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ブリスクプラグをハーレーに装着

NGKプラグに交換して1000km走りましたが・・・



1月にプラグ交換をしてから約3か月。およそ1000kmほど走りました。

もちろん全く問題なく走っているのですが、予定通り、プラグ交換することにしました。

以前から、高性能プラグとして評判の「BRISK (ブリスク) スパークプラグ」を一度試してみたかったからです。

ただ、20000kmも使ったノーマルプラグから交換して”良くなった!”と喜んでみてもある意味当然で、説得力がありません。

そこでまずは一般的なプラグ(NGK  DCPR7E)の新品に交換した後、ブリスクを試してみようと考えたのでした。

BRISKとはどんなスパークプラグなのか

「BRISK」はチェコの会社だそうで、フォルクスワーゲン、アウディ、ハスクバーナ、ランボルギーニ、ボルボ、GMなどにパーツを供給しています。

特にランボルギーニの12気筒エンジン用に「LGS」シリーズのスパークプラグを開発したことで有名になったそうです。(LGS=Lamborghini Style)

僕がブリスクプラグの存在を知ったのは2003年ごろの「Bikers Station」誌で。 吉村誠也さんの記事だったと思います。それから早17年。ようやく試してみる時が来ました。(笑)

ブリスクの特徴は、外側電極(接地電極)が一般的なフック形状ではなく、中心電極を囲むように広がる4つの花びらのような形をしていること。

中心電極から出る放電(スパーク)は360°どの方向にでも飛ぶようになっていて、しかもプラグギャップ(中心電極と接地電極との距離)がやたらと広くなっています(普通のプラグはせいぜい1mm前後ですが、このプラグは数ミリ以上ありそうです。)

BRISKプラグ

4つも接地電極があるので、寿命の点ではかなり有利(接地電極が減りにくい)。

また一番飛びやすい方向に火花が飛ぶ(燃焼室内の混合気は均一ではなく、火花の飛びやすいところと飛びにくいところがある)ので失火しづらいと思われます。

また、一般的なプラグのように接地電極が中心電極を覆っていないので、燃焼(火炎伝播)の妨げになることもありません。

さらに、プラグギャップが広い方が火炎(火種)が大きく形成されるので、燃焼速度も上がります。(ただし、ギャップが広いとその分火花が飛びにくいので、点火系が十分に強力でないと失火してしまうかもしれません。)

・・・などなどの特徴があります。

まあ、うたい文句はいろいろありますが、果たして実際の効果はどうか?果たして体感できるのか?

興味津々です。

通販でブリスククプラグを購入

このブリスクプラグ。バイク用品店などで売っているのを見たことがありません。

いつものAmzaonで買おうかと思いましたが、ここはブリスクについていろいろと情報発信をされている「ファクトリーまめしば」さんから購入することにしました。

ファクトリーまめしば:WEB SHOP

ブリスクプラグ

4本入りの箱で届いたので、一瞬「間違えて4本頼んじゃったのかな?」と思いましたが、中身は2本でした。

BRISKはチェコの会社だけれど、このパッケージにはMade in EUROPEAN UNION(EU)となっています(実際工場はEU各地にあるらしい。)。この禁止マークの絵はなんだろう?と思いましたが、よく見ると飛行機とモーターハングライダーには使えないということらしいです。下の箱の表は締め付けトルクだと思いますが、あんまり見たことのない単位みたいで、よくわかりません。(ホームページによると、BOR14LGSの締め付けトルクは15-20Nm。ただし無潤滑時だと思われます。)

購入したのは「BOR14LGS」という品番の商品です。

ブリスクプラグ

これがブリスクプラグ。碍子の部分にひだ(コルゲーション)がありません(ブリスクにはひだのあるものもあります。)。

ブリスクプラグ

特徴的な電極部分。四方に接地電極があり、通常のプラグではありえないくらいギャップが広いです。

ブリスクプラグ

通常のプラグと比べると、中心電極がより先端についています。その分、シリンダーヘッドの壁際ではなく、燃焼室の中心により近いところで火花が飛びます。結果、燃焼室内で素早く混合気を燃やすのに有利です。特にハーレーのような半円形の大きな燃焼室ではより優位に働くと思います。

早速取り付け・・・と思ったら問題が。

早速取り付け、、、と思ったのですが、ここで一つ問題が発生。

このブリスクプラグ。スポーツスターのノーマルプラグに比べ碍子の部分が長く、家にあったどのプラグソケットも使えませんでした。

ブリスクプラグ

デイトナのハーレー用工具セットに入っていたプラグソケット。ブリスクプラグは全長が長く、このプラグソケットでは回すことができません。

ブリスクプラグ

左がNGK DCPR7E。右がBRISKです。ブリスクのほうが全長が長いのがわかります。

プラグレンチ各種

家にあったプラグレンチ各種。残念ながらどれも合わず。

仕方がないのでこのプラグにあったプラグレンチを購入することに。

ネットで調べて買おうかと思いましたが、現物合わせで購入するのが一番確実。

という事でブリスクプラグを持って工具屋さんへ。

伺ったのは「WORLD IMPORT TOOLS」さん。しょっちゅう通る道沿いにある店なので、以前からあるのは知っていたものの、一度入ってみたいと思っていました。

今回初めて伺いましたが、店内に所狭しと並ぶ国内外の工具に、もうテンション上がりっぱなしです。

WORLD INPORT TOOLS

お店の方にブリスクプラグを見せ、どのプラグレンチがいいか伺ったところ、コーケンのプラグソケットを紹介してくれませした。

コーケン 3/8(9.5mm)SQ. スパークプラグソケット(クリップ付) 16mm 3300C-16

コーケン プラグソケット

二面幅16mmのコーケン製プラグソケット。

コーケン プラグソケット

左はデイトナのインチ工具セットに入っていたプラグソケット。細かな部分の仕上げの美しさが全然違います。

コーケン プラグソケット

おなじ16mmプラグ用ですが、太さが違うのがわかるでしょうか?ハーレーのようなプラグがむき出しのエンジンだとあまり関係ありませんが、水冷4気筒のように狭いプラグホールの奥にセットされているプラグを外すときなどは、この薄さが重要になります。

コーケン プラグソケット

プラグの碍子部分が触れる奥側は傷をつけづらい柔らかな真鍮製。六角ソケット部分に板バネが一対ついていて、差し込んだプラグが抜けて落ちないようになっています。

プラグソケットは中のプラグが抜けて落ちないような仕組みになっています。

よくあるのはゴム式マグネット式。ゴム式はドーナツ状のゴムがソケット内に入っていて、ターミナルや碍子の部分をごのゴムで押さえる方式。マグネット式は磁石でプラグをくっつける方式です。

ただし、ゴム式は走行後の熱いプラグを差し込むと、熱でゴムが徐々に痩せていってしまいます。また、マグネット式は鉄粉などを引き寄せやすく、差し込んだプラグに傷がつくことがあるそうです。(まあ、われわれサンデーメカニックが作業する頻度では問題ないと思いますが。)

このコーケンのプラグソケットは六角ソケットの部分に板バネが仕掛けられていて、そこでプラグを保持するようになっています。また、奥の碍子が当たる部分はやわらかい真ちゅう製なので、傷をつけにくいんだそうです。

サイズも非常に肉薄に作られていて、水冷エンジンのような狭いプラグホール内でも作業しやすくなっています。

まあ、正直なところ少々お高いですし、われらがハーレーはプラグがむき出しで、周りに邪魔するものもないので、サイズさえ合えばどんなプラグレンチでも問題ないのですが、やっぱりいい工具というのはかっこよく、持って眺めているだけでも満足感を与えてくれます。

ということで、勧められるままに購入いたしました。

プラグを差し込むと実にしっくり収まります。機能美あふれる道具は見ているだけでも楽しい! 大満足・・・なのですが、2-3万Kmは余裕でもつというブリスクプラグ。いったいこれからこのプラグソケットを使う機会が何回あるんでしょうか (笑)

ハーレー(スポーツスター)のノーマルプラグのサイズ(6角ネジ部分)は5/8インチ。一方、今回購入したブリスクのBOR14LGSは16mmとなっています。5/8インチ=15.875mm。そもそもスパークプラグはインチサイズなので、5/8インチ=16mmと考えていいと思うのですが、「ハーレーのノーマルプラグには5/8インチの、ブリスクのプラグには16mmのレンチを使え」と書いてあるサイトもあったので、一応ご参考まで。

早速取り付け

サイズの合ったプラグソケットさえ手に入れば、作業そのものは簡単です。

コーケン プラグソケット

プラグコードを抜いたら、必ずプラグの周りのゴミを飛ばし、それからプラグレンチでプラグを緩めます。まだ走行わずか1000kmのプラグはいとも簡単に緩められました。

ブリスクプラグ

スパークプラグのねじ部分にかじり防止のためアンチシーズを塗ります。ただしプラグにグリスを塗ると、オーバートルクで締め付け安くなり、最悪シリンダーヘッドを破損するので「グリス使用は禁止」としているプラグメーカーもあります。僕は必ず塗りますが、そこは自己責任でお願いします。

ブリスクプラグ

プラグを装着する際は、いきなりレンチでねじ込まず、まずは回せるところまで手で回すのがお約束。シリンダーヘッドは柔らかいアルミでできているので、斜めに挿入したりしてねじ穴を破損しないためです。

ブリスクプラグ

ネジ部分の座面までねじ込んだら、プラグレンチで締め付けます。締め付けトルクはグリスを塗らないときの値なので、ここは角度法で締めます。ブリスクプラグの指定は新品は1/2~2/3回転。再使用時は1/16回転です。

ブリスクプラグ

カチッという感触があるまでプラグコードを差し込みます。これで完成。わずか5分ほどの作業です。キーをオンにしてエンジンスタート。無事一発始動です。

XL1200CX

現時点での総走行距離は22,232km。あら、いつの間にかゾロ目を過ぎてました(涙)。前回のプラグ交換が21,111kmだったので、まだ交換後わずか1121kmしか走っていません。

ちょっとだけ試乗。するとビックリ!

作業が終わり、エンジンをスタート。無事一発で始動しました。

まずアイドリングの音が違います。元気良くなるのかと思いきや、いつもより静か。良いオイルを入れたときのようにメカノイズが少なくなった感じで、エンジン音が小さく、排気音は低くなったように感じます。

ヘルメットをかぶり、家の周りを15分ほど試乗。

あきらかに振動が減っていて、回転がするするっと上がる感じ。スムーズに回る分、なんだかトルク感をあまり感じません。う~ん、振動が減ったのはいいけれど。

信号が青になり加速します。そこでふとタコメーターをみてビックリ。

いつもの感覚で「2500rpmぐらいかな」と思った時には3000rpm、3000rpmだと思った時には既に4000rpmに達しています。回転計の針の動きが速い!もちろんそれに応じてスピードメーターの数字もあっという間に伸びます。

振動が減った分、トルクが出ていないような感じがしますが、明らかにスピードのノリが違います。

いままでプラグ効果だけでこれほどの違いが出たことはありませんでした。気のせいとかいうレベルではなく、明らかに違います。ビックリです。

早くツーリングに行きたいなあ~

気になった点がひとつ。アクセルをガバッと開けたときに、ついてこないことが2度ほどありました。

プラグギャップが広い分、低速でガバ開けすると失火しやすのかもしれません。

ただ、FP3のマップのせいなのか以前からそうした兆候はありましたし、乗ったのがわずかな時間だったので、まだ暖気が十分でなかった可能性もあります。(インジェクションなんでつい暖気のことを忘れそうになるのですが・・・)

まあもう少し走りこんでみないことにはわかりませんね。

これで早くツーリングに行きたいなあ~。

一日も早く、堂々とツーリングに行ける日が来ることを祈るばかりです。

ブリスクプラグの耐久性は??? ↓の記事もご覧ください。

ブリスクプラグをハーレーに装着・・・のその後

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コメント

  1. SHOW より:

    こんにちは。
    いつも楽しく拝見しています。
    私はアラ還の48乗りです。

    今までずっと国産車を乗り継いてきて、楽な乗車姿勢や足付き性の良さに惹かれてハーレーに乗り換えました。

    毎回参考になる記事ばかりです感心しきりです。バイクイジリがお好きなんだなぁ、と羨ましく思います。

    これからも更新を楽しみにしていますので、為になるお話をお聞かせ下さい。

    • kento-yoshida より:

      SHOWさん、はじめまして。ヨシダケントです。
      コメントありがとうございます。
      楽しんでいただけているようで何よりです。
      よくよく見れば、中学生の技術工作程度のことしかやってないのですが、ほぼ自分の体験記を書いているので、それなりに面白いと思っていただけるのかもしれませんね。
      48カッコイイですよね。足着きが良いのも羨ましいです。ただ、あの姿勢だと腰にきませんか?(笑)腰痛持ちの僕には乗れそうにありません。
      良かったらまた、覗きに来てください。よろしくお願いします。