のオイル交換は地獄

ではさっそくオイル交換をします。

やり方は過去も記事にしましたので、よかったらそちらもご覧ください。

涼しい朝のうちにオイル交換するつもりだったのですが、準備やらなんやらで、結局とりかかったのは11:00近くになってしまいました。

帽子をかぶり、首に巻いたタオルに保冷剤を仕込み、氷をたっぷり入れた麦茶を用意してとりかかりました。

パインバレーオリジナルオイル

向かって左がエンジンオイル。右がプライマリーオイルです。パインバレーのハーレー用オイルにはこのほかに「ギアオイル」もありますが、スポーツスターにはこのプライマリーオイルを使うようです。

今回はまずトランスオイル(プライマリーチェーン&クラッチ&ギアの潤滑)の交換から。

スポーツスターのトランスオイルには、この「プライマリーオイル」を使うそうです。パインバレーさんのハーレー専用オイルには、これ以外に「ギアオイル」がありますが、そちらはスポーツスターには使えません。(クラッチも潤滑するからでしょうね。)

オイルを抜く前にはまずエンジンを掛けてオイルを温めてから、というのが定石ですが、なにしろこの気温です。オイルも十分温かいハズ。せっかく底にたまっているであろうプライマリーオイルをわざわざ撹拌するのもどうかと思い、エンジンは掛けずにそのままオイルを抜きます。

オイル処理箱を用意しましたが、いきなりそこには捨てず、いったんバットに廃油を貯めます。使用後のオイルの様子を確認したいからです。

前回交換から約10か月。走行距離は7000kmほどですが、まだあまり汚れておらず、きれいな赤色を保っています。マーブル模様のようになっているのは金属粉だと思いますが、この程度は普通・・・だと思います。(多分)金属片が見えたりする場合はやばいかもしれません。(スポーツスターで多いクラッチプレートのリベット破損など。)

ドレンボルトのマグネットに付着している金属片はこんな感じ。まあ特段多い感じではありませんね。(多分)

ドレンボルトの根元に見えている白いものは、前回巻いたシールテープです。オイルパンのネジ穴側にも残っていました。こういうのを見ると非常に精神衛生上よろしくないです。

前回のオイル交換の際、ドレンボルトにシールテープを巻きましたが、今回ドレンボルトを外してみると、ボルトの根元にわずかに残っていました。指で探るとドレンパンのネジ穴側にもその残骸がありました。出来るだけきれいに取り除きましたが、こういうのは非常に気になります。取り残したカスがエンジン内を回ってオイルラインを防いだら・・・(そのためのオイルフィルターなのですが)と思うと、出来れば使いたくありません。

本当にシールテープが必要なのでしょうか?Oリングがあるので不要では?

悩みましたが、今回はシールテープ無しでやってみることにしました。Oリングは新しく交換します。

緩みや漏れの無いよう、こまめにチェックが必要になると思います。

ネットで調べると賛否両論あるようです(プロ=メカニックの方は比較的「必要」論者が多い気がします。)。ではメーカーは何と言っているか。スポーツスターのサービスマニュアル(2017年版)を見ると、「ロックタイト565スレッドシーラントを塗布する。トルク値 19-40.7N-mで締め付け直す」とあります。これで緩み防止&シールせよ、ということのようです。

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まあ、訴訟社会のアメリカですから、万が一にもオイルが漏れてリアタイヤに架かり転倒!なんてことを避けるためには念には念を、ということなのかもしれませんけれどね。

ドレンプラグを締め、プライマリーオイルを注入します。

車体を水平にするため、ジャッキアップしますが、ジャッキアップする前にステップホルダーのネジは緩めておきます。(ジャッキアップした状態で力を掛けると危険なので。)

トランスオイルは車体を垂直にして入れる必要がある(ダーバーカバーを開けるので、垂直にしないとこぼれる)のでジャッキアップします。一人でジャッキアップするのはなかなか難しい。出来ればだれかに手伝ってもらいたいところ。

前回は牛乳パックで作った即席じょうごで苦労してオイルを入れたので、今回は専用品を買いました。ただしAmazonで買った安物(中華製)です。本当はこの穴のふちに引っ掛けて使うものだと思うのですが、スポーツスターのダービーカバーの開口部には大きさが合いませんでした。仕方ないので左手で押さえつつ右手でオイルを注ぎます。まあ実用上問題はありませんでした。

パインバレーオリジナル プラチナプライマリーオイル。

オイル入れました、が、見えませんね。前使っていたツインパワーのオイルは真っ赤だったので、どこまで入れたかわかりやすかったのですが、このパインバレーのオイルは普通の淡い茶色なので、どこまで入っているか見えづらいです。

ダービーカバーを開け、オイルを注入し、再びダービーカバーを閉めます。

ダービーカバー閉める前にOリングも交換したのですが、このOリングがなかなかうまくはまりません。暑さで柔らかくなり、ちょっと伸びている気がします。落ちないようにオイル塗ってみたりするんですが、すぐ外れてしまいます。

なんとかはめて、そーっとカバー閉めたけど、ちゃんとはまっているか不安です。(今のところ試走してもオイル漏れはなし。)

ここまでやった時点でちょうど正午。冷たいお茶を飲みつつ作業していましたが、最後の方は15分毎に日陰に入って休んでました。でももう限界!

日なたに置いてあった工具やパーツは素手で触れないほど熱くなってます。

まだエンジンオイル交換が残っていますが、熱中症になりそうなので一旦引き上げました。

エンジンオイルも交換

午後5時。まだ外は暑いですが、作業再開です。

エンジンを掛け、2,3分回します。ハーレーはドライサンプなので、エンジンに落ちたエンジンオイルをオイルタンクに戻すためです。

ドレンプラグを抜き、ドレンホースからエンジンオイルを抜きます。

こちらはエンジン内の汚れを取り込んだためか真っ黒ですね。

ミルクチョコレートのように色が薄く見える部分は泡立っています。オイルには消泡材が入っているのですが、その効果が利かなくなっているということなのでしょうか。

パインバレー プラチナオイル

プラチナオイルを入れます。3本用意しましたが、今回はオイルフィルターを交換しなかった(本来オイルの銘柄を換えるのであれば交換した方がベター)ので、2リッターちょと入りました。

エンジンオイルを抜き、新しいオイルを入れます。

抜いたオイルは真っ黒ですが、それだけ良く内部の汚れを取り込んでくれた、ということでしょう。ただ、結構泡立ちが目立ちます。指で触るとかなり粘度は低く、さらっとした感触になっていました。

3本用意したプラチナオイルですが、2本半ほど入りました。ちょっと多く入れ過ぎたかなあ。(オイルゲージのMAX。入れすぎもダメ。ブリーザーからあふれるそうです。)

抜くのも面倒ですし、まあハーレーのオイルは減りますから、足らないよりはいいか、と前向きにとらえます。

スポーツスターのサービスマニュアルを見ると、なんと『給油の度にオイルレベルを確認しろ』、と書いてあります。わがスポーツスターのガソリン満タンでの航続距離は200kmちょっとですから、約200km走行毎にオイルレベルを確認せよ、と言っているのと同じです。さすがにそれはなあと思いますが、そのくらい頻繁に見ることが必要なんですね。

翌日試走&チェック!

翌日、朝早く起きてバイクで試走に出かけました。

出発前に昨日締めたネジを確認し、出発。

4,5km走ったところでガソリンスタンドに立ち寄り、ガソリン給油とともに各部に緩みやオイル漏れが無いかを確認します。

その後150kmほど走りましたが問題ありませんでした。

エンジンのフィーリングはというと、正直そんなに違いは感じません。

フリクションが小さいような回り方をしますが、その分ちょとトルク感は感じにくい感じ。

ミッションタッチもちょっとしっとりしたタッチになりました。

まあ、オイルがなじむまでにちょっと時間もかかると思いますし、期待しているのは夏の暑さでもへこたれない高温特性なので、それはしばらく使ってみて、またレポートしたいと思います。

XL1200CX

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