熱中症の一歩手前?
先日、異音がする我が愛車をチェックしてもらうのに、いつもの峠の帰り道に足を延ばし、KTMディーラーさんへ駆け込みました。
異音の問題はあっけなく解決したのですが、午前中に帰宅予定だったのが、正午ごろにディーラーさんに到着することになり、けっこう暑さでへばりました。
途中、二度もコンビニに立ち寄り、ミネラルウォーターを飲んだり、アイスを食べたりして体を冷やしたのですが、それでも家に帰ってからは、なかなか疲れが取れませんでした。
ちょっと危険な状態の一歩手前だったのかもしれません。
めまいや立ち眩みといった症状までいかなくても、体が熱く感じたり、顔がほてったりする時点で、既に熱中症の初期症状の可能性があると聞きます。無理は禁物ですね。
早朝ツーは、行きはヨイヨイ 帰りはアツい
夏のツーリングで一番の熱中症対策は、暑い日は乗らないこと。
わかってはいるんですが、でも、乗りたいんですよねー。(もう、我ながら頭悪いとしか思えません。笑)
そこで、夏のこの時期のツーリングは、とにかく朝早く家を出て、涼しい山道を走り、暑くなる前に帰宅することでなんとか暑さをしのいでいます。
ただ、行きはまだ良いものの、帰りはどうしても暑い時間帯になるんですよね。
そこで対策として、アイスリング(クールリング)を2つ持っていき、コンビニでアイスを買って、交互に冷やしながら使っています。
ただ、それでも危険を感じるぐらい、最近の暑さは尋常じゃないんですよね。
話題の「ペルチェ式冷却ウエア」はどう?
夏の早朝ツーリングの帰路 約1時間を、なんとか涼しく走れる方法はないだろうか。
最近はペルチェ素子を使った冷却ウエアが各社から発売されて、話題になっています。
レビューを見ても総じて高い評価がついています。
ただ、なんとなくこの手の商品はまだ進化の途中というか、過渡期の商品という気がするんですよね。大流行の「空調服」みたいに定着するには、もうあと一歩という感じ。
それに、結構いい値段がしますから、効果を確信できないと、ちょっと手を出しづらいです。なので僕としては「もう少し様子見かなあ」と思っています。
冷却ベストではありませんが、これ(↓↓↓ コミネのネッククーラー)なんかシンプルだけど効果がありそうで面白いなあ、と思うんですけどね。
保冷剤を着る、というアナログな商品
そんなある日、ネットで「保冷剤を身に着けるためのメッシュベスト」という商品が紹介されているのを見ました。
これは涼しいかも・・・。
保冷剤を体に密着させていれば、冷たいのは間違いないと思いますが、問題はどのぐらい冷たい状態が保つのか、ということ。
僕の場合、先ほど書いた通り、早朝ツーリングの帰り道の暑さをなんとかしたいのですが、行きは良くても帰るころには効果なしだと、あまり意味がありません。
ネックリングみたいに、途中で氷を買って保冷剤を冷やすというのも難しそうですし・・・

ネックリングの場合は、コンビニアイスをジップロックに入れ、そこに入れておくと30分ほどで固まります。
ただ、冷やした保冷剤を保冷バッグに入れて持っていき、ツーリングの帰り道で装着すれば、多少は冷たい状態を保てるんじゃないか、という気もします。
ペルチェ素子と違い、こっちは値段も手ごろなので ダメもとで一度ためしてみようかという気になったのでした。
数ある保冷剤ベストの中からどれを選ぶか
そこで、いろいろ調べてみると、保冷剤を「着る」保冷剤ベストもいろんな商品があるようです。
これは背中に保冷剤が1個はいる、もっともシンプルなタイプ。
これは背中と両脇に計3つの保冷剤が入るタイプ。肩紐と左右を繋ぐ部分はベルト式になっています。
こちらは背中に2個+両脇各1個 計4個の保冷剤が入るタイプ
これはさらに凄くて、背中に3個+両脇=計5個の保冷バッグが入ります。
こちらはまるでサポーターのようなスポーティーなタイプ。サッカー選手がユニフォームの下に着ているGPSユニット入りのベストみたいですね。
あのミズノがゴルフ用に開発した商品もあります。ミズノと聞くだけで、なんだか良さそうな気にがしてきますよね。
僕が選んだのはコレ
果たしてどれがいいんでしょうか?
いろいろレビューを読むと、とにかく保冷剤が体に密着することが一番大事みたいです。
いろいろ悩んで、結局僕が選んだのがこちら。
↓↓↓
この商品は、背中に1個、両脇に1個づつの計3個の保冷剤が入ります。
特徴的なのは、左右の肩ベルトがベルクロになっていて、長さが調整できるようになること。これで長さを合わせることで、保冷剤がより体に密着します。
もう一つの特徴は、ベストタイプの製品は、前側の左右をベルトで連結するタイプが多いのですが、これはそのベルトがありません。
あった方がしっかり体に密着してよさそうですが、僕はバイクで走る時は胸部プロテクターを着けて走るので、前にベルトがあるとプロテクターと干渉しそうな気がします。そこで今回はあえてベルトの無いタイプを選びました。
価格も同じような商品の中では、比較的お安かったです。
保冷剤ベストが届きました
頼んで数日で商品が届きました。
これはバイク用ウエアではなく、どちらかというと作業服なので、届いた商品のは素っ気ない段ボール箱に入っていました。中には説明書きもなにもなし。
ところが、開けてビックリ。最初に出てきたのは、なんと『塩スポーツキャンディー』。
最初、商品を間違えたのかと思いました(笑)。 けれdどうやらおまけのようです。頑張って働く人へのエール&サービスってことなんでしょうね。
キャンディーを取り出し、その下の製品を開封しました。
まずはベスト本体です。

これがメッシュベストを正面から見たところ。肩にかかる二本のベルトがベルクロ止めになっていて、これで体に密着するようサイズを調整できます。左右の部分にも保冷剤を入れ、わきの下に挟む形になります。

背中側。背中には保冷剤が一個、首に近い背中の上部に入ります。全体は目の粗いメッシュ生地です。
続いて保冷剤。食品を冷やす保冷剤とは明らかに見た目が違います。

これが付属の保冷剤。大きさは140mm×150mm。厚みは20~30mmぐらいあります。クーラーバッグに入れるような一般的な保冷剤とはかなり見た目が違い、全体が保冷バッグのようなアルミの断熱シートに覆われていて、それが更にビニールに包まれています(このビニールは剥がさず使います)。片側が冷却面でこの面が体に当たるようにセットします。

冷却材をいれる部分はこのようにポケットになっています。サイズ的にはかなりピッタリで、入れるのにちょっと苦労するくらい。
着用するとこんな感じです

装着したところ。肩ベルトをランドセルのようにして背負います。

背中側。かなり下から写しているので、背中に当たってないように見えますが、保冷剤の部分は背中に密着しています。

先の保冷剤はこの位置にきます。

腕を降ろすとこんな感じ。脇に本を挟んでいるような感じがしますが、特に動きにくいというほどではありません。

保冷剤ベストを着て、その上に胸部&背面プロテクターを装着し、その上からメッシュジャケットを着た様子。写真では判りづらいですが、ジャケットのなかはパンパンです。気分はビバンダム。その分、保冷剤は体に密着しています。

この保冷剤ジャケットは前面には肩ベルト以外何もないので、狙い通り胸部プロテクターとは干渉しません。ただし、背中側は保冷剤+プロテクターで異様に盛り上がっています。(笑) まあ恰好は二の次ということで。
気温37℃の日に使ってみました
買った保冷剤ベストを早速使って走ってみることに。
この日は最近オープンしたばかりの「道の駅 湘南ちがさき」を目指します。
一晩冷凍庫で冷やした保冷剤3個を保冷バッグ(お土産物屋でくれるペラペラのもの)に包み、シートバッグに入れて出発です。
この日の予想最高気温はなんと37℃。はっきり言って、外に出かけるような気温ではありません。
朝6時30分に家を出発。この時点で気温はもう30℃越え。でもまあ走っている分には耐えられる程度です。
途中、珈琲店に立ち寄りモーニングメニューを食べ、朝9:00のオープンに合わせて道の駅へ。
中をくまなく覗き、家族へのお土産も買って出てくると時刻は10:00。この時点でバイクの温度計は36℃を示していました。じっとしていても汗が噴き出してきます。
ここでいよいよシートバッグから保冷剤を取り出し、メッシュベストに装着します。
ところが、保冷バッグに入れておいた保冷剤を取り出した瞬間、正直なところ
「こりゃ駄目だ」
と思いました。全く冷たくないのです。
やっぱこの炎天下にシートバッグに入れっぱなしにしてたら、いくら保冷剤でもそりゃあ熱くなるよなあ。
がっかり。
でもまあ、せっかく持ってきたんだし、装着してみることにします。けれど、着てみてもやっぱり冷たさは感じません。
だめだこりゃ。
・・・と思ったのですが、その上にさらにメッシュジャケットを着て2,3分すると、
お!ちょっと冷たいかも・・・。
と感じ始めました。
そのうち、徐々に保冷剤の冷たさが強くなって伝わって来ました。
***
この保冷剤ベスト。肝(キモ)はこの保冷剤にあるようで、断熱材に包まれているため触ってもすぐには冷たく感じませんが、体に密着させていると徐々に冷たさが伝わってきます。通常の保冷剤は食品などの保冷用なので表面が冷たく、外に放置しているとすぐに温かくなってしまいますが、これは断熱材に包まれているため、徐々に熱を吸収し、長く冷感を保ってくれるようです。
これは効果的!
着て10分もすると、明瞭に冷たさを感じるようになりました。とはいえ、冷たすぎるような感じではありません。それでも確実に体温を下げてくれている実感があります。
おー、いいじゃん。これ。
特に効果的に感じるのが脇の保冷剤。最初は保冷剤がかさばるので、背中の1個だけでいいかな、とも思っていたのですが、脇には血管が集中しているらしく、ここを冷やすのは熱中症予防の観点からも非常に大事なんだそう。
実際にこの脇の保冷剤がとても効いている気がします。
ただ正直言って、この保冷剤があるだけでとても快適か?と聞かれると微妙。
結露こそしませんが、服の中にやはり湿気を多く感じます。信号待ちなどで止まると、冷たさは感じていてもジトっとした感じが拭えません。
でもしっかり体を冷やしてくれていることは感じます。この時、気温は37℃。もしこの保冷剤のベストがなかったら、倒れていてもおかしくない状況です。
そして、ひとたび走り出すと、メッシュジャケットの中に風が抜け、めちゃくちゃ快適!です。おそらく、信号のない高速道路なら、たとえ気温37℃の中でも相当快適に走れると思います。
猛暑の中、無事帰宅
猛暑の季節のツーリングは、たとえやや涼しい午前中に帰宅したとしても、やはり暑さで体力を奪われ、帰宅後もしばらく疲労感がとれなかったりします。
この保冷剤ベストは、その疲れを確実に低減してくれるアイテムだと思いました。(過信は禁物ですが。)
結局1.5時間ほど走り、11時半過ぎに無事帰宅。この時の気温は37.5℃。
いつもは帰宅後に車体を軽く拭き、ロックをセットし、カバーを掛けたりしていると、暑さで汗が噴き出してくるのですが、この日は保冷剤ベストのおかげで汗もかかず、片付け作業もスムーズに終えられました。
使い方は選ぶが効果は絶大
翌週もツーリングに出かけましたが、この日は曇り空でやや気温は低め。とはいえ帰宅時は34℃近くまで気温が上がっていました。
その時も保冷剤ベストを持参。帰路は1時間半ほどかけて帰ってきましたが、保冷剤ベストのおかげで帰宅後もぐったりすることなく、午後は無事家族サービスすることが出来ました。
この保冷剤の冷却効果がどのぐらいの時間持つかはまだわかりませんが、前回・今回の体験からすると、少なくとも2時間程度は効果が保たれるのではないかと思います。
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保冷剤ベスト。バイクでは使い方を選ぶものの、上手くハマれば非常に有力な猛暑対処のひとつになりそうです。
今後、僕の猛暑日のツーリングには不可欠なものになりそう。そう思いました。
猛暑でも乗り続けるイカれたライダーの皆さん(笑)。 是非一度購入を検討してみてはいかがでしょうか? 価格も安いですし。おすすめです。