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デジラチェを復活させようとしましたが・・・(ラチェットギアのメンテナンス編)

ワールドインポートツールズさんで相談

前回の続きです。

新品未使用であるものの、長年開封もせず放置しつづけていた僕の「デジラチェ」

いざ使おうとしたら加水分解でグリップが溶けてドロドロでした。

それは無事、消毒用アルコールできれいになったものの、ボタンを押しても電源が入らず(涙)。

そこで工具屋さんに持ち込んで修理してもらうことにしました。

訪れたのは「ワールドインポートツールズ」さん。

ここは以前、プラグレンチを購入したのですが、その際いろいろ商品説明をしてくれたのが好印象だったので、こちらのお店に持ち込むことにしました。

WORLD INPORT TOOLS

早速 店員さんに

「KTCのデジラチェの電源が入らないので修理をお願いしたいのですが」

と相談したところ、やはり

「電池がダメになっているだけじゃないかなあ」

と言われました。

店員さん曰く

・もちろん修理は出来るが結構高額。

・この「デジラチェ」は故障が少なく、めったに壊れない。

・精度も高く、そうそう狂わない。

・・・だそう。

「まずは電池を変えてみれば?それでだめなら修理できるし」

と言われました。

残念ながら電池は扱ってないそうなので、お礼を言って一旦引き上げることに。

「なにかあればいつでも来てください。」

そういって頂いた名刺を見ると店長さんでした。

こういうお店はまた来たくなりますね。

ワールドインポートツールズ 

電池を換えて無事復活!・・・だがしかし。

その足で家電量販店へ出向き、ボタン電池を購入。

早速交換してみると、無事電源が入りました!

これでようやく復活(未使用なので”復活”が正しいかどうかは別として。)・・・と思ったのですが、ちょっといじっていると新たな問題が。

あれ!? 切り替えレバーが動きません。

正逆の回転を切り替える樹脂製のレバーが動かず、逆回転させることが出来ません。

無理に切り替えようとするとポキっと折れてしまいそうです。(実際折っちゃった人のブログも見ました。なんでこんなところだけ樹脂製なんだろう。)

うーーーん。

幸いレバーは右回りで固定されています。つまりボルトを締める側です。トルクレンチなんですから、ボルトを締めることが出来れば別に支障はありません。

でも、せっかく 『左回り(緩める側)でも問題なく使える』 のがデジラチェのメリットのひとつなので、右回りしか使えないのはもったいないです。

普通のトルクレンチ(プリセット型)はボルトを締める方向専用で、緩める方向には使ってはいけません。使うと計測精度が大幅に狂う可能性があるからです。

おそらく内部のギアの動きが渋く、噛み込んだようになっているだけでしょう。

分解掃除してグリスアップすれば治るような気がします。

実際ラチェットハンドルというものは、時折分解掃除して使っていくもの・・・なのだそうです。(僕はやったことありませんけど。)

ただ、不器用な僕の事だから、またいじり壊すかも・・・。

さてどうしたものかと再びネットで情報を調べてみると、

  • そんなに難しい作業ではなさそう。
  • ラチェットヘッド部分だけの「リペアキット」が用意されているので壊してもなんとかなりそう。
  • ラチェットを分解清掃しても「校正の必要はない」らしい(計測精度に影響は無いということ。取扱説明書に明記されてます)。

ということがわかりました。

KTC ラチェットハンドルリペアキット

じゃあ、やってみるか、と早速分解に取り掛かりました。

ラチェットギアの分解掃除にトライ!

分解作業はKTCさんのホームページを参考に行いました。

https://ktc.jp/facebook/106962

まず、フタを止めている皿ネジを外すのですが、ここはネジロック材が使われているので、それを緩めるため温めます。(なんでわざわざこんなところにネジロック材なんて使うんだろう?という気もするんですが・・・)

KTCのホームページでは

『ヒートガン、なければヘアドライヤーで温める』

と指示されているのですが、別の方のホームページを見ると「はんだごてでネジを温める」という方法が紹介されていました。

なんとなくはんだごての方がピンポイントでネジを熱することが出来るので良さそうな気がします。

そこで、先日購入したコードレスはんだごてを使ってみました。(まあ、単に買ったばかりのはんだごてを使いたかっただけなのですが。)

#1のプラスドライバーと電池式はんだごて。左に見えるのはシリコングリスです。

先ずはんだごてで皿ネジを温めます。これでネジについているネジロック材を柔らかくします。

数分温めた後、そろそろいいかな?とドライバーで皿ネジを緩めます。

すると早速問題が発生。

皿ネジの溝とドライバーが、どうにも上手く噛み合いません。サイズは#1で合っていると思うのですが、、、。

そうこうしている間にネジの溝をすこしナメてしまいました。(ToT)

このまま強引に進めると二度と外せなくなりそうです。

僕の使っているドライバーはPB製のもので、大抵の場合「さすがPB!」と思うほどネジにピッタリとハマるのですが、今回はどうにも合わないのです。

いじり壊す前にやめよう、と思ったのですが、ダメもとで違うドライバーも試してみようと、家に合った安物のドライバーセット(よくホームセンターで1000円以下で売ってるアレ。)を持ってきて試してみました。

すると、こちらの方がネジの溝に食い込む手ごたえがあります。(なんでだろう?)

慎重に慎重に、しっかりドライバーを押し付けながら、少しづつ回していくと、なんとか皿ネジを外すことができました。

ホームセンターなどで売っている家庭用の安価なドライバーセットのプラスドライバーがなぜかぴったりでした。

しかし、なんでPBだとダメだったんだろう?

時々『日本のJISネジには、日本のドライバー以外は合わない』という話を聞いたりします。それは主に先端形状が国際規格(フィリップスネジ)とJIS規格とでは違うからです。

(フィリップス規格のプラスドライバーは先端が尖っているのに対し、JISのドライバーは先端が平らになっている)

↓このページの説明が分かりやすいです。

ご参考:工具専門店 ABITさんのHPより

https://www.abit-tools.com/blog/?p=11411

ただ、日本に入ってきているPBのドライバーはJIS規格にも合うような形状になっているハズなのですが・・・。

僕の持っているPBは並行輸入品だったりするのでしょうか???

左が僕の持っているPBのプラス。右はホームセンターで売っている安物セットのプラス。同じに見えるけれどなあ。わずかにPBの方がわずかにトンガリ気味か。

KTC(ケーテーシー) 9.5mm (3/8インチ) ラチェットヘッドリペアキット BR3EK

これがラチェットハンドルリペアキット。左からスチールボールとそれを押さえるスプリング。その右がクロウと呼ばれるパーツ。その右のL字型のパーツが切り替えレバー。その右がヘッドの蓋。その右がドライブギアです。

ラチェット部分のフタをとったところ。非常にシンプルな作りです。コウモリのような形をしているのが「クロウ」。このクロウのギザギザとドライブギアがかみ合って、ドライブギアが片方向にのみ回転するようになっています。クロウはコイルスプリングで押されたスチールボールによって固定されていますが、裏側のレバーを動かすとクロウが左右に回転してドライブギアの回転方向を切り替えます。

ドライブギアを外したところ。

レバーを動かすと、コウモリのような形をしたパーツ(クロウ)が左右に傾くのが分かります。

クロウの中心にあるプラスネジを外すと裏面にある切り替えレバーが外れます。

パーツがとれたらグリスアップします。

ですが ”グリスアップ” とはいうものの、粘度の高いグリスではなく、抵抗の少ない「作動油」やオイルなどをクロウの側面とドライブギアの歯車部分に塗るのがイイらしいです。

作動油なんかウチに無いよなあ~、と思ったのですが、” そうだ、エンジンオイルがある ” と思いつきました。

使ったオイルはWAKO’Sタフツーリング。自分でオイル交換した際の余りです。オイルなので粘度が高すぎず、ギアの抵抗になりづらいと思います。

筆でクロウの側面とドライブギアのギア部分にエンジンオイルを塗りました。

あとは元通り組み立てていきます。

仮組すると、まだ少々渋いものの、無事レバーで正逆切り替え出来るようになりました。

無事元通りになりました! ちょっと皿ネジの溝をなめてしまったので、いずれそこだけでも交換したいと思います。(皿ネジだけでも売っているらしいです。)

トルクレンチの使い方は難しい・・・

ということで、ようやくデジラチェを再生することが出来ました。

あとは正しい使い方を勉強し、デジラチェをより活躍させたいと思います。

でも、調べれば調べるほど、トルクレンチって使い方が難しいというか、経験の積み重ねが必要なようです。ちゃんと使わないと、かえって問題をおこしたりするみたいです。

その辺のこともいずれ書いてみたいと思います。

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